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心1/2
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1:
「もう飲み過ぎやで、やめとき。また帰りタクのおったゃんやかるやろ。」カチャン
ドンドンうるさいBGMがなるなかではっきり聞こえるはあなたの声だけでした。やっと聞けた....声。2008-12-08 21:12:00 -
2:
名無しさん
おったゃん
2008-12-08 21:21:00 -
4:
「お客様お帰りです」"ありあーす!!"従業員達が疲れ切った顔で最後の力を振り絞り叫ぶ声が酔っ払いの私の耳に入る。
「ヒクッ..ありまとーござーました!ヒクッ」酔っ払い過ぎて呂律が回らない。彼が私を抱え込みながらエレベーターを待つ。2008-12-08 21:34:00 -
6:
「本間飲み過ぎやで。なんかあったん?」私の方を見ずにただ前を見ながらそう呟く彼...何を考えながら私の肩を抱いてくれているんだろう。...心にない言葉に疲れる。それでも私は彼に会いにいく。ただ彼との同じ空間にいたいから。彼がかけがえのない存在だから。
2008-12-08 21:43:00 -
8:
「なんもないよ。ただ飲みたかっただけやから。ごめん迷惑かけて。」重苦しい空気の中、エレベーターの扉が開く。彼が私の肩に力を入れ歩きだそうとしている。「ありがとう、もう大丈夫。今日はここでいいわ。」彼の返事を聞かずに、エレベーターの閉めるボタンを押す。
2008-12-08 21:52:00 -
9:
エレベーターが閉まった瞬間座り込む私。"...飲み過ぎた。気持ち悪ッ"
家まで帰るタクシーの中で私の携帯がなる。携帯を開くと彼からのメール。
見ずに消す。毎回同じメール。そんな言葉がほしいんじゃない。携帯を閉じ「ばーか」と呟く。2008-12-08 22:00:00 -
10:
今日はタクシーのおっちゃんをやかることなく無事帰宅。お風呂に入り長すぎる髪の毛を乾かさずにそのままベッドに直行する。眠気と戦いながらメールを打つ。【今から寝る。おやすみ】これも毎回同じ文章。彼も私みたいに見ずに削除しているのかな。そんな事を思いながらいつのまにか夢の中。
2008-12-08 22:08:00 -
11:
RRRRRRRRッ♪
携帯が鳴り響く。"休みやのにこんな時間に誰や..."手探りで携帯を掴み通話ボタンを押した。その瞬間男だというのにキーキー声。あいつか。「お疲れ。どした?」酒やけしたガラガラ声。
「お疲れ様です!!お休みなのにすいません!!社長今大丈夫ですか?」2008-12-08 22:16:00 -
12:
ここで大丈夫じゃないと言うとこいつはどうするんだろう。「で、用件は?」
頭がズキズキする。二日酔い。頭痛がこの電話内容で余計に痛みだす事はなんとなく予知していた。
「山村社長がいきなり取引を辞めると言われてまして...」その後も永遠事情を話す部下の紀本君。2008-12-08 22:26:00 -
13:
なんとなく内容は理解した。紀本が話している途中なのに私は電話を切る。ベットから抜けだしキッチンに水を取り行こうとした瞬間また電話がなった。通話ボタンを押す。「電波が悪くて切れてしまいました!!」
あほやこいつ。2008-12-08 22:31:00 -
14:
「我がの失敗でうちに電話かける暇あるなら他にかけるとこあるやろが」ブチッ
"あー頭痛ッ"水を飲みながら先程の紀本にメールを打つ。【今から行くからそれまでに片付けときや】会社に顔を出すために用意を始める。普段の化粧はファンデーションと眉毛をちょちょっと書くだけ。着替えを済ませサングラスをしコートを羽織る。2008-12-08 22:40:00 -
15:
タクシーを拾うため大通りまで歩く。寒い、寒すぎる。こういう時に限ってなかなかタクシーが捕まらない。呼べばよかったと今更後悔。だんだん腹が立ってきた。そこに運悪く止まった一台のタクシー。すぐさま乗り込んだ私は「南船場まで」と冷たく伝える。苛立ちが顔に出ていたのか運転手はものすごく早いスピードで走ってくれた。
2008-12-08 22:53:00 -
16:
会社前でタクシーを止めてお金を払い「ありがとう、お釣りいいです」運転手に微かに笑みを浮かべた。思ったより早く着いたため運転手に御礼をした。
会社のカードキーでドアを開け紀本が待つであろう部屋に向かう。ガチャッ2008-12-08 22:59:00 -
17:
私の顔を見た紀本の顔は怯えていた。"そんなおびえんでいいやんか"
「で、どうなったん?」自分のデスクに向かいながら紀本に結果を聞く。「社長と電話をおきりした後山村社長に電話してこれから会いにいくところです。」
"なんも出来てへんやん"
「はぁ...」でかい溜息がでた。紀本の顔がさっきにも増して怯える。2008-12-08 23:07:00 -
18:
「あんたが会いに行って事を収められるんか?うちが思うにはあんたが嘗められてるんやで。そんな顔で会いに行かれてもうちの会社の名前が汚れるだけ。それを全部ひっくるめてあんたは会いに行くって言ってんな!?」最後の方は怒鳴った感じになってしまった。「そもそも俺のせいで...」
紀本が話そうとしたけれど私はそれを止めた。2008-12-08 23:16:00 -
19:
「もういいわ。うちが片付けるからあんたは上がっていいで。お疲れ。」そう言い放った後も紀本はウヂヴチと私の前からどこうとしない。「紀本...あんたがやらかしたことやけどうちはあんたのせいやとは思ってない。会社の失態はうちの失態やねん。だからあんたはこれからどうしたらいいかだけ家についてからでもいいからメールしておいで。遅くまでありがとうな!」
2008-12-08 23:22:00 -
20:
「..ッはい、この度は本当に申し訳ございませんでした。今後ともよろしくお願い致します。はい、それでは。失礼します。」山村社長と長い長い電話が終わり私は煙草に火をつけた。力が抜けた。"よかったぁ〜!なんとかわかってもらえたし。"煙草を消しちょっとだけぼーっとしていたら携帯が鳴った。紀本からだ。
2008-12-08 23:29:00 -
21:
メール内容は申し訳ございませんから始まり私が言ったこれからの方針、最後はありがとうございましたで終わっていた。メールを見た私の顔はにっこりと笑っていた。「やればできるやん。」そう呟いた"あんたはうちが仕事する中でのパートナーやねんから。"
携帯をとじて溜まっている書類に目を通してから会社を出た。会社をでて私は驚いた。2008-12-08 23:39:00 -
22:
「何やってるんあんた。」冷たくあしらう私。その場から立ち去ろうとした私に向かって「社長!!」結構遅い時間なので人はいなかったがあまりにでかい声でビックリした。深々と頭を下げる紀本。「本当に申し訳ございませんでした」と謝る。そこまでされて許さない私ではない。そこまで鬼ではない。いや、もうメールがきた時点で紀本を許していた。ちょっとだけいじわるをしてやった。紀本の目の前に立ちこう呟いた。
「大輔。飯いこか。」2008-12-08 23:57:00 -
23:
紀本の車の助手席に乗り込む。私が乗り込んだあとも紀本は乗ろうとしない。窓を開け「はよ乗らな気分かわってまうで。ははッ」最後はニヤつきながら紀本にそう言った。紀本がその瞬間「ミナー!!!」叫びながら車に乗りこむ。「本間大輔はあほやな!!」煙草を吸いながら大輔に言ってやった。大輔も負けじと「ミナお前本間鬼やな。」と言い返してきた。
2008-12-09 00:07:00 -
25:
私と大輔は小さい時から家が隣同士でいわゆる幼なじみ。会社では上司と部下の関係だがプライベートでは誰よりも可愛がっている弟みたいな関係。仕事は仕事。プライベートはプライベート。公私混同は絶対しない。このやり方が私の会社での方針。会社を立ち上げて来月で7年。大輔とはこの7年間ずっと一緒に頑張ってきた。私の裏も表も全てを知っているのは目の前でビールを一気飲みしている大輔だけ。
2008-12-09 13:46:00 -
26:
「大輔にはいつもびくつかされるわ。」「ウワッこれまじうまそう!!!」私の話しも聞かずにおしながきを見ながら目をキラキラさしている馬鹿大輔。私はこういう大輔が可愛くて可愛くてしかたない。「聞いてんのか馬鹿たれ!」バシッと一発頭をコツいてやった。
2008-12-09 13:51:00 -
27:
"あれっなんも言い返してこない;"おしながきの向こうにある大輔の顔を覗き込む。いつもヘラヘラ笑ってる大輔なのに今はなんだか真剣な様子。「...聞いてる。今回の事は本当にすまん。」彼の顔を見る限り本当に反省しているみたいだ。
2008-12-09 23:01:00 -
28:
私は大輔の頭を撫でた。大輔はきょとんとした顔をした。私は大輔にこう言った。「なぁ大輔。うちはあんたに感謝してんねんで。だから今回のことはなんとか乗り切れたけど次からは同じ失敗をしたらあかん、ただそれだけやで。だからもう気にしな!なっ?」
無言で頷く大輔。それでも腑に落ちない顔をする大輔の頭を撫でた。2008-12-09 23:15:00 -
29:
まだ納得してない...大輔はいつも自分ばかり責めて全部を抱え込む悪い癖がある。こんな奴だからこそ私は大輔を大事にするのだろう。人は皆必ず失敗はするし、この世に完璧な人間なんか存在しない。完璧を目指すために努力をする人間こそが人を魅了し引き付ける力があると私は思う。
2008-12-09 23:26:00 -
30:
頼んでいた物がテーブル並び二人でエビチリを取り合いしながらも話し合った。「で、最近どないなん涼さんとは。」涼...その名前が出ることで私の心臓が波を打つ。「相変わらずやで。」大輔に気づかれないように平然とした顔をする私。
「どしたん急に。涼から連絡でもあった?」2008-12-09 23:34:00 -
31:
「ううん。別に。ただ気になっただけ。」"こいつ嘘ついてるな"大輔が別にという言葉を使ったら必ず嘘をついてる。「ふーん。で、なんて連絡きたん?嘘ついてるのバレバレやで。」大輔は一瞬顔を強張らせたが「嘘ちゃうから。」と否定した。「まっどーでもいいけど。昨日飲みに行ったけど普通に帰ったよ。」
2008-12-09 23:42:00 -
32:
「ふーん。普通に帰ったって言ってるけどまためっちゃ飲んだんやろ?お前身体のッ」
「うるさい!!それ以上喋ったらこれ目に突き刺すで!」箸を持ち大輔の目の前で止めた。私の怒鳴り声が店中に響き渡った。
「わかった、ごめん。」
大輔はそれ以上涼の話しをしなかった。2008-12-09 23:47:00 -
33:
バタンッ
「お疲れ!!明日も会社よろしく頼むわな。夕方には会社に戻れると思うから。」車から降り運転席から顔出す大輔にそう伝えた。
「了解。今日はごちそうさまでした。」自分の家の鍵をだしながら歩きだす。その後ろから「今日も涼さんの所いくんか?」無視する私。「あんま無理すんなよ。」 大輔の優しい声がエントランスのドアが閉まる音ともに聞こえた。2008-12-09 23:55:00 -
34:
・・・・・・・・・・・
「ミナ-!!遅れるから早く用意しろよ。」「わかってる。ちょっと待って!!あぁ-振袖動きにくい!!」
今日は人生に一度しかない成人式。私は生まれて初めて着る振袖に戸惑いながら待ちくたびれて少し怒っている涼。2008-12-10 14:04:00 -
36:
私は涼に一目惚れして何回もアタックしては砕かれアタックしては切れられそれを何回も繰り返した結果、何回かの告白で涼は私を彼女にしてくれた。今思えばそんな勇気が私のどこにあったんだとすごく思わされる。
2008-12-10 14:17:00 -
37:
「なんかゆりベッピンなったなぁー」「絶対思ってないやん!やめてそういうの!照れるやん(笑)」バシバシ私の肩を叩きながら笑うゆり。「相変わらずやな!嘘やで」さらりと流す私。「わかってるし!てか、ミナはあんな男前な旦那連れていい気分やなぁ(笑)」
2008-12-12 14:33:00 -
38:
「まぁね?ってそりゃあんなけアタックして捕まえた男やからな〜(笑」にやっと笑う私に「本人にはそんなこと言われへんくせに〜本間何様(笑」冗談を言う私達の間に「なぁ?連れがあっちおるから俺あっちおるな。」
2008-12-12 14:38:00 -
39:
名無しさん
おもしろい?
