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-俺の初恋-

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  • 1:


    俺の名前は俊。
    当時23歳で、ホストクラブで働いていた。

    2008-10-24 15:11:00
  • 2:

    「じゃあね〜俊」「舞ありがとうな☆気ぃ付けて帰れよ!」
    舞は、27歳で人気ショップ3店舗のオーナー。月に200万を落とす、俺のエースだ。

    2008-10-24 15:29:00
  • 3:

    舞は、月に2度決まった日にしか来ない。
    舞「私が来る日は客被らせんといて!被ったらもう店には来ない。もちろんその分のお金は落とす」舞が来るようなって、No.2からNo.1になった。俺も代表も、エースである舞のこの我儘を聞き入れている。

    2008-10-24 15:34:00
  • 4:

    いつもオープン直後に来て、帰る時間は気紛れ。
    (閉店まで3時間弱か…。キャッチ行こ)客数は多ければ多いに越した事はない。後輩の豊を連れて行く事にした。

    2008-10-24 15:39:00
  • 5:

    豊は2コ下で、入って2ヶ月足らずの新人。
    顔はジャニーズ系、背は170くらいで俺より少し低いけど、16から鳶をやっていただけあって、腹筋が綺麗に割れ、〇本KIDのような体型をしている。
    何より、こういう仕事に1番必要な、人を惹きつける力を持っている奴だった。
    豊は絶対に売れるはず―" " "08/10/24 15:44

    2008-10-24 15:44:00
  • 6:

    心斎橋を2人で歩いていると、遠くから2人組の女が歩いてくるのが見えた。
    酔っているようで、笑い声が聞こえてくる。

    2008-10-24 15:48:00
  • 7:


    これが『友梨』との出会いだった―

    2008-10-24 15:49:00
  • 8:

    友梨は、一言でいうと透明感があった。
    華奢で、色が透き通るように白い。
    仕事上何百人と女を見ている分、「可愛い」や「綺麗」と思う感情があまり湧かなくなってしまっていたが、友梨は何かが違った。
    (…へぇ〜…ぽく見えへんけどこの時間に歩いてるって事はキャバ嬢か?)

    2008-10-24 15:55:00
  • 9:

    俺は友梨に、豊は友梨の連れの紗耶香に声をかけてみたが、友梨達は女同士で盛り上がり、俺達の存在はないかのように無視し続けた。

    2008-10-24 15:58:00
  • 10:

    それにも関わらず、俺達はずっと話しかけ続けた。ひっかけ付近から、堺筋に出る辺りまで…。自分でも、何故こんなに頑張っているのか不思議だった。普通なら、可愛いかろうが美人だろうがとっくに次へ行っている。

    2008-10-24 16:04:00
  • 11:

    俺と豊はボケツッコミをしてみた。
    「…プッ!」その時、友梨と紗耶香は同時に吹いた。
    友梨「アハハハ面白いな!そのガッツに負けたわぁ〜!」紗耶香「ばりしつこいしな(笑)どこにあるんー?行くよ☆」(よっしゃ…!)

    2008-10-24 16:08:00
  • 12:

    「いらっしゃいませー!!!」店に入り、友梨達を席に案内した。
    俊「何飲むー?」友梨「ドンペリあるやんな?ドンペリでっ☆」俊「…えっ…大丈夫なん?酔ってるみたいやし」友梨「酔い冷めてきてるねんー!冷める前に飲みたいっっ!」

    2008-10-24 16:14:00
  • 13:

    ―シャンパンコールが始まった
    友梨「…へぇ〜!なんかすごいなー!」友梨は、しきりに感心していた。
    俊「シャンパンコール初めてなん?」友梨「てゆうかホストクラブ自体初めてやで〜」俊「そうなん!?初めてのホスクラでいきなりドンペリ卸す子も珍しいな」友梨「そこは一応同業やからさっ。来ちゃったからにはね〜!!」

    2008-10-24 16:20:00
  • 14:

    全身が真っ赤になっている友梨。
    俊「…てか大丈夫かよ!?飲み過ぎやろ?!」友梨「ぜ〜んぜんっ!大丈夫やし〜!!」俊「酔っ払いはみんなそう言うねんっ!…あ、携帯鳴ってんで!?」俺は、友梨のバイブモードの携帯が鳴っている事に気付いた。

    2008-10-24 16:25:00
  • 15:

    (…え…?!)
    ―友梨は、携帯を開いた瞬間、今までとは全く別人のような、暗い表情を見せた
    イルミネーションが光り続ける中、画面を見たまま、出ようとしない…

    2008-10-24 16:30:00
  • 16:

    (ギャップ激しいな…)俺は、声をかけられない空気に戸惑った。
    俊「…出んでいいんかぁ〜?」友梨「え…?!…あ、う、うん」俊「…じゃあ飲もや!」友梨「……ごめん、すぐ戻るからちょっと待ってて…!」友梨は、携帯を持って店の外へ出て行った。

    2008-10-24 16:37:00
  • 17:

    (……。)その様子を見ていた紗耶香が、俺に話しかけてきた。
    紗耶香「友梨、昨日5年付き合った彼氏と別れたばっかりで今情緒不安定やねん。働いてる店でもこれ以上ないってくらい飲んできてるし…。」俊「…そうなんや…!?5年も付き合ってまた何で…!?」

    2008-10-24 16:56:00
  • 18:

    紗耶香「浮気された事が原因で別れてん。でも、やり直したいって連絡来るみたいで、今のも元彼からなんやと思う…。友梨も、やっぱ突き放し切られへんみたいで。今日は変なテンションで迷惑かけるかもしれんけど、楽しませあげてほしい」俊「…おぅ、任せて!」(だからあんな酔ってたんか……)

    2008-10-24 17:01:00
  • 19:

    俺は、今まで本気で人を好きになった事がなかった。3ヶ月単位で飽きたら別れるを繰り返し、ホストになってからは『彼女』を作るという事さえしていなかった。
    (…本気で好きになった奴と別れるって、どんな気分なんやろう)

    2008-10-24 17:05:00
  • 20:

    友梨はなかなか戻ってこなかった。俺は気になり、様子を見に行く為に店を出た。

    2008-10-24 17:08:00
  • 21:

    (いた…!)
    友梨は、廊下の隅にいた。
    電話は終わったようで、携帯を片手に握り締め、三角座りの状態でうずくまっている―" " "08/10/24 17:10

    2008-10-24 17:10:00
  • 22:

    「……。」俺は、隣に座り、ポンポンと友梨の頭を叩いた。


    友梨は、うずくまったまま顔を少しあげると、涙跡のついた顔で力なく笑いかけてきた―

    2008-10-24 17:16:00
  • 23:


    その顔を見た瞬間の俺の感情は、今だにどう表現したらいいのかよく分からない―

    2008-10-24 17:17:00
  • 24:

    「ホスト君はさ、浮気した事ある?」友梨に突然話しかけられ、我に返る。
    俊「え…あぁ。俊やっつーの!…ないって言いたい所やけど、あるなぁ…」友梨「正直でよろしい☆俊君」笑顔でポンポンと頭を叩き返され、俺は不覚にもドキッとしてしまっていた。

    2008-10-24 17:25:00
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