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彼女の名は花子

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  • 1:

    花子


    旧校舎の二階。
    一番奥の古いトイレ。

    そこに彼女はいた。

    2008-10-25 21:31:00
  • 2:

    花子

    「何年前のホラーよ。」
    呆れながらあたしがそう言うと、彼女は膨れっ面をする。
    「本当にいるんだって!岬も行けば分かるから!」
    と、彼女(春佳)は、あたしの手を掴む。
    「つーか、旧校舎って今は鍵かかってて入れないんじゃないの?」

    2008-10-25 21:36:00
  • 3:

    花子

    あたしの質問に、春佳はニヤリと笑って言った。
    「大丈夫。あたし鍵持ってるから。」
    春佳はあたしに見せるように、錆びた鍵を取り出した。
    「どしたのこれ?」
    「職員室からちょっとね。」

    2008-10-25 21:38:00
  • 4:

    花子

    呆れて物が言えないあたしを引っ張りながら、春佳は旧校舎へと歩く。
    校舎を抜け、広いグランドの奥に建つ古びた木造校舎がある。
    これが旧校舎。
    その旧校舎の正面入口の前に、あたし達は今立っている。

    2008-10-25 21:44:00
  • 5:

    花子

    ギィとドアが軋む。
    中に一歩入ると、ひんやりした空気。
    木で出来た下駄箱には、もぅ何十年も掃除されていないせいで、埃が積もり蜘蛛の巣が張ってある。
    廊下を進と、あたし達の左手側に二階へと上がる階段がある。
    階段の手すりも、先程の下駄箱同様、埃だらけだ。

    2008-10-25 22:09:00
  • 6:

    花子

    階段をあがるごとに、ギィと軋む。
    「ねぇ、この階段いきなり抜けたりしないよね?」
    あたしが聞くと、春佳は「大丈夫じゃない?」と適当に答える。
    あたしは春佳に分からないよぅにため息をつき、上を見上げた。
    ―――その時。

    2008-10-25 22:11:00
  • 7:

    花子

    ―――ゾクッ。
    とした悪寒が走る。
    霊感なんて0なあたしでも分かる。
    二階に何かいる。
    あたしは春佳の方を見ると、彼女も何か感じたのか、二階を真面目な顔で見上げていた。

    2008-10-25 22:14:00
  • 8:

    花子

    その瞬間。
    ――バタバタ!!
    先程まで何も聞こえなかった一階から誰かが走り回る音がした。
    その足音は廊下を、いったりきたりしている。
    ――ギィ……ギィ……。

    2008-10-25 22:16:00
  • 9:

    花子

    何かが階段をあがる音がした。あたしは、とっさに春佳の手を掴み階段を駆け上がる。
    一階に行くのも、二階に行くのもヤバいのは変わらない。
    二階に上がった時、悪寒は鳥肌へと変わり、背後から無数の視線を感じた。
    なるべく後ろを振り向かないよぅに、あたし達は走った。
    すると目の前に、女子トイレが見えた。

    2008-10-25 22:21:00
  • 10:

    花子

    来た道を戻る勇気もないあたし達は、とりあえずトイレに入ってみた。
    「視線…感じなくなったね。」春佳が息を整えながら言う。
    「うん。てかここ?花子さんがいるってトイレ。つーか旧校舎ヤバすぎじゃんか!春佳よく来れたね!?」
    あたしは恐怖と興奮で一気にまくしたてる。
    「ごめん…」

    2008-10-25 22:26:00
  • 11:

    花子

    ボソっと春佳が呟く。
    「何が?」
    あたしの答えに、春佳はゆっくりと話だした。
    「あたし旧校舎来たの今日が初めて…。お姉ちゃんにさ、旧校舎のトイレには、花子さんがいるって聞いて…。」
    へへっと春佳は笑った。

    2008-10-25 22:29:00
  • 12:

    名無しさん

    珍しいジャンル発見?

    2008-10-26 01:27:00
  • 13:

    花子

    「…お姉ちゃんの話、半信半疑だったけど、旧校舎にはお化けいたね。」
    と、春佳は半ば、開き直りながら言った。
    「いや…お化けどころじゃないでしょ。さっきのは。」
    あたしは軽く溜息をつき、トイレの中を見渡す。

    2008-10-26 01:50:00
  • 14:

    花子

    中はいたって普通。
    入口を入ってすぐ右に手洗い場があり、その横を五つの個室で区切られた和式トイレが並んでいる。
    試しに一つ、一つ、ドアをノックしてみた。
    一つ目、二つ目とドアを叩いてみるが反応無し。
    そして五つ目のドアにさしかかった時―――。

    2008-10-26 01:56:00
  • 15:

    花子

    ――ドンッ!と、トイレのドアを叩く音がした。
    「岬!」
    春佳が慌ててあたしの方にくる。
    ドンっ……ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ
    ドアを叩く音は、激しくなるばかりであたし達は、ドアの向こうのナニかに怯えるしかなかった。

    2008-10-26 11:45:00
  • 16:

    名無しさん

    ?キャ━━━━━━━!!