読んでます?2008-12-14 23:54:00 -
41:
退屈そうにしていた涼が私に話しかけた。「あいー。わかった。ゆりと話しとくわ。」涼は私達に背を向け友達の所に歩いて行く。その後ろ姿を私とゆりは黙って見つめた。少しの沈黙の後「我ながらうちの旦那様はカッコイイわ。」「本間それな。」頷く私達。
2008-12-15 00:56:00 -
42:
涼は女に異様にモテるが女に興味がない。はい、皆さん。ここで一つだけ言わしてください。お前だけ特別かと突っ込みたいと思いますが、涼は私と付き合ってから20歳を迎えて成人式をしている今現在まで私に興味を持ってくれたことなんか一度もありません。ただただ私が一方的に好き好き言っているだけ。そんな私に涼は付き合ってくれてるだけ。それでも私はよかった。興味を持たれなくても存在を無視されても私は涼が好き。
2008-12-15 01:11:00 -
43:
「でも相変わらず涼くんってなに考えてるかわからんなぁ。」涼から目を反らし私の顔を見上げるゆり。「ん〜正直何考えてるかわからん。けどそれでいいねん。」ニコッと笑みを浮かべる私にゆりは「そういうところも相変わらずで。ちょっとは成長せんかい。」笑いながら突っ込んでくるゆり。その後は久しぶりに地元の友達と喋りまくった。涼も久々の友達との再会で楽しそうに話している。
2008-12-15 01:21:00 -
44:
「あぁ-ミナ!!また今度飲みにいこう。連絡待ってるわ。」笑顔で手を振るゆり。「うん。いつでも誘ってや!!」二次会の帰り、涼と私の二人きり。家に帰る為に歩き出す。私は少し気持ちが落ちていた。
2008-12-18 15:36:00 -
45:
自分がコーディネートをしてお客様が喜んでくれる顔を見ていくうちにいつか自分の店を出したいと思うようになっていった。毎日毎日休み無しで働いていた。だけど気持ちとは反面に身体がついていかなかった。小さい時から狭心症という病気で無理して体を動かすと胸がわしづかみされているみたいに苦しくなり薬を手放すをことができなかった。そんな時に久しぶりに会った親友のゆりを見て少しだけ落ち込んでしまった。"本当にこれからひとりでやっていけるのかな"と...
2008-12-18 15:56:00 -
46:
涼はただ私の横にいるだけで何も喋らない。人間って本当に欲の塊で、ただ好きだから一緒に居たい。何も話さなくていいから同じ空間に居たい。初めはそれでいいと思っていてもやっぱり好きな人には好きと言ってほしい。何も話さなくてもいいからただ私の目を見て聞いてほしい。たったそれだけの事なのに私は涼が離れていきそうで怖かった。
2008-12-19 02:00:00 -
47:
「今日はお疲れ。今からなんかするんか?」私の家の前で涼が声をかける。「ん〜。大輔がお祝いしてくれるって言うから着替えてから大輔ん家に行くつもり。」そう答える私に涼は「ふーん。」それだけ言って帰って行った。
どんだけ私に興味ないんだか。こんなこと慣れっこな私は大輔が見えなくなるまで大輔の後ろ姿を見えなくなるまで見つづけた。2008-12-19 15:35:00 -
48:
「あー大輔?私ミナ。用意できたから迎えに来て!」
煙草を吸い一服しながら大輔と話す。「あぁ?寒いから無理!ミナが来いよ。」
「そんなこと言うんやぁーあんたも偉なったな(笑)迎えに来てくれへんかったらあんたん家のおばちゃんにッ」私が大輔の秘密を話そうとすると「あぁわかったわかった!!今から行くから待ってて」めんどくさそうに話す大輔。「じゃ待ってるわ。ピッ」 "本当最近生意気なんだから(笑)"2008-12-19 15:46:00 -
49:
大輔が来る前に部屋を少し片付ける。幼なじみだと言ってもさすがに下着などを見られるのはさすがに気が引ける。せっせこ部屋を片付けていると…
ガチャ 玄関の開く音がした。
その瞬間大輔の馬鹿でかい声が聞こえてきた。
「おじゃましまぁす!」
"あらッ大輔君いらっしゃぁい"お母さんと大輔のやりとりが部屋まで聞こえる。「おばちゃん久しぶり-!!馬鹿ミナいてる?」
"ミナなら2階にいてるわよ"「おぅありがとぅ!!!」2009-02-20 13:35:00 -
50:
大輔が私の部屋にあがるなり「誰が馬鹿ミナだって?」大輔の顔を睨む。
「そんなカリカリすんなって!!!笑)今日はめでたい日やねんから!!」バシッ
私の頭を叩く。
そして部屋のこたつに当たり前かのように入り込む。それを見て私は大輔に手を差し出す。大輔は首を傾げる。「なんなんこの手。」
「えっもしかして何もないの?ミナ今日で大人の階段上り詰めてんで!!!!」2009-02-20 13:43:00 -
51:
「あぁ"〜もうわかったら!ちゃんと買ってきたから!!」髪の毛をクシャっとして私をなだめる大輔。
私は埋めていた顔をバッとあげて「本間に?本間に買ってきてくれたん?」
満面の笑みで大輔の手を握りしめた。「うわッお前の方が最低やんけ!!この性悪女!!」2009-02-20 14:02:00 -
52:
ぐだぐだ文句を言いながらもズボンのポケットから無造作に小さな箱を私に差し出す大輔。「開けていい?」大輔の顔を確認してからゆっくりと包装をはずしていく。包装を全部取って出てきたのは…【DIESEL】と書かれたパッケージが姿を表した。
2009-02-20 22:07:00 -
54:
お金の事を聞くなんて失礼だと思うけど妙に自分の中で引っ掛かる部分があった。お金の事を言われて言いたくなさそうにする大輔。「言いたくなかったら言わんでいいよ。」笑顔で大輔に返す。
2009-02-21 21:17:00 -
55:
……………………………………………………………………………。軽く5分くらい沈黙が続いた。相当言いたくないんだろうな。
ため息をつきながら
「はぁ…。そんな考える事かぁ?言いたくなかったらいいんやで!!」
この沈黙が堪えられなくなり目の前にあるテレビをつけようとした…その時。2009-02-21 21:22:00 -
56:
「今から言う話…引かん?」真剣な大輔の顔に少しトキメキを感じてしまった。今思えば一生の不覚だったかも。「引かんよ!何年あんたの事見てきたと思ってんのよ。 」煙草を加える私。
「じゃぁ…言っちゃおかなぁ…。」2009-02-21 21:30:00 -
57:
「ミナは涼さんが今何の仕事してるか知ってるやんなぁ?」
私にかまをかけるように話だす大輔。この私にかまをかけるなんて大輔もえらくなったもんやなぁ。。
少しイラッとしたけど…【涼】という言葉が出てきたからには先が気になる。
「キャバクラのボーイやろ!それが何?」2009-02-21 21:41:00 -
58:
「実は一ヶ月前から涼さんの所で働かしてもらってんねん。」
「えっ?大輔がキャバクラのボーイ?!!似合わなさすぎる!笑」お腹を抱えながら笑う私。
いつもなら言い返す大輔が言い返してこない。
「どしたん?」
「実はキャバクラちゃうねん…ごめん。」
えっ……。2009-02-21 21:53:00 -
59:
「ごめん…意味がわからんねんけど。ちゃんとわかるように説明して。」
頭が混乱して自分ではなかなか理解ができなかった。
「まぁ後からバレルと思うから言うけど涼さんなぁ初めからキャバクラのボーイじゃないねん。実はミナミでホストしてんねん。」2009-02-21 22:09:00 -
60:
大輔の衝撃発言で私の身体の中で何かが音を立てて崩れていくのがわかった。
今まで大輔は女性に対してに興味などなかったはず。ぅうん、私だけがそう思っていただけなのかも。2009-02-21 22:23:00 -
61:
ねぇ涼。私ずっと考えてたんだ。あなたは女性に興味がないんじゃなくて、涼に好意をしめす女の子だけ興味がなかったんだと。
だから涼の事が大好きな私にも何の興味もなかったんだね。
この時あなたを受け入れるような大きな心を持っていたら離れ離れにならなくてすんだのかな。2009-02-21 22:36:00 -
63:
RRRRRRR♪
無音な部屋に鳴り響く携帯電話。ディスプレイを見なくても誰かわかってしまう。好きすぎてどうしようもないくらい私の頭をいっぱいにする涼。2009-02-21 23:18:00 -
64:
"俺も涼さんにミナには言うなって言われてたからなんか理由があるんやろなって思ってたから今まで黙ってたけど…。"
大輔の言葉が頭の中でリピートする。2009-02-21 23:22:00 -
65:
切れても切れてもかかってくる電話。大輔が涼に言ったのかな。
"俺今から出勤だからまた連絡するわ!!あんま落ち込むなよ!!"そう言い残し帰っていった大輔。
大輔が出勤って事は涼も今頃…仕事だよね。2009-02-21 23:28:00 -
66:
色々考えているといつのまにか携帯は鳴らなくなっていた。
リダイアルを開け私はある人物を探す。
通話ボタンを押すと賑やかなメロディーコールがなる。「はぃはぁ〜い。どしたぁん?」やる気のない声で電話に出た。2009-02-21 23:37:00 -
67:
「あっゆり?ごめんねいきなり…今大丈夫?ちょっと相談したい事があってさ…。」
昼間にあんだけ元気だった私だったのに夜になって元気のない私に気を使ってか「全然大丈夫やで♪どないしたん死にそうな声して。笑」2009-02-21 23:48:00 -
68:
そぅ。私はいつも何かあればゆりに話を聞いてもらっていた。ゆりは自分がどんだけ忙しくても私が悩んでいる時や落ち込んでいる時は話を聞いてくれる。そして一緒に解決する道を探してくれる本当に大切な友達。
2009-02-21 23:52:00 -
69:
「ゆりって今どこで働いてるん?ミナミ?」
「ん?今はミナミやで!なんでなん?」
私はゆりに話を聞いてもらいたいとも思ったのは確か。けどもう一つ。
「ん…ゆりはまだホストとか行ってる?」2009-02-22 00:02:00 -
70:
私が分かっている限りではゆりはつい最近までホストに行っていて行けばいつも大金を使うって聞いていた。そんなゆりの職業はキャバ嬢。
いきなりの質問に戸惑うこともなくゆりは答えてくれた。
「ぅん-。最近は行ってないけど…なんなんどしたん?いきなり。教えてや!」2009-02-22 00:07:00 -
71:
ゆりも何故そんな事を聞くのか痺れをきかしたのか強く聞いてきた。
「ごめん…。今ちょっと自分でも訳わかんなくて…ごめんッ…ゆり…ほんとッ…ごめん。」
何が悲しくて泣いてるのか何がどうやって涙が流れているのかわからない。2009-02-22 00:18:00 -
72:
「えっミナッ大丈夫?泣いてちゃわからんやん!!あぁ"ーもういいわ!今から行くから待っとき!!」プープープー
私が返事をする前にゆりは電話を切って私の所に来てくれるという。
電話が切れた後も私は携帯を抱きしめながらゆりが来るのを待った。2009-02-22 00:24:00 -
73:
バタンッ!!!!
「おじゃましますッ!!」
電話が切れてから10分位がたった時玄関からゆりの声が聞こえきた。来てくれた安心感でまだ部屋にもついていなくてゆりの姿が見えないのに私の涙腺が緩まって涙が絶え間無く流れ落ちる。2009-02-22 00:32:00 -
74:
「ミナ大丈夫ッ?!」部屋のドアが勢いよく開きゆりが入ってきた。ゆりは私の顔見るなりガバッ!!!
抱きしめてくれた。
まだ何も話していないのにゆりは私を抱きしめてくれてそして私の涙を拭ってくれた。
「…ッゆり…ごめんねッ…」2009-02-22 00:40:00 -
75:
ぽんぽんっ。
謝る私に対してゆりは
優しく頭を撫でてくれた。
「大丈夫。落ち着くまでこぅしといてあげるから。今は無理しな。」
そう言ってくれたゆりは私が落ち着くまでずっと頭を撫でてくれていた。2009-02-22 00:43:00 -
77:
一瞬にして私の身体が強張った。それに気付いたゆりは「出やんの?涼クンやで?」なにも話してなくてわからないゆりは電話がなっていることを私に言った。
涼からの電話ならいつもならとびついて出ていた私なのに今は携帯すら見たくない。ギュッと目をつぶった。2009-02-22 00:52:00 -
79:
「…大丈夫。涼の所で働いてるって大輔が言ったんだ。」
「涼クンの所で?ってことはキャバのボーイ?」
ゆりは私と一緒でキャバクラのボーイだと思っている。私は無言で首を横に降る。2009-02-22 11:48:00 -
80:
「キャバのボーイじゃないの?!じゃぁ何してるん?」目を真ん丸くしているゆり。一息ついて「…ミナミでホストしてるんだって。大輔がそう言ってた。」
俯く私を見てゆりは
「涼クンがホストかぁ…。」
もっと驚くと思っていたのにあまり驚いていない感じ。2009-02-22 15:00:00 -
81:
「あんまり驚かないんだね。」ゆりは私の手を離し、
「実は…こないだミナミで飲んでたら涼クンらしき人がスーツ着て歩いてたのみたんだよね…けどキャバのボーイだしスーツ着てるのは当たり前かって思ったんだけど…そのあとホストクラブしか入ってないビルに入っていってさ…。おかしぃなぁって思ったけど勘違いでミナに心配かけたくなくて言わなかった…。ごめんね…」2009-02-22 15:06:00 -
82:
ゆりは私に心配かけたくないって気持ちで言わなかっただけ。私の事を考えてしてくれた行動だ。別にゆりが悪いんじゃない。
「ゆりが謝ることじゃないよ!!逆にごめんね?おめでたい日なのにこんな話しちゃって…。」2009-02-22 15:10:00 -
83:
すごく申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「なぁに言ってんの!お互い様じゃん!!ミナが一昨年の誕生日、ゆりが泣いて電話して…涼クンと一緒なのに来てくれたでしょ?うちらは気を使うって仲じゃないじゃん!笑」
笑いながら私の煙草を取り「とりあえず 涼クンが働いてるって事は確かじゃないかもしれないし?大輔の言ってることが嘘かもしれないじゃん?まずは自分で確かめるべきだね!」2009-02-22 15:16:00 -
84:
自分で確かめる?
「自分で確かめるってどうやって?」ハテナマークが私の頭に浮かぶ。
「まぁゆりに任しときんしゃい!じゃぁ…とりあえずは、ミナはお風呂入ってそのドロドロな顔をちゃんと洗ってきな!!!」2009-02-22 15:19:00 -
85:
ゆりに言われるがままお風呂に入る私。
確かにこんなひどい顔ゆりも見たくないんだろうな…。チャプンッ
湯舟に浸かりながら【涼】のことを考える。
"ホストって…女の子を楽しませる場所だよね…。私にも笑いかけてくれない涼が他の女の子に笑顔を振り撒いてるなんて考えられない。"
「はぁ…。電話も出てないし…私たちもう終わったかな。」2009-02-22 15:25:00 -
86:
バタンッ
「ごめんッ遅くなっッ…って、ゆり今からでかけるの?」 お風呂からあがり自分の部屋に戻るとゆりが化粧台の前でマスからを塗っていた。しかも私の化粧品。
「あっごめん。でかける!化粧品借りんでー!」2009-02-22 18:29:00 -
87:
ゆり…帰っちゃうんだ。
涼の事をあまり考えたくなかったら今日は独りでいたくないな。
落ち込みながらもゆりに自分の化粧ポーチを渡す。
「はぃ、ここに全部入ってるから。」
そう言って髪の毛を乾かそうとした時…2009-02-22 22:58:00 -
88:
「何やってんのあんた。ミナも用意しぃや!!あと一時間もしたら家出るから。」
"ん?私も?
「ミナもでかけんの?どこに?」訳もわからず興奮する
「決まってるやん!涼クンの店やで!」2009-02-22 23:07:00 -
89:
思考回路が止まる。
涼の店…
「無理無理無理無理無理!!絶対無理!!!!無理というか嫌!!絶対行きたくない!!!」
「嫌がると思った。けどもう調べたし行くって連絡したから!こっちから連絡してやっぱやめとくみたいな失礼な事できひんし。」2009-02-22 23:12:00 -
90:
「それは…そうやけど今は涼に会いたくないねん。自分でもよくわからんねんけど。」
「はぁぁぁぁ。ミナよく聞いてな?今日行かんかったらこのままずるずるいくと思うし、涼クンとも気まずいままやで?それでもミナはいいの?ミナがアクションを起こさないともしかしたら二人は別れてまうかもしれんで?」2009-02-22 23:18:00 -
92:
"なぁなぁどこ行くん?もしよかったら今から飲みにけぇへん?"
