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*振り子*
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1:
主
振り子は 遠い昔へと戻る…。
2009-01-11 18:55:00 -
2:
主
『歩は?』 朝の朝礼にはいつもの様に歩の姿は無い。 『寝坊。』 この言葉を言うのは今日で何度目になるだろう。 『今日こそは連れて来いて言うたやないかー』 担任は名簿を見ながらため息をつく。 『そんなん知らんやん』 周りの皆は大爆笑。 あたしは朝からテンションが下がる毎日だった。
2009-01-11 19:01:00 -
3:
主
『家隣やのになぁ』 親友の春奈があたしの肩をポンポンと軽く叩きながらにこにこと笑う。 『家とか関係ないし。何回起こしても起きへんねん』 担任のぐっさんはまぁええわと皆を静かにさせる。 『今日は体育からやからはよ皆着替えるんやでー』 『はーい!!!』 当時のあたしは小学6年生 毎日歩にうなされていた。
2009-01-11 19:09:00 -
4:
主
歩は幼稚園からの幼なじみ 家は昔から隣同士で 親同士もあたしと歩を通して仲良くなったらしく 今では家族ぐるみの仲。 歩の家は母子家庭で 朝早くから仕事へ向かう。あたしは歩の母さんから家の鍵を預かってて、歩が時間になっても家から出てこない様なら中に入って叩き起こしてくれと頼まれていた。 ちょっと前までは 起こせば起きていたものの最近ではびくともしない。
2009-01-11 19:14:00 -
5:
主
皆体育のために着替えている最中に歩は教室に入ってきた。 『ガラガラー…』 皆一斉にドアを見る。 『何やねん』 歩は今日も機嫌が悪い。 『今日も起こしたのに!』歩の前に立つと歩はあたしを見上げて一言。 『すいません』 あり得ない目付きであたしを睨んだ。 『何怒ってんよ』 こっちが怒りたいとこなのに歩はあたしを無視して着替えを始める。 『なーって!』 『見んなはげ。エロいな』『見てないし!あほ!』 『………』 何があったのかはわからなかったけど今日の歩はいつも以上に機嫌がわるかった
2009-01-11 19:27:00 -
6:
主
歩も着替えが終わったらしく、さきさきと教室から出ていった。 『機嫌悪いなー』 友達の綾乃が口を尖らせる『やたらな』 あたしがため息をつくのを皆哀れみの目で見る。 これも1日に一回は大体見る光景だった。
2009-01-11 19:33:00 -
7:
主
廊下に出るとぐっさんの前にちょこんと立つ歩が見えた。 『ぐっちー今日体育なに』ぐっさんは体育の先生をしている。 『今きたんか?』 ぐっさんが歩を睨む。 『さっき』 『成績落ちるぞ』 『ほっとけや』 歩は諦めたかの様に階段を降りていった。 『何やあいつ機嫌悪い』 『しらーん』 ぐっさんも歩のあの態度には毎日困らされている。
2009-01-11 19:38:00 -
8:
主
歩はとにかく口が悪い。 男子の様な口の聞き方をする。 昔は結構内気だったくせに最近は常に怒り気味。 何があったかは教えてくれなくて全然わからない。 それから歩は問題児。 年上にも平気で喧嘩をうる
2009-01-11 19:44:00 -
9:
主
外に出ると 歩はさっきとは全く違ってこれでもかと言うほどの笑顔を他の子に見せていた。『何やねん』 あたしの独り言を聞いていた春奈はまたにこにこと笑っている。 『なにッ!?』 あたしが怒ると綾乃も笑いだした。 『何か弟みたいやし』 『うるさいなー!』 あたしの目線の先には つねに歩がいた。
2009-01-11 19:49:00 -
10:
主
歩は体操をしていた。 『あたしもやる…』 歩を怒らせない様にとそっと喋ってみた。 『ちゃんとしとけや!』 気づかいは無用だったらしく無邪気に笑った。 『何かむかつくわ…』 あたしの声は地獄耳の歩に聞こえてしまったらしい。『何が』 『別に…』 『言えやあほ』 母さんと朝から喧嘩をしてきたあたしも今日は機嫌が悪かった。 そのせいで歩の一言に無性に腹がたった。
2009-01-11 19:54:00 -
11:
主
『あほとか言うなや!』 あたしが叫ぶと歩は目を丸くして上げていた腕を止めた。 『え?』 『何でもかんでもあたしに任せるくせに何であほとかはげとか言われなあかんのよ!』 あたしは今までたまってたものを出すかの様に叫んだ 『そこまで性格悪いんはあんた位やからな!皆本間に離れて行くで!?いつか母さんにも嫌われんちゃう』 最低な事を叫んだのに気付いたのは全部吐き出した後だった。
2009-01-11 19:59:00 -
12:
名無しさん
気になる?