    読んでます?頑張ってください♪

    2008-10-27 03:41:00
  • 17:

    花子

    「岬…どぅしよう…?」
    春佳は今にも泣きそうだ。
    あたしの腕を掴む手が、震えている。
    「だ…大丈夫だよ…。」
    泣きそうな春佳を、落ち着かせる為に、大丈夫と言ってみたものの内心、あたしも泣きそうだった。

    2008-10-28 03:19:00
  • 18:

    花子

    ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン――!!
    ドアを叩く音は、いっこうに止む気配がない。
    それより古いドアは、叩かれた衝撃で壊れそうだ。

    2008-10-28 03:25:00
  • 19:

    花子

    【助けて…!!もぅ旧校舎には二度と来ません!誰でもいぃから助けて下さい!!】
    あたしはただひたすら祈った。神様でも、仏様でも、祈れるもの全てに。
    【散れ。】
    その時だった。
    あたしの横から、声が聞こえたのは。

    2008-10-28 03:32:00
  • 20:

    花子

    遅れましたが、レス下さった方ありがとうございます(^-^)
    初めて書くので、誤字、脱字、見苦しい点などあると思いますが多めに見てやって下さい(^^;)
    それでは続き?

    2008-10-28 03:35:00
  • 21:

    花子

    誰かの声がした瞬間、ドアを叩く音と嫌な空気が一瞬でなくなった。
    春佳と目が合う。
    春佳は、何が起こったのか分からないって顔をしていた。
    【糞餓鬼が…。】
    また声がして、後ろを振り向くと彼女はいた。

    2008-10-28 03:40:00
  • 22:

    花子

    腰近くまで伸びた真っ黒な髪。
    意志の強そうな、綺麗な瞳。
    人形みたいな白い肌。
    そして、紺色のセーラー服
    あたしは二、三回、瞬きをした。

    2008-10-28 03:46:00
  • 23:

    花子

    春佳を見ると、彼女も驚いていた。
    どうやら彼女にも見えているらしい。
    あたし達が、驚いているとセーラー服の彼女が口を開いた。
    【中途半端な力持って、こんな所に来るなッ】
    彼女は不機嫌まるだしの声であたし達に言った。

    2008-10-28 03:50:00
  • 24:

    花子

    「ごめんなさい…」
    彼女の怒りが本気だったから、あたし達は謝るしかなかった。
    【で、何しに来た?】
    「この旧校舎に…花子さんがいるって聞いて…」
    彼女の質問に、春佳が返した。

    2008-10-28 04:00:00
  • 25:

    花子

    【あたしが花子だけど。】
    と、彼女。

    「えーーーーっ!!」
    あたしと春佳は、同じタイミングで声をあげた。

    2008-10-28 04:08:00
  • 26:

    花子

    あたしの中の花子さんのイメージは、ちび○子の服におかっぱの小さな女の子だったから、目の前にいる美少女に驚きを隠せなかった。
    それはどぅやら春佳も一緒だったらしく、春佳は「ちび○子じゃない…」と呟いていた。
    「本当に…花子さんですか?」
    あたしはつい聞いてしまった。

    2008-10-28 04:14:00
  • 27:

    花子

    【まぁ、本名かどうかは分からないが花子には変わりない。お前達、人間がそう呼ぶからな。】
    花子さんは、しかめっつらであたし達に言った。
    「本当にいたんだ…。」
    と、春佳は嬉しそうに言う。

    2008-10-28 04:20:00
  • 28:

    花子

    あたしも花子さんの存在を信用していなかったから、会えた事は素直に嬉しかった。
    それを感じとったのか、花子さんは呆れたよぅな笑顔をあたし達にむけた。
    【お前達は変な人間だな。あたしはもぅ何十年とこの場所にいるが、あたしを見て喜んだのはお前達が初めてだぞ。】
    その笑った顔は、あまりに可愛すぎて一瞬だけ、花子さんが幽霊だと忘れてしまう程だった。
    【さぁもぅ帰れ。ここはお前達が居ていい場所じゃない。あたしの存在も忘れろ。】

    2008-10-28 04:33:00
  • 29:

    花子

    花子さんが指をスッとあげると、あたし達はその場で意識を失ってしまった。

    そして、次に目を開けた時、あたし達は保健室のベッドの上だった。
    先生曰わく、グランドであたし達は倒れていたらしい。

    2008-10-28 04:35:00
  • 30:

    花子

    春佳は何故グランドで倒れていたのか記憶にないと言った。
    だけどあたしは、全て覚えていた。

    あたしは花子さんに会った時点……いや、旧校舎に足を踏み入れた時点で、何かが変わってしまっていた。

    2008-10-28 04:40:00
  • 31:

    花子


    あたしと、花子さんの出会いは、ただの始まりにすぎなかったのだ――――――。

    2008-10-28 04:41:00
  • 32:

    名無しさん

    ?好きです、こうゆう話。主さんの書き方も好きです。頑張ってください?

    2008-10-28 06:59:00
  • 33:

    名無しさん

    花子ツンデレ?

    2008-10-28 10:57:00
  • 34:

    まい

    続き気になります?楽しみにしてますっ??

    2008-10-28 11:34:00
  • 35:

    花子

    あれから一週間。
    あたしは、あの旧校舎には近付かないでいた。
    いや、近付けない方が正しい。
    だってあの一件いらい、あたしは今まで見えていなかったものが、見えるよぅになってしまったから。
    最初はモヤみたいな物から始まり、今じゃ言葉で表現出来ないもねまで見えてしまう。

    2008-10-28 17:58:00
  • 36:

    花子

    33さん☆
    へたくそ以外の何物でもないこんな小説を読んでくださりありがとうございます(>___

    2008-10-28 18:05:00
  • 37:

    花子

    36の[もね]ではなく[もの]です(^^;)

    それでは続き?
    最初の頃は、疲れて幻覚でも見ているんだろうって、思いこんでいた。
    でも幻覚じゃないと、気付かされた。

    2008-10-28 18:08:00
  • 38:

    花子

    その日は、夜遅く家に帰ろうとしていた。
    「やだなぁ。早く帰ろう。」
    暗い道を一人呟きながら、あたしは足早に歩いていた。
    そして角をまがり、あの家にさしかかった時、家の前に誰かいた。
    「ん、あの人何してるんだろう…?」

    2008-10-28 18:20:00
  • 39:

    花子

    その人は、門の前で下を向いて立っている。
    近づくにつれ、その人が女の人だと分かった。
    もぅ秋で、少し肌寒く感じる季節なのに、その人はノースリーブのワンピースを着ている。
    「あの人、寒くないのかな?」
    なんて、あたしは呑気な事を考えていた。

    2008-10-28 18:23:00
  • 40:

    名無しさん

    2008-10-29 08:46:00
  • 41:

    花子

    その家に近付くにつれて、あたしは言いようのない違和感を感じた。
    そして女の人まで、あと少しという所で、あたしは猛ダッシュした。
    ヤバい!!あの人はヤバい!逃げろ!
    と、あたしの中の何かがそう言った。
    なるべく後ろを気にしないよぅに、家まで走る。

    2008-10-29 15:46:00
  • 42:

    花子

    自分の家が見えた時、あたしは安心して立ち止まった。
    そして、ゆっくり後ろを振り返ると――――。


    【気付いてたんでしょ?】

    2008-10-29 15:48:00
  • 43:

    花子

    あの女の人が、すぐ後ろに立ちニヤリと笑って言った。
    「う…わぁぁぁぁぁぁ!!」
    あたしは、出る限りの声をだし家まで走った。
    「岬?ちょっと、どうしたの!?」
    慌てて家に入ってきたあたしを、母が何事だっと言った顔で出迎えた。

    2008-10-29 15:52:00
  • 44:

    花子

    「み、水…水ちょうだい…。」
    あたしは、それだけ言うと玄関に座り込む。
    さっきの女の人の、声と顔が頭にこびりついていたる。
    感情のない声に、生気のない目。
    そして、血だらけの口元。

    2008-10-29 17:28:00
  • 45:

    花子

    あたしの感じた違和感は、当たっていたんだ。
    「ほら水。一体何があったの?」
    水の入ったコップを手に、母が心配そうに聞く。
    あたしは、水を一気に飲み干し「何でもない。」と言って二階の自室へとあがった。
    下から母が何か言っていたけど、きっと何を言っても信じないだろう。

    2008-10-29 17:41:00
  • 46:

    名無しさん

    あげ?

    2008-10-30 01:25:00
  • 47:

    花子

    それから今日まで、あたしは毎日あの女の人と出会う。
    そしてその人は、少しずつあたしに近付いて来ていた。
    正確に言えば、あたしの行く場所、行く場所に姿を現すよぅになったのだ。

    2008-10-30 01:41:00
  • 48:

    花子

    家から学校に行く途中、またあの女の人が立っている。
    「はぁ…」
    いぃ加減うんざりしていたが、正直幽霊は怖い。
    だから話し掛ける事も出来ない。
    しかし女の人は、あたしの行く先々に現れるが、あたしに何かをしようとはしない。

    2008-10-30 01:47:00
  • 49:

    花子

    「あの人は何がしたいんだろう?何か伝えたいのかな?」
    相変わらず彼女は、下を向いて立っている。
    まぁあの笑顔を見せられるなら、ずっと下を向いていてくれる方が、あたしにとっては有り難いけど…。
    でもどうしてあたしは、幽霊が見えるよぅになったんだろう。
    花子さんに、聞いてみようかな…。

    2008-10-30 01:52:00
  • 50:

    花子

    いやでも…普通に幽霊が見える今となれば、あの旧校舎に1人で行くのは自殺行為だ。
    まだ、あたしが見てきた幽霊は、その場にいるだけで何もしてこなかったからいいけど、旧校舎のはそぅはいかない。
    幽霊が見えてなかったあの時でさえ、めちゃくちゃ怖かったのに。
    どうしよう…。
    考えながら歩いていたせいか、顔をあげてみると学校は、すぐそこって所まで来ていた。

    2008-10-30 01:57:00
  • 51:

    花子

    校舎の中に入った時、グランドの奥にある旧校舎が見えた。
    相変わらず、嫌な雰囲気を醸し出している。
    「やっぱ1人じゃ行けない。」
    そう呟きながら、あたしは教室に向かった。

    2008-10-30 02:22:00
  • 52:

    花子

    「――…であるからして。」
    どうして先生の声は、こんなに眠気を誘うんだろう。
    授業を聞きながら、ボンヤリと考えていた。
    眠いなぁ……。
    あたしは知らない内に、眠りの世界へと入っていた。

    2008-10-30 02:26:00
  • 53:

    花子

    「………」
    誰かが話してる。
    誰だろう?
    「……ら……」
    何か言ってるけど、よく聞こえない。

    2008-10-30 02:29:00
  • 54:

    花子

    「…も…………から……」
    よく聞こえないってば。
    もっとハッキリ言ってよ。
    あたしは、誰かにそう言った。「………から……」

    2008-10-30 02:31:00
  • 55:

    花子



    「……もぅすぐ……だから………」

    2008-10-30 02:34:00
  • 56:

    花子

    ―ガタン!!
    「どうした杉村?」
    先生とクラスメイトの視線が、一気にあたしに注がれる。
    バクバク言う心臓を落ち着かせるかのよぅに、あたしはおどけながら言った。
    「すいません。寝ぼけてました!」

    2008-10-30 02:38:00
  • 57:

    花子

    「一時間目から寝るとはさすがだなぁ。杉村。」
    先生の嫌みを、軽くかわし座りなおす。
    まだ心臓が、バクバク言ってる。
    さっきの夢の中の声は…間違いない。
    あの女の人だ…。

    2008-10-30 19:00:00
  • 58:

    花子

    もぅすぐだから。
    彼女はそう言っていた。
    何がもぅすぐなのだろう?