華やかな格好をした女性に黒いスーツを着て髪の毛を立たせて綺麗にセットしている男性が声をかける。
キャッチだぁ。
昼の世界で生きる私は今この状況にうろたえる。2009-02-23 08:47:00 -
93:
それに比べてゆりは堂々と道の真ん中を歩いて行く。私はゆりについていくので必死だった。
ポンポンッ 肩を叩かれて振り返ると見知らぬ男の人が笑顔で立っていた。
スーツを着ているからキャッチか何かだろう。2009-02-23 08:51:00 -
94:
「あのッ…」私の声でゆりが歩くのをやめて「えっ?どしたん?」振り返る。
ゆりもキャッチの男の人に気付いたのかその場で立ち止まる。ゆりだったら何か言って追っ払ってくれると思ってた。けどゆりは…2009-02-23 08:54:00 -
95:
「キャー!!!!慶ちゃんやん!!!久しぶり-!!!!」
"なにこの状況…"
私の前でゆりが慶ちゃんという男の人に抱き着いている。「めちゃめちゃ久しぶりやんッ!!いきなりおらんくなるからゆり寂しかったやんかぁ!!」
周りの人が振り返るくらいでかい声で叫ぶゆり。2009-02-23 13:05:00 -
96:
「おー!ゆり久しぶりやなぁ!元気やったか?またお前えらいべっぴんさんになったなぁ!!おっちゃんびっくりしたわぁ!」
抱き着かれてる慶ちゃんはゆりと知り合いらしい。
見るからにホストな彼。
"ゆりが通っていた店の人かな…"2009-02-23 13:09:00 -
97:
「あっミナごめんごめん!この人は慶ちゃんって言ってゆりがホスト行きだして初めて指名した人!!二年前に東京に行ってたからそれ振りやねん!!」
初めて指名したホストに出会えて興奮するゆり。
その顔は見るからに恋する乙女の顔だ。
「初めまして!!ミナちゃんって言うんやんな?俺の名前は霧島慶。慶ちゃんって呼んで!笑」2009-02-23 13:15:00 -
98:
「てか、慶ちゃんこんな所で何してんの?」
「今日から大阪でオープンする店があってそこで働く事になってん!大阪着いたんさっきやねん!で、一回店行こうと思ったらべっぴん二人が俺の前を通ったから、これはほっとかれへんなぁ思って!声かけたらゆりやったぁって訳!!笑」2009-02-23 13:25:00 -
99:
「えーそんなんゆりめちゃめちゃついてるやん!!あってか、慶ちゃん後で連絡していい?今から行くとこあんねん。」行く所とはきっと涼のところだろう。
「ぉうわかった!待ってるわ!気をつけてな!」
手を振りながらバイバイと言うゆり。ゆりが前を向いて歩きだそうとした時、私も挨拶をしようとした時、慶ちゃんが私にウインクをして手を振ってきた。どう返していいかわからなくて慌てて頭を下げた。2009-02-23 13:31:00 -
100:
ゆりは慶ちゃんと逢えてよっぽど嬉しかったんだろう。鼻歌をうたいながら私の手を引っ張って行く。
「もしかしてゆりは慶ちゃんのこと好きだったの?」
「えっ!何いきなり!好きとかじゃなくて慶ちゃんには恩があるんだよね!だから憧れの存在?みたいな感じ!ゆりから見て好きに見えちゃった?笑」2009-02-23 16:55:00 -
102:
「どう見ても恋する乙女みたいな顔だったよ-!笑」
「まぁ確かに慶ちゃんはモテるし万人受けする顔だからホストの中でも1、2を争うくらいだと思うけど…店に通って慶ちゃんと接した子は…って、こんなこと話してる場合じゃないし!!着いたよ!ミナ!」2009-02-23 21:25:00 -
103:
"………………ここが涼が働いてるホストクラブが入ってるビル?"
ガクガクと足が震えている。目の前にあるエレベーターを見つめる私。
"涼…本当に…"
「あっ結城?今着いたから下まで迎えに着てくんない?」ゆりが携帯で話してる声も私の耳には聞こえなかった。2009-02-23 21:34:00 -
104:
「ちょっとミナ!大丈夫?顔色悪いよ!帰る?」
心配してくれているゆり。
今ここで私が帰ってしまったら…涼と離れてしまう。涼が何を考えてるのか、どうしてホストをしてるのか…そして今でも私の事を愛してくれているのか、ううん、この四年間愛してくれていたのか…真実を知りたい。2009-02-23 21:55:00 -
105:
「ゆり、私は大丈夫。けどゆりにお願いがあるの。もし私の気持ちが怯んじゃったらその時は力を貸して欲しいの。」
ゆりの目を見て私は決意を決めた。
"逃げない…"2009-02-23 22:14:00 -
107:
黒をベースとした広いホールに真っ白な皮張りの椅子。ガラスのテーブルにはミネ(水)とアイス、そしてハウスボトルと焼酎のボトルが並べられている。
キョロキョロと首を動かす落ち着きのない私に比べてゆりは【結城】というホストと話している。何を喋っているのか聞こえないがきっと私と涼のことを話しているんだろうなっと思った。2009-02-23 22:25:00 -
108:
涼がこの店にいるかもしれない。携帯を握りしめながらホールを見渡す。
けど涼も大輔も私が見渡す限り二人ともいなかった。
RRRRRR♪
着信中 【涼】
ゆりに涼から電話があっても今は出ちゃ駄目だと言われている。2009-02-24 08:49:00 -
109:
「ねぇゆり!涼から電話がなってるんだけど…涼はこの店にいるんだよね?」
おかしぃなと思った。もし涼がこの店にいたら私達に気付いてるはず。けどさっきから電話が鳴りっぱなしだししまいには大輔からも電話がかかってくるようになった。
「いないよ!涼クンの店はこの店の上!本当に涼クンがこのビルに出入りしてるのか結城に聞こうと思って。」2009-02-24 08:56:00 -
110:
ゆりは昔にどれだけの店に通っていたんだろう。私には想像つかなかった。
「ミナちゃん初めまして!俺はの名前は結城!ゆりから事情は聞いてるし俺に出来ることがあればなんでも言ってね!」
「ありがとうございます!」2009-02-24 13:24:00 -
111:
結城は人懐こい顔をしていて話しやすそうな感じの男の子だった。
「で、ゆりから聞いたんだけど彼氏がホストしているか知りたいんだって?」
「はい…。私何もわからなくて涼も今の今まで私に隠してたみたいで…相談できるのがゆりしかいなくて…。」
「彼氏の顔がわかればなぁーすぐ答えられると思うんだけど…写メとかある?」2009-02-24 13:29:00 -
112:
「あっはい!写メなら…あります!」
携帯のデータフォルダーから涼の写メをだして結城に見せた。
「えっちょっと待って!!涼って……。」
涼の写メを見て結城は驚いた顔した。2009-02-24 13:32:00 -
113:
目を見開いて涼の写メを見ている結城にゆりが、
「その顔は涼クンに見覚えあるんだよね?」
確信をついたように結城に問い掛ける。
ゆっくり私の顔を見て
「ミナちゃん…ミナちゃんの彼氏はClub DestinyのNo.1だよ。」2009-02-24 13:37:00 -
114:
「「ナンバーワン?!」」
ゆりと私の声が店全体に響き渡った。
「ちょっと静かに!皆見てるから!!」
結城は驚いてゆりの口を押さえた。
「ごめんゞけど涼クンが本当にNo.1なの?!間違いない?」2009-02-24 13:41:00 -
115:
「残念だけど…そればっかりは間違いない。しかも涼って言う人はミナミじゃちょっとした有名人だよ!」
「どしてっ?!」
私の代わりにゆりがどんどん質問していく。
私は結城クンが答える"真実"にただただじっと聞いているだけだった。2009-02-24 13:45:00 -
116:
「わずか一ヶ月てDestinyの不動のNo.1をしりぞかしてNo.1になったっていう話!俺らも初めはまぐれだろとか話してたけど…それからずっとNo.1なんだよね。」
もし結城の言っている事が全て本当なら…
「…まじで?Destinyって光さんがNo.1だったよね…?」2009-02-24 13:51:00 -
117:
「そぅそぅ!一条光さん!」
結城はゆりの質問にさらりと答えた。
「ねぇ、ミナ。今の話し聞いてゆりは涼クンがホストしてるのは本当だと思う。」
私に気を使ってるのか言いにくそうに話すゆり。2009-02-26 13:38:00 -
118:
「ミナはどうしたい?このまま家に帰るか、それとも涼クンと話ししに行くか。ゆりはどっちでもいいから。」私に選択肢がある。
少しの沈黙の後私ははっきり言った。2009-02-26 13:42:00 -
119:
「じゃぁ、気をつけて行ってきてね!何かあったら助けにいくから!笑」
「結城ありがとね!また埋め合わせでなんかするから。」
「じゃぁ次来た時ルイでよろしく!!」
「はぁ?そんなん無理!」
「冗談だって!とりあえずまた連絡して!」2009-02-26 13:47:00 -
120:
「うん、ありがとう。もしね涼と今日で終わってしまったら、その後は私の失恋会に付き合ってよ?笑」
私にはゆりがついてくれている。自分でもわからないけど自然に笑えていた。
「任せて!!そん時はゆりの奢りで飲みに行こ!!笑」2009-02-26 13:57:00 -
121:
「死ぬほど飲んでやる!笑」
「飲めないくせに!強がんなって!笑」
そんなやりとりをしていたらエレベーターのドアが開いた。
