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1:
◆9B1M/nEIPs
パソコンを立ち上げ、ネットを開く。お気に入りから「夜遊び掲示板」を選び、今日も小説を読みふける。
飽きたのか、ネタが尽きたのか、途中で書かなくなってしまう作者が多い中、既に完結されている話を選び読んでいた。
中でも、『朔◆SakU1234』という作者が好きだった。
2008-10-18 17:01:00 -
2:
◆9B1M/nEIPs
朔の書く小説は、非現実的なものだった。つまり、創作小説というもの。
事実だと称して書かれた小説も、多かれ少なかれ大袈裟な部分もあるだろうが、朔の書くものは誰がどう見ても創作だった。
夜遊び掲示板の小説板では、ホストだの風俗だのと、所謂『夜の仕事』に関する話が多い。しかし、朔はその様な話は一切書いていない様だった。しかも、決まってBad Endで終わる。
「朔は病んでるんだろうな、きっと」と思いながらも、部屋に閉じこもってパソコンを見てるだけの私にとっては心地良かった。2008-10-18 17:06:00 -
3:
◆9B1M/nEIPs
他にも、朔のスレッドにはルールがある。
絶対に朔は書き込みに対するレスや、雑談はしないのだ。只々、淡々と小説を書き進める。
締めの言葉である『−−−−完結−−−−』と書くと、そのスレッドに現れることはない。
そういうクールというか、淡白さも気に入っていた。2008-10-18 17:08:00 -
4:
もう一つ。
書き込みに対して全くレスをしない朔への批判は酷いものだった。しかし、スレッドは削除されていない様子だった。
朔が書いた小説は2005年で止まっている。3年も前のものが削除されていないと推測される理由は、朔のスレッドタイトルは決まって数字だったからだ。
数字が続いてるということは削除されなかったんであろうという単純な憶測だった。因みにその数字は小説内容とは全く関係ない。
2008-10-18 17:10:00 -
6:
今日も小説板を読んでいた。
リロードすると(20)というスレッドがあった。
「まさかっ!!」と、すぐさまクリックした。
1 名前:朔◆SakU1234:08/10/18 17:012008-10-18 17:14:00 -
7:
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
「はい?」
「今、近くにいるから出て来い」
私は着替えて、近所で待つ玲の車に乗った。家に閉じこもりだしてからも、唯一会う男だ。
実家が美容室で、人の髪を触るのが好きで、誰に会うわけでもない私の髪を切ったり染めたりする。美容師の免許はないらしく、仕事は違うことをしてると聞いた。2008-10-18 17:17:00 -
8:
「家くる?」
別にいやらしい誘いではなく、玲が家に誘ってくる理由は私の髪を切るからだった。
私は切っても切らなくても何でも良いが、断る理由もないので玲の好きな様にしてもらっている。
「今日は巻き髪にして、化粧もしてやる!」と、私の返事も待たずに車を出した。2008-10-18 17:20:00 -
9:
玲が好き勝手に私をいじっている間に朔の話をした。今までも朔については話をしていた。
「お前、本間パソコン好きやな」と笑われたが、朔との一方的な再会が嬉しくて玲にいかに朔が素敵かを力説した。新しいスレッドでは、朔は「書きます」と1レス目に記し、まだ続きがなかったので、気になって仕方ないということも話した。
玲は一定の距離を置いてくれる。
私が話し出さない限り近況とかは聞いてこないし、だからといって自分の話ばかりするわけでもない。それが玲とは会える理由だった。
2008-10-18 17:22:00 -
10:
一通り玲の納得のいく出来になったらしく「これやる」と流行のワンピースとブーツを渡された。私が玲から貰ったものに着替えると、「行くぞ!」と車に促された。
私は、おそらく普段人との会話であるだろう質問をしない。「どこに行くの?」「何してるの?」といった類のものである。
私が玲に投げかけるクエスチョンマークは「それで?」ぐらいだ。2008-10-18 17:23:00 -
11:
名無しさん
なんか好きかも?
2008-10-18 19:50:00 -
13:
◆9B1M/nEIPs
一軒の店に着いた。
店員は開いた扉に一瞬目をやると、私たちに挨拶するでもなく視線をおとした。正直、声をかけられなかったことにホッとした。
カウンターに腰をおろすと「ビールとシャンディガフ」と玲が言った。私が外出できていたときに好んで飲んでいたものだった。2008-10-19 02:39:00 -
14:
「朔は、やっぱり夜の職業なんかなぁ?」
確かに、夜遊び掲示板という特色故、その可能性はあり得る。
「お前がそんな気に入ってる人なら、ちょっと会ってみたいよなぁ。」
私は小さく頷いた。
「探すかっ!!」と満面の笑みで玲は言った。2008-10-19 02:41:00 -
15:
私は声を上げて笑ってしまった。
店員の視線が私に向けられているのを感じ、玲は久しぶりに大口をあけた私に驚いた目をしている。急に恥ずかしくなって笑うのをやめた。
「もし朔を見つけ出したら、俺のお願い聞いてくれる?」
「万が一、見つけ出したら何だってしてあげる。」2008-10-19 02:46:00 -
16:
見てもいないテレビで静けさを消して、またパソコンの前に座る。
朔が小説を更新していることに期待して、夜遊び掲示板をひらくと、掲示板TOPに『朔◆SakU1234応援スレ』というのを見つけた。
玲にメールをうった。
『朔のスレ立てた?』
10分とせず『バレた?』と返事がかえってきた。2008-10-19 02:48:00 -
17:
そのメールの返事は特に必要ないと感じ、携帯を閉じた。
スレッドの内容は、ずっとファンだった人の書き込みが数件あっただけだった。
次に(20)のスレッドを確認した。
朔の新作は、誰かに追われている人が主人公の様だったが、始まったばかりで把握し切れなかった。2008-10-19 02:51:00 -
18:
『夜の仕事』という玲の予想が頭をよぎり、過去の作品を改めて見返す。
今までは小説内容をひたすら読みふけっていたので気づかなかったが、確かに明け方に更新されていることが多く、頻度も2・3日に1度だった。
もう一つ気づいたのは、1回の更新でちょうど10レスが追加されるということだった。
「朔って信念もってたんだなぁ」と好感度があがった。2008-10-19 02:55:00 -
19:
寝る前にもう一度、応援スレを見た。
私は書き込みはしない。夜遊び掲示板は殆どの書き込みが携帯からだから、パソコンだと目立ちそうな気がしたからだ。
1レス目の名前が青字になっていたことに気づいた。メール欄に何か書かれているということだ。確認すると、フリーメールアドレスが入っていた。
玲は朔からのメールを期待しているらしい。2008-10-19 02:57:00 -
20:
私の携帯は1日に最低1度は鳴る。専ら玲からだ。
部屋に閉じこもりだして暫くしてから携帯を解約したことがある。
解約した次の日に玲が新しい携帯をもって「俺が電話するから持っとけ!」と押し付けてきた。
玲はよほどの物好きか、面倒見が良すぎるのか、情があつすぎるのか…理由はともかく毎日1度は私の携帯を鳴らす。2008-10-19 02:59:00 -
