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朝も夜も
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1:
名無しさん
−好きな人なんていない。友達もいない。
そんな空っぽなあたしを満たしてくれるものなんてこの世にあるのかな−2008-07-31 04:41:00 -
2:
名無しさん
ヂリリリリ−朝の光が窓から差し込んでくる。
「もう朝かあ」
あたしは目を擦りながら目覚ましを止めて、ベッドから出た。2008-07-31 04:43:00 -
3:
名無しさん
とりあえず洗面所に行って、歯を磨いて顔を洗う。鏡に映ったあたしは眠そう。
「あんまり眠れなかったな」
目の下にはクマが出来てる。最近あんまり眠れない。
情緒不安定なのかな・・・。そんなことを考えながら、トースターにパンを入れて、ケータイを開いた。2008-07-31 04:47:00 -
4:
名無しさん
−着信 2件 メール1件
「はー」
深くため息をついて相手先の名前を見る。
画面に表示されたのは美央と澪の名前だった。
「まあ後でいっか。」
テレビを付けて、ジャムを付けたパンを食べながら、明日のことを考えてた。2008-07-31 04:54:00 -
5:
名無しさん
美央と澪−あたしの友達。
と言っても同じキャバで働いてて、その中でよく話す子達ってだけなんだけど。
「もしもし、おはよう。電話くれた?」
あたしはまずは美央に電話を掛けた。
「あー、おはよう華!ゴメンねー、朝早くに!!寝てた?」2008-07-31 04:59:00 -
6:
名無しさん
メールの内容は、明日もお店に来てくれるみたいだったので、楽しみに待ってますと返事を送っておいた。
ケータイを閉じて眠剤を飲む。なるべく薬には頼りたくないけど、どうしても睡眠時間が少ないときは、たまに眠剤を飲んでいた。
「・・・あたしももうひと眠りしよっ」
そしてゆっくり目を閉じた。2008-07-31 05:17:00 -
7:
名無しさん
「・・・っ」
目の端から涙が少し流れてた。
ちょっと切なかったけど、2人の夢が見れて嬉しかった。
−あたしは両親を中学を卒業する前日に亡くした。トラックとこちらの車の衝突事故だった。原因は相手の運転手の不注意。
お父さんとお母さんの遺品の中には花束と白のワンピースがあった。2008-07-31 05:29:00 -
8:
名無しさん
すぐ分かった。
あたしの卒業祝いの為に買ってくれたんだ・・・。
あたしがずっと前から欲しがってたワンピース。無理を言って買って欲しがったけど、まだ早い!とか言って買ってくれなかったよね・・・。
花束も・・・。前日に買ったら萎れちゃうじゃん・・・。ところどころ汚れて、少し破れているけど、今でも箪笥の中に置いてあるよ。2008-07-31 05:33:00 -
9:
名無しさん
−初めて入った夜の世界−
そんな派手な友達もいなかったあたしには、本当にびっくりすることばかりだった。
なかなか慣れなかったし辛いこともあったけど、今では何とかあたしを指名して来てくれるお客さんも増え、あれから5年が経とうとしていた。
−華 19歳。2008-07-31 05:41:00 -
10:
名無しさん
時計を見るとお昼を回って午後1時になっていた。あたしは化粧を済ませ、服を着替えて出掛ける準備を済ませておいた。
その時ちょうど電話がなった。澪からだった。
「もしもしー。ゴメンね朝の電話取れなくて」
「華おはよう。ううん、こっちこそ。あのね、今日会えない?ちょっと相談があるんだー。」
夕方から美央と会うしなあ・・・。
「んーじゃあ今から夕方までならなら大丈夫だよ。」「分かった、じゃあ駅で待ち合わせでいい?」
駅で落ち会うことにした。2008-07-31 05:46:00 -
11:
名無しさん
駅に着くと、うすい生地の緑色のかわいいワンピを着た澪がいた。
「あーっ!華ーっ!」
恥ずかしいくらい大声で呼んでくるので周りの人が皆見て来た。
「ちょっ、そんな大声出さなくても分かったから笑」そう言って、2人で近くの喫茶店に行くことにした。2008-07-31 05:51:00