そのまま私達はDestinyと書かれたドアの前まで行った。結城の店と違って白を基調とした店。2009-02-26 14:02:00 -
122:
「よしッ!!心の準備はどう?開けるよ?」私はコクンと頷きゆりの手を握った。
カチャンッ
"""イラッシャイマセー"""
店に入ってスーツを着た男の人が"いらっしゃいませ"と叫ぶと店の従業員が一斉に"いらっしゃいませ"と叫んだ。あまりに大きい声で身体がビクッとした。2009-02-27 15:32:00 -
123:
席に案内をしてくれた人は従業員の中でもホストではなくボーイといった人だろう。耳にイヤホンを付けている。ボーイが私達二人に「初回のお客様は一時間¥1000で飲み放題飲ませ放題です」
店のシステム、料金などをを説明してくれた。
「ありがとぅ!誰でもいいから適当につけてくれる?」2009-02-28 12:35:00 -
124:
ゆりの言葉に「かしこまりました。」と丁寧に頭を下げてその場からいなくなった。「ねぇ、なんで涼を先に呼ばないの?」
私は早く涼を呼んで話しをしたかった。
周りを見渡すとホストと綺麗に正装された女の子が楽しくお喋りをしている。
自然と心がチクチクしてくる。2009-02-28 12:40:00 -
125:
「私達は新規客だから初めにつくのは下っ端の子でしょ?だから大輔がつくと思う。大輔がついたらとりあえず話ししてみよ?」ゆりの考えに「わかった」と答えるとゆりはある人を指差した。
「あの人が光さんだよ?」2009-02-28 17:23:00 -
126:
指の指す方向に他のホストとは違う雰囲気をした人がお酒を作りながら横にいる女の子に話しかけている。女の子の顔を見て"光さんの事好きなんだろうな"と思った。
2009-02-28 17:26:00 -
127:
"ホストクラブに来る女の子ってなにかしら理由を持って通ってる子がほとんどだと思うの。口座に恋してる子、ただ単に口座の事を応援したい子、仕事のストレスを発散したい子。色々だと思う。ゆりもその中の一人。夜に生きる子なんて特にそうだと思う。けどねそんな事に無縁な人はホストクラブに通ってるだけで偏見して白い目で見る。「女が男に大金注ぎ込んで馬鹿みたい」とかね。私はそんな事言われても平気だし、その場でぶん殴れるけど…
ほとんどの女の子は負い目感じて通ってると思う。ミナも生きてる世界が違うから理解は難しいと思うけど、ホストクラブはただ単に女の子を騙してお金出させる世界じゃないって事をわかってほしいんだ。でもたまにたちの悪いホストもいるけどね!笑"2009-02-28 17:38:00 -
128:
結城の店でゆりが言った言葉。その言葉は私自身に重く心に響いた言葉だった。
確かにそうかもしれない。
ホストに通ってる女の子を偏見している人は何を根拠に言っているのだろう。
誰も責める権利なんてない。2009-02-28 19:59:00 -
129:
私達が座っている卓はホールから見渡してもちょうど死角になっている席。
「それにしてもお姉さん達べっぴんやなぁ!!入ってきた瞬間あの席つきたいって思ったもん!!じゃボーイが俺を呼びにきたからさぁ〜俺超ラッキーって思って!笑」2009-03-01 11:41:00 -
130:
「またまたぁ〜!!どうせお客さん皆に言ってるんでしょ?」
グラスを持ちながら答えるゆりは拓也を下から上に目線だけを変えた。
「そんなことないよ-!!俺本気で思ったんだもん!」
笑ってごまこそうとしている。
「本当に?けどさっきもあそこの卓でそんな事言ってたような気がするけど?笑」2009-03-01 15:07:00 -
131:
"ゆり…すごッ"
私はそう思った。
けどなんだかんだ言ってゆりは拓也との会話を少し楽しんでいる様子。
当の私は涼がいつくるのか不安でいっぱいだった。
「ねぇ?ここって男メニューないの?」2009-03-01 15:11:00 -
132:
男メニューとはホストが載っているいわゆるおしながきだ。それを見て私達みたいな新規の客はついてほしいホストを選ぶごとが出来る。「あるよ-ちょっと待っててね!ちなみに俺も載ってるからちゃんと見てね!笑」
軽快なステップを刻みながらホールの奥にあるスタッフルームに入って行く。
「なんかこの調子だと大輔が着いてくれないかも。」2009-03-01 15:17:00 -
133:
「…どうして?」
「だって…店忙しそうだから。でもお目当ての涼クンはまだ見当たらないけどね。」顔を上げ店全体を見渡すといつの間にか全席が埋まっていた。
「そだね。涼はいないみたいだね…。」
「まだ営業が始まってすぐだからもしかしたら同伴かもしれないね。」2009-03-01 15:23:00 -
134:
同伴とは、店の営業が始まるまでお客とご飯を食べたりしてそのまま一緒に店に入ること。ゆりに昔おしえてもらったことがある。
「お待たせー!!!はい!!男メニュー!!!ちなみに俺は後ろの方だから!!笑」2009-03-01 15:27:00 -
136:
これで涼がここの店のNo.1だと言うことが真実になった。今まで結城くんの話しを信じていないわけじゃなかったけど…。
リアルに涼のパネル写真を見て現実に引き戻された感じ。
ゆりもきっと私と同じ気持ちだろう。なにも言わずにどんどんページをめくって行く。
「いたよ…大輔。」2009-03-03 16:39:00 -
137:
「ねぇこの子つけてくれる?」ゆりは拓也に大輔の写真が載っているページを渡した。
「大輔ですか?こいつまだ新人っすよ?それなら俺の方がッ…」
大輔を呼ぼうとして拓也は焦っているのか早口でゆりに言おうとしたら
「ぐちぐちうるさいねん!客のうちらが大輔つけろって言ってんねん!なんか文句でもある?」2009-03-03 16:44:00 -
138:
ゆりの冷たく吐き捨てられた言葉。拓也は「…ッわかりました。」と言って席から離れた。
「ちょっと話したら調子乗って話してくるから言っちゃったッ!!笑」
ぺロッと舌をだしてやってしまった感をだす。
「びっくりしたよ。楽しそうに話してたから…。」
「まぁ新人にしては楽しかったけど今日は楽しむためにきたんじゃないからね!!笑」2009-03-03 23:29:00 -
139:
「うん…そだね。ありがとぅ。」ミナは少しの笑みをゆりに向けてみた。
「お礼は終わってからにしてよね!!もしかしたらミナがゆりに最低!!って言うかもしれないじゃん!!笑」
「ううん。どんな結果でも私はゆりにありがとぅって言うよ!!」2009-03-03 23:33:00 -
141:
「…大輔。」
目を見開いて私の顔を見ている。
相当びっくりしているんだろう。その場に突っ立ったまま座ろうとしない。
「まぁまぁ大輔座りゃ。皆見てるから恥ずかしいやん」ゆりの催促でぎこちない動きをしながら拓也が座っていた席に座る。2009-03-03 23:48:00 -
142:
大輔が現れてもっと動揺するかなと思った私だか意外と冷静だった。
「一応聞くけど…僕も一杯頂いてもよろしいですか…?」
「どうぞ〜!!」
この台詞はどうも絶対に言わなければならないらしい。ゆりの軽い返事で大輔はお酒を作り出す。2009-03-03 23:54:00 -
143:
「…頂きます。」私の顔を見ながらグラスを持ち上げ飲みにくそうにお酒を口に運ぶ。
一気にお酒を飲み干した。見るからに動揺している。その姿をみかねて
「てか、涼クンはまだ出勤してないの?」ゆりが言葉を発した。【涼】という言葉を聞いて大輔の動きが静止した。2009-03-03 23:59:00 -
144:
「その前に…ミナとゆりはそれを確かめにきたわけ?」顔を引き攣りながら話す大輔に少し可哀相だと思った。大輔は何も関係ないのに…ただ私に真実を教えてくれただけなのに。
ごめんね…大輔。
「もちろん!!ゆりの大事な友達を傷付けてる人がこの店で働いてるんだもん!!」2009-03-04 08:49:00 -
145:
「いやッそれは…ッ」
言い訳をしようとしているのか言葉に詰まる。
「何?本間の事やん!!これが嘘やって言うん?」ゆりが涼の写真に指を指す。
ゆりの怒りのボルテージが上がってきている。そのせいでか大輔も何もいいかせないでいる。2009-03-04 08:53:00 -
146:
「ッ…ゆりッ。大輔は何も悪くなッ…」
"もー涼の嘘つき〜!!"
"あぁ〜もう酔っ払い!!ちゃんと歩けよ!!お客様ご来店です!!"
あの人は…………
誰。2009-03-04 08:56:00 -
147:
千鳥足の女性を支えながら笑っているあの人は……
「涼クン…。」
私より先にゆりが言葉をはっした。涼はまだ私達に気付いていない様子。
あの人と一緒にいる間に私に電話をかけて…きてたの?2009-03-04 14:18:00 -
148:
「ねぇ…涼を呼ぶ前に電話してみていい?」
「はっ?ミナお前何考えてんの?涼さん今接客中だからッ「いいよッかけてみなよ!!」
大輔の言葉を無視するかのようにゆりは私に電話をかけてもいいと言ってくれた。きっと私の気持ちを察してだろう。2009-03-04 14:23:00 -
149:
切ない歌詞が私の耳元に流れる。
"この曲本当良い歌詞だから涼聞いてみて!!っていうか私からかかってきたらこの曲流れるようにメロディーコール設定して!!"
"はぁ?こんな女が聞くような曲勘弁して!"
