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〜INORI〜

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  • 1:

    叶子

    なぁ祈…
    あんたに出会えてほんまによかったよ。口は悪いし性格も変わりもんやし女ったらしやし…
    いいとこなんて絶対ないって思ってた。

    でもあんたに教えられた。本気で人を好きになった時、人は変わるんやってこと。祈…?私は世界で一番幸せな女になる。あんたに幸せにしてもらうから…

    2006-04-12 03:16:00
  • 100:

    叶子

    おそるべし予想的中…結局夜8時までお客さんはたえなかった。

    「よっしゃそろそろ閉めよか。看板と照明消してきて。飯行くぞ」

    「分かりましたぁ」

    2006-04-14 02:55:00
  • 101:

    叶子

    片付けも終わりお店のセキュリティボタンを最後に押して鍵をかけた。

    「売り上げの計算とかしなくていいんですか?」
    「あぁ。家帰ってからやるからいいねん」
    「ですよねー」

    2006-04-14 02:57:00
  • 102:

    叶子

    「ほんなら行こかー」

    涼さんはそう言って私の少し前を歩いていた。歩くのが早いせいか時々立ち止まって振り返りながら何度か待ってくれていた。
    大人やなぁ…やっぱり。涼さんは優しいし面白いし男らしかった。

    2006-04-14 03:00:00
  • 103:

    叶子

    それから涼さんと私は真っ白な外壁の綺麗なお店に入ると、中はおしゃれなダイニングバーだった。

    「楢崎オーナー、VIPでよろしいでしょうか?」
    「おぉ」
    涼さんは慣れた感じで返事をして私を奥へとエスコートしてくれた。

    2006-04-14 03:18:00
  • 104:

    叶子

    席に座ると私はおかしくて笑ってしまってた。

    「何笑ってんの?」

    「だって…雑貨屋のオーナーさんに楢崎オーナーって…(笑)なんかかしこまりすぎな気がして」

    2006-04-14 03:21:00
  • 105:

    叶子

    「まぁなぁ…(笑)」

    涼さんはこの時笑っていて私に何も言わなかった。そしてお店の人にお任せで料理を頼むと、お酒を飲み始めた。

    私には20歳になっていないからと言われ、お酒じゃなくノンアルコールのカクテルを頼んでくれた。

    2006-04-14 03:25:00
  • 106:

    叶子

    目の前にいる涼さんが私の目にはすごくかっよく見えた。
    涼さんは自由な鳥みたい…。大きく羽ばたいてるみたいだな…。

    「叶子!?」

    2006-04-14 03:27:00
  • 107:

    叶子

    えっ…聞き覚えのある声に、私は一瞬で夢から覚めた気がした。

    「何してんのー」

    振り返るとそこには愛子ねぇがいた。一緒にいたのは愛子ねぇと一年後輩の女子アナだった。

    2006-04-14 03:30:00
  • 108:

    叶子

    「お姉ちゃん…私今ちょっと食事中やから。後でまた連絡するわ」

    私がそう言ったのにもかかわらず、愛子ねぇはテーブルまで来た。お店の中は照明が少し暗かったからだ。男の顔が見たいんだろうなぁと思った。

    2006-04-14 03:32:00
  • 109:

    叶子

    「すいませんお食事中にぃ。姉の永井愛子ですぅ」

    「あれ?永井愛子って…○○テレビの永井アナですか?マジかよ永井ちゃん」

    すごい嫌な気分だった。涼さんに私が愛子ねぇの妹だってことを知られたくなかった。

    2006-04-14 03:35:00
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