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生まれてきた事
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1:
麒麟
由香は冷たい刃を首に当て、呟いた。動脈って意外と深いとこあるねんなぁ。。押さえつけられた動脈。。次第に脈は早くなってゆく。。この包丁を引いたら楽になれるねんけどなぁ。。痛そうやな。。心とは裏腹に笑いが零れる。。意外と冷静やな。。冷たく冷え切った刃のごとく、由香の心も冷え切っていたのだろぅ。。
2008-12-07 00:53:00 -
2:
麒麟
「ァォーン」ふいに温もりを感じる。。由香の愛猫達が、由香の体にすりついてきた。。「ぁぁ、せやな。。お前らおってんな。。お腹空いたな?今日は止めとこか」手にした包丁を静かにしまい、台所に立つ。。「この包丁も切れへんなったなぁ。。料理なんか柄にもないことよぉしとったわ」猫達に餌を与え、タバコに火をつける。「お母さんもご飯にせななぁ」由香は数種類の薬を取り出した。。心を守る為の薬だ。。
2008-12-07 01:03:00 -
3:
麒麟
その頃の由香は、眠りだけが安息だった。。目が覚めなければいい。。それだけを願って眠りにつく。。しかし、悲しいかな。。国内で処方される薬に、由香の願いを叶えてくれるものはなかった。。
2008-12-07 01:07:00 -
4:
麒麟
拭いきれない孤独感。いつからだろう。由香はずっとそれに苛まれてきた。。由香は母親に愛されたという記憶がない。。他人に「気持ち悪いくらい記憶力いいよね」と言われるにも関わらず。。母親の記憶だけが綺麗に欠落しているのだ。。
由香の母親は男と金にルーズだった。。それだけは覚えている。。2008-12-07 01:21:00 -
5:
麒麟
子供を無条件に愛してくれる唯一無二の存在。。それが母親のハズだと由香は思っていた。。由香の思いとは裏腹の母親。。由香は記憶が欠落したのではなく、無理やり消してしまったのかも知れない。。
唯一無二の存在でさえ、自分を愛してくれない。。そんな自分を愛してくれる奴なんてこの世に存在するわけないやん。。由香はいつしかそう思うようになってしまった。。そう、あの日までは。。2008-12-07 01:29:00 -
6:
名無しさん
麒麟です
2008-12-10 17:07:00 -
7:
奈々
読んでるょ?
続き気になるから、忙しいかもやけど頑張って書いて欲しいなぁ?2008-12-14 06:12:00