21:
電話の内容は、「落し物をした」とか、「○○の新曲が好き」とか、本当にどうでも良いことばかり。
でも私は玲との会話があるから、何とか外界との繋がりをもてていた。2008-10-19 03:01:00 -
22:
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
受信メールを開くと、『朔は俺のスレ見てくれてないんかも』とあった。
信念をもって書いているであろう朔は、応援スレに気づいていても書き込みはしないだろう。ましてやメールを送るなんてことは有り得ないのではと考えていた。
『気づいてても朔からリアクションがあるとは思えない』と返事をした。2008-10-19 03:03:00 -
23:
◆9B1M/nEIPs
次の日、玲からの電話で目が覚めた。
「きたー!!」
「ん?」
「朔からメールきたって!!」2008-10-20 21:06:00 -
24:
私は半信半疑ながらも嬉しかった。
「今からそっち行くわ!」と電話が切られた。
簡単に身支度をすまし、2人分のご飯を用意した。
丁度、出来たころに玲がやってきた。2008-10-20 21:06:00 -
25:
「あー!めっちゃテンション上がる!」
私は盛り付けながら「本当に朔から?」と聞いた。
玲は私のパソコンで、自分のフリーメールの受信BOXをひらいた。
「これ!」とパソコンを指差す玲の横に座り、画面を見た。2008-10-20 21:08:00 -
26:
件名:応援スレ見ました
日付:2008年10月20日 20:43
朔です。いつも応援してくれてありがとうございます。
良かったら仲良くしてください。
いくつなんですか?2008-10-20 21:10:00 -
27:
私はさめた目で玲を見て、「これは朔じゃないと思う。」と言った。
「何で?朔って書いてるやん!」と玲は拗ねた顔をして答えた。
私は今まで朔の綴る文章を何十回と読んでいる。だからこそ朔の文章の癖を知っていた。
朔が書いているのであれば、『ありがとう』ではなく『有難う』だし、『なんですか』ではなく『なのですか』のはずだと玲に説明した。2008-10-20 21:14:00 -
28:
「でも、普段の朔は違うかもしれんで?」と玲は諦めない。
「だったら、証拠をみせてもらおう」と提案した。
指定した時間内に応援スレに一度でいいから書き込みをお願いしたのだ。
朔も忙しいだろうからと、時間は深夜12時から昼の12時までにした。朔が更新する時間帯だ。2008-10-20 21:16:00 -
29:
予想通り、昼の12時になっても、更に次の日になっても朔からの書き込みはなかった。
その後も玲のところには朔を名乗る出会い欲しさのメールが何通かあったらしいが、私が考えた『証拠』を伝えるとメールが返ってくることはなかった。2008-10-20 21:18:00 -
30:
今日もパソコンの前に座っている。
相変わらず朔の更新頻度は低いけど、私は欠かさずチェックしていた。
応援スレは少し荒れている。
暫くすればそれも落ち着くだろう。2008-10-20 21:23:00 -
31:
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
「はい?」
「会って欲しい人がいるねんけど…」
いつもの声とは全く違ったトーンで玲が言った。
「5分でいいから、出てこれる?」2008-10-20 21:27:00 -
32:
玲以外の人と面と向かって会うなんていつぶりだろう。
指が震えていた。
普段玲に何かと面倒をみてもらっている恩で了承した。
着替えて外へ出ると玲の車が見えた。2008-10-20 21:29:00 -
33:
名無しさん
かなり気になるッ?
2008-10-20 23:12:00 -
34:
名無しさん
見てます 更新楽しみにしてます
2008-10-21 02:16:00 -
35:
くっさん
あげとく?
2008-10-21 17:24:00 -
36:
名無しさん
面白い☆更新待ってますm(__)m
2008-10-21 22:18:00 -
37:
名無しさん
続き気になります??
2008-10-22 19:41:00 -
39:
足早に車へと近づくと、玲が車の外に立っていた。
助手席に人影があるものの、暗くてはっきりと確認できない。
「ごめんな、変なこと頼んで…」
「いいよ、でも少しだけにして欲しい。」2008-10-22 20:29:00 -
40:
◆9B1M/nEIPs
助手席から女の人が出てきた。
「すいません、呼び出してしまって…」
「いえいえ、どういった用ですか?」
「聞きたいことがあるんです。」
「はい、何でしょうか?」2008-10-22 20:31:00 -
41:
「リョウと付き合ってるんですか?」
リョウ…って?私は玲(レイ)の顔を見て、咄嗟に玲=リョウだと判断した。
「いえ、そういう関係ではありません。」
「どういう関係なんですか?」
「近所に住む友達です。」2008-10-22 20:33:00 -
42:
女の人は納得した様子で、お礼の言葉とお辞儀をして助手席へ戻った。
続いて、玲が「また、電話するなぁ!」と車に乗り込んだので私は部屋に戻った。
玲の彼女だったんだろうか。
そもそも玲に彼女がいたことさえ知らなかった。2008-10-22 20:35:00 -
43:
『友達』と自分から出た言葉に苦笑いをした。
まぁ、玲とは毎日電話をしているし、1週間とあけずに会っている。
でも会話の中に質問が少ない私たちはお互いのことをあまり知らない。
玲がシイタケが嫌いなことや、トイレから出るとため息をつく癖なら知っている。
でも仕事は?年は?『リョウ』という名前だということさえ知らなかった。これは『友達』なのだろうか。2008-10-22 20:38:00 -
44:
だからといって、いまさらになって玲にあれこれ質問するのも抵抗がる。
きっと私が聞かなくても、玲が言いたくなれば言うだろうと思った。
言いたくなくても必要であれば言うだろう。2008-10-22 20:40:00 -
45:
「昨日は、ごめんなぁ。」
今日の電話での第一声だ。
「今から行くわ!」と電話が切れた。
私は時計を確認して、今日はご飯の用意はしなくていいかと何もせずにいた。2008-10-22 20:43:00 -
46:
「昨日は、ごめんなぁ。」
玲は部屋に入るなりさっきと同じ言葉を口にした。
「気にしないで。」と答えた。
それから何事もなかったかの様にお酒を飲みながら、いつも通りの静かな時間が流れる。2008-10-22 20:45:00 -
47:
昨日の人は誰だったのか、何故会わされたのかの説明はなかった。
玲がビールを1本飲み干したので、私は冷蔵庫に取りに行った。
「なぁ、昨日のこととか聞かんの?」
「昨日のは、毎日連絡をとってる私のことを彼女が不審に思って…って感じだと思ってる。」2008-10-22 20:47:00 -
48:
「そぉか。」
否定するでもなく、肯定するでもなく玲はビールを受け取って話し続けた。
「俺らの関係が変って言われてん。」
「うん。」
「お前、俺のことどう思ってるん?」2008-10-22 20:49:00 -
49:
くっさん
どぅ思ってるん??気になるッ?
