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2:
ちい◆wFoBDd8JQ2
―バシッッ―
頬に激痛がはしる。
ゆっくリ視線を上に向けた。
今にも泣き出しそうな理恵の顔。2008-11-21 16:02:00 -
3:
ちい◆wFoBDd8JQ2
理恵の彼氏…?
[あぁ、あの時のアイツか]
身に覚えはあった。
「だから何?」あたしは冷静に答えた。2008-11-21 16:15:00 -
4:
ちい◆wFoBDd8JQ2
弘樹だ。
弘樹とは1ヵ月前にナンパで知り合いちょこちょこ連絡取ってた。
3日前、としつこく誘われ仕方なく行った。2008-11-21 16:21:00 -
5:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしは、弘樹が理恵と付き合ってる事なんて知らなかった。
「何ちゃうやろがっ!!?」
理恵は怒鳴り散らしてる。2008-11-21 16:25:00 -
6:
ちい◆wFoBDd8JQ2
胸倉を掴み殴り掛かろうとする理恵にあたしは
「弘樹、あんたの彼氏なん?あんな粗チンはやめとき。」
理恵は目が点になり呆然とその場に立ち尽くしていた。2008-11-21 16:34:00 -
7:
ちい◆wFoBDd8JQ2
理恵と数人の女子を擦り抜けて
あたしは教室を後にした。
「…しょ-もな」
校舎を背にあたしは呟いた。2008-11-21 16:39:00 -
8:
ちい◆wFoBDd8JQ2
―友達なんか
寂しさを埋める為の道具。―
いつもそう思ってた。
裏切られた訳じゃない…ただ人と深く関わるのが嫌やった。2008-11-21 16:47:00 -
10:
ちい◆wFoBDd8JQ2
志穗…
あんたは何で
あたしを置いて先に逝ったん?2008-11-21 16:53:00 -
11:
ちい◆wFoBDd8JQ2
中2の夏。
蝉の鳴き声がやけに耳につく。
くそ暑いのに男子達は校庭でサッカーやらドッジボールをしてる
「アホやな。笑」
教室の窓から彼らを見下ろし志穗は言った。2008-11-21 17:01:00 -
12:
ちい◆wFoBDd8JQ2
志穗は1週間前に転校してきたらしい。
あたしは学校に来るのが久しぶりで…不良じゃないよ。ただのサボり。志穗とはこの時初めて喋った2008-11-21 17:05:00 -
13:
ちい◆wFoBDd8JQ2
「あたし、中川志穗。」
志穗が笑う。第一印象は
鼻筋が通っていて…目は切れ長のぱっちり二重。2008-11-21 17:10:00 -
14:
ちい◆wFoBDd8JQ2
「あぁ…あたしは『橋本結季ちゃんやんな?』遮るように志穗がにっこリ笑いながら問う。
「そうやで。」自然と笑みがこぼれた。2008-11-21 17:20:00 -
15:
ちい◆wFoBDd8JQ2
『あたしの事は志穗って呼んで』志穗は満面の笑み。
「あたしも結季でいいよ。」
つられて笑顔になってしまう。2008-11-21 17:25:00 -
16:
ちい◆wFoBDd8JQ2
『ほんまに!?嬉しい!!志穗な、結季と話たかってん!結季むちゃ可愛いしィ………』延々。
志穗は一人で喋ってる。2008-11-21 17:30:00 -
17:
ちい◆wFoBDd8JQ2
そんな時、チャイムが鳴った。
「『あ…』」被った。
寂しそうに笑いながら志穗は
『また喋ろ-』と言い自分の席に戻った。2008-11-21 17:35:00 -
18:
ちい◆wFoBDd8JQ2
志穗はもともとこの辺が地元。
親の都合で小5から今まで他県の学校にいたらしい。
そこは、あたしのばぁちゃん家の近くで話はまた盛り上がった。2008-11-21 17:45:00 -
19:
ちい◆wFoBDd8JQ2
授業中。
―コンッ―
後頭部に何かが当たった。
振り向くと3つ後ろの志穗が床に向かって指差しをしている。
あたしは目線を床にやる。2008-11-21 22:35:00 -
20:
ちい◆wFoBDd8JQ2
小さく畳まれた紙が床に転がっていた。
[…手紙…?]