    あたしはその日、1日中あの女の人が言っていた、言葉の意味を考えていた。

    2008-10-30 19:10:00
  • 59:

    名無しさん

    おーもろー

    2008-10-30 23:00:00
  • 60:

    名無しさん

    女こえ〜

    2008-10-31 00:37:00
  • 61:

    花子

    「岬、途中まで一緒に帰ろ?」
    靴箱の所で、声をかけてきたのは春佳だった。
    「うん。」
    「どうしたの?」
    春佳が聞いてきた。

    2008-10-31 00:52:00
  • 62:

    花子

    「ちょっとね。」
    あたしはそう言って、夢の出来事を春佳に言おうかどうか考えた。
    でも信じないだろうな。
    だって、旧校舎での出来事を忘れてるんだし。
    「何ー?なんか悩みあんなら聞くよ?」

    2008-10-31 00:56:00
  • 63:

    花子

    「あの…さ、春佳って幽霊とか…信じる?」
    あたしの質問に春佳は、笑って言った。
    「幽霊?そんなのいる訳ないじゃん。岬どうしたの?」
    やっぱり、か。
    「うぅん。なんでもない。聞いてみただけ。」

    2008-10-31 00:59:00
  • 64:

    花子

    「変な岬。」
    そう言って、春佳は笑う。
    その後は、春佳の彼氏の話や、TV番組の話をしてあたし達は別れた。

    そしてあの家の近所まで来た。

    2008-10-31 01:06:00
  • 65:

    花子

    「嫌だな…。」
    あたしの足が止まる。
    あの声を聞いたせいか、余計にあの家の前を、通るのが嫌になる。
    覚悟を決めて、あたしは走る。

    2008-10-31 01:14:00
  • 66:

    花子

    家の前に着いた時、あたしはある事に気付いた。
    「…あれ?」
    そう言えば、あの人いなかった。
    なんで?
    後ろを振り返っても、彼女の姿は見えない。

    2008-10-31 01:16:00
  • 67:

    花子

    なんか、走って損したな。
    そう思いながら、家に入る。
    「ただいまー。」
    あたしの声が、家の中に虚しく響く。
    どうやら誰もいないらしい。

    2008-10-31 01:18:00
  • 68:

    花子

    「誰もいないのかな?」
    キッチンに行くと、テーブルの上に置き手紙があった。
    両親は遊びに行ったみたいだ。
    あたしは、制服から家着に着替え、早い夕食をする事にした。
    「ピザでも頼むか。」

    2008-10-31 01:22:00
  • 69:

    花子


    夕食を食べ終わり、シャワーを浴びて、部屋に入ると携帯が光っていた。
    メールか。
    誰だろうと思い、受信ボックスを開く。
    春佳から、明日の授業についての事だった。

    2008-10-31 01:27:00
  • 70:

    花子

    春佳に返信して、携帯を持ったままベッドに潜る。
    春佳と何度かメールのやりとりをしているうちに、あたしは眠ってしまった。

    2008-10-31 01:32:00
  • 71:

    花子

    42さん☆
    レスありがとうございます(^-^)

    48さん☆
    あげありがとうございます(^-^)

    61さん☆
    レスありがとうございます(^-^)

    62さん☆
    なるべく読んでる方が、怖いと思えるよぅに頑張ります(>_

    2008-10-31 01:39:00
  • 72:

    名無しさん

    頑張ってください(o^_^o)

    2008-10-31 02:26:00
  • 73:

    花子

    74さん☆
    レスありがとうございます(^-^)
    頑張ります(>_

    2008-10-31 04:39:00
  • 74:

    花子

    気付けばあたしは、真っ暗な闇の中にいた。
    前も後ろも、左右も分からない闇の中。
    ただ言いようのない恐怖だけがある。
    「どこよ、ここ…?」

    2008-10-31 04:42:00
  • 75:

    花子

    恐怖で動けずにいると、どこからか音が聞こえる。

    …タ……ペタ……ペタ……

    誰かの足音?

    2008-10-31 04:44:00
  • 76:

    花子


    ペタ…ペタ…ペタ……

    その足音は、あたしの方に近付いてくる。
    「何…?誰かいるの!?」

    2008-10-31 04:46:00
  • 77:

    花子

    返事はない。
    ただペタ、ペタ歩く足音だけが、あたしの方に近付いてくる。
    「どうしよう…。」
    あたしは、恐怖の余りパニックをおこしそうになる。
    その時だった。

    2008-10-31 04:47:00
  • 78:

    花子


    「ー…みつけ…たぁ…」

    あの女の人の声が、あたしのすぐ後ろで聞こえたのは。

    2008-10-31 04:49:00
  • 79:

    花子

    「……!!」
    一気に寒気がして、あたしの本能が叫ぶ。
    ――ニゲロ。コノオンナハヤバイ。
    走ろうにも、足が震えてうまく走れない。
    【―ヒヒ…ヒヒ……ヒヒヒヒ…!!】

    2008-10-31 04:56:00
  • 80:

    花子

    【…マッテヨォ……ヒヒヒヒ…マッテ…ヒヒヒヒィ……】
    頭の中に女の声がする。
    逃げなきゃ!
    ヤバい!ヤバい!
    殺される!!

