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スパイダーマン

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  • 1:

    ◆BdcsYlAm/I

    あんたはやっぱり
    あたしだけのヒーロー

    正義の味方
    スパイダーマン

    2008-11-14 01:10:00
  • 2:

    ◆BdcsYlAm/I

    「おはよ-☆」
    今日も仕事帰り、親友のゆりと飲みに行く。
    いつもの店。地元のバー。小さな店内がなんやら南国ちっくなこの店は地元では一番人気。言っても数える程しか店ないけど。

    2008-11-14 01:14:00
  • 3:

    ◆BdcsYlAm/I

    「お-今日もやってきたか。貧乏人ども?」
    こんな失礼なこと言う奴はちょっと濃いめの顔の店長。20代後半だけど30代に見えます。残念。サーファーらしき彼はキレイに嫌みがない程度に年がら年中焼けている。…日サロ行ってんちゃうん??

    2008-11-14 01:19:00
  • 4:

    ◆BdcsYlAm/I

    「おっさんに用はない?
    あたしビール-」
    「あ、ゆりも-」
    「あとおなか減った-」
    「ゆりも-」ゆりとは昔から一緒。家が歩いて3分のとこにあるからなんか、気が合うからなんかはわからんけど。ゆりはキレイやしかわいい。あんまり人に媚びない。いつも素で、ちょっと汚れキャラ。なのに人から愛される。頭もいい。あたしの憧れでもある。

    2008-11-14 01:53:00
  • 5:

    ◆BdcsYlAm/I

    いつも通りおっさんの作ったごはんをつつきながら、ビールを飲む。明日は休み。それだけで嬉しくなる。居酒屋でもないのに、おっさんは親子丼を出してくれる。週に2、3回はここに寄って帰る。それがあたしの日常。

    2008-11-14 01:58:00
  • 6:

    ◆BdcsYlAm/I

    あたしは服屋さん。ゆりは大学生。うちらは22になったばかり。多少将来に不安は覚えつつも、毎日酒がおいしくごはんがおいしい。それ以上のことなんてあたしには必要ない。
    今日も酒を飲んでは大笑い。

    あたし達は大人になったんだ。

    2008-11-14 02:03:00
  • 7:

    ◆BdcsYlAm/I

    「ほんま小松うざいなぁ?あいつはほんまめざといわ。そんな化粧濃くしたつもりないのに?」
    「ん-りんちゃん、ゆりは充分濃いと思うで?」な、なんやとッ(゜ロ゜?
    「てかカウントダウンどうする?ケントとかとクラブ行く?」 ケントとは当時付き合っていたゆりの彼氏。あたしの彼氏はそのツレのマサト。

    2008-11-14 02:23:00
  • 8:

    「あ-カウントダウンはちょっと…?ごめんなぁ。」
    「ううん?いつものアレやんなぁ?マサトにはうまく隠すし、浮気せんようにゆりが見張っとくからな?」
    校舎の階段に座って、なっがいスカートに黒タイツをはいたうちらは笑い合った。年が明ければうちらは卒業。小学校から通ったこの学園ともお別れして、うちらは女子大生になるんやぁ―――" " "08/11/14 02:28

    2008-11-14 02:28:00
  • 9:

    ◆BdcsYlAm/I

    「…ッん!!りんちゃん!!」
    ゆりに起こされて起きた。気付けばゆりんち。昨日どうやって帰ってきたかも思いだせれへんし、頭は痛いしもう嫌(;´д`)
    ゆりの話によると昨日はバーのスタッフらとまた地元のバーを3軒ほどはしごして、みんなでトランプやってババ抜き負けまくったあたしはテキーラ地獄で撃沈したらしい。ゆり様ご迷惑おかけしました(;´д`)

    2008-11-14 02:35:00
  • 10:

    ◆BdcsYlAm/I

    「店長心配してたで〜?電話しといたったら?てかりんちゃん今日他店の人らとごはん行く言うてなかった?」…そうやった。すっかり忘れてた。今日は職場の他店の子とみんなでごはん行く日。あたしは急いで用意して、まだ酒が抜けきらず火照った体に買ったばかりのワンピを着て、ゆりの家を後にした。
    …あ、電話しな。

    2008-11-14 09:24:00
  • 11:

    ◆BdcsYlAm/I

    プルルル-…?
    電子音が頭に響く。あたしあんまり電話は好きじゃない。かといってメールも好きじゃないけど。やっぱり会って話すのが一番やん。
    「…あ゙い…」いかにも今まで寝てましたッて声で電話に出るおっさん。
    「あたし。りんか。」

    2008-11-14 13:52:00
  • 12:

    ◆BdcsYlAm/I

    「………あ゙-…昨日テキーラ7杯で撃沈しただっさいりんちゃん??」
    こいついつかぎゃふんと言わしたる?
    「心配おかけしたようで。でもこの通りぴんぴんしとぅから。今から仕事の子らとごはん行ってくる。」
    「お-行ってこい行ってこい。今日は店寄んの?」

    2008-11-14 19:31:00
  • 13:

    ◆BdcsYlAm/I

    「いや、今日はいいや。」
    「そ-か。………お前さ、やっぱ変わったよな。」
    「は?どこがよ。」
    「ん-…?いや笑ってるようで笑ってないってゆうか。まぁそれが大人なっていってるってことなんかもしれんけどな。」…なんや、このおっさん…?あたしは毎日こんな元気やのに。変なこと言うやつ。「よ-わからんけど、遅刻しそうやし切るわ?笑 またね。」

    2008-11-14 19:41:00
  • 14:

    名無しさん

    ひょ

    2008-11-14 19:55:00
  • 15:

    ◆BdcsYlAm/I

    いわゆるショップ店員たちの集いは華やか。単品だけ見ると大したことない気もしないでもないけど笑
    ちょっと派手な女の子たちが集まれば何だか絵になる。
    あたしはなぜか一歩外側に立って観察してしまう。
    グータンに出てきそうなダイニングバーで乾杯した頃には昨日のお酒も抜けてきてた。コスメ、彼氏、下ネタにファッション、何でも話して情報交換しまくる。女同士のこうゆう空間は、女子校出身のあたしには心地よく、うちの店は仲良しな方だなと思った。

    2008-11-14 20:45:00
  • 16:

    ◆BdcsYlAm/I

    「てかりんか、あんたさっきから食べ過ぎやから?笑 食っても太らんその体ありえへんわ-。足臭いし下腹ぽっこりやから嫌やけど。笑」 ほぼ同期のも-ちゃんが笑う。足臭くないもん。絶対も-ちゃんのが臭い?店員てさ、ずっと靴はいて立ってるし多少はさ…多少はしょうがないんよ(;_;)下腹はさ、20歳越えても?飲んでたらさ…ハハハハハ…(;_;)
    「あんた彼氏できたん?てゆぅかもしかしてまだ忘れられてないん?もう1年半もたつやん?」 も-ちゃんは声がでかい…?

    2008-11-14 21:07:00
  • 17:

    ◆BdcsYlAm/I

    「え、りんかさんそんな人いるんですか?」しかも意外に後輩食いついてきたよ、おい?
    「あんたら入ってくる前に別れたからな-?」そしてなぜも-ちゃんが得意気なんだ?笑
    一人の先輩が笑いながら「よく働き始めのりんかのこと心配で見に来てたよなぁ?もう2年前か-…早いなぁ…名前なんやったけ?ほら、え-っと………

    2008-11-14 21:16:00
  • 18:

    ◆BdcsYlAm/I



    「「キョンちゃん!!」」


    2008-11-14 21:17:00
  • 19:

    ◆BdcsYlAm/I

    も-ちゃんと先輩が声を揃えて叫んだ。
    あたしはその名前を聞いただけで懐かしさで胸がはりさけそうになった。
    ずっと考えないようにしてた。思い出さないようにしてた
    初めて愛した人。そして傷つけてしまった人。

    2008-11-14 21:22:00
  • 20:

    ◆BdcsYlAm/I

    「…も-キョンの話はいいって-?昔の話やでッ。も-ちゃんはオバチャンやなぁ、ほんま。いつまでも古い話してからに-?今は仕事が楽しいの!頑張るの!燃えとんの!」
    「えらいッ!りんか!それでこそあたしの弟子!笑」
    ちょっと離れた席で店長が笑っていた。
    みんなも笑っていた。

    2008-11-14 23:04:00
  • 21:

    ◆BdcsYlAm/I

    「そういえばミカコ結婚するらしいで?」
    ミカコとは辞めてしまった先輩ですごいキレイで、彼氏もかっこよくて、みんなの憧れやった。ずっと結婚しそうなぐらい仲良しな二人やったから、誰も驚かない。もうみんな聞いた瞬間結婚式何着てこうか迷ってるぐらい。
    「…でもさ…なんか…
    一つ問題あるみたいで…

    2008-11-14 23:41:00
  • 22:

    ◆BdcsYlAm/I

    「彼氏、韓国人らしい…」

    2008-11-14 23:45:00
  • 23:

    ◆BdcsYlAm/I

    …シーン…
    一瞬静まり返った空間。だけどみんなすぐに、せきを切った様に口々に話し出す。
    「え、じゃあミカコさんも韓国人なんの?」「日本人に見えたのに」「子供生まれたらハーフ?」「普通親が反対する」「差別する気ないけど、実際自分の家族にしたくない」「血が混じるん嫌じゃない?」
    「てかなんか汚い」

    2008-11-15 00:04:00
  • 24:

    ◆BdcsYlAm/I

    バーーンッ?

    テーブルを叩いたのはも-ちゃんやった。
    「いーやん。別に。ミカコさんがそれでいいなら?幸せなら?みんなで祝福しよ?」

    2008-11-15 00:12:00
  • 25:

    ◆BdcsYlAm/I

    そのあと、その話のことは無かったかのように振る舞って、みんなまたぺちゃくちゃ話して盛り上がったけど、何だか微妙になってしまった空気は結局完璧には取り戻せず、早め解散した。
    「汚い」
    その言葉が頭をぐるぐる回って、あたしはその日昔の夢を見た。あたしがまだ小さな頃だった。

    2008-11-15 00:20:00
  • 26:

    ◆BdcsYlAm/I

    「おじいちゃ-ん?」
    夢の中であたしは死んじゃったおじいちゃんを呼んでいた。大好きだったおじいちゃん。一緒に北海道に雪を見に行った日のことだ。あたしは初めて見る雪に驚き興奮状態。おばあちゃんもかけよってくる。

    2008-11-15 00:25:00
  • 27:

    ◆BdcsYlAm/I

    「りんちゃん!ほら、コート着て!」
    おばあちゃんに真っ白のファーのコートを着せてもらう。頭にはふりふりのリボン。あたしはお姫さまになった気分だった。おじいちゃんとおばあちゃんも笑顔。仲のいい夫婦だった。そして初孫のあたしはこれでもかって位に可愛がってもらった。
    「この子にはわしらみたいな苦労はさせない。」
    お嬢様の様な格好をしたあたしを見つめながら、おじいちゃんはそう呟いた。

    2008-11-15 00:31:00
  • 28:

    ◆BdcsYlAm/I

    「いらっしゃいませ-?」
    次の日もいつものように店頭に立つ。寒くなってきたとはいえ、アウターを着て店内に立つのはさすがに暑い。でもやっぱり着てる方が売れるから、これも辛抱なのです。
    「これ試着してみていいですかぁ-?」うちの店はカジュアルも置いてある割に値段もそこそこなので、20代以上のお客様が多い中、制服を着た女の子に声をかけられた。珍しいなと思ってると、彼女の後ろにはママらしき人の姿。
    ママとお買い物なんて最近してないなと、ふと思い返す。

    2008-11-15 00:45:00
  • 29:

    ◆BdcsYlAm/I

    昔は色んなとこにママと出掛けた。ランチにショッピング。自慢のママは
    若くてキレイでぶりっこで、怒ると死ぬほど怖い、そんな人。
    パパとは大昔に別れた。
    でも別に寂しいなんか思ったことない。いつでもママがいてくれたから。

    2008-12-01 19:40:00
  • 30:

    ◆BdcsYlAm/I

    パパとも定期的に会ってる。
    学生のときは次に2、3度は会っていたけど、今は月に1回会えばいい方。
    パパのことは嫌いじゃないけど好きじゃない。
    何とも思わない。パパに対して感情を持つことは今まで育ててくれたママに失礼な気がした。

    2008-12-01 19:48:00
  • 31:

    ◆BdcsYlAm/I

    「りんかお疲れ様-?」
    今日も仕事が終わる。販売員なんて仕事は正直誰でもなれるし、給料だって安い。あたしは確かに服が好きだけど、ものすごいセンスがあるってわけじゃない。
    だけど、それでもあたしに服を選んでもらいたいと通ってくれる人がいて、やりがいも感じてるし、この仕事が好きだって胸をはれる。寒くなってきたのでアウターのチャックを全部閉めて、息を吐く。少し白くなって、今年も冬がやってきたんだと実感した。

    2008-12-01 20:23:00
  • 32:

    ◆BdcsYlAm/I

    「りーんかッ」
    店を出たとこで、声をかけてきたのはもーちゃんだった。うちの店で今一番押してるアウターをきたもーちゃん。在庫がかなりあります…
    「もーちゃん!びびった-。今帰り?」もーちゃんはミナミの方の店舗に勤務しとります。
    「いや休み-?軽くりんか待ちやった?」

    2008-12-01 20:29:00
  • 33:

    ◆BdcsYlAm/I

    「えっ、まじで?連絡くれたらよかったのに?」
    「いやちょっとストーカーのまねしてみたくて?」
    …変な女…?笑
    「泊まりにきぃーや?」
    ストーカーのように待たれた後は強制拉致。軽く訴えれます。

    2008-12-01 20:35:00
  • 34:

    ◆BdcsYlAm/I

    引きずられるように連れていかれたもーちゃんちは相変わらずいい匂い。あの卵が腐ったような匂いのするムートンブーツはどこに隠されてるのか…。
    部屋に入った瞬間ヴィクトリアシークレットのだいぶ露出した部屋着を投げつけられ、もーちゃん自身はさらに露出系なPEACH JOHNの部屋着に着替えだした。…寒いよ…

    2008-12-01 21:01:00
  • 35:

    ◆BdcsYlAm/I

    「女の子はな、常にかわいい格好しとかなあかんねん」さすがもーちゃん。彼氏が月曜日から金曜日まで毎日変わるだけある。(ちなみに土日は休憩らしい。そして股開いて座るのはオッケーらしい笑)
    「昨日のミカコさんの話さぁ…?」
    台所から色んな種類のコーンフレークを持ってきたもーちゃんが話し出した。

    2008-12-01 21:14:00
  • 36:

    ◆BdcsYlAm/I

    「…うん」
    沢山のコーンフレークの中からフルーツグラノーラを選んで、ざかざか自分の前に置かれたお皿にいれる。もーちゃんは料理できないから、もーちゃんちにはこれしか食料がない。
    「あれ、気にせんときや!」もーちゃんはチョコフレークをお皿にざかざかいれる。

    2008-12-01 21:55:00
  • 37:

    ◆BdcsYlAm/I

    「りんかが傷つくことない!韓国人やからって差別するなんか、こんだけ世間では韓流流行ったのに今時古いねん!あの子ら東方神器(?)かなんかよう知らんけど、そんなアイドル好き言うてたくせになぁ!!」もーちゃんがまくし立てるように話す。あんまり励ますのが得意ではないもーちゃん。頑張ってくれてる…その証拠にチョコフレークに牛乳かけすぎてる…

    2008-12-01 22:11:00
  • 38:

    ◆BdcsYlAm/I

    「…うん。うん、ありがとう。…」
    何だか泣きそうになった。

    こんなにもーちゃんが必死になってるのは、あたしも韓国人だから。

    2008-12-01 22:13:00
  • 39:

    ◆BdcsYlAm/I

    誰にも言ってないのに、もーちゃんだけが知っているのは一度免許証を見られてしまったことがあるから。だけど誰にも話さないでいてくれる。
    「関係なくない?」
    さらっと言ってくれたその言葉にどれほど救われたかわからない。

    2008-12-01 22:15:00
  • 40:

    ◆BdcsYlAm/I

    「とりあえず!!気にしたらあかんで!!!」
    もーちゃんが笑う。照れ隠しに必死にチョコフレークを食べる。
    あたしも泣きそうになるのを堪えてフルーツグラノーラをかじった。
    泣きそうになったのは自分が韓国人だからじゃない。

    2008-12-01 22:22:00
  • 41:

    ◆BdcsYlAm/I

    励ますのが苦手なもーちゃんがこんなに必死になってくれてるから。沢山いる彼氏をほっといて、あたしが傷ついてないかを気にして、忙しいのに予定をあけて、会いに来てくれたから。待つのが似合わないもーちゃんがあたしを待っててくれたから。

