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命にかえて…
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1:
さおり
ドラマのような話しですが、私の一番尊敬する親友の本当にあった話しです。
2008-07-11 08:32:00 -
2:
さおり
りな…
あんたはあたしに沢山のことを教えてくれた。
人はあんたを間違ってるって言うかもしれないけど、りなはこの世で一番かっこいい女だと
あたしは思うよ…2008-07-11 08:34:00 -
3:
さおり
1.出会い━━━
あたしの家は、フツーの家庭だった。酷くお金がないわけでもなく、だけど贅沢はできない。ごくフツーの家庭で育った18歳。親の援助は1円もなかったけど、夢を追って大阪にでてきた2008-07-11 08:39:00 -
4:
さおり
専門学校の学費、家賃、生活費…学校に通いながらまかなうにはとうてい、追いつかなかったが、800円の時給で毎日働いて、10万ちょっとの給料を、なんとかやりくりして生活していた。
2008-07-11 08:43:00 -
5:
さおり
体はつらかったけど毎日が楽しかった。
夢があって働ける場所があってあたしは幸せだ。そう前向きにやっていた。
だけど…
体は正直だった。あたしは体を壊し、なかなか思うように働けない体になっていた2008-07-11 08:46:00 -
6:
さおり
そんなとき思い出したのがバイトの先輩の言葉。
「あたし美容室で働いてたとき、マネキン買うためにキャバクラではたらいてたねん☆」
ふと思い出したそのコトバ。あたしは求人雑誌を手にとり、電話をかけた。
「―…では明日の7時に面接にきてください。体験入店はされていきますか?」
2008-07-11 08:52:00 -
7:
さおり
夜の世界に縁のなかったあたしは言われるがまま、体験入店とやらをすることになった。
いつもより念入りに化粧をして、なれない手つきで髪を巻き、ドキドキしながら面接にいった。
お店は、スーツの男の人が数人いて、角の席に案内された。2008-07-11 08:57:00 -
8:
名無しさん
楽しみにしてます(≧д≦)
2008-07-11 13:52:00 -
9:
さおり
10さんありがとう??
更新遅いけど頑張ります?2008-07-12 05:12:00 -
10:
さおり
「2人とも、名前どうする?」更衣室からでてきたあたしたちに、店長は言った。オープンまでまだ時間あるから、「2人で考えといてよ」
夜の仕事がはじめてだったあたしたちは、ちがう名前で呼ばれるなんてかっこいい!と、2人で名前を考えることにした。2008-07-12 05:16:00 -
11:
さおり
本名は何て言うの?と、あたしが聞くと、ニコッと笑って「なおこ!!あなたは?」…西洋まじりのような顔をして、なんとも古風な名前だなって思いながら、あたしは、「あかねやで」とこたえた。 あとから聞いたはなしだけど、彼女も似つかわしくない名前だと思っていたらしい。笑
2008-07-12 05:21:00 -
12:
さおり
「なおこちゃんはかわいらしいし、天然ぽいからりなとかは?小悪魔っぽいやん」
「りなかぁ…いいかもっよろしくなさおりちゃん☆」
…あ、あたしはさおりにもぅ決まってるのね?
2008-07-12 05:29:00 -
13:
さおり
初出勤は、ぎこちないながらにも二組のお客さんから指名してもらって、あっとゆうまに営業時間はおわった。
「さおりちゃんあたしめちゃ緊張したわぁーお疲れさまぁ」りなはやっぱりひとなつっこく話しかけてきた。「あたしもやわぁっお酒飲んでも味わわれへんかった!」
ふたりとも、入店することになりふたりともが、レギュラー出勤することになった。2008-07-12 05:44:00 -
14:
さおり
2.ライバル━━━
2008-07-13 09:28:00 -
15:
さおり
お店に入店して、3ヶ月がたった頃。あたしは同期のりなとダントツに仲がよかった。仕事にも慣れてお客さんも増え、その月の更衣室のナンバーの発表ではじめて自分たちの名前をみた。
1.かおり
2.りな
3.さおり
2008-07-13 09:33:00 -
16:
さおり
「やったねぇさおり!あたしたちの名前はいってるで!!」りなはそぅ言ってよろこんだし、店長も「経験もないのに3ヶ月ですごいよ」と、ほめてくれた。