    2008-10-31 04:58:00
  • 81:

    花子

    女の手が、あたしの腕を掴もうとした時――――
    【去れ。】
    また誰かの声がした。
    【――チッ……】
    女は忌々しそうにあたしを見て、スッと消えていく。

    2008-10-31 05:01:00
  • 82:

    花子

    …助かった……?
    ホッとしたのも束の間、あたしはその場にへたりこんだ。
    あまりの恐怖に、腰が抜けてしまった。
    そして安心したのか、一気に涙が溢れる。
    「怖……怖かっ…た……」

    2008-10-31 05:04:00
  • 83:

    名無しさん

    ?ギャ━━━━━━━!!
    怖いです。次見るの怖すぎです??でも好きです。自分のペースで大丈夫なんで完結まで頑張ってくださいね?

    2008-10-31 07:56:00
  • 84:

    名無しさん

    はなちゃんか?はなちゃんがきてくれたのか?

    2008-10-31 15:50:00
  • 85:

    花子

    【大丈夫か?】
    顔をあげると、彼女がいた。
    「花子…さん…?」
    【危なかったな。嫌な気がしていたから来てみれば、まさかお前がいたとはな。】
    あたしは、花子さんの出現で更に涙が出た。

    2008-10-31 20:53:00
  • 86:

    名無しさん

    面白い?頑張ってくださいっ?

    2008-10-31 21:40:00
  • 87:

    名無しさん

    あげときます??

    2008-11-01 04:04:00
  • 88:

    花子◆0bXlDmpLWE

    【もぅ大丈夫だ。】
    花子さんが、あたしに触れる。
    どうしてかな?
    花子さんは、幽霊の筈なのに、あたしの肩に置かれた花子さんの手は温かかった。
    「はな゛ごさん…」
    あたしは涙と鼻水のせいで、だみ声だった。

    2008-11-01 16:21:00
  • 89:

    花子◆0bXlDmpLWE

    【顔、汚いぞ。】
    花子さんの言葉に、あたしは笑ってしまった。
    「ありがとう、花子さん。でもどうしてあたしの夢の中に?」
    【夢の中は、人間が一番無防備な状態だから簡単に入れるんだ。】
    へぇ、と、あたしは感心してしまった。

    2008-11-01 16:27:00
  • 90:

    花子◆0bXlDmpLWE

    「あ!てかさっきの女の人誰?どうしてあたしに、つきまとうの?」
    あたしの質問に、花子さんは少し考えた素振りをして答える。
    【お前につきまとうのは、お前の体を狙っているんだろう。】
    「あたしの体!?」
    【あぁ。】

    2008-11-01 16:34:00
  • 91:

    花子

    「どうしてあたしの体なの?」
    【それは偶然だろうな。たまたま奴の近くにいたのが、お前だったというだけだろう。】
    偶然?
    たまたま?
    それだけであたしは、あんな得体の知れない女に、狙われなくちゃならなくなったの?

    2008-11-02 01:38:00
  • 92:

    花子◆0bXlDmpLWE

    何それ……。


    【おい、どうした?】
    あたしは、さっきまでの恐怖が嘘のようになくなり、今度は怒りがあたしを支配しようとしていた。

    2008-11-02 01:41:00
  • 93:

    花子◆0bXlDmpLWE

    「マジで頭きた。ふざけんなっつーの。」
    一人でキレるあたしを、花子さんは唖然として見ていた。
    「あんな訳の分からん女に、体とられてたまるかよ。」
    あたしは、あの女と対峙する事を決めた。
    自分の体を、守るために!

    2008-11-02 01:47:00
  • 94:

    名無しさん

    あげます?

    2008-11-03 06:37:00
  • 95:

    名無しさん

    あげときますね?

    2008-11-04 05:49:00
  • 96:

    名無しさん

    ??

    2008-11-04 22:48:00
  • 97:

    名無しさん

    あげときますね??

    2008-11-06 09:46:00
  • 98:

    花子◆0bXlDmpLWE

    次の日あたしは、早くから学校に来ていた。
    正確には、旧校舎に来ていたのだ。
    あの女に対する恐怖がなくなったあたしは、旧校舎にいるナニかに対しても怖いと感じなくなった。
    「花子さん、おはよー」
    トイレのドアを開け、あたしは元気よく言った。

    2008-11-06 14:57:00
  • 99:

    花子

    【…早いな。】
    スッとどこからともなく現れた花子さん。
    「まぁね。てかね、あたし花子さんに聞きたい事があるんだ。」
    あたしの言葉に、花子さんは何だ?って顔をした。

    2008-11-06 15:02:00
  • 100:

    名無しさん

    よかった?更新されてる??ゆっくり考えてください?その間毎日一回はあげますので?

    2008-11-07 16:10:00
  • 101:

    名無しさん

    あげときます??

    2008-11-10 01:55:00
  • 102:

    名無しさん

    age?

    2008-11-10 22:42:00
  • 103:

    花子

    重ね重ねすみませんm(_ _)m
    話を考えたり、息子に携帯を壊されたりで、ちゃんと更新が出来ませんでしたm(_ _)m
    あげて下さった方ありがとうございますm(_ _)m

    2008-11-11 06:12:00
  • 104:

    花子

    それでは>>102から。

    「あたし前に一度ここに来たでしょ。その時の記憶なんだけどさ。どうしてあたしだけ、記憶が残ってたの?友達の春佳は消えてたのに。」
    あたしの質問に、花子さんはあぁと言った感じで喋りだした。
    「お前の力が、思ったより強かったんだ。」

    2008-11-11 06:16:00
  • 105:

    花子

    「力?」
    【あぁ。お前はどうやら他の人間より霊感があるみたいだな。】
    霊感?
    強い?
    ……あたしが!?

