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゚☆―心の色―☆。
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1:
主
☆見果てぬ夢を―― もう一度――☆
2008-07-01 19:58:00 -
2:
彩美
その夜は――底冷えのする寒い冷たい夜になった―― 私はコートの襟元を合わせ少しだけ足早に道を急いだ……と、言っても 特に約束の時間を決めてるワケでは無いのだけれど。 『…あっ!あのちょっと』 誰かが声を掛けているのは分かったけど多分ホストのキャッチだろうと…声には振り向かず足を速めた時―
2008-07-01 21:10:00 -
3:
彩美
『間違ってたら…ゴメン。もしかして――彩美!?』 私は、驚いて振り返った。 『彩美!』「徹?」 殆ど、同時に声が出た―。 『やっぱり〜サミやん!』 徹は…そう言って懐かしい笑顔を見せた。 彩美の彩――色彩のサイと彩美のミを取って〔サミ〕ずっと、そう呼ばれてた。
2008-07-01 21:38:00 -
4:
彩美
「…元気にしてた?」 『うん。まぁ〜何とかな』 低い声は変わって無かったあの頃より、 少しガッチリしたのかな。大人の男性になったよね― 当たり前――もう随分と、昔の様な気がするし確かに何年も前の事だもんね‥。 -貴方は私を助けてくれた-あの時… 徹が居なかったら―――?私はね、ずっとそう思っているんだよ。 他の人がどう思っても‥。
2008-07-01 22:18:00 -
5:
彩美
少しの沈黙の後――。 「…結婚は?」 『サミ…結婚したん!?』 またしても声が重なった― 『一年ちょっと前かな…』徹は照れた様に、呟いた。 「とうとう、年貢納めたんやね〜でも粘ったね(笑)」それは‥私の本心だった― 『…で、サミは?』 ユックリと私に尋ねた‥。昔と同じ懐かしい口調で―
2008-07-03 19:16:00 -
6:
彩美
「三年になるかな〜」 私は、うつ向き加減で徹にそう言った。 『……三年!?』 徹は何か言いかけたけど‥それには触れず―― 『……子供は?居るん?』そう聞いて、うつ向いた。 「――居ないよ。」 私は、さりげなく言った。 別れてから一度も会った事も無いのに…こんな繁華街の、まして深夜に再会するなんて―――。 その時‥私の携帯が鳴った
2008-07-03 19:45:00 -
7:
彩美
着信の相手は分かっていた私は携帯を開けなかった。少しして…着信音が止んだ 『…電話いぃん?』 私は、少し笑顔で頷いた。 「今夜は…どうしたん??呑みに来たん?あっ、私も人の事言われへんけど‥」 『職場の一足早い忘年会の二次会の帰り。』 「仕事は同じでしょ…?」『うん。場所は二回変わったけどな―』 徹はレントゲン技師だった 『サミは?』 「…私も同じ様なモノ」 私は、そう言って笑った。 ♪〜♪〜♪ 今度は徹の携帯が鳴った―どうやらメールらしかった『ちょっと…ゴメン』 そう言って、メールに目を通した。‥相手はたぶん‥ 気付かれぬ様に、 私はそっと徹を見つめた。
2008-07-03 21:12:00 -
8:
彩美
徹との出会いは―― ありふれたナンパだった― 土曜日の夜、タクシーが つかまらずに歩いていると何台かの車が停まりナンパして来た。私は、無視してバス停の前で空車タクシーが通るのを待っていた‥。その時―― 一台の車が停まった――。 『もう、バス無いよ。』 それが徹との出会いだった
2008-07-03 22:35:00