2008-10-22 22:10:00 -
50:
名無しさん
どぉ思ってるーーーん?
2008-10-22 22:39:00 -
51:
名無しさん
続き気になる〜?
2008-10-23 00:49:00 -
53:
困ったことを聞かれた。
玲には素直に感謝してる。今となっては玲がいるから、ギリギリ人間として生活できている気がする。
親愛感は大きくもっているし、よりどころになっている。
頑張って考えたが、うまく答えが出ずに「どうって?」と質問で返した。2008-10-23 21:14:00 -
54:
「ごめん、何でもない。」
「うん…」
また静かにビールを口にする時間へと戻った。
朔を探すと言ったその日から玲が少しずつ変わってきていると感じた。2008-10-23 21:16:00 -
55:
今日もパソコンの前に座っている。
朔の小説は、やっと冒頭を終えたぐらいだ。
主人公は繁華街を出入りし、嘘っぽい対人関係を適当に過ごしていた。自分自身も偽名を名乗り、そんな空しい生活に飽きてきているとい感じだった。2008-10-23 21:22:00 -
56:
朔の小説を読み終えると、最後の1箱となったタバコの封をあけた。
そして、日が暮れるのをまってタバコを買いに行った。
「あ…タスポなかったら自販で買えないんだっけ…」
私の部屋に変化がなくても、時代は変化していくものだなとか考えながら歩いていた。2008-10-23 21:25:00 -
57:
お年寄りが個人で経営しているタバコ屋が今日に限って閉まっていた。24時間眩しいぐらいの電気がついているコンビニに向かわなければいかなくなった。
また指が震え出した。足が動かなくなった。玲が私の代わりにあれこれと動いていてくれてるうちに、玲との生活に慣れてしまって外が余計に怖くなったのだと知らされた。
「どうかしましたか?」
背後からする声にビクッと身を縮めた。2008-10-23 21:29:00 -
59:
「体調悪いんですか?大丈夫ですか?」
「いえ、大丈夫です。タバコ買いにコンビニに行こうとしただけなので…」
知った顔ではあったけど、私が心許せる相手ではないので緊張はとけなかった。
「私、タスポ持ってますよ!」と自動販売機を指差した。私は彼女の行動に甘えてその場でタバコを買った。2008-10-23 21:34:00 -
60:
◆9B1M/nEIPs
「ありがとうございました。」
一刻も早く家へ帰りたかったので、彼女に背中を向けた。
「ちょ!ちょっと!」
彼女の声を聞こえないふりして早歩きした。2008-10-23 21:36:00 -
61:
くっさん
更新されてる?!!
主みたいな男の人最近までめっちゃ好きでした。(主ゎ女の人やけど)だからめっちゃどうなるか気になるう〜?2008-10-23 21:58:00 -
62:
>>61
いつも書き込みありがとうございます。
重度の引きこもりの方だったということでしょうか。
あまり抑揚のない話ですが、これからも飽きるまでお付き合い下さい。2008-10-24 20:57:00 -
63:
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
「はい?」
「今日、アイツと会ったらしいやん。悪気あって声かけたんじゃないと思うねんけど、大丈夫か?」
「うん…ちょっとびっくりしただけ。」
「そぉかぁ。今日はそっち行けそうにないねんけど…」と玲の落ち込んだ声で話すから、平気だからと念を押して電話を切った。2008-10-24 20:59:00 -
64:
玲は過保護だ。決して干渉してくることはないけど。
普通に考えてみれば、私たちの関係は変なのかもしれない。
最初は断っていた玲からのプレゼントも、今はあっさり受け取っている。一夜を過ごしても、同じベッドで寝ることはない。
玲のことは何も知らないし、玲も私のことを知らないと思う。と言うより、私のことを知ってるのかさえ知らない…
2008-10-24 21:01:00 -
65:
「あ、そう言えば名前…」
私は玲のことを名前で呼んだことがない。だから、名前を『レイ』だと思い込んでいたことを、玲は知らない。
玲も私の名前呼んだことがなく、いつも『お前』とか『なぁ』とかだった。
玲は私の名前を知っているのだろうか?私は玲に名前を告げたことがあっただろうか?2008-10-24 21:04:00 -
66:
他人から知り合いに変わった頃に名前を訊ねる。
そんな普通の会話のやりとりを自分たちがしてたかどうかが分からなかった。
でも、やっぱりいまさらになって質問攻めできない自分がいた。
もやもやとした気持ちを打ち消すために、私は早めに床についた。2008-10-24 21:08:00 -
67:
起きて、いつも通りパソコンを起動する。起動を待ってる間に歯磨き等を済ませる。
珈琲を入れて、キーボードの横に置いた。
欠かさずに見てるサイトを数箇所回ったあとに、夜遊び掲示板を見る。
朔の小説がまた10レス分更新されていた。これで40レスになった。2008-10-24 21:10:00 -
68:
応援スレッドは未だに少し荒れてる。
スレ主である玲がメールアドレスを記載したことが原因らしい。
まぁ、滅多にあがらない朔の応援スレッドなんて元からあまり書き込みはないし、荒れても大したことはない。
私は画面をスクロールして書き込みを飛ばし読みしていた。2008-10-24 21:12:00 -
69:
54 名前:朔◆SakU1234 08/10/24 03:11
いつもご愛読いただき有難うございます。
拙い文ではありますが、完結するまでお付き合いのほどお願い致します。2008-10-24 21:15:00 -
70:
自分の目を疑った。
まさか、まさかあの朔からの書き込みがあるなんてと何度もトリップを見直した。
玲に連絡しようと、携帯を手に取った。
−新着メール1件−2008-10-24 21:19:00 -
71:
朝方にきていた玲からのメールを確認した。
『今度こそ本物!本物の朔らのメールきた!!』
どうして昨日に限って早く寝てしまったのだろうと後悔した。同時に興奮がおさまらなかった。
2008-10-24 21:21:00 -
72:
◆9B1M/nEIPs
早速、返事をしようと携帯を握りなおしすと、タイミングよく玲から電話がきた。
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
「はい?」
「メール見た?返事ないからさぁ」
「見たよ。応援スレに朔の書き込みあった。」2008-10-24 21:26:00 -
73:
名無しさん
やばい?あげっ?