    2008-11-11 06:26:00
  • 106:

    花子

    「えーー!?でもあたし花子さんに会うまで、幽霊とか一度も見たことなかったよ?」
    【それは、ここに入った事で本来眠っていた力が目覚めたのだろう。】
    淡々と答える花子さんを前に、あたしはただ驚くばかりだ。
    【まぁ稀にいるんだ。後天的に力が目覚める奴が。】
    「そ、そぅなんだ。」

    2008-11-11 06:30:00
  • 107:

    花子

    【それよりも、あの女はどうした?】
    花子さんの言葉に、あたしは我にかえる。
    「!えっと、あ、なんか少しずつだけど、近付いて来てるみたい。でも変なの。旧校舎には入ってこれないみたい。」
    あたしがそう言うと、花子さんは眉間にしわを寄せた。
    【近付いて?それはマズいな。】

    2008-11-11 06:33:00
  • 108:

    名無しさん

    頑張ってください??

    2008-11-11 23:59:00
  • 109:

    名無しさん

    詳しくはこちら

    http://ac.la/onna

    2008-11-12 03:37:00
  • 110:

    名無しさん

    おもしろいのにカキコが多すぎて見づらい?

    2008-11-12 14:05:00
  • 111:

    名無しさん

    ヤヴァイおんもろー

    2008-11-12 15:23:00
  • 112:

    花子

    「花子さん、どうしよう!?どうすればいい!?」
    【死後の世界も楽だぞ?腹も減らんし、自由だし。】
    花子さんはフフっと笑った。
    「い、嫌だってば!あたし死ぬ時は大往生って決めてるし!」
    あたしはもぅ必死だった。

    2008-11-12 15:58:00
  • 113:

    花子

    【まぁ、助けてやらん事もない。】
    と、花子さん。
    「ほ、本当?」
    少し涙目になりながら、あたしは聞く。
    【あぁ。一つだけ条件がある。それにのるか?】

    2008-11-12 16:00:00
  • 114:

    花子

    「のる!のります!」
    勢いよく言ったあたしに、花子さんは笑顔を向ける。
    【いぃだろう。助けてやる。】
    「やったー!!」
    【条件だがな、あの女を始末してから、な。】

    2008-11-12 16:20:00
  • 115:

    花子

    「あ、はい…。」


    そう言って笑う花子さんは、美少女には似つかわしくないどす黒い笑顔だった。

    2008-11-12 16:21:00
  • 116:

    花子

    96さん☆
    あげありがとうございますm(_ _)m
    頑張ります(^-^)
    97さん☆
    あげありがとうございます(^-^)
    頑張りますm(_ _)m
    98さん☆
    レスありがとうございます(^-^)
    99さん☆
    あげありがとうございます(^-^)
    頑張りますm(_ _)m

    2008-11-12 17:44:00
  • 117:

    花子

    ご飯の用意をしますので、後ほどまたレス返しをさしてもらいますm(_ _)m
    レス返しが出来次第、小説を更新しますm(_ _)m
    すみませんm(_ _)m

    2008-11-12 17:46:00
  • 118:

    花子

    ご飯の用意をしますので、後ほどまたレス返しをさしてもらいますm(_ _)m
    レス返しが出来次第、小説を更新しますm(_ _)m
    すみませんm(_ _)m

    2008-11-12 17:47:00
  • 119:

    花子

    書くのが遅くなってすみませんm(_ _)m
    では、レス返しさして頂きます(^-^)
    103さん☆
    更新遅くてホンマすみませんm(_ _)m
    ありがとうございます(^-^)
    104さん☆
    あげてくれてありがとうございます(^-^)
    105さん☆
    レスありがとうございますm(_ _)m

    2008-11-12 22:15:00
  • 120:

    花子

    111さん☆
    ありがとうございます(^-^)
    頑張ります(^-^)
    113さん☆
    なるべく書き込みをおさえた方がいいですか?
    すみませんm(_ _)m
    114さん☆
    おもしろいと書いてくださりありがとうございます(^-^)
    頑張ります(^-^)

    2008-11-12 22:22:00
  • 121:

    花子

    【それじゃあさっさと片付けるか。】
    花子さんは、さっきの笑顔から真面目な顔になる。
    「片付けるってどうやって?」
    【お前の学校が終わり次第、奴の住処に行くぞ。】
    「えぇ!?」

    2008-11-12 22:31:00
  • 122:

    花子

    「い…行くの?マジで!?」
    【あぁ。さっさと片付けた方が後々楽だろ?】
    淡々と話す花子さんは、どこか楽しんでるみたいで、あたしはなんだか不安になった。
    【さ、早く授業に行け。】
    花子さんは、そう言うとスッと消えた。

    2008-11-12 22:37:00
  • 123:

    名無しさん

    ?

