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小さな羽根
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1:
ちゃこ
アスファルトが焼けた匂い。
真夏の陽炎。
それを見るといつも思い出す。
あなたの事。2008-09-20 07:20:00 -
2:
ちゃこ
幼かった私たちは、ずっとこのままでいられると信じてた。
もうあの場所には誰もいない。
それぞれの道に未来を見つめて歩き出した・・。2008-09-20 07:24:00 -
4:
ちゃこ
陽菜『もしもーし?今日かなり暑いなぁ―…。ねぇ?』
俊介『やばいなぁ。てか暇?今から会う?』
時間はPM10時。
初めて誘われた二人きりのドライブデート。2008-09-20 07:36:00 -
5:
ちゃこ
助手席に座る事に緊張した。
俊介の横顔にドキッとした。
しばしの沈黙―…。
夜はまだ始まったばかり。2008-09-20 07:38:00 -
6:
ちゃこ
俊介『なんか飲み物買ってくるわ!』
車で待つ私。
コンビニへ向かうあなた。
私の携帯がメールの受信を告げる。2008-09-20 07:41:00 -
7:
ちゃこ
メール受信―
FROM絵里
―俊君連絡取れる?あたし嫌われてるんかな?ずっと連絡取れへん。2008-09-20 07:44:00 -
8:
ちゃこ
返事は送らず、静かに携帯を閉じた。
陽菜『ばーか。』
私は一人呟き、そして笑った。2008-09-21 06:42:00 -
9:
ちゃこ
―1999.11.30―
絵里『ちょっと、陽菜〜?分かってるやんな?絵里が仲良くなってんからぁ、でしゃばらんといてなぁ!』
陽菜『はいはい。大人しくしとくって。』2008-09-21 07:05:00 -
10:
ちゃこ
―アホちゃう?なんであんたの言う通りにしなあかんの?ウザ。
2008-09-21 07:07:00 -
11:
ちゃこ
この日は雪が降ってて、あたしと絵里は白い息を吐きながらある場所に向かっていた。
―ピーンポーン♪
『開いてるからどーぞー!!』
絵里『お邪魔しま〜す♪』2008-09-21 07:11:00 -
12:
ちゃこ
絵里の後について、私も玄関で靴を揃えて中に入る。
ヒーターのおかげで温かい部屋には、とても整って綺麗な顔のあなたが座っていた。
無表情で決して私達に愛想を振り撒く訳でもなく、少し鋭い感じのあなたと目が合う。
俊介と初めて会った日だった。2008-09-21 07:18:00 -
13:
ちゃこ
葛西さん『お〜座れ座れ。外寒かったやろ??なんかあったかいもん持ってくるわ!』
そう言うと、この部屋の主はキッチンへ行く為部屋を出て行った。
絵里『ありがとうございますぅ♪陽菜座っとこ♪』
猫撫で声の絵里に少しイラッとしながら、この場所に居るのが不快に感じた。2008-09-21 07:25:00 -
14:
ちゃこ
相変わらず目の前に座ってる男は無愛想で、その男の機嫌を取るかのような絵里のブリッコ声は耳障りで…。
葛西さんの持ってきてくれたカフェオレを『ふぅふぅ』と冷ましながらも早く帰る事だけ考えていた。2008-09-21 07:30:00 -
15:
ちゃこ
絵里『紹介するね!この人が葛西さん。絵里のお兄ちゃんみたいな人やねん☆で、こっちが葛西さんが仕事の面倒見てる俊介君☆』
陽菜『陽菜です。よろしく』
葛西さん『よろしくなぁ!気使わんでいいしな!ゆっくりしてって♪』2008-09-21 07:35:00 -
16:
ちゃこ
俊介『・・よろしく。』
そう言って笑いもしない俊介を好きになるなんて、この時は1ミリも思ってなかった。2008-09-21 07:40:00 -
17:
ちゃこ
―2000.04.202008-09-21 07:41:00 -
18:
ちゃこ
俊介『お待たせ〜!これで良かった?陽菜これ好きやろ?』
陽菜『覚えてくれてたん?ありがとう♪』
リプトンのレモンティーを受け取った私は、笑顔になった。2008-09-21 07:47:00 -
19:
ちゃこ
俊介『さてと、これからどうする?』
そう言うと俊介は私に優しく笑いかけた。
陽菜『ゆっくりできる所がいいなぁ。。』
私は俊介の腕に絡み付いた。2008-09-22 02:30:00 -
20:
ちゃこ
―ブー・・ブー・・
鞄の中で静かに着信を告げるバイブ音には気付かないフリをして、私と俊介の乗ったセルシオはネオン街へと消えていった。2008-09-22 02:33:00 -
21:
ちゃこ
―1999.12.08
俊介と初めて会ってから一週間が過ぎた。
私はと言うと、毎日絵里から聞かされる『俊クンかっこいい〜』にウンザリしていた。2008-09-22 02:38:00 -
22:
ちゃこ
一日に何十回も繋かってくる絵里からの電話。
出ないとしつこく送られてくるメール。