…あたしは、うれしくなかった。一番仲のいい、一番のライバルが、あたしより上に名前があったから…
2008-07-13 09:37:00 -
17:
さおり
昔から、負けず嫌いなあたしははじめてりなに嫉妬した。あたしとりなはほんとに正反対で、あたしはしっかりものの姐御はだタイプで、りなは守ってあげたいかわいいタイプ。お客さんのタイプもまったく違っていた。
2008-07-13 09:40:00 -
18:
さおり
くやしくてくやしくてくやしくて。あたしは出来る限りの努力をした。どんどん仕事に夢中になっていった。そして2ヶ月後、あたしははじめてナンバー1になった。大きな店ではなかったけど、それでもあたしはうれしくて仕方がなかった。
2008-07-13 09:44:00 -
19:
さおり
それから何日後かに、りなから仕事のあとに飲みにいこう、と、誘われた。
あたしとりなは毎日のように顔を合わせていたぶん、あまり外で遊んだことはなくて、2人っきりで飲むなんてはじめてだった。2008-07-13 09:46:00 -
20:
さおり
バーに入って、しばらく他愛もない話しをしてたんだけど、いい感じにお酒がまわってきてたりなが、机に伏せながら話しはじめた。
「あたし、さおりちゃんがうらやましい。自然体でお客さんが間違ってたら怒ったり、いやらしいお客さんが少ない…それってさおりちゃんのキャラがそぅさせてんねやろなって。りなからみたら、さおりちゃんは愚痴も言わないし、かっこいい。毎日学校もあるのに朝まではたらいて、やることやってるなって…さおりちゃん見てると、あたしこんなんでいいのかなって…さおりちゃん、尊敬する。」2008-07-13 09:53:00 -
21:
さおり
あたしは驚いた。だってあたしも、りなをうらやましいって思ってたから。りなのお客さんには週に何度も足を運ぶお客さんが何人もいた。りなにどっぷりはまってしまっているお客さん。
あたしにはそんなお客さんがいなかった。「お前おもろいなぁ!指名したるわ!」そんなお客さんがあたしには多かった。
どっちが正しい、なんてことはないんだけど、やっぱり無いものはほしくなるものだった。2008-07-13 09:57:00 -
22:
さおり
あたしはナンバー1を守り続けた。りなには、負けたくなかったんだ。負けず嫌いなのもあったけど、飲みに行って酔うとりなは必ず「さおりちゃんはあたしの憧れや」ともらしていた。
誰かから、こんなに尊敬されることなんてはじめてだったから、そんなりなに答え続けたかったんだ。2008-07-13 10:02:00 -
23:
さおり
冬になり、クリスマスイベントも無事おわって今年最後の仕事のあと、お店のみんなで忘年会をした。そこでべろべろになったりな。あたしは仕方なく、自分の家につれてかえることにした。2008-07-13 10:09:00 -
24:
さおり
「ん〜…ふぁ…あれ?ここ…」「あたしんち!」
酔っぱらいが起きた。「さおりちゃんー頭割れるー」「割れるもんなら割ってみいゃ」ご飯を作ってたら酔っぱらいが起きて、そんな会話をしてた。
「今年もあとちょっとやなぁ…さおりちゃん年越しどーするの?」「あたし年明けにかえるから何もせんと家おんで」
「やったら一緒に年越ししよや!!」2008-07-15 04:39:00 -
25:
さおり
一緒に年越しすることになったあたしたちは、飲み納めしよう!と、近所の公園で缶ビールを飲んでいた。お客さんの話しや、お店のこの話し、恋愛の話し、そんなことを話しながら2人とも今年の思い出をはなしていた。
2008-07-15 04:49:00 -
26:
さおり
「りな何でキャバしようと思ったん?」あたしはふと思って聞いてみた。
りなは黙り、遠くの一点をみつめ、口をひらいた。
「…ホストにはまってもーてん」2008-07-15 04:58:00 -
27:
名無しさん
頑張って(*'ー'*)ノ
2008-07-15 11:37:00 -
28:
さおり
「え!?りなが!?」あたしは驚いた。仕事柄、ホストの友達だっていたし、ホストにはまって傷ついたり、風俗やソープにいく子だって何人も見てきた。だけどりなはホストの甘い嘘に惑わされたり、1人の男のためにお金をささげたりするタイプではないと思ってたから。
「…なーんてね☆みなみじゃないねんから!」
みなみとはあたしたちよりあとに入店してきた子で、一時は抜かされるんじゃないか、と焦ったくらい人気がでてきた矢先に辞めてしまった子だ。2008-07-15 13:24:00 -
29:
さおり
30さんありがとう?見てくれてうれしいです?
