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売れない女優
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1:
夕夏
あたし、夕夏。
職業…女優。って言ってもちょい役でドラマに出たりする売れないってか売れてない女優。
そんなあたしの物語。2008-06-27 14:20:00 -
626:
夕夏
…母はとても喪主をつとめれそうになかったので、あたしが喪主をする事になった。
棺の中の父は包帯に巻かれ生前とは比べ物にならない程に顔は変形していた。
…信也も葬儀に参列すると言ってくれたけど、こんな小さい街に信也が来ているなんて知れたら大騒ぎになる。
だから家で待っていて、火葬場にだけ来てくれる事になった。2008-09-14 03:37:00 -
627:
夕夏
お父さん
痛かったよな?苦しかったよな?
親不孝な娘でごめん
側に居てあげれんくてごめんなさい…2008-09-14 03:39:00 -
628:
夕夏
…葬儀の間も、火葬されている間も、あたしは泣けなかった。
泣き崩れる母をなだめるので精一杯だったから。
…そして灰になってしまった父を骨壺に入れ、大事に抱えながら家に帰った。2008-09-14 04:03:00 -
629:
夕夏
『夕夏…俺もう帰らなあかんわ…ごめんな、ずっとおってやれんで…』
『ううん、ありがとう。あたしもうしばらくこっちにおるわ。』
…信也を見送り、一人ぼぉっとしている母に話かける『お母さん…何か食べや…』
母は、父が亡くなってから何も口にしていない。2008-09-14 04:08:00 -
630:
夕夏
『夕夏…あんたは…死なんといてよ…?』
『…死なんよ。何弱気になってんの?お父さんの分まで頑張らなあかんやん!』…母は、父が大好きだった。休みの日はいつも一緒に映画を観たり買い物に行ったり…
そんな父が居なくなったんだからこうなるのも無理がない。2008-09-14 04:13:00 -
631:
夕夏
ピンポーン…
チャイムが鳴り、玄関を開けると…亀ちゃんの姿。
『夕夏…俺研修で東京行ってて…今親父さんの事聞いた…。線香あげさせてもらっていい?』
『うん…どうぞ…』
久しぶりに見る亀ちゃんは前より少し大人びたように思う。2008-09-14 04:18:00 -
632:
夕夏
『…何てゆったらいいかわからんけど…おばちゃんの事支えたりな。』
リビングでお茶を飲みながら話す亀ちゃん。
なんだか付き合っていた頃を思い出す。
『じゃあ俺そろそろ帰るわ…』
『うん…』2008-09-14 04:27:00 -
633:
夕夏
玄関で、亀ちゃんが立ち止まった。
『…どしたん?』
『夕夏…あの時はごめん。俺ずっと気になっててん…受け止めてあげれんかった事…』
まだ…気にかけてくれていたんだ。2008-09-14 04:29:00 -
634:
夕夏
『ううん…あたしこそごめん。』
『…俺は…昔と変わらずお前が出てるテレビも雑誌も観てるから。…一ファンとして…応援してるからな。』
…ありがとう、亀ちゃん。そんな亀ちゃんが可愛らしい女の子と結婚するのは、もう少し先の話。2008-09-14 04:33:00 -
635:
夕夏
『亀ちゃん、こんな時にあれやけど…あたし今幸せやで。やから亀ちゃんも幸せになってな?』
『おう。ありがとう。』
…こうして、あたしと亀ちゃんは再び“友達”に戻った。
どんなにどん底に落ちたって、いつか歯車はまた動き出すんだ。2008-09-14 04:35:00