あたしはもう1度志穗を見る。
志穗は頷く。2008-11-21 22:39:00 -
21:
ちい◆wFoBDd8JQ2
《結季へ。さっきは喋ってくれてありがとッ!!志穗ばっか喋っててゴメンな↓んでな、今日一緒に帰らへん?結季ともっと仲良くなりたいのだ〜。返事待ってま-す。》
という内容だった。2008-11-21 22:56:00 -
22:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしはすぐ返事を書いた。
《こちらこそ!志穗と喋ってると楽しいで。一緒に帰ろ》
小さく畳んで3つ後ろの席に向かって投げた。2008-11-22 01:15:00 -
23:
ちい◆wFoBDd8JQ2
それから、あたしと志穗は毎日一緒やった。志穗と一緒にいたら楽しい。だけどやっぱり人を信用する事は出来なかった。
2008-11-22 01:18:00 -
24:
ちい◆wFoBDd8JQ2
7歳の時
あたしは母親に捨てられた。
母子家庭だった為、親戚の家に住みはじめる。ものすごい劣等感。2008-11-22 01:22:00 -
25:
ちい◆wFoBDd8JQ2
ご飯は1日2食。
だから、あたしは細かった…とゆうより痩せすぎてた。
寝る所は押し入れの中。
夏は暑くて溜まらんかった。2008-11-22 01:25:00 -
26:
ちい◆wFoBDd8JQ2
初めて人を憎いと思った…
誰も信用なんかできひんって。2008-11-22 01:31:00 -
27:
名無しさん
読んでます♪頑張って(・∀・)
2008-11-22 01:32:00 -
29:
ちい◆wFoBDd8JQ2
中3になる少し前のある日…
志穗があたしの家に行きたいと言い出した。
―…え。2008-11-22 01:56:00 -
30:
ちい◆wFoBDd8JQ2
名無しさん。
ありがとうございます。
初めて小説を書くので誤字、脱字などあると思いますが…見てくれて嬉しいです。完結まで頑張ります。2008-11-22 01:59:00 -
31:
ちい◆wFoBDd8JQ2
もちろん友達を家に上げた事も上げれるはずもなく…あたしは志穗に当たり障りのないように状況を説明した。
2008-11-22 02:04:00 -
32:
ちい◆wFoBDd8JQ2
今でも覚えてる…
あの時、志穗泣いてたやんな。
人の事やのに…
志穗はほんまに優しくて、いつも笑ってて…志穗なら大丈夫って思った。2008-11-22 02:09:00 -
33:
ちい◆wFoBDd8JQ2
志穗…あんたはスゴい子や。
全て見透かしてあたしの事を笑顔で抱きしめてくれる。励ましてくれる。2008-11-22 02:11:00 -
34:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしの居場所は志穗やった。2008-11-22 02:14:00 -
35:
ちい◆wFoBDd8JQ2
桜の蕾が花となって咲きだす頃…卒業間近。
あたしと志穗は相変わらず毎日一緒。2008-11-22 02:18:00 -
36:
ちい◆wFoBDd8JQ2
いつものように遊んだ帰り道。
2人並んで歩く。
信号が青に変わり…立ち止まっていた人達が歩きはじめた。2008-11-22 02:21:00 -
37:
志穗より先に歩き出すあたし。
その時…
―ドンッ―
すごい強さで背中を押された瞬間―ガッシャ-ン…―" " "08/11/22 02:252008-11-22 02:25:00 -
38:
ちい◆wFoBDd8JQ2
一瞬の出来事で
何が起こったのかわからない。
ただ…アスファルトが真っ赤に染まり、さっきまで隣りで笑ってた志穗が道路の端でぐったりしてた。2008-11-22 02:31:00 -
39:
名無しさん
悲しい?続き楽しみに待ってます?