2008-07-15 13:26:00 -
30:
さおり
あたしにはホストのお客さんも数人いて、その中のひとり『ルイ』は、月に1度遊びにきてくれていた。
前にお店の従業員をつれて飲みにきてくれたとき一緒にいた『りょう』についたのが、みなみだった。
ルイたちが帰ったあと、みなみが「りょうくんめちゃかっこよかったぁ!1度遊びにおいでって言ってたんでさおりさんも一緒に行きましょうよー!」
まぁいつもルイくんには来てもらってるし、初回のお礼くらいいっか…そぅおもってルイに『今日はありがとう☆いつも来てくれてるから、今日はさおりも仕事のあとに飲みにいくね』とメールを入れて、他の指名席をまわった。2008-07-15 13:39:00 -
31:
さおり
ルイはあたしを。もぅ1人、よくきてくれるたくまはりな指名だったので、あたしはりなを誘い、みなみと3人で店へむかった。
店にはいるとパネルがならんでいた。へぇ…ルイってナンバー2なんや。しばらくしてルイがきた。
「さおりん!ホスト行ったことないゆうてたのにいきなりどしたん?」「いつも来てくれてるお礼やで☆」「今日はおごるし楽しんでってや☆」「お礼の意味ないやん(笑)さすがナンバー2やなぁ」「いやーナンバー1との差は果てしないけどな!なぁたくま。」2008-07-15 13:51:00 -
32:
さおり
横をみると、りなのとなりにはたくまが座っていて、苦笑いしながら「うちのナンバー1は不動やからな」。「さおりチャンと一緒やな☆ほなそのナンバー1て誰なん?」りなが言ったと同時に、「俺だったりしてー」
2008-07-15 13:55:00 -
33:
名無しさん
りょうが現れた。みなみは目をハートにして、楽しんでた。その日は結局、おしきられてルイにおごってもらった。
それから1週間後だったかな…ルイがまたお店にやってきた。
「どぉしたん?2週間とかでくるの初めてやしびっくりしたぁ!」「さおりん、あんなぁ、みなみちゃんおるやん…」「みなみやったらここ1週間無断欠勤やねん〜今日はおらんよ?」「うん、知ってる。多分とんだよ」「何でルイくんがそんなん知ってるん!?」「…」2008-08-01 01:19:00 -
34:
さおり
ルイの話しだと、みなみは次の日も店にきたらしい。次の日も、その次の日も、この2週間、ほぼ毎日欠かさず。いつもキャバの仕事がおわる4時くらいにきていたのに、2週間目からは、オープン時間に来るようになったらしい。
毎日オープンの時間にくるみなみ。仕事は?とか、さおりん元気?とか尋ねると、みなみは話をそらそうとするので不思議に思っていたらしい。2008-08-01 01:28:00 -
35:
さおり
みなみが初めてシャンパンをおろした日の営業後。「みなみちゃんはまっちゃってんすか?」「あいつは来週から風俗や。」
それだけ言ったらしい。
あたしは、ちょっと感心さえしてしまった。たった1週間で、風俗に行く決心をさせるなんて。すげえな!そんなことを考えてると、ふとあることに気がついた。「ルイくん、そんなことさおりにゅぅてしまってぃぃの?てかそれ言いにきてくれたん??」「みなみちゃんはさおりんがつれてきてくれたお店の後輩やんか、なんか、りょうさん連れてきたんまずかったかなって。」「そぅゅぅ仕事やねんし、ルイくんわるないよ…わざわざありがとうね」「俺、さおりん好きやし、そりゃホストやけど、なんてゆーか、黙っててあとで知ったとかいややしなぁ…」2008-08-01 11:02:00 -
36:
名無しさん
書いてや
2008-08-04 22:21:00 -
37:
さおり
遅くなりました?今から書きますね?
2008-08-06 07:49:00 -
38:
さおり
なんだか告白でもされそうな空気をさえぎって、
「ルイくんが悪いわけでもないし、みなみが自分で決めて風俗にいったんやろ?だったらしかたないやろっ」そぅ笑いかけると
「ありがとう」と言って、ルイくんは2時間目のセットが始まって15分くらいたったばかりだと言うのにチェックしていった。2008-08-06 07:56:00 -
39:
さおり
それから2ヶ月後。「さおりさん!」仕事がおわって歩いているとあたしの名前が大きな声で呼ばれた。「みなみ!」そぅ、みなみに再会したのだ。
そのままファーストフード店にはいると、みなみはお店を辞めてからのことを話しだした。2008-08-06 08:09:00 -
40:
さおり
風俗で働きだしたこと。
りょうと付き合っていること。同棲をはじめたけど週に1度しか帰ってこないこと。風俗でナンバー1になったこと。毎晩、お店にいって、月に100万近く使っていること。
それを話すみなみの姿は、決して幸せそうには見えなかった…2008-08-06 08:14:00 -
41:
さおり
噂では、今も風俗で働き、お店に通っていると言う。そんなみなみの話しを、りなと話し、懐かしんでいた。
「もぅ1年以上たつんやなぁ…一緒に働いて」
「はやいなぁ…」
2008-08-06 08:30:00 -
42:
さおり
3.忘れられないバースデー━━━
2008-08-06 08:31:00 -
43:
さおり
あたしは2月うまれ。はじめてのバースデーイベントを控えていた。先輩たちやりなのイベントは見てきたけど、いざ自分となると、何をどぅ準備したらいいかわからなかった。
ただ不思議だったのが、あたしより気合いの入ったりなだった。2008-08-06 08:38:00