    2008-11-13 08:06:00
  • 124:

    花子

    放課後。
    あたし達は、あの女が立っていた家に来ていた。
    花子さんは、幽霊屋敷についた時からなんだか怖い顔だ。
    「花子さん…何か感じるの?」
    花子さんは、ため息をつくと小さく頷いた。

    2008-11-15 10:51:00
  • 125:

    花子

    【悪い霊気が充満している。いぃな、今から家の中に入ったら一切気を抜くな。少しでも気を抜けば一発でやられるぞ。】
    花子さんの言葉は、とても重く、あたしは頷くしかなかった。
    【開けろ。】
    花子さんの声を合図に、あたしは屋敷のドアに手をかける。
    ギ…ギギィ……

    2008-11-15 10:56:00
  • 126:

    花子

    128さん☆
    レスありがとうございます(^^)ノシ

    2008-11-15 10:57:00
  • 127:

    花子

    もう何十年という空き家のせいか、ドアは錆びていて中々開けづらい。
    そして、やっと人が一人くらい通り抜けられるぐらいまで開けた時、今まで感じなかった嫌な気配があたしを襲った。
    【気を引き締めろ。隙を見せるな。】
    あたしの後ろで、花子さんが言った。
    「う、うん!」

    2008-11-15 11:10:00
  • 128:

    名無しさん

    おまろすぎる

    2008-11-15 22:11:00
  • 129:

    花子

    家の中に、足を踏み入れると、空気が違った。
    あたしでも分かるくらいここは【ヤバい】のだ。
    何がヤバいのか、聞かれれば上手くは言えないが、あたしの中の危険信号が鳴ってる。
    『ヤバイ…イクナ…』
    玄関に入ったはいぃが、そこから足が震えて動けない。

    2008-11-17 02:05:00
  • 130:

    花子

    【大丈夫だ。あたしがいる。】
    あたしの恐怖を感じ取ったのか、花子さんが背後で囁く。
    あたしは、頷くとまた一歩足を進める。
    ――ギシッ。
    歩くたびに、床が軋む。

    2008-11-17 02:08:00
  • 131:

    花子

    家の中は、その当時、人が住んでいたと分かるよぅに家具がそのまま残っていた。
    だけど、何者かにひどく荒らされたのか、硝子は割れ、壁は落書きだらけだ。
    「なんか…寒い…。」
    それは冬独特の寒さではなく、何か得体の知れない恐怖からくる寒さだった。

    2008-11-18 00:09:00
  • 132:

    花子

    ―カタン!
    どこかで何かが倒れる音がして、あたしの体はビクっとなる。
    【気にするな。ただの脅しだ。】
    と、花子さんが言った。
    あたしは一度、深呼吸して次の部屋に向かった。

    2008-11-18 00:12:00
  • 133:

    花子

    次に入ったのは、キッチンと併設されたリビングだった。
    皮のソファと木のテーブルがあり、壁際に大きなテレビがある。
    まぁそれら全てもボロボロなのだが。
    ふと、テレビ台の中を覗いて見ると、ビデオカメラ用のテープがあった。
    それを恐る恐る手に取り、見てみると日付と名前が書かれていた。

    2008-11-18 00:19:00
  • 134:

    花子


    19**.8.26
    鮎美

    2008-11-18 00:22:00
  • 135:

    花子

    「鮎美?誰だろう?」
    花子さんに聞くと【この家の誰かだろう】と言った。
    【見てみるか?】
    「どうやって?ビデオカメラなんてないよ。」
    【持って帰って見てみればいいだろ。】

    2008-11-18 00:25:00
  • 136:

    花子

    「い、いやだよ!なんか呪われたりしたらどーするの!?」
    急いでテープを、さっきの場所に戻しながら言った。
    【意気地なしめ。】
    「だ、誰がよ!」
    ――カタカタ。

    2008-11-18 00:28:00
  • 137:

    花子

    あたしと花子さんが、軽く言いあってたらテープが音をたてて動き出す。
    「な、何!?」
    ビクつくあたしを横に、花子さんが手をかざすとつかない筈のテレビがパッと明るくなった。
    「え!?え!?」
    【このテープには、強い念は残っているが、悪い気は感じないから大丈夫だ。】

    2008-11-18 00:31:00
  • 138:

    花子

    「で、でもテレビ!」
    テレビを指差しながら言うあたしに、花子さんはしかめ面で言った。
    【こんな事ぐらいでうろたえるな。このテープに残っている念が見せているだけだ。】
    ハァ。とため息をつく花子さん。
    そんなあたし達をお構いなしに、テレビは何かを映し出した。

    2008-11-18 00:35:00
  • 139:

    花子

    テレビの画面は、一瞬砂嵐になりすぐに変わった。
    どこかの公園だろうか?
    遠くの方で、女の子が走っている。
    麦わら帽子をかぶり、真っ赤なワンピースを来た女の子。
    そしてテレビには映っていないが、優しそうな女の人の声がした。

    2008-11-18 03:44:00
  • 140:

    名無しさん

    おもろすぎる?

    2008-11-19 07:15:00
  • 141:

    ?ミィ?◆RJf1.l8lpg

    2008-11-19 07:48:00
  • 142:

    花子

    「鮎美ちゃーん、こっち向いてー。」
    鮎美ちゃんと呼ばれた少女は、画面に映っていない親に手を振って答えている。
    そして少女を映していたカメラが、次は優しそうな男性を写す。
    男性は、自分が撮られていると分かると、照れくさそうに笑った。

    2008-11-20 01:05:00
  • 143:

    花子

    ジッとビデオを見ていて分かったのは、ただ幸せな家族が映っているだけだった。
    「なんか、怖がって損したな。」
    小さく呟き、また視線をテレビに戻した時、それは映った。
    『鮎美ちゃんは可愛いね。』
    そう言って、少女の頭を撫でていたのは、あの女の人だった。

    2008-11-20 01:10:00
  • 144:

    花子

    画面に映っていたあの女の人は、色白でとても綺麗な人で、あたしが見てきた女の人とは、とても同一人物だと思えなくて。
    あたしはなんとなく、花子さんを見た。
    【これが、本来の奴の姿だったんだろう。】
    花子さんは、あたしを見ずに言った。
    「そっか…。綺麗な人だったんだね。」