2008-11-22 02:43:00 -
40:
ちい◆wFoBDd8JQ2
「…志穗…?」
あたしは志穗に駆け寄った
。
至る所から血を流し、今にも消えてしまいそうな小さい声で志穗は呟いた。2008-11-22 03:01:00 -
41:
ちい◆wFoBDd8JQ2
『結…季が……
無事で…よかっ…た。』
志穗は笑ってた。
笑いながらあたしの腕の中で…2008-11-22 03:04:00 -
42:
ちい◆wFoBDd8JQ2
志穗の最後の言葉やった。
意識が遠退く。2008-11-22 03:07:00 -
43:
ちい◆wFoBDd8JQ2
真っ暗な闇の中で
志穗が泣いてる…あたしは近付きたいのに、抱きしめてあげたいのに走っても走っても志穗は遠くなっていく…2008-11-22 03:12:00 -
44:
ちい◆wFoBDd8JQ2
「―志穗っ!!!」
そう叫んだと同時に
意識を取り戻した。2008-11-22 03:15:00 -
45:
ちい◆wFoBDd8JQ2
気が付くとあたしは病院のベッドの上…
横で親戚のおばさんが、あたしの顔を見るなり
「あんた何してんの?」と言い放った。2008-11-22 03:21:00 -
46:
ちい◆wFoBDd8JQ2
その言葉で我にかえる。
「…志穗…志穗はッ?!!」
あたしは力が入らない腕でおばさんの肩を揺すりながら聞いた2008-11-22 03:24:00 -
47:
ちい◆wFoBDd8JQ2
おばさんは何も答えてくれない。
あたしは志穗の無事を確かめたくて…ベッドを降り病室を出ようとした時。
おばさんが2008-11-22 03:29:00 -
48:
ちい◆wFoBDd8JQ2
「…あんたの友達な…あんたの事庇って、病院に着いた時には…もうアカンかったみたいやわ。」
頭が真っ白になった。2008-11-22 03:31:00 -
49:
ちい◆wFoBDd8JQ2
「…嘘やろ?ありえへんって。」
「………」無言のおばさん。
自分でも気が付かんうちに
病室を飛び出してた。2008-11-22 13:15:00 -
50:
ちい◆wFoBDd8JQ2
ナースステーションで
志穗の事を聞いた。
あたしは看護婦さんの後について行った。2008-11-22 17:32:00 -
51:
ちい◆wFoBDd8JQ2
エレベーターで地下1階まで降りた。廊下は薄暗くて、むせ返りそうなくらいの線香の匂い。
2008-11-22 17:36:00 -
53:
ちい◆wFoBDd8JQ2
心臓の鼓動が早くなる。
志穗のママはあたしに気が付いたのか涙を拭い足早に近付いてきた。2008-11-22 17:42:00 -
54:
ちい◆wFoBDd8JQ2
『…結季ちゃ「志穗…中にいてるの?」
あたしは、志穗ママの言葉を遮った。
志穗ママは静かに頷いた。2008-11-22 17:48:00 -
55:
ちい◆wFoBDd8JQ2
ほんとはわかってた。
ここがどんな場所で…
この部屋の先に…
真っ白で冷たい志穗がいる事。2008-11-22 17:56:00 -
56:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしは逃げた
あたしを助ける為に
命をおとした志穗。
そんな現実から逃げた。2008-11-22 18:05:00 -
57:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしは、あの時
志穗の顔も見ずに
ただ走って走って…
気が付いたら家の自分の部屋と化した押し入れの中にいた。2008-11-22 18:10:00 -
58:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あれから
何日たったんやろ…?
さすがにおばさんも心配したのか…無理矢理押し入れを開けて引きずり出された。2008-11-22 18:15:00 -
59:
名無しさん
?
2008-11-23 00:27:00 -
60:
名無しさん
?
2008-11-23 06:59:00 -
61:
ちい◆wFoBDd8JQ2
無造作に置かれたおにぎり。
おばさんの優しさも
今あたしの心には響かない。2008-11-24 14:40:00 -
62:
ちい◆wFoBDd8JQ2
志穗が還らぬ人となって
あたしは3日押し入れに閉じこもっていたようだ…
『食べな』と急かされたが
何も喉を通らない。2008-11-24 14:43:00 -
63:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしは
自分を責めるしかなかった。
それと同時に
たった1つの居場所を失った絶望感…2008-11-24 14:45:00 -
64:
ちい◆wFoBDd8JQ2
―これから…あたしは
どんな顔して生きていけばいい?2008-11-24 14:51:00 -
65:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしの頭の中は
志穗の最後の言葉…2008-11-24 14:55:00 -
66:
ちい◆wFoBDd8JQ2
《結季が無事でヨカッタ》
この言葉が繰り返し繰り返し…
空っぽになった心に追い打ちをかける。2008-11-24 14:58:00 -
67:
ちい◆wFoBDd8JQ2
寂しい…辛い…
志穗に会いたい…。2008-11-24 15:02:00 -
68:
ちい◆wFoBDd8JQ2
あたしは
何度も志穗に会いに行こうとした…。
受け入れたくない現実から逃げる為に。2008-11-24 15:44:00