一年前に私が無理矢理頼み込んでそうしてもらった。初めは嫌がっていたけど私のしつこさに呆れて涼は嫌々そうしてくれた。2009-03-04 14:29:00 -
150:
涼を見つめながら私は着信を鳴らし続ける。
涼は着信に気付いたのかポケットから携帯を出しディスプレイを見た。一瞬涼の動きが止まったように見えた。その瞬間私の耳元では
【ただいま電話に出ることができません。しばらくたってからおかけなおッ…プープープッ】2009-03-04 14:34:00 -
151:
保留…。涼は私の電話に出なかった。夜の世界を知らない私は涼が電話に出てくれない事がすごく悲しかった。
「涼クン出ないみたいだね。」
「うん…保留押されたみたい。」
「そっか…。で、どうする?こっちに呼んでもらう?」2009-03-04 16:57:00 -
152:
「ううんしばらく見てる。」
「えぇっ?ゞそんなことしても時間の無駄だろ!」
大輔が私に強い口調で言い放った。
「大輔は黙ってて。私が見るって言ってるの。」2009-03-04 17:00:00 -
153:
どの席も賑やかで女の子達は笑ってる。その中で一席だけ異様な空気が流れてる。大輔はなにも言わず私とゆりのグラスの水滴を拭き取っている。ゆりはお酒を飲みながら携帯をいじっている。メールでもしているのだろうか。私はというとただじっと涼の事を見ている。
2009-03-05 16:32:00 -
154:
先ほど一緒に入ってきた女性を支えながらも微笑みかける涼の姿から目が離せない。いつもの無表情な彼と違ってコロコロと表情を変えながら話している涼は私の知らない涼だった。
これが本当の涼なのか…。今まで私と過ごしていた日々は涼であって涼じゃなかったのか。2009-03-05 16:37:00 -
155:
色々な事が頭をよぎる。
あの女性は涼に想いを寄せているのだろう。終始笑顔が振り撒きながら涼の受け答えをしている。
私達がいるこの席だけ時が止まったみたいに静かだった。そこに他のホストとは違ったオーラを出しながら近づいてくる一人の男性。ゆりも携帯をいじるのを止めその人を凝視する。2009-03-05 16:45:00 -
156:
「失礼します!大輔…ボーイが呼んでいる。」
大輔の耳元で囁く彼は私から見てもかっこいいと思うくらい容姿は完璧だった。
「あっはい。でも…」
大輔は私達を見て困った様子をみせた。
きっと私達のことが心配なんだろう。違う意味で。
「大輔いってきなよ!!ゆりたちはまだ動かないから!!」2009-03-05 16:49:00 -
157:
ゆりが言う行動とはきっと涼をこの席に呼ぶことだろう。「それじゃ…ご馳走さまでした。」グラスに残っているお酒を飲み干してボーイの所に走っていく。
大輔が行っちゃった。
私はこの状況を知っている人が少なからずこの席にいてくれるだけでも安心感をもてていた。大輔がいなくなって急に心が重たくなった感じ。2009-03-05 16:53:00 -
158:
大輔を呼びにきた人は私達の前に座る。ゆりがどことなく緊張している様子。
「ゆり、どうしたの?いきなり固まっちゃって。」
「ミナ…この人が元No.1の光さんだよ。」
ゆりの言葉に驚き光さんの顔を見るとニコッと笑って「なにコショコショ話ししてんのー?俺にも教えてよ!!」2009-03-05 16:59:00 -
159:
この店に入ってゆりに光さんの事を聞いていたけど…間近でみるとすごいオーラだ。人懐こい話し方で私達に「おいしそうなお酒飲んでるねー!俺も飲んでいい?まぁ駄目って言われても飲んじゃうけどね!笑」
2009-03-05 23:18:00 -
160:
あっけにとられている私に「ヤバイ…かっこよすぎるゞ」ゆりが耳打ちする。
「かっこいいけど…なんか…話しにくいよ。」
光さんがどうしてこの席に着たのか謎だった。
大輔を呼びにきたのはわかるけどそれならボーイが直接来たらいいだけの話しだし、私の中で"この人は何か知っているのかもしれない"と思った。2009-03-05 23:27:00 -
161:
当たり障りないトークでこの場を盛り上げる光さん…って言っても盛り上がっているのはゆりだけだけど。さっきまでの重苦しい空気はなかった。
「じゃゆりちゃんはどっちかというとSになりたいけどSになりきられへんMってわけやな!」理解に苦しむ話しを満面の笑みで喋りつづけるこの二人。
「はぁぁぁー。」2009-03-05 23:34:00 -
162:
「はぃ!!!俺が一生懸命話してんのにため息ついてるミナちゃん!!俺ショックで死んでまうッ!!」泣きマネをしながら叫ぶ光さん。
"ヤバイ!ため息聞こえちゃった!!"
口に手を当てながら「そんなつもりなかったんですけど、気を悪くしたなら謝ります!ごめんなさい!!」
さすがの私でも一生懸命話してくれている光さんに失礼な事をしたと思った。2009-03-05 23:39:00 -
163:
私が謝ってもまだ泣きマネをやめない。
オロオロしながらゆりに助けを求めようとしたら
「じゃぁ泣きやむから俺の質問に答えてくれる?」
「はぃ!なんでも答えますから泣き止んでください!!」 とっさに言ってしまったが光さんが泣き止んでくれるならと思った。2009-03-05 23:45:00 -
164:
私がそう言うと
「じゃ遠慮なく質問さしてもらうね!」
パタリと泣き止むのを止めた。一瞬だが口元が上にあがった。なにか企んでる感じの顔。
"やっぱりこの人なにか知っている…"私の中で疑惑が確信に変わった。2009-03-06 13:25:00 -
167:
「あのッ!!!…それはッ…いいです!」
慌てて返事した。
「あの…私が口を挟むことじゃないんですがミナの事ご存知なんですか?」ゆりは冷静に光さんに質問した。
ゆりの質問に光さんは
「知ってるも何もミナちゃんはうちの会社で働いてるからね!!笑」2009-03-06 13:35:00 -
168:
「はぃ?!うちの会社?!」ゆりよりも私がびっくりして声をあげた。
「そぅ!うちの会社!」
ニコニコ笑う光さん。
頭の中が混乱してどう答えていいのかわからなかった。2009-03-06 13:39:00 -
169:
それ察してか光さんが
「びっくりした?
って…そりゃびっくりするよね!笑。改めて自己紹介するよ!!MOONの代表取締役の一条光です!」
右手を差し延べる。
訳がわからないけど私は光さんの右手を握った。
「よろしくね!!ミナちゃん!!」2009-03-06 13:46:00 -
170:
ちなみにMOONとは私が働いているショップの名前。
私の会社は大阪に何店舗か系列店を持っている会社で言うほど有名ではないが最近雑誌にも取り上げられていて知名度をあげてきている。私の働いてる店が一応本店だ。2009-03-06 18:18:00 -
171:
今まで働いてきたがわたしが今まで会ってきた上司は、マネージャーがいてその上にプロデューサ-がいる。店の教育や雑務はほとんどマネージャーがしていたからプロデューサーも滅多に店に顔を出さない。だから代表取締役の社長なんかただのアルバイトの私がお目見えすることなんかまずありえない。
2009-03-06 22:50:00 -
172:
アルバイトの子なんか系列店を合わせたら数え切れない人数になる。
社長がアルバイトの私をいちいち覚えているのだろうか…疑問に思った。
「まだなんか聞きたらない様子だね!!笑。でも一つ言える事は俺の本職は今ミナちゃんが働いてる会社の方だから安心してね!!」
「…はぃ。」
返事をしてみたが私が聞きたいのはそういう事じゃない。けどこんな私の性格だ。引込思案で聞きたい事も聞くことが出来ない。2009-03-06 23:02:00 -
173:
それでも光さんは私と涼の事を知っている。そう踏んだ私は勇気をだして聞いてみた。
「どうして光さんは涼を呼ぼうかって言ったんですか?」
「んーそれはねミナちゃんが涼の事を見すぎだから!!俺じゃなくても誰だってわかるよ!笑」2009-03-08 14:09:00 -
174:
「それだけですか?」光さんの答えに納得のいかない私。光さんはそんな私に、
「それだけだよ!」そう言った。
優しく微笑むからそれ以上聞けなかった。2009-03-08 14:13:00 -
175:
ミナは光さんの答えに納得いかなかった。それはゆりも同じみたいだった。
「あのッ…ゆりがこんなこと聞くのはあれなんですが、涼クンは本当に一年前からホストに?」2009-03-08 14:17:00 -
176:
「そうだよ-!よく知ってるね!涼はこの店にきて約一年だね!何何〜ゆりちゃんも涼目当てなの〜?俺の出番無しって感じだね!」
笑いながらお酒を一気飲みする。
「いやッゆりは…そんなんじゃくて…。」
「じゃ〜俺を指名してよ!笑」2009-03-08 14:21:00 -
177:
さすがのゆりも光さんのまさかの指名してよ宣言に目をまるくした。
冗談なのかそれとも本気なのか…。ゆりはなんて返すのだろう。
「それじゃ…光さん指名で…。」2009-03-08 14:24:00 -
178:
"エェッ?!ゞ"
「ヤッタァ!!それじゃぁこっちに座っちゃおっと!笑」
ヘルプ席からゆりのとなりに移動する光さん。
慌てて置いていたバッグをどけて私側に置くゆりを見てみたら…"顔真っ赤じゃん…"2009-03-09 08:50:00 -
179:
ゆりの担当の口座が決まってからはひたすら喋りつづける光さんに圧倒されながらも緊張がとけたみたいに私も喋る。この時涼のことを忘れた訳じゃないけど少し気持ちが楽になっていた。
光さんがすべてを知っていて私のことを哀れな目で見ていたことも知らずに。2009-03-09 08:56:00 -
180:
光さんの武勇伝を聞いていたら店内が暗くなった。
なにもわからない私は"えっ!!!停電?!"と馬鹿みたいな発想をした。
「始まったね!笑。ちょっと行ってくるわ!!」真っ暗な中光さんがゆりにそう言って席を外した。
「ねぇ?何が始まったの?」2009-03-09 13:14:00 -
181:
「へぇ〜。皆お金持ちだね!」呑気な私にゆりは「そうだね!笑。ゆりもDestinyのコールは初めて聞くから楽しみ!」笑って言った。
ある所にスポットライトがあたり真っ暗だから余計に目立つ。
スポットライトが当たっている所に目をやると私の心臓が跳びはねた。2009-03-09 13:24:00 -
182:
「ねぇ…あれ涼の席だよね…?」
その席に座る女の子を見なた。
「シャンパンおりたの涼クンの席みたいだね。見たくなかったら外出る?」
ショックを受けるだろうと思った私にゆりは気を使いながら優しく話しかけてくれた。2009-03-09 13:28:00 -
183:
「大丈夫…私もちょっと見てみたいから。」
【6番テーブル、沙織ちゃんからドンペリピンク頂きました-!!】
"ありあーす!!!!!"