    2008-11-20 01:16:00
  • 145:

    花子

    なんとなく、あたしはしんみりとした気持ちになったまま、流れるビデオを見ていた。
    「どうしてあたし達に、これを見せているのかな?」
    ふと疑問に思った事を言ってみる。
    【さあな。】
    花子さんも何かを思ったのか、いつもより少し優しい声だった。

    2008-11-21 01:27:00
  • 146:

    花子

    そしてあたし達が、ビデオに気をとられていた時――。

    ――ガタガタガタ!
    ――ドンドンドン!
    ――ギギギィィ……

    2008-11-21 01:32:00
  • 147:

    花子

    突然、家中が鳴り出した。
    「な、何!?」
    音は段々大きくなる。
    あたしは、花子さんの近くに行き、周りを見てみる。
    窓は誰かに叩かれてるのか、揺れていて、ドアを引っ掻く音がし、あたしはパニックになりそうなのを、必死でこらえる。

    2008-11-21 01:37:00
  • 148:

    花子

    バキィ!!
    急に部屋のドアが、ありえない音を出して、ありえない折れ方をした。
    あたしは、恐怖のあまり泣き出しそうだった。
    【しっかりしろ!気を強くもて!】
    花子さんの言葉も、恐怖が勝っている今じゃ、あまり意味がない。

    2008-11-21 01:41:00
  • 149:

    花子

    ――そして、あたしは見てしまった。

    「……ひっ!!」

    折れたドアの隙間から、無数の目が、こちらを見ていたのを。

    2008-11-21 01:43:00
  • 150:

    花子

    【クル…シイ……、イタイ……、ニクイ……、ウラメシイ………、ドウシテ…アタシガ……オレガ………コロシテヤル……オナジメニ……アワシテヤル………】
    頭の中に、色んな声が入ってくる。
    その声はどれもが、辛そうで、苦しそうで、あたしは泣きたくないのに、涙がとまらない。
    【散れッ!】
    花子さんの声で、さっきまでの声が嘘のように消えていく。

    2008-11-21 01:48:00
  • 151:

    花子

    【オイ!しっかりしろ!奴らに耳を貸すな!死にたいのか!】
    花子さんの怒声で、あたしは我に返った。
    「し、死にたくない!」
    あたしはそう言って、涙を服の袖で拭き取る。
    【しっかり自分を保っていろ。あんな奴らに殺られたくないだろう!?】

    2008-11-21 01:52:00
  • 152:

    花子

    うん!と、あたしは頷き自分に喝を入れる。
    声は消えたが、音はやむことなく鳴り響き、無数の目もまだあった。
    もぅ寒い季節だというのに、あたしは汗をかいていた。
    ――タ……ペタ……
    ―ゾクっと、悪寒がする。

    2008-11-21 01:58:00
  • 153:

    花子

    今までより数倍…いや、数十倍はヤバい気配。

    …あの女だ。

    あいつが、こっちに向かってくる…。

    2008-11-21 02:00:00
  • 154:

    花子

    ペタ……ペタ、ペタ。
    足音が少しずつ近付いてくる。
    【来るぞ…。】
    花子さんの声に、あたしは頷き、深呼吸した。
    ……ペタ………ギッ…

    2008-11-21 02:02:00
  • 155:

    花子

    ギギィィィ……

    ドアが動く。

    そして、あの女がゆっくりと姿を現した。

    2008-11-21 02:04:00
  • 156:

    花子

    【いら…っしゃーい…】
    女は、あたし達を見ると不気味な笑顔で言った。
    あたしの心臓は、ありえないくらいバクバクなっている。
    【やぁ…っと…来て、くれたのね……ヒヒ…ヒヒヒィィ…】
    女はまるで、壊れた玩具のよぅな話し方で、あたしに言った。

    2008-11-21 02:07:00
  • 157:

    花子

    額から冷や汗が流れ、喉が渇く。
    【ず…っ、と、待って……た、待って、たの…に…ヒヒヒ…ど、うして…ヒ…ヒヒ…】
    女は不気味笑顔から、急に無表情になったと思えば、見た事もないよぅな恐い顔をしてあたに言った。
    「どうして邪魔者がここにいるのよォォ!!!!!!」
    血走った目で、あたしを睨む女の顔は、鬼そのものだった。

    2008-11-21 02:14:00
  • 158:

    名無しさん

    あゆみちゃんが花子さん!?

    2008-11-21 14:54:00
  • 159:

    名無しさん

    ↑違うで。

    2008-11-21 15:28:00
  • 160:

    ?

    ?

    2008-11-26 09:59:00
  • 161:

    名無しさん

    オモロー

    2008-11-26 14:12:00
  • 162:

    名無しさん

    あげときます?

    2008-12-01 00:19:00
  • 163:

    名無しさん

    読みたい

    2008-12-03 03:51:00
  • 164:

    名無しさん

    おもろいage

    2008-12-03 09:42:00
  • 165:

    名無しさん

    ?あげ?

    2008-12-06 22:52:00
  • 166:

    名無しさん

    書いて?

    2008-12-31 05:24:00
  • 167:

    名無しさん

    うはっ!見つけてしまった…しかも完結してない(´・ω・`)

    2009-01-02 22:59:00
  • 168:

    名無しさん

    書いてぇ

    2009-01-08 04:16:00
  • 169:

    名無しさん

    か け

    2009-01-12 02:27:00
  • 170:

    名無しさん

    更新待ってる

    2009-01-17 05:38:00
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