2008-10-24 22:23:00 -
74:
くっさん
そうです。重度の引きこもりです。人と関わるのも好まない人でした。唯一のバイトゎきちんと行ってましたけどね?今も忘れられません。主サン頑張って下さい?!!毎日必ずチェックするのが日課になってます?あまり長く書くと読んでる方達に悪いのでこれからゎスレ上げるだけにしときます?
2008-10-24 22:43:00 -
75:
くっさん
あげ?
2008-10-25 12:48:00 -
77:
「今から5分で行くわ!」
電話を切ってからの5分間、私は浮かれた気分をおさえられなかった。
期待してないと言いながら、万が一を想像してたのかもしれない。
玲が来るのをこんなにまで待ち遠しく思ったのは初めてだ。2008-10-25 13:41:00 -
78:
玲は家に着くなり、私のパソコンから自分のフリーメール受信ボックスをあけた。
私は目を光らせながら液晶画面を見つめた。
迷惑メールの中に1件、明らかに他のメールとは違う印象のものを見つけた。
件名:初めまして、朔と申します。2008-10-25 13:43:00 -
79:
「これだよね?」と玲に確認して、そのメールを開けた。
『応援スレというものが初めてだったもので、大変嬉しかったです。
喜びに浸り過ぎて、スレ主様がメールアドレスを出していることに気づきませんでした。
突然のメールに驚かしてしまったかもしれませんが、一言、御礼申し上げたく送らせて頂きました。
これからも、スレ主様の飽きがこない様に書かせて頂きます。』2008-10-25 13:46:00 -
80:
「今までのと雰囲気違うかったし、朔かなと思ったんやけど、一応“応援スレに書いて”って言ってん。じゃぁ…」
と、次に朔からきたメールを開いた。2008-10-25 13:48:00 -
81:
日付:2008/10/24 03:13
件名:書き込みさせて頂きました
ご要望通り、たった今書き込みさせて頂きました。
小説とは沿わないことを書くのは初めてでしたので、いささか指の動きが鈍いです。2008-10-25 13:50:00 -
82:
私はすぐに応援スレにあった朔の書き込み時間を確認した。
玲は私がしていることに気づいた様で、「な?2分違いやで?絶対本物や!」と明るい声で言った。
私は「うん、うん」と相槌を返した。
「でさ…朔って分かったのはいいけど、何て返事しようと思って…」2008-10-25 13:52:00 -
83:
私は暫く考えて、朔への返信を打った。
『何通か貴方を名乗ったメールが送られてきたので、迷惑メールと区別するために先ほどの様なお願いをしました。
小説以外の書き込みを一度もしなかった朔さんにとって、信念の様なものを曲げたのではないか、大変不愉快な思いをさせたのではないかと申し訳なく思っております。』
送信ボタンをクリックしようとすると、玲に止められた。2008-10-25 13:54:00 -
84:
「これやったら、朔に“そんなことない”ってメールがきてそこで終わりやん?お前もっと朔とメールしたくないんか?」
もっともな意見だ。
でも、他人との会話の仕方なんて忘れてしまった私にとって、メールを続けるというのは難しい気がする。
「うまく話せる自信がない…」
「いいから、いいから。」と玲は私の文に付け足した。2008-10-25 13:56:00 -
85:
『長い間、小説を読ませてもらってファンになりました。メルトモになって下さい!
最後にこのメールアドレスは悪戯されやすいので、返信はこれに下さい。
********@********』
最後のメールアドレスは私のものだった。2008-10-25 13:58:00 -
86:
◆9B1M/nEIPs
「これで朔とメルトモや!」
「何話したらいいか分かんないよ。」
「朔が何とかしてくれるわ!」
玲が他力本願だったなんて思わなかった。新たな一面を知った。
その日から、受信ボックスを確認するのも日課に入れた。2008-10-25 14:00:00 -
87:
名無しさん
やっと本間からメール
きてよかった〜?2008-10-25 21:10:00 -
88:
くっさん
わかりやすいように説明してくれて有難うございます?またスレ上がってるの楽しみにしてます?
2008-10-26 13:00:00 -
89:
くっさん
あげ?
2008-10-27 18:49:00 -
90:
起きて、メールを確認すると朔からの返信が届いていた。
日付:2008/10/26 04:28
件名:宜しくお願いします
メルトモ、喜んでならして頂きます。
と言っても、どんな会話が適切なのか分かりませんが…。まず答えれる範囲で自己紹介して頂けますか?2008-10-27 21:51:00 -
91:
ほら、やっぱり朔も会話の内容に困ってる。
気乗りしないメール交換。
でも、朔に近づけるのが嬉しくて私は必死に返信内容を考える。
自己紹介…とりあえず名前。こんな時、本名は使わない方がいいか。2008-10-27 21:53:00 -
92:
件名:ありがとうございます。
名前は、クミです。
こういう時に何をどう答えれば良いのかが分からないのですが。何か知りたいことがあれば聞いてもらえますか?2008-10-27 21:55:00 -
93:
ハンドルネームが浮かばないので、苗字と名前の頭文字をとって名乗った。
誤字がないか確認して、送信ボタンをクリックした。
私も玲と同じく、会話の内容は朔に頼るしかなかった。
一息ついて、窓をあけると、冷たい風が体を抜けていった。2008-10-27 21:57:00 -
94:
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
知らない番号だ。出るわけがない。
暫くすると電話が切れた。
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
また直ぐに鳴り始めたが、勿論出ない。2008-10-27 21:59:00 -
96:
−伝言メモ1件−
ふきこむということは、私に何か用なんだろうか?いや、関係ない。
私は聞かずに消した。
玲以外の人間と会話するのも声を聞くのも出来る限り避けていた。自分自身、どんどん外から遠ざかってるのは分かっていても、あの恐怖心に直面するのは嫌だった。2008-10-27 22:03:00 -
97:
でも、誰とも喋らないでいると声がうまく出なくなる。
そう言えば、昨日、今日と玲からの電話がない。メールはきてるので特に心配すること思う。
その一方で、毎日、用もないのに電話をかけてくる玲。たった2日ないと気になるものなのだ。2008-10-27 22:05:00 -
98:
私は玲に電話をかけた。
−−−留守番電話サービスへ転送します
機械的なアナウンスがなった。用件があったわけではないので、そのまま切った。2008-10-27 22:07:00 -
99:
◆9B1M/nEIPs
1分とせず電話が鳴った。
「どうした!?」
「声がまだ出るのか確認したくて。」
「何やねん!それ!ってかお前から電話かかってきたの初めてやったから、めっちゃ焦ったわ!」
知らなかった。私から電話をかけたのは初めてだったのか。本当に無関心に生きていたんだなと思うと何だか申し訳なかった。2008-10-27 22:09:00 -
100:
くっさん
あげ?