    あたしは韓国人だけど、ほんとに素晴らしい日本人の友達がいる。
    それがほんとに幸せすぎた。

    2008-12-01 22:31:00
  • 42:

    ◆BdcsYlAm/I

    その日は普段は日替わり彼氏と寝てるであろうベッドで、もーちゃんと二人で眠った。手を繋いでしまったのは何故だかわからなぃ。
    あ、レズではないよ?笑

    また昔の夢を見た。

    2008-12-01 22:38:00
  • 43:

    ◆BdcsYlAm/I



    ―――キョンの夢だった

    2008-12-04 18:31:00
  • 44:

    ◆BdcsYlAm/I

    目が覚めたらもーちゃんの顔が近すぎてびびった。朝からコーンフレークをかじる。2食連続はちょっと嫌だけど、これしか食料がないから仕方ない。もーちゃんは今日も休みらしい。あたしも休み。
    パパと会う日だった。
    あゆの歌を流すもーちゃん。

    2008-12-04 18:35:00
  • 45:

    ◆BdcsYlAm/I

    「もーちゃんっておしゃれな曲とか聞くイメージやったのに、あゆとか好きなん意外すぎる笑」
    「え、なんで? 青春と言えばあゆやん笑 てかおしゃれな曲てどんなんよ笑」

    部屋中に切ないメロディが響く。あたしの青春もあゆだった。いつもその切ない歌詞に共感してた。でも今はもうそんな切ない気持ちになることもない。心が動かされる出来事なんか起こらない。

    2008-12-04 18:49:00
  • 46:

    ◆BdcsYlAm/I

    少し前までは昔を思いだし切なくなることもあった。忘れたくない思い出を、みんなの笑い声を、キョンの笑顔を、何度も何度も頭の中で反芻して―――
    だけど、あたしの頭はあほすぎて忘れていってしまう。あんなに大好きで、一生忘れないと誓った笑顔も、今じゃぼやけてしまってはっきり思い出せない。

    2008-12-04 18:54:00
  • 47:

    ◆BdcsYlAm/I

    そうやって大人になってくんだと思う。
    それでいいんだと思う。
    自分で踏み出した道だから。
    「りんか昔のこと話してよ。まだ時間あるやろ?」

    2008-12-04 18:57:00
  • 48:

    ◆BdcsYlAm/I

    「えっ…?」
    もーちゃんの意外な言葉にドキッとした。もーちゃんはいつも自分の恋愛話なんかをおもしろおかしく話してくれて、あたしが自分から話さない事を聞いてきたりしなかった。
    「りんか過去背負ってる感じするから。ずっと話してほしかった。でも自分から話してくれるまでは聞くつもりなかったで。けどな、最近あんた見てると悲しくなるねん。彼氏できてないとかそんなんじゃない。もう何にも楽しむ気がないように見えるから。」

    2008-12-04 19:05:00
  • 49:

    ◆BdcsYlAm/I

    「あきらめてほしくないねん。色んなこと…。」

    ――もーちゃんの言ってることは間違ってはなかった。あたしは確かに彼氏を作る気とかはなかった。楽しく過ごせる誰かがいれば、それが女でも男でも、それ以上望んだりしない。
    諦めてたつもりはなかった。でもいつからかそうなってたのかもしれない。

    2008-12-04 19:12:00
  • 50:

    ◆BdcsYlAm/I

    「ありきたりすぎておもんないで…?笑」
    あたしも整理しきれてない過去。人に聞かせるような、例えば携帯小説みたいな、彼氏か死んでしまうとかそんな話じゃない。
    ただあたしの弱さが、傷つくことから逃げてしまったことが、大切な人を傷つける結果になった。
    それだけの話。

    2008-12-04 19:28:00
  • 51:

    ◆BdcsYlAm/I

    「あたしは聞きたい?」
    今はおしゃれ番長なもーちゃんだけど、実は昔やんちゃしてたらしい。全然そんな風に見えたことなかったけど、もーちゃんの優しさに触れて、人の傷をわかる人だと思った。
    そしてそれは傷ついたことのあるからこそで、あたしを心から心配してくれてるのがわかった。

    2008-12-04 19:37:00
  • 52:

    「うまく話せなかったらごめんね…」

    あたしの記憶が過去へと舞い戻ってゆく…―――" " "08/12/04 19:39

    2008-12-04 19:39:00
  • 53:

    ◆BdcsYlAm/I

    ――――――――――――――――――――――――――――「あっつッ!!」
    コテがほっぺたにあたる。痛すぎる。「いやりんかドジすぎるから?」冷ややかな目線のサヨ。「あんた冷たすぎ?ゆりは心配してくれるやんなぁ―?………」
    「ちょっとごめん、ゆり今マスカラ塗ってるから話しかけんとって?」

    2008-12-04 19:49:00
  • 54:

    ◆BdcsYlAm/I

    あたし達は小学校からこの学園に通っている。世間様から見たらお嬢様学校に見える女子校。実際は…まぁ…(*_*)お嬢様の定義がお金があることと言うなら、それなりにお嬢様はいるのかもしれない。けど本物?ってゆうか、おしとやかな子はごくごく少数。口を開けば悪口に芸能ネタに恋バナに下ネタ。ジャニーズ好きも少なくない。

    2008-12-04 20:24:00
  • 55:

    ◆BdcsYlAm/I

    そんな女子校にいるのもあと数ヵ月。何の未練もない。卒業式だって絶対泣かない自信がある。別に一生会えなくなるわけじゃない。それよりその先の大学生活とか未来への期待のが大きかった。

    2008-12-04 21:11:00
  • 56:

    ◆BdcsYlAm/I

    サヨ「なぁ、今日来る人かっこいい??」今日はあたしとゆりと、彼氏のマサトとケントで一緒に遊ぶ日やったんやけど、彼氏のいないサヨが「連れてけ連れてけ」とうるさいので、マサトにもう一人連れてきてもらうことにしてた。「ゆり見たことないから知らん〜りんちゃんは?」 「あ-…まぁ、サヨB専やし多分大丈夫…笑」

    2008-12-05 08:37:00
  • 57:

    ◆BdcsYlAm/I

    「誰がB専やねん-?」ふくれるサヨ。いやだってあんたの元カレ山崎邦正に激似やったし…その前の彼氏もやたらキムタク意識してる北島康介崩れやったし笑
    「あ、チャイム!!」ゆりの声で走って教室に戻る。
    「お前ら、遅いぞ-」と熱血教師ぶる国語のヤマ。あんたは教室来るん早すぎね。あんたが古典の牧田先生と不倫してるのは周知の事実なのに、なぜそんな偽善者ぶった顔できるのか…

    2008-12-12 09:49:00
  • 58:

    ◆BdcsYlAm/I

    6限目はなぜかいきなりの時間割り変更で体育だった。このくそ寒いのに走らされ、せっかく昼にまいた髪もくくったせいでよれよれになった。最悪。あたしが一体何をしたとゆうのか。ゆりはこの世が終わったみたいな顔してた。

    2008-12-12 10:01:00
  • 59:

    ◆BdcsYlAm/I

    放課後、なんとか化粧を直して髪も巻き直して(でも何回もコテを滑らしたから毛先はチリチリなった)、梅田に出たのは6時半だった。
    LOFT近くのマックでコーヒーをすすってると、マサトたちがやってきた。

    2008-12-12 10:05:00
  • 60:

    ◆BdcsYlAm/I

    普段ならナンパなんて完全無視だけど、初めて行ったクラブであたし達のテンションもあがってたのかもしれない。それに何よりマサト達はあたし達が今まで出会ってきた男の子とは全く違ったから。

    2008-12-12 10:19:00
  • 61:

    ◆BdcsYlAm/I

    女子校は出会いがない。
    せいぜい友達の紹介や合コンくらい。だから同年代ばかりで、私立のおぼっちゃんが多い。あたしだってクソガキだけど、親の金で好き勝手遊んどきながら、感謝すらしない男の子は無理。

    だからマサト達みたいな年上の人には免疫がなかったし、かっこよく見えた。ケントのチャラさまで新鮮だった。

    2008-12-12 15:09:00
  • 62:

    ◆BdcsYlAm/I

    年は24、バーで働いていると言うマサト。普段はクラブには来ないとも。「この年でクラブ行きまくってたらきもいやろ笑」そう言って意地悪そう笑った。ちょっと濃いめの顔。短い黒い髪とヒゲが大人を感じさせる。ごくたまに優しい顔をして微笑む。

    2008-12-12 15:29:00
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