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売れない女優
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1:
夕夏
あたし、夕夏。
職業…女優。って言ってもちょい役でドラマに出たりする売れないってか売れてない女優。
そんなあたしの物語。2008-06-27 14:20:00 -
236:
夕夏
『お前変わって無いなぁ…』
『え?何が?』
『…嘘つく時に髪の毛触るくせ。』
ハッと、髪の毛を触っていた左手を見た。
『うっ…嘘ちゃうし!!あたしら別れたんやしもうそれでいいやん!!…あたしもう帰るわ。』2008-08-16 05:56:00 -
237:
夕夏
『待てや!!』
立とうとするあたしに、亀ちゃんが声をあらげた。あの、喧嘩しても決して感情的にならない亀ちゃんが…『お願いやから…嘘つかんといてや…』
あたしは…初めてみた。
…男の人の涙を。
恥ずかしいとか格好悪いなんて思わない。ただ純粋に、綺麗だと思った。2008-08-16 06:01:00 -
238:
夕夏
『あたしな…体売って仕事取ってんねん。』
ふいに、口から出た言葉に自分でもびっくりした。
そんな事言ったら亀ちゃんに幻滅されてしまうかもしれない。
…でももう…耐えれなかった。
『えっ…』2008-08-16 06:04:00 -
239:
夕夏
『プロデューサーとか、大物と寝てんねん。…幻滅したやろ?まぁそんな子いっぱいおるから大した仕事は貰われへんけど。』
『…別れよってゆったんはそれが理由なん?』
『…事務所にゆわれてん。もうわかったやろ。あたしみたいな汚い女に亀ちゃんは似合わん。』
亀ちゃんの左手にはめられた薄汚れた指輪を見ながら涙をこらえて淡々と話した。2008-08-16 06:10:00 -
240:
夕夏
…罵られるのが恐くて、臆病なあたしはその場から逃げ出した。
もうこれで、本当に終わりなんだ。
亀ちゃんも追いかけては来ず“それでもいい”なんてドラマチックな展開を少し期待していたあたしの気持ちは無残にも切り裂かれた。
…それだけの事をしたあたしへの、当然の罰だ。2008-08-16 06:17:00 -
241:
夕夏
嘘や偽りだらけの欲にまみれた世界で、亀ちゃんだけがあたしの心の支えやった。
幸せやった日々を思い出す少しの時間だけが、あたしの唯一の安らぎやった。
…亀ちゃんだけが、希望やった。
両手にいっぱいの欲望を抱えて…押し出され、転がり落ちた物は…
二度と手には入らんねんな。2008-08-16 06:21:00 -
242:
夕夏
なぁ亀ちゃん
色褪せへん物って、何やと思う?
あたしは…思い出やと思うねん
時間が経てば経つ程、それが手に入らない物程、輝きを増していくから。
あたしは亀ちゃんとの思い出だけで、これからを生き抜いてみせる。2008-08-16 06:25:00 -
243:
夕夏
あたしはただ、幸せになりたかった。
でも、何かを手に入れる為には大事な何かを捨てなあかんくて
がむしゃらになって手に入れた時に周りを見たら
一体何が残ってるんやろな?2008-08-16 11:48:00 -
244:
夕夏
家に着いたあたしは、両親に気づかれない様に部屋のドアを閉め、声を押し殺して泣いた。
次の日、ドコモショップに行って新しい携帯を買って、番号もアドレスも変え、みんなに誰にも番号を教えないでと念を押し亀ちゃんから逃げた。
いつまで経っても変わらない臆病なあたし。
でも、もう亀ちゃんの事はきっぱり諦めよう。そう決心した。2008-08-16 11:54:00 -
245:
夕夏
…東京に戻ったあたしは、楽屋にいた。
他の女優さんと同じ楽屋に押し込められるようなちょい役のドラマの撮影の為に。今日は二十歳の誕生日。
一年前の誕生日は、亀ちゃんに別れを告げ、気持ち悪い親父に抱かれ…
…っといけない。
もう忘れるって決めたんだ。2008-08-16 11:58:00