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幻想と闇夜の間で

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  • 1:

    今日もまた、貴方のいない部屋で私は独り眠りにつく。

    2008-12-06 01:24:00
  • 5:

    玄関のドアが開く。貴方の足音がする。待ってなんかいられない。そうゆう躯にされたから…。
    「ただいま」
    笑顔を見せる貴方に、私は歯止めがきかなくなる。
    「お帰りなさい」
    我慢できず貴方の躯に倒れ込んだ。
    スーツにすっかり染み込んでいるEGOIST PLATINUMの香り。その香りと貴方の香りが混ざって、私は泣きそうな位に貴方を感じることができる。

    2008-12-06 01:52:00
  • 6:

    「待ってたの?先に休んでてよかったのに」
    貴方の言葉に私は首を横に振る。貴方の存在を感じたくて、それだけの為に待っていたなんて言えるはずもなく…。
    ただ貴方の胸から聞こえる規則正しい音に耳を寄せていた。

    2008-12-06 01:58:00
  • 7:

    貴方は私の躯を軽々と持ち上げ、静かにベットに下ろす。ネクタイに手をかける私。はだけたシャツの向こう側に、鎖骨の浮かぶ肌が見える。指でそっとなぞっただけなのに、貴方の躯が熱くなっているのが分かった。

    「熱い…」
    思わずそう口走る。もう既に鼓動は早く、今すぐにでもこの熱に包まれてしまいたい衝動に駆らていた。
    「もっと熱くして…」
    貴方の熱っぽい舌を唇に感じた。

    2008-12-06 02:14:00
  • 8:

    その熱が欲しくて、自分から舌を絡める。お互いが深く溶け合うように、ゆっくりとキスを続ける…。

    もう何度目だろう、こんなに切ない夢にも似た感覚。貴方の香りも、舌も、その熱も全部この躯に刻まれているのに。いつからか歪み始めて気付いた時には戻れなくなっていた。

    2008-12-06 02:23:00
  • 9:

    そこにあったのは愛じゃなかった。そんなことは始めから分かっていた。ただ、貴方という存在を感じられる時間だけ、私は生きていられる。
    私に向けられた眼差しは"私"というフィルターを通して他の誰かに向けられていた。
    だから、この躯は私には必要じゃなかった…。

    2008-12-06 02:28:00
  • 10:

    ごめんなさい、大好きな貴方。もう私には止めることができない。あの夢のような時間の中でしか私は生きられなかった。だから、自分の手でそれを断ち切りたかった。そう、だからこの部屋に貴方はいないのね。
    帰ってこないと分かっていても、扉の鍵は開けたままにしておくわ。大好きな貴方の為に。

    fin.

    2008-12-06 02:32:00
  • 11:

    名無しさん

    死ぬん?

    2008-12-06 02:38:00
  • 12:

    >>4さん
    タイトルは"はざま"で合っています☆

    引き続き、オムニバス形式で書いていきます

    2008-12-06 02:39:00
  • 13:



    世界が終わる日の事、考えた事ある?

    2008-12-07 03:04:00
  • 14:

    ビルが崩れて、地震が起きて、地割れがして…人はみんな消えていっちゃうんだ。
    絶望の淵に立たされるとね、人間は自分から存在を消そうとするんだって。
    谷底に飛び込んでいく人、海に沈む人、静かに消える為に薬を飲む人…。

    2008-12-07 03:12:00
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