耳を塞ぎたくなるくらい馬鹿でかい音楽が流れる。2009-03-09 16:37:00 -
184:
ピカピカ光るスポットライトが従業員のテンションを上げる。シャンパンが女の子に渡された。口を付けるだけで飲んでいる感じではなかった。
女の子はそのまま涼にシャンパンを手渡した。
涼はそのままシャンパンを受け取った。2009-03-10 14:36:00 -
185:
涼はそのまま顔をおもいっきりあげてシャンパンを飲み干す。飲み干した後、涼は女の子の頭を撫でた。
女の子は嬉しそう。そして…
「ドンペリもう一本持ってきてぇ〜!!」2009-03-10 14:49:00 -
186:
その後も女の子はドンペリとセグラを一本づつ入れた。ようやく大きな音楽がやみ従業員は各自自分の席に戻っていく。
涼は女の子の所から席を外しスタッフルームに入っていった。
それをぼーと見ていると
「ただいまぁ〜!ゆりちゃん寂しかったでしょ〜」光さんが顔を真っ赤にして戻ってきた。2009-03-11 13:43:00 -
187:
顔を引き攣りながらも対応するゆり。そこにもう一人「…失礼します。」
"…大輔。"
「おっ!大輔!えぇ所にきた!!!ショットグラス持ってきて!!」
「ショット…グラスですか…?もしかしてゲームするんっすか?」2009-03-11 13:47:00 -
188:
酔っ払いの光さんの話しを相槌をうちながら聞いていると卓の上に置いてある携帯がピカピカ光っている。それに気付いたのは光さんだった。
「あれ〜ミナちゃんの携帯鳴ってるんじゃない?」
私は携帯を手に取りディスプレイを見た。
着信中 【涼】2009-03-11 13:56:00 -
189:
とっさに顔を上げ先程の席を見た。涼はまだスタッフルームにいるみたいだった。「ねぇゆり。涼から電話なんだけど…」
「まじ?ゆりはもう呼んでもいいと思うから出てもいいんじゃない?」
私は電話に出た。
「…もしッもし…」2009-03-11 14:02:00 -
190:
いつもの私なら涼の電話は嬉しくてしょうがないって感じだけど今日の私は涼の声を聞くのが怖かった。
「ミナ?やっと繋がった…お前今何してんの?」
怒られると思ってた私は少し戸惑った。優しく話す涼。逆に自分が悪いことをしていると罪悪感まで感じた。2009-03-12 11:38:00 -
191:
「涼こそ…何してるの…?」私は涼の口からホストをしていると聞きたかった。もう隠し事をされるのも、するのも嫌だった。
「今?仕事に決まってるやん。」
「仕事?仕事って?」
"涼言って…"2009-03-12 11:41:00 -
192:
「仕事って?って!笑。ボーイやで。何を今更言ってんの?」
普通に何もないかのように答える涼。確かに今まで涼が仕事をしている時に電話をしたら女の子の声が聞こえたりした。キャバクラだし女の子がいて当たり前だから全然気にしなかった私。けど今は違う。女の子と言っても従業員じゃなくお客さんだったんだね。2009-03-12 15:26:00 -
193:
「そっか…。ごめんね?仕事中に電話して。」
「それはいいけど…連絡とれなかったから大輔にもかけてもらったりしたから。大輔に謝っとくわ。俺今まだ仕事中だからまた連絡する。」
「わかった。それじゃぁね。」電話を切り携帯を閉じた。2009-03-12 15:30:00 -
194:
「涼クン電話なんだって?仕事は何してるって言ってたの?」ゆりの問い掛けを聞いて顔をあげた。光さんも私を見ている。
「仕事はボーイって言ってた。完全に隠されてるみたい。」
「そっか…。涼クンなんで嘘つくんだろうね。」2009-03-12 15:35:00 -
195:
わからなかった。涼が何故うそをついているのか。ただ私はもう涼とはやっていけない、そう思った。
私に興味がなく涼から好きと言われた事のない私はどんな事があっても涼から離れたり、別れるという気持ちになったことがない。
それは初めからわかっていた事。それに、それ以上に好きだったから。2009-03-12 15:39:00 -
196:
今回は違う。私に見したことのない笑顔で女の子に接客する涼を見てみじめで仕方なかった。涼はホストをしている事を隠し続ける。今も、そしてこれからも。
もし私が今日気付かなかったらまだやっていけたのかもしれない。
けど私は涼がホストをしている事を知ってしまった。2009-03-12 15:44:00 -
197:
「ゆり?私がここにいるのばれないように帰ろうかな…。」もう涼と会って話す必要はない。
お互いこれ以上傷つきあうことも私は避けたかった。
「でもそれってなんの解決にならないんじゃない?」
「もういいの。涼とは別れる。大輔が来たらチェックするね。」2009-03-13 11:38:00 -
198:
ゆりは私にもっと向き合った方がいい、涼クンの話しもきいてあげようよ、何か事情があるかもしれないじゃん、そう言ってきた。
けど私の心は受け入れることを拒んでいる。今まで大好きだった分、もう駄目だと思ってしまったら取り替えしのつかないことになる。2009-03-13 11:41:00 -
199:
「お待たせしました!ショットグラスです!」
なにも知らない大輔は先程と同じやりにくそうな顔でショットグラスを持ってきた。「大輔ごめん。帰るわ。チェックして?」
帰る用意をし鞄から財布を取り出そうとしたら、
「ねぇ…本当に帰っちゃうわけ?」今まで黙っていた光さんがそう言った。2009-03-13 16:21:00 -
200:
「えっ…はい。帰ります。」真剣な顔で話す光さんに少し動揺をしたが帰ることをはっきり伝えた。そんな私の返事に一息ついて
「っていうか…ミナちゃんはどうしたいわけ?涼と話するためにここに来たんだよね?それやのになんで話ししようとせぇへん訳?友達のゆりちゃんも協力してくれてるわけやん。それを何もせんと帰って、落ち込んで、病んで。目に見えてるやん。」2009-03-13 16:27:00 -
201:
一瞬意味がわからなかった。ううん、理解しようとしなかった。考えてることがズバリ当てられたからだ。けど私は少し腹が立ってきた。いくら私が働いている会社の社長だからといってここまで言われる筋合いがない。私と涼の事を何か知っているかもしれないけど、この四年間私達の道のりは私と涼にしかわからない。
2009-03-13 16:32:00 -
202:
「ゆりには協力してもらって感謝しています。ここで働いてるってわかったのもゆりのおかげなので。けど私がいいって言ってるからそれでいいじゃないですか。光さんにそこまで言われる筋合いはありませんよね。失礼します。お疲れ様でした。」バンッ!