2008-10-28 01:12:00 -
101:
くっさん
あげ?
2008-10-28 22:57:00 -
102:
名無しさん
あ
2008-10-29 08:44:00 -
104:
電話を切って、携帯を見つめた。
何度も電話をして、何度も会ってた。
でも、自分からかけたこと、誘ったことがあっただろうか。
私は玲に流されるままに時間を過ごしてたのではないだろうか。2008-10-29 23:23:00 -
106:
日付:2008/10/27 05/43
件名:言われてみれば…
自己紹介って難しいですね。では、自分の自己紹介をしますので、参考にしてください。
改めまして、朔と申します。性別は男。年齢は二十代です。
ここまで書いて他に浮かびませんでした。何か聞きたいことありますか?2008-10-29 23:27:00 -
107:
朔は男だったんだ。私は繊細な文章を綴るこの人を女だと思っていた。早速、返事を書いた。
『私は女で、年は朔さんと同じ二十代です。
と、言っても20〜29まであるので、同年代かどうかは分かりませんが。
聞きたいこと…。こんなことを聞くのは変だと思われそうですが、朔さんは友達に対してどう接しますか?』2008-10-29 23:29:00 -
108:
私は玲しかいない。
でも、玲をきっかけに考えだしたことを玲に聞くのは違う気がして、朔という綱をたどって見た。
別に、返事がなくても良かった。ただ、一人で考えを巡らせるのに嫌気がさしていた。
自分が投げ出したかった疑問を朔にぶつけたことで、安心して眠れた。2008-10-29 23:34:00 -
109:
起きると、夕日が確認できた。
引きこもりというと、山積みの埃に埋もれて電気もつけずにパソコンを触る姿を想像されるだろうけど、私は家事は好きだ。
掃除をして、洗濯をして、料理をして。ありあまった時間が自然に潰れていくし、人と関わるのをやめても人間としての生活はしたかった。
中でも、掃除が好きだ。そう言えば、明日はゴミの日だから、今夜は玲が来るだろう。2008-10-29 23:36:00 -
110:
予想通り、深夜に玲がやってきた。
「さすがに夜はロンT1枚じゃ無理や!」と直ぐにトイレに入った。
いつも通りため息とともに出てきて、ソファに座る。2008-10-29 23:39:00 -
112:
何を言ってるのか分からなかった。
「知らんか?レッドカーペット!」
ああ、テレビか。
いつもついてるはいるけど、ろくにみてない。
玲はお酒を飲んできたみたいで、一人でギャグらしきものを言って笑っていた。
2008-10-29 23:47:00 -
113:
名無しさん
?
2008-10-30 07:35:00 -
114:
名無しさん
どうやって生計をたてているのですかッ?
ぁ、言いたくなかったら良いんですが(__;)2008-10-30 11:46:00 -
115:
名無しさん
それ思ったー
2008-10-30 22:40:00 -
116:
くっさん
あげ?
2008-10-30 23:10:00 -
117:
>>115-118
書き込みありがとうございます。
質問についてですが、小説内容と全く関係ないので、深くはお答えできませんが…。
支出があまりないので、大きな金額は動かしませんが、主に株ですね。
2008-10-31 00:07:00 -
118:
私は玲の横に腰をかけタバコに火をつけた。
ひとしきり笑い終えた玲は落ち着いてテレビを見ていた。
洋物のドラマがやっていて、画面からは色っぽい声が聞こえてきてた。
恋愛が主軸のドラマに感化されてか、玲は私に尋ねる。2008-10-31 00:08:00 -
119:
「なぁ…。恋愛とか考えれる?」
「そういうのって縁だと思うけど。」
「まぁなぁ…俺とお前って縁あるかなぁ。」
何を言い出すのかと思えば、酔って寂しくなったんだろうけど、酔ったからといって甘えられたりするのも寒気がする。
「彼女に失礼なこと言わないで。」2008-10-31 00:10:00 -
120:
「彼女?おるって言ったっけ?」
「この間の女の人。」
「ああ…。」
グラスに残ってるお酒を一飲みして、こっちを見た。
「俺はアイツに“縁”とか感じてへん。」2008-10-31 00:12:00 -
121:
彼女ではないということだと思う。
なら、どうしてあの日連れてきたんだろう。彼女を安心させるためでないとすると、私に会わせた意味は何だったのか。『変』だと思った私と玲の関係に興味をもったのだろうか。
思考をめぐらせていると、ドラマがエンディングにさしかかっていた。
玲を見ると、目を閉じ眠り始めたようだった。2008-10-31 00:14:00 -
122:
私は毛布をかけてあげようとした。
玲は薄目で毛布を確認すると、「入る?」と小声で言った。
聞こえないふりをして、パソコンの前に座った。
受信ボックスを確認すると、ついさっき朔から返信をもらっていたらしい。2008-10-31 00:16:00 -
123:
日付:2008/10/28 01:58
件名:友達ですか
あまり数多くいてるわけではないので、参考になるか分かりませんが…。
自分の場合、友達とは部屋で過ごすことが多いですね。くだらない話をして、コミュニケーションをとります。
電話とかだと相手の表情がみえないので、できるだけ直接会いたいです。2008-10-31 00:19:00 -
124:
それから暫くメールのやりとりをしていた。
眠気を感じて、時計をみると4時を過ぎていた。
さっきの玲の言葉がよみがえった。
私と縁があるのかと問い、布団を共にしようと誘ってきた。
この流れから、玲が深酒をしたか、私を恋愛対象としてみてるのかの2つの仮説が出る。2008-10-31 00:21:00 -
126:
寝返りをうとうとすると、抵抗を感じた。
玲が横に寝ていたのだった。
寒さを防ぐために人の体温は適してるからだと自分を納得させた。
玲は、肌が触れ合わない所に寝ていた。私への気遣いは有難いが、どうせなら一人で寝て欲しかった。
私は毛布を一枚取り出し、ソファにあったものを重ねてもう一度眠りについた。2008-10-31 00:26:00 -
127:
◆9B1M/nEIPs
目が覚める。
ソファの寝心地は最悪で、体が少しだるかった。
玲は置手紙もなく、いなくなっていた。2008-10-31 00:28:00 -
128:
名無しさん
116です
ありがとござぃます
これで小説に集中できまふ(´∀`)アハハ2008-10-31 16:10:00 -
129:
くっさん
この小説読む度前ゆってた好きな人に逢いたくなる?続きかなり気になる?!!頑張ってね?
2008-10-31 20:08:00 -
130:
くっさん
あげ?
2008-11-02 18:35:00 -
131:
くっさん
待ってます?
2008-11-03 09:44:00 -
132:
名無しさん
気になる…
2008-11-04 00:17:00 -
133:
名無しさん
朔って人の小説ほんまにあるん?