前から絵里には何かと依存的なものを感じていたが、俊介が現れてからは一段と酷くなっていた。
陽菜『あ゛ぁ。またかよ。』
電話に出れない時に着信が全部絵里で埋まってる事は、特に珍しくなくなっていた。2008-09-22 02:44:00 -
23:
ちゃこ
今日もいつものように着信履歴をチェックしている時だった。
―ピリリリ…♪
また絵里から?と、一瞬出てしまいそうになって焦ったが、画面には知らない番号。
いつもは無視するのだけど、その日はなんとなく出てみる事にした。2008-09-22 02:51:00 -
24:
ちゃこ
陽菜『はい。誰?』
無愛想に電話に出た私に、電話の向こうの人物は何故か笑っていた。
『陽菜ちゃんどんだけ愛想無いねん(笑)俺、葛西やけど分かる?』
私に電話をしてきたのは葛西さんだった。
葛西さん『絵里ちゃんに番号聞いてたから、かけてみてんけど♪』2008-09-22 02:56:00 -
25:
ちゃこ
―あいつ勝手に番号教えんなよ…―
絵里に対してイラッとしたが、それをグッと押さえた。
陽菜『久しぶりです。どーかしたんですか?』
葛西さん『別に用事があった訳じゃないねんけど、またみんなで遊びたいなって思って☆』2008-09-22 03:00:00 -
26:
名無しさん
性格悪ッ笑
2008-09-22 03:30:00 -
28:
ちゃこ
陽菜『はい。また絵里と一緒に遊びに行きますね。』
絵里には『でしゃばるな』と言われてたから、最低限気を使ってそっけなく言った。
葛西さん『あ、実はその絵里ちゃんの事やねんけどな・・』
葛西さんは言いにくそうに続けた。2008-09-22 10:49:00 -
29:
ちゃこ
葛西さん『陽菜ちゃん絵里ちゃんと仲良しやから聞いてるかもやけど、絵里ちゃん俊介の事気に入ってるっぽいやん?…まぁそれは良いんやけど…。…絵里ちゃんっていつもあんな感じなん?』
陽菜『あんな感じって言うのは?』
葛西さん『あの…電話。めっちゃしつこくない?』
私は『やっぱり』と言う感じだった。2008-09-22 10:54:00 -
30:
ちゃこ
絵里は誰かまわず異常なぐらい電話をかけてくる。
昼夜問わずに、何回も何回も…。
朝起きたら『着信165件』とかもあった。
表示限度を越えていて全部はわからないけど、残ってる履歴は全部絵里からだった。2008-09-22 11:00:00 -
31:
ちゃこ
鬼電プラス自己チューで我が儘な性格もあって、絵里のまわりに残っている子は私を含めてみんな絵里を『財布』としか思っていなかった。
甘やかされて育った絵里は『○○してくれたら一万あげるし!』が口癖で、実際俊介と初めて会った日も『着いてきてくれたら一万あげる』と言われたからだった。2008-09-22 11:06:00 -
32:
ちゃこ
話しは逸れたが、きっと絵里は俊介にもそんな感じだったんだろう。
陽菜『あぁ〜…。そうですね…。』
葛西さん『そうなんや…。俊介困ってるからさ。陽菜ちゃんから絵里ちゃんには言いにくいやろうし、こっちでなんとかするわ!』2008-09-22 11:11:00 -
33:
ちゃこ
陽菜『わかりました。じゃあ陽菜は何も聞いてない事にしときます。』
葛西さん『おう!陽菜ちゃんは何も気にせんでええから、また飯でも行こうや!』
そんな感じで葛西さんとは電話を切った。2008-09-22 14:18:00 -
34:
ちゃこ
―2000.04.202008-09-22 14:20:00 -
35:
ちゃこ
私達の乗ったセルシオは、インター付近のホテル街を走っていた。
キラキラと輝くネオンを見つめながら、これから二人っきりになれる事にドキドキしていた。
最初からそのつもり、15歳の私には大きな決心だった。2008-09-22 14:27:00 -
36:
ちゃこ
ホテルの駐車場に滑り込み、フロントで部屋を選ぶ。
俊介『陽菜はどこがいい?』
陽菜『う〜んとね…。』
そう言って部屋を真剣に選ぶ私の頭を、俊介は優しく『ポンポン』と触れた。
それだけで心臓が爆発しそうなのに、これ以上の事をしたらどうなるんだろう…?2008-09-22 14:34:00 -
37:
ちゃこ
二人で仲良く部屋を選び、エレベーターに乗り込む。
私はエレベーターの階数表示の数字があがって行くのを、ボーっと見つめていた。
―ブー・・ブー・・
まだ鞄の中では携帯が震えていた。2008-09-22 14:38:00 -
38:
ちゃこ
―2000.12.13
この日は初雪の中体育の授業をサボって、私は一人保健室のベッドの上にいた。
陽菜『今日はもう帰ろっかな。』2008-09-22 14:42:00 -
39:
ちゃこ
その時携帯が着信を知らせる。
―着信…????
陽菜『また知らん番号…(ピッ)もしもーし?誰?』2008-09-22 14:47:00 -
40:
名無しさん
オモロ〜〜?
2008-09-24 09:17:00