一万円札を二枚置いて光さんに一礼をした。そして鞄を取り入口に向かってあるきだす。2009-03-13 16:39:00 -
203:
一応、会社の社長だしお疲れ様ですと言ったがまだ光さんが社長だという実感が沸かなかった。それもそうだろう。見た目からしてザ、ホストな光さん、落ち着いて見えるがまだまだ若い。信じたくても信じれないのが現状だった。
2009-03-14 13:36:00 -
204:
入口にむかって歩いていたら後ろから肩を叩かれた。振り返ると大輔だった。「なに?私もう帰るんだけど…。」
「なんなんだよおめぇ!付き合ってくれたゆりちゃんおいていくわけ?!」
すごい勢いで怒鳴る大輔。
「おいていく訳じゃないけどあんな事言われていれると思うの?」2009-03-14 13:44:00 -
205:
「でもおめぇは涼さんと話ししにきたんじゃねぇのかよ?いずれにしても話しあわないといけねぇだろ!このまま逃げて何になるんだよ!」
"もぅやだ…。どうして私がこんなに責められなきゃならないの…。"2009-03-14 13:50:00 -
206:
涙が頬をつたったのがわかった。顔をあげれない。それでも大輔は怒鳴りながら話しをしている。なにも返事をしない私。
「っていうか聞いてんのかよッ!!」肩を押された。
「もういいから…離して…。」
「…泣いてんのか?」2009-03-14 13:56:00 -
208:
私の鼓動が一気に早くなる。振り返れない。振り返ってしまうと私だということがばれる。
「いや、あっ、はいお客さんです!でももうチェックしたんで今から送りだけ行ってきます!」
大輔が私の背中にぴたりとくっついて涼から見えないようにしてくれた。
「そっか!ちょっと話しあるから後で俺のとこまで来てくれる?」2009-03-14 19:53:00 -
209:
涼は私に気付いてない。今しか出るチャンスがない。ドアをあけて急いでエレベーターまで走った。あのタイミングで涼が現れると思っていなかった私の鼓動はエレベーターに乗っても激しく動いている。
2009-03-14 19:57:00 -
210:
エレベーターを降りてからふと我に返る。
「どうしょ…お金ない。」
光さんと言い合って財布にあるお札を全部置いて来てしまった。当時の私は普通に働いて生活費を稼ぐのにいっぱいいっぱいだった。
"本当私って馬鹿だぁ…"2009-03-15 12:36:00 -
211:
名無しさん
主
2009-03-15 16:05:00 -
212:
夜中だと言うのに人がわんさかいる。人通りの少ない道を選んでコンビニを目指して歩き回る。10分位歩いた後でサンクスを見つけた私は直ぐさまATMの前まで行ってお金をおろそうとした。その間も涼のことを考える私。気持ちが落ちていく。
2009-03-17 15:22:00 -
213:
それとゆりを置いてきてしまった罪悪感。とりあえずコンビニを出て電話してみよう。おろしたお金でミンティアを一つだけ買いコンビニから出る。
携帯を取り出してゆりに電話をかける。
呼び出し音は相変わらずうるさい。2009-03-17 15:27:00 -
214:
うるさい音楽が途中で途切れた。それと同時に私が先に話した。
「ゆり?本当ごめん!先に帰ったりして…今サンクスにいるんだけど一緒に帰ろう?」そう言った後なにも言わずに電話が切れた。"怒ってるのかな…。"その後何回か電話をしたけど繋がる事はなく一応コンビニの前で待ってみることにした。2009-03-17 15:33:00 -
215:
待っている間何人かのホストっぽい人にキャッチをされた。なにもわからない私は無視することもできなくて対応に困りながらも断り続けた。さすがにスキンヘッドのいかついおじさんに声をかけられた時は怖くなり意味もなくコンビニに入り逃げてしまった。20分位経ってもゆりは来なかった。メールを送り帰ろうと思い外に出た。タクシーを捕まえようとして少し歩いていると前から見覚えのある人が私を見ながら近づいてくる。とっさに逃げようと思って振り返り小走りでさっきのコンビニまで向かう。
2009-03-17 15:40:00 -
216:
「ミナッ!!!!!!」私の呼ぶ声は…
振り返らずそのままコンビニに向かって走る私。けど女の私に負けるはずない彼は私の肩を掴み振かえらす。
「………仕事…戻らないと駄目だよ…」
「そんな事お前に言われないでもわかってるから。」2009-03-18 15:24:00 -
217:
少しの沈黙の後先に喋りだしたのは彼だった。
「なんで俺に黙って帰った?」
「黙って帰ったって…涼が私に嘘つくからでしょ?ホストしてるってばれたくなかったんでしょ?!」
何故涼は私のところにきたんだろう…このまま揉めることなく離れたかったのに。2009-03-18 15:29:00 -
218:
私は涼に対して感情をあらわにしたことがなかった。涼も私に対してそうであるように。普通のカップルみたいに我が儘を言い合えるほどの仲ではないのだ。ただ付き合ってるだけ。横にいてくれるだけ。私だけが涼を好きなだけ。一方通行の想いは涼に届くはずがない。
2009-03-21 13:20:00 -
219:
今まで怒ったりしたことがなかった私を冷たい目で見る。"何よ…めんどくせぇとか思ってるんでしょ…"ここで泣いたら私は感情を抑えられなくなる。歯を食いしばりながら涙を堪える私。そんな私を見て涼は請う言ったんだ。
「言いたい事があるなら言えよ。」2009-03-21 13:25:00 -
220:
「言いたい事?そんな事ありすぎて一言で終わらないよ!」
「だから言えって言ってんだろ!!」
身体がビクッと震えた。先程の涼とはまったくの別人だった。目が…死んでる。2009-03-21 13:30:00 -
221:
はっきり言って怖かった。この場から逃げ出したかった。私達を見ながら笑ってる女の子達。「なにあれ〜?喧嘩〜?」「どうせホストにはまってる女が駄々こねてるだけだよ〜キャハハハ〜」
そんな会話が聞こえてきた。2009-03-21 13:35:00 -
222:
ちょうどその時タクシーが私の横を通り過ぎた。次のタクシーを止めよう。
涼は言いたい事があるなら言えと言ったけどそんなことする意味がないと思った。これ以上話しても涼は私を突き放すのがわかっていたから。2009-03-21 13:40:00 -
223:
一台のタクシーが涼の背後から向かってくるのがわかり手を挙げた。直前で手を挙げた為キューブレーキをかけて止まるタクシー。
ドアが開いた瞬間に乗り込んで自分でドアを閉めた。「すみません!!出してください!!」
涼がどんな反応していたのかわからない。怖くて見れなかったから。2009-03-21 19:46:00 -
224:
タクシーが出た後私はゆりに電話した。今ならまだ涼が店に戻ってないと思うから。コールが鳴ったと思ったらすぐにでてくれた。
「ゆり?今大丈夫?」
「ミナ!!本当ごめん!!さっきの電話涼クンが出ちゃったの!ミナが帰った後涼クンがゆりに気付いてなんでここにいるか聞かれてッ…ミナのこと話たの…それじゃ丁度ミナから電話がかかってきて、涼クンが出ちゃったんだ!本当ごめん…。今涼クンと一緒?」2009-03-21 19:57:00 -
225:
「さっきまで一緒だったけど今別れたよ。ゆりどうする?私もうタクシー乗っちゃんたんだけど一緒に帰る?」
「今光さんが席を外してるから帰ってきたらチェックするわ!ミナ今どのへん?」
「もうちょっとで堺筋に出るところだけど詳しい場所はわからないよ。」2009-03-22 13:21:00 -
226:
「じゃぁそこで待ってて!迎えに行くから!あってか、今さっき会った人覚えてる?慶ちゃんが迎えに行ってくれるから先に店で待っててくれる?」
慶ちゃんとはゆりが初めてホストに行って指名した人だ。
「えぇー!!絶対やだぁ!そんなんだったらゆりと行ったほうがいいよ…」
ゆりの憧れの人だからといって初めて会った人にのこのこ着いていけない。いや、その前に喋れない。2009-03-22 19:27:00 -
227:
接客業をしているのに極度の人見知りな私。プライベートで関わりのある人は普通に喋れるけど初めましてなんて喋れるわけないじゃない。
「でも…もう言っちゃったんだよね…そこまで来てって。ゆりも行ってあげたいんだけど光さんに話したいことあるから帰ってくるまでチェックできないし。慶ちゃんにも言っとくから!極度の人見知りだって!あっ光さんが戻ってきたからまた連絡する!とりあえずそこで待ってて!」2009-03-22 19:34:00 -
228:
"えぇーちょっと待ってよ…"電話が切れてタクシーを降りた。こんな所で待ってていけるのかな。ゆりは光さんに話したいことがあるって言ってたけど一体なんなんだろう…。考えながらその場に腰をおろした。
「ねぇねぇ今涼から電話かかってきて今から来てだってー!」
二人組の女の子が私の前を通りすぎる。タイミングよすぎなくらい涼の名前が聞こえてくる。頭を抱え込み顔をうずめた。2009-03-23 11:38:00 -
229:
涼と向き合うこともしないで逃げてきてしまった自分に今更後悔する。
私がどんなけ悩んでも涼は今頃女の子に笑顔で接客しているだろう。想像するだけで涙が溢れ出る。
「ミナちゃん?」
名前を呼ばれ顔をあげると慶さんが立っていた。2009-03-23 15:42:00 -
230:
びっくりして立ち上がり頭を下げた。
「すみません!わざわざ迎えに来て頂いて…。」
「あぁ〜それなら全然大丈夫!!気にしないで!笑。ゆりから話しは聞いてるから安心して。それじゃ行こっか。」頭をポンポンとされて改めて慶さんの顔を見た。2009-03-23 15:46:00 -
231:
屈託のない笑顔。見てるだけで、傷めていた心が修復されていく。
慶さんの後ろをついていく感じで歩く私。
歩いている間はお互い何も話さなかった。慶さんの店のビルが見えてきた時初めて話し掛けられた。2009-03-23 15:51:00 -
232:
「ゆりから聞いてたけど本間に人見知りっぽいな!笑。」笑いながら言われたので気まずい雰囲気ではなかった。
「はぃ。極度の人見知りなんです…これでも接客業なんですけど。笑」
「そかそか!まぁ〜ゆりがすぐ来るやろうからそれまで頑張って話そな!笑。あっそれと敬語もなしな!」2009-03-23 15:55:00 -
233:
「極力頑張ってみます。笑」
さりげなく話しかけてくれる慶さんのおかげで緊張がほぐれていく。
「あっ笑ったー!俺と会った瞬間人形かぁって言うくらい硬い表情やったからこれは笑かすのしんどそぅやなぁ思って。第一関門突破やな!笑」2009-03-23 16:00:00 -
234:
「それじゃ第二関門はなんですか?」普通に気になり聞いてみた。
「第二関門は…ミナちゃんが心を開いて今悩んでることを俺に言ってくれることかなぁ〜。」
エレベーターのボタンを押しながら話す慶さん。2009-03-23 16:04:00 -
235:
黙り込む私。
「それは無理かぁ〜!笑。ちょっと調子乗ってたもうたわ!笑。」
「ハハッ!面白いですね慶さん。」
慶さんの行動を見ているだけで笑えてくる。
「面白いかぁ!俺は面白いだけじゃ嫌やなぁ〜!そこにカッコイイがついてほしいなぁ!笑。ホストは顔だけじゃ無理って言われがちやけど正直顔やからなぁ!笑」2009-03-23 16:10:00 -
236:
「でもホストは顔だけじゃ勤まらないと思います…私が言えることじゃないんですけど…すみません。」
夜の世界を全くといっていいほど知らない私。慶さんの顔が少し引き攣ったように見えた。
「ミナちゃんはなんでそう思う?」2009-03-31 15:09:00 -
237:
慶さんはエレベーターに乗り込みながら私に聞き返す。
「正直第一印象は顔かもしれないけど…心のない人と話してても虚しくなるから…。」
涼の顔が浮かんだ。
ポーン。慶さんが開くボタンを押してくれていたから先に降りようとした。2009-03-31 15:15:00 -
238:
その瞬間腕をおもいっきり引っ張られ身体のバランスがとれなくなり倒れそうになった。一瞬訳がわからなくなり焦る。気付いたら慶さんの腕の中にいた。驚きながら慶さんの顔を見上げる私。
「…ッあの…すみません…」
「誰の事考えながら話してんの?」2009-03-31 15:21:00 -
239:
この目…。体が震えだす。さっきの涼と同じ目だった。いろんな事が私の頭の中で駆け巡る。
「って言うのはうっそー!!ちょっとびっくりした?笑」パッと腕を離されて笑顔になる慶さん。2009-03-31 15:26:00