2008-11-04 01:59:00 -
134:
くっさん
あげ?
2008-11-04 21:04:00 -
135:2008-11-04 21:43:00
-
136:
冷蔵庫にかけてるホワイトボードに必要なものを書き足した。
玲がホワイトボードを確認するとそれを買ってきてくれる。
いつの間にか玲は私の生活の一部となっていたけど、そろそろ自分で買い物ぐらいしないとなと思った。
そう言えば、あれから連絡がない。
日付は10月31日になっていた。2008-11-04 21:45:00 -
137:
携帯を見ると、いつの間にか充電が切れていたらしかった。
充電器を差し、電源を入れる。
メールを問い合わせするが、新着メールはなかった。
玲に電話をかけると、『電源が・・・』とアナウンスが流れた。2008-11-04 21:47:00 -
138:
パソコンで朔からのメールを確認した。
朔とのメールは予想以上に続いていた。
期待を裏切らない紳士的な態度と、一線を引いた言葉の言い回しが、私を安心させた。
会うことはないだろうという思いが、私の口を軽くさせていた。2008-11-04 21:49:00 -
139:
日付:2008/10/31 05:27
最近ではインターネットで何でも購入出来る様ですし、引篭もるのも楽になったんではないですか?笑
そう言えば、昨日から友達が泊まりにきてるんです。
恋愛相談を受けましたが、相談する相手が間違っていると感じました。アドバイス出来ない自分が不甲斐ないです。
ところで、クミさんは恋愛にご関心はないのですか?2008-11-04 21:51:00 -
140:
『恋愛にご関心はないのですか』
タイミング的に重く圧し掛かった。
玲のあの態度以来、玲が私に好意を抱いてるのではないかと頭のどこかにあるからだ。
考えたくない時に限って、考えてしまうきっかけが増える。
「返事は後にしよう…」2008-11-04 21:53:00 -
141:
朔の小説は中盤に入っている様にみえた。
恋心を抱いてる隣人は、繁華街で黒魔術が使えると専らの噂になってた人だった。
何でも、名前と顔が分かれば呪うことができるらしい。
有り得ないテーマが朔らしいと思った。2008-11-04 21:59:00 -
142:
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
知らない番号。この間の間違い電話と同じ番号だった。
やっぱり私に用があるのではないか。
私は、声は出さずに電話をとった。2008-11-04 22:01:00 -
144:
「あれ?繋がってないのかなぁ?」
遠くで声がすると、電話が切れた。
すぐさま同じ番号から鳴る。
「……」
私はまたも無言で電話を取った。2008-11-04 22:06:00 -
145:
◆9B1M/nEIPs
「あのー。リョウの・・あ!この間会ったアキナですー」
リョウ…玲だ。
ってことは、この間の女の人だろうか?
「はい…?」
私は黙秘を破った。2008-11-04 22:26:00 -
146:
名無しさん
リアルタイムかな?
2008-11-04 22:31:00 -
147:
くっさん
かなり気になる?
2008-11-05 08:26:00 -
148:
名無しさん
えっじゃぁコレフィクションなんっ?
バリリアルやった2008-11-05 11:59:00 -
149:
名無しさん
ヤッバめっさオモロー!
2008-11-06 07:33:00 -
150:
名無しさん
読んだ?めっちゃいい??
2008-11-07 14:32:00 -
151:
>>149-153
書き込みありがとうございます。
弱音を吐きますが、当初の構想が甘く、少し行き詰っています。
しかし、皆様の書き込み、随分と励みになっています。
本当にありがとうございます。2008-11-07 21:46:00 -
152:
「急に電話してごめんなさいねー!ちょっと会えませんか?」
「いや…あの…番号…」
「あ、そうですよね。怪しい者過ぎてごめんなさい!理由も話すので会えませんか?すぐ近くにいるんです。」
強引な人だな。今この電話で説明してくれればいいのに。
「申し訳ないですが、忙しいので…」2008-11-07 21:49:00 -
153:
何とか断ろうとするけど、玲から私のことを知らされてるとなると、断る理由がうまく思いつかなかった。
「リョウのことで話があるんです!」
切羽つまった口調で言われた。
連絡のとれない玲のことも気になるので、やむ終えず了承した。
前に偶然会ったタバコ屋を指定し、私は気乗りせぬまま家をでた。2008-11-07 21:51:00 -
154:
私の姿を確認すると、「どうもー!!」と小走りで駆け寄ってきた。
「外だと寒いんで、私の車の中で話しませんか?」
車の中なんて近距離で他人の隣に座るのは怖い。
私は近くの公園のベンチへと誘った。
少し距離をあけて公園まで歩いてる間は一言も話さなかった。2008-11-07 21:53:00 -
155:
彼女がベンチへ腰をかけ、少しあけて私も座った。
「とりあえず、番号勝手に調べてすいません。」頭を軽く下げて言った。
「聞いたんです…か?」
話し方がたどたどしくなった。
声を出すたびに緊張感が増していく気がした。2008-11-07 21:55:00 -
156:
「聞いたって言うか、勝手に見たんです。どうしても貴方と話したくて。」
「私に…ですか…?」
「姉として言わしてもらいますけど…」
「姉!?」
その時の私の表情は、まさに「目を丸くする」という言葉通りだっただろう。2008-11-07 21:58:00 -
157:
「え?姉ですけど?聞いてないんですか?」
「あ…はい…」
「そっかぁ、そんなことも言わんのかアイツは…」
思わぬ所で話がおられて、彼女は拍子抜けした様に空を仰いでいた。2008-11-07 22:01:00 -
158:
「私…何も知らない…んです…」
「うーん…姉の私が言うのもアレやけど、アイツは何も言わない所ありますね。何なら私が答えてあげますよ?」
よく見ると玲に少し似た穏やかな笑顔で見られて、ほんの少しだけ和んだ。2008-11-07 22:03:00 -
159:
秋といっても、夜になれば肌が冷える。
私は冷たくなった手を握り合わせて、薄く雲がかった空を見上げた。
「寒いね。」
「はい…」2008-11-07 22:05:00 -
160:
ところどころで敬語でなくなる彼女の話し方が、何故だか私の緊張をほぐしていった。
さすがは玲と同じ血筋の人間だ。
玲とは違って少し強引で、玲と同じく目を合わせないで話す。
このまま黙って時間が過ぎても、苦痛だとは思わないかもしれないなと感じてきた時に彼女は再び口をひらいた。2008-11-07 22:08:00 -
161:
◆9B1M/nEIPs
「リョウの…あ!リョウって誰だか分かってますよね?」
「え?はい。…え?」
今更、何を言ってるんだこの人は。2008-11-07 22:10:00 -
162:
名無しさん
これ好き?がんばって下さい
2008-11-08 00:06:00 -
164:
「私、結婚してたんですけどね、前の旦那がレージって名前で。」
「はぁ…」
「本当、最低な奴やって、離婚したんですけど。『玲』って名前が元旦那と被るんで、リョウって呼ぶようになったんです。もう元旦那のことは記憶からスパッと消してるんですけど、リョウって呼ぶのが癖になっちゃって。」
『リョウ』の謎がとけた。
私はまた玲を『レイ』と呼ぶことにした。本人に呼びかけることはないんだけども。2008-11-10 21:20:00 -
165:
私が返事をするのを待っている様な間があいた。
「…お子さんは?」
「幸か不幸かいないんですよ。」
また間があく。
相槌だけでは続かない会話に、一生懸命言葉を探した。2008-11-10 21:22:00 -
166:
−−−♪♪♪
彼女の携帯が鳴った。携帯を持ったまま出ようとしない。私のことを気にしてるんだろうか。
「出てくれて良いですよ。」
「ごめんなさいね。」
彼女はベンチから2・3歩動いて、電話に出た。2008-11-10 21:24:00 -
167:
私は公園の入り口にある自動販売機を見ていた。
「まさか」の事態に滅多に遭遇しないので、欲しいものがない限り財布をもたない。こんなに長居するなら、珈琲代ぐらい持っておけば良かった。
ところで、彼女は私に何の用があったんだろう。
『姉として』と最初に言ったってことは、おそらく玲のことだろう。
用件をきくまでは帰れないんだろうな。2008-11-10 21:27:00 -
168:
「ごめんねー」
彼女は携帯を鞄に直しながら、笑顔を向けてきた。
「いえ…気にしないで下さい…」
私も必死で作り笑いをした。出来たかは分からない。2008-11-10 21:29:00 -
169:
そろとそろ用件を聞こうかと思った矢先
「呼び出しておいて、本当に悪いんですが、急用が出来てしまって。」
「あ、そうなんですか。用件だけ聞いておきましょうか?」
「あー、いいや!また、連絡させてもらっていいですか?」
「電話は苦手なので、メールなら…」2008-11-10 21:33:00 -
170:
メールアドレスを交換して、その場で解散した。
アキナさんと会ったことを玲に報告すべきか悩みながら家に着いた。
暫くゆっくりして、視界にパソコンが入った。
そう言えば朔に返事をしなければ。2008-11-10 21:36:00 -
171:
件名:恋愛
『興味がないわけではないんですが、久しく恋愛とかしてませんね。
好きだとかの感情がうまく理解できなくなってきました。
朔さんは、どういう時に人を好きだと思いますか?』2008-11-10 21:38:00 -
172:
私が今できる精一杯の返答だった。
返事をしようと思ってパソコンの前に座ると、「恋愛って何だ?」と疑問がわいた。
はっきりとした線引きが分かれば、私の玲への感情に答えがみえてくるのではないかと朔に投げてみた。2008-11-10 21:41:00 -
173:
◆9B1M/nEIPs
タバコに手をやる。
隣に置いてあった携帯には、新着メール1件と表示されていた。
『アキナです!時間つくってくれてありがと♪
本当は言いたいことあってんけど、実際に会ってみたら言う必要なくなった(笑)玲が色々としてあげたくなる気持ち、何か分かったし♪私のこと友達やと思って何かあったら連絡してや!』
私は、友達が1人できた…らしい。2008-11-10 21:44:00 -
174:
名無しさん
続き楽しみ?
2008-11-11 02:50:00 -
175:
名無しさん
主人公は主さんがモデル?
2008-11-11 10:32:00 -
176:
名無しさん
朔はいないけど、引きこもりはホントなんですよね?フィクション?ノンフィクション? 名前が朔じゃなぃだけ?
2008-11-11 11:59:00 -
177:
>>177-179
書き込みありがとうございます。
主人公のモデルは私です。
それぞれの登場人物に該当するイメージの方はいますが、内容は創作です。
妙にリアリティを出してしまったので、混乱させてしまって申し訳ありません。2008-11-11 20:24:00 -
179:
その日、玲からの連絡は一度もなかった。
明日もなければ、ホワイトボードに書いてあるものを自分で買いに行こう。
外出する勇気を出す為に、私は夜中まで朔の小説を読みふけった。2008-11-11 20:29:00 -
181:
件名:自分も暫く恋愛してません
質問を受けて気づいたのですが、自分も恋愛を暫くしていません。
どういう時に好きだと思うかですか…。難しいですね。でも、「この人の笑顔をもっと見たいな」とか感じると、相手を好きなんだと自覚します。それが恋愛での好きかまでは判断できなくても。2008-11-11 20:33:00 -
182:
玲の笑顔。
怒ってる顔よりは見たい。それは『もっと』なのか。『この人』だから見たいのか。
余計に難しくなってきた。
私はまた朔にヒントをもらう。2008-11-11 20:35:00 -
183:
件名:実は
『私、もしかしたら好きなのかなと思う相手がいるんです。でも、よく分からないんです。恋とか、愛とか…。
「この人じゃないと駄目」ってなる比較対象がいないんです。異性の友達がその人しかいないので。
最近ずっとその事で悩んでるんですよね。』2008-11-11 20:37:00 -
184:
15分ぐらいで朔からの返事はきていた。
件名:そうですか
自分が意見することではないと思うのですが、ひどく悩んでいる様ですね。
ところで、好きという気持ちは、誰かと比較するものなんでしょうか。2008-11-11 20:39:00 -
186:
目が覚めて、携帯を確認する。
着信はない。
玲にメールを送るにしても用件がない。しかし、今日で4日目だ。さすがに心配し始めた。
恐る恐る指を動かしてメールをうった。2008-11-11 20:43:00 -
187:
『連絡がないので、心配してる。忙しいなら別にいいけど、何かあった?』
送信ボタンを押すまで時間がかかったが、何とか送れた。
返事がないと思うと余計に気になるので、時間が潰れる様に念入りに掃除をしていた。2008-11-11 20:45:00 -
188:
◆9B1M/nEIPs
ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・ウ゛ーッ・・・
「は!はい!!」
「えらい元気やなぁ。」
「何かあったの!?」
玲からの久しぶりの着信に、私の口は有り得ないぐらいに大きな声を出していた。2008-11-11 20:47:00 -
189:
名無しさん
詳しくはこちら
http://ac.la/onna2008-11-12 03:39:00 -
190:
くっさん
頑張ってね?
2008-11-12 21:49:00 -
191:
名無しさん
楽しみ?
2008-11-15 15:49:00 -
192:
くっさん
あげ?
2008-11-17 00:51:00 -
194:
「何か欲しいもんあるか?」
会話のキャッチボールが出来てないよ、君。
「えと…あ…」
シナリオが破られると言葉が出なくなる。
「とりあえず、そっち行くわな。」2008-11-18 20:35:00 -
195:
ピンポーン
電話を切るより先にインターホンが鳴った。
体がビクッと強張ったが、玲だと知り部屋をあけた。
心の準備ができてないので、何を話せば良いのか分からなかった。2008-11-18 20:37:00 -
196:
色々と聞きたいことはあるのに、時間だけが過ぎていく。いつもより余計に静かな気がしてならない。
暫くすると、玲が立ち上がって、車の鍵を手に取った。
「え?帰るの?」
「あー。帰らないで欲しい?」
悪戯っぽく笑って返された。2008-11-18 20:39:00 -
197:
「うん…帰らないで欲しい…」
「マジで!?」
玲の驚き方で私は自分が言った言葉を思い返した。
「あ!いや!!変な意味でなくて!!」
両手を振りながらしどろもどろに玲を見つめた。2008-11-18 20:41:00 -
198:
玲は私の横に座りなおし、またテレビを眺めていた。
私はおそらく真っ赤になった顔を玲に悟られない様に、顔をそらしてタバコに手をやった。
動揺で指が震えて、うまく火がつかない。
「…プッ…ブハハハッ!!」
玲はこらえ切れず噴出して、私の頭をポンッと叩いた。2008-11-18 20:43:00 -
200:
聞きたいことは聞けずに会話が続く。
聞けない自分に嫌気がさしてきて、お酒を多めに飲む。
すきっ腹が手伝って、いつの間にか珍しく呂律が回らなくなるほどに酔っていた。
私のピッチに合わせていた玲もそれなりに酔ってきている様だった。2008-11-18 20:48:00 -
201:
「っつぅかねー!あんたが来ないかりゃ、ホワイトボードにいっぴゃい書いてあるんだかりゃねー!」
「俺はお前のパシリかい!」
「買いに行く前にいちゅも買ってきてくれるのあんたでしょーが!」
「素直に会いたかったって言えよー。」
「はい、ひゃい。会いたかったですよー。寂しくて寂しくて何回も携帯見たりしてちゃんやから!」2008-11-18 20:50:00 -
202:
「会いたかった?」
「会いたかったって言ってんしょー。」
「可愛い奴やなぁ。」
ひとしきり笑いあって始まる沈黙。
どっちも目を離さなくて、所謂『いい雰囲気』になってしまった私たち。2008-11-18 20:52:00 -
203:
「今日も冷えるかな。」
「かもな。」
「………こっち…くる?」
声が震えていた。
隣に座るのは慣れてるのに、横に寝るという不慣れな行為を実践してみようと思った。2008-11-18 20:56:00 -
204:
「あー、いいわ。」
私は何だか悔しかったが、寒くない様に毛布を2枚重ねて玲に渡した。
あれだけお酒が入っていたのに、寝付くまでに時間がかかった夜となった。2008-11-18 20:58:00 -
205:
目が覚めると、外は暗かった。
時計を確認すると、時間はまだ朝だった。
玲は口を半開きにして寝ていて、起こさない様に忍び足で洗面台に向かった。
歯磨きをしてる途中に、テレビの音が鳴り始めた。2008-11-18 21:00:00 -
206:
「ごめん、起こした?」
「寒くて起きた。」
「まだ寝る?」
「大丈夫。」
寝起き特有の低い声と低いテンションでの会話は続かなかった。2008-11-18 21:02:00 -
207:
珈琲を2杯用意して、ソファの前のテーブルに置いた。
朝のニュースは念仏みたいで、瞼が重くなってきた。
玲が私の頭を自分の肩へ寄せてきた。
その手に甘えて、私は瞼を閉じた。2008-11-18 21:04:00 -
208:
妙な気配を感じて、目をあけると陽の光がカーテンの隙間からさしていた。
玲の太ももに上半身をあずけていた。
「ごめん。足痺れてない?」
「…あ、俺も寝てたわ。」
重い体を起こして、冷えた珈琲を口にした。2008-11-18 21:06:00 -
210:
−−−♪♪♪
鳴り響く着信音。
玲は台所へ行って、電話に出た。
「あいよー…別に…はぁっ!?…ありえん!…アホか!!」
暫く怒鳴り声が続いて、電話を切ったらしかった。2008-11-18 21:10:00 -
211:
タバコを1本吸い終えてから、玲は口を開いた。
「アキナから電話あったんやって?」
「うん、あった。」
「何か言われたか?」
「会いたいって言われた。」2008-11-18 21:12:00 -
212:
玲は眉間に皺を寄せて、ため息をついた。
「アイツに何言われたか知らんけど、気にすんなよ?」
何も言われてないので、気にする必要がないんだけど、軽く頷いておいた。2008-11-18 21:14:00 -
213:
夕方になっても玲は帰る気配がなかった。
昨夜、引き止めた側としては帰る時間を促すのも申し訳ない気がした。
何より、特に用事があるわけでもないので、帰らせる理由もなかった。
私は、いつも通りパソコンの前に座った。2008-11-18 21:16:00 -
215:
日付:2008/11/01 02:24
件名:見たところ
何となく答えが見つかった様ですね。良かったです。
誰かに興味を抱くことは素敵なことだと思います。
自分も機会があれば、そういった相手と出会いたいです。2008-11-18 21:20:00 -
216:
私は2日ぶりの返事をいつもより清清しい気持ちで書いた。
日付:08/11/03 19:11
件名:はい
朔さんのおかげで前に進めた気がします。
今まで何も知らずにいたことにも、これからは目を向けたいと思います。
相手の心がみえないので、前途多難なんですがね。2008-11-18 21:22:00 -
218:
くっさん
いっぱい更新されててビックリしたあ?!!続き楽しみ?
2008-11-19 07:24:00 -
219:
名無しさん
やばいオモロスギ
2008-11-19 10:01:00 -
220:
くっさン
続きまってる?
2008-11-21 13:41:00 -
221:
くっさん
あげ?
2008-11-23 12:44:00 -
222:
>>222-225
書き込みありがとうございます。
私事で申し訳ないのですが、しばらく更新できそうにありません。
いつまでと期限を決められないので、また機会があれば…程度に受け取っていただきたいです。
本当にごめんなさい。2008-11-23 13:47:00 -
223:
名無しさん
がびーん?
2008-11-23 17:58:00 -
224:
くっさん
そか?また機会があれば書いて下さい?
2008-11-24 00:40:00 -
225:
名無しさん
ひょ?
2008-11-24 11:21:00 -
226:
名無しさん
読みたいよー
2009-01-21 08:36:00 -
227:
削除削除されますた
あぼ~ん