2009-01-11 22:59:00 -
13:
主
12さん
ありがとうございます?2009-01-12 16:22:00 -
14:
主
『…………』 歩は下を向いた。 『ごめん言い過ぎた』 『うちが悪いねん』 歩はぼそっと一言言って 運動場から校舎へと入って行ってしまった。 『あゆ!』 他の何人かが呼ぶ声も 今の歩には届か無かった。2009-01-12 16:27:00 -
15:
主
あたしは追いかけ様としたものの、春奈と綾乃に止められてしまった。 『あかんやん』 あたしは本間にバカな事をしてしまったと後悔した。
2009-01-12 16:33:00 -
16:
主
そうこうしているとぐっさんが校舎から出てきた。 『歩気分悪い言うてたで』どうやらまだ学校の中らしい。 ぐっさんが保健室へ連れて行って来たと話した。 『体育の日に珍しい』 ぐっさんは名簿を覗きながら運動場の中央へと移動した。 『後で謝り』 『うん』 春奈の言葉にうなずいて、今は体育に集中する事に決めた。
2009-01-12 16:46:00 -
17:
主
でも… 実際は気になって仕方が無かった。 『バチンッ!!』 顔面に鈍い痛みが走った。『夏海!』 『いったァ…』 あまりの痛さにすくんでしまった。 『大丈夫!?』 周りにいた子達が集まる。『夏海いけるか!?』 ぐっさんが駆け付けた。 『…………』 痛さで言葉も出ない。 『ごめん!!!』 皆をかけわけて来たのは奥村悠太。 その一言であたしにボールを当てたのが奥村だとわかった。
2009-01-13 17:27:00 -
18:
主
『もーええからッ!』 ぐっさんがあたしを抱っこしてくれた。 『皆自習!』 その一言で皆は黙った。 『どこ打った?』 ぐっさんが静かに聞く。 『鼻…と思う』 『てか』 ぐっさんがいきなりあたしを下ろした。 『ちょい我慢して』 あたしの背中をおす。 『春奈!保健室!』 ぐっさんが春奈を呼ぶ。 『なんてぇーッ?!』 『保健室行ってきて!』 春奈が走ってくる音が聞こえた。 『鼻血出てるから』 ぐっさんがあたしを座らせてうつむかせた。 『わかった!』 春奈が校舎に入っていく音が聞こえた。
2009-01-13 17:34:00 -
19:
主
『ちょい我慢せーや』 ぐっさんのでかい指があたしの鼻筋を掴んだ。 『痛…ッ』 『我慢せー』 あたしはされるがままで、鼻の痛みと戦ってた。
2009-01-13 17:36:00 -
20:
主
『ぐっち!』 歩の声が聞こえた。 『ども歩』 ポスンと言う音が足元で聞こえた。 『手ぇ離すで…』 手が離れると同時にティッシュでつままれた。
2009-01-13 17:39:00 -
21:
主
『後はうちがやる…』 『俺連れてくから』 『うっさいねん!』 無理やりぐっさんからひっぺがされる感覚がした。 『触んなぼけ』 感覚だけだったけどあたしの肩持ってんのが歩やてわかった。 『春奈もありがとーな』 歩の笑う声。 『任せたで』 春奈の声がした。
2009-01-13 17:44:00 -
22:
主
『俺もついてくわ』 ぐっさんの声。 『いらん!触んな!』 『何でやねん!』 『うちだけで充分!』 ぐっさんと歩の言い合いが続いた。 いい加減こっちもイライラしてきて歩の腕を掴んだ。 『もぉええわ!』 歩はあたしを抱えて保健室へと入っていった。
2009-01-13 17:47:00 -
23:
主
保健室に入って保健の先生から簡単な治療を受けた。でもやっぱり血は止まらなくてずっとうつむかせられていた。 入り口の方でぐっさんと保健の先生の話し声が聞こえた。 『私やっときますから』 『お願いします』 するとあたしの鼻を押えていた歩がぐっさんに向かって叫んだ。 『はよ帰れ!』 『うっさい!』 歩は軽くため息をついて、ぐっさんが出ていくのを見ていた。
2009-01-13 17:52:00 -
24:
主
『歩…』 『何じゃ喋んな』 ベッドに座るあたしの横に座ってる歩はなんだか大きく感じた。 『あゆちゃん』 『なに先生』 ぐっさんの時とは全く違う反応をする。 『一回職員室行かなあかんから何かあったら呼びにきてくれんかな』 『わーった』 ガラガラと静かにドアがしまった。
2009-01-13 17:56:00 -
25:
主
『…………』 『…………』 (間がもたん…) 何を喋っていいかもわからず目をつむる。 『ごめん』 急に歩が声を出した。 『え?』 『うちのせいでこんななってもーてごめんて』 歩の顔を見るとあたしとは逆方向を向いたままで顔は見え無かった。
2009-01-13 18:01:00 -
26:
名無しさん
あげ?
スイマセン歩は女の子ですよね??2009-01-13 23:08:00 -
27:
主
26さん
ありがとーございます?
歩は一応女の子です!2009-01-15 17:13:00 -
28:
主
歩から謝る事なんて 今まで無かった。 たった一度だけあったけど あたしは驚きで 次の言葉が出てこなかった
2009-01-15 17:15:00 -
29:
主
『うちさ…』 歩がゆっくり口を開く。 『自分で起きるわ』 『え?』 『毎日めんどくさいやん』寂しそうな目をして床を見ている。 『別にそんなんちゃうよ』あたしもやっと言葉がでてきた。 『自力で起きるし』 やっぱりあたしに目を向ける事はない。 『あたしが起こすて!笑』笑ってみる。 『いつまでも子供ちゃう』 あたしが笑ってみたのも無駄だった。 歩はベッドから立ち上がってあたしの方を見て真剣な顔でそう言った。
2009-01-15 17:21:00 -
30:
主
『それから』 歩の次の言葉が怖かった。次から次へと言葉の壁があたしと歩を引き離した。 『おかんに捨てられても、うちは1人で生きるし』 いつもは見せない笑顔でふざけてみせた。
2009-01-15 17:24:00 -
31:
主
歩が傷つきやすい事は ちゃんと知ってた。 いつも強がってるけど 本当は泣き虫な事も。 誰よりも 物事を深く考える事も。 そして今わかった事。 あたしから離れしまう…。
歩の顔を見れば 一瞬でわかる事だった。2009-01-15 17:27:00 -
32:
主
『ガラガラ…』 保健の先生が帰ってきた。『タイミングいいな!』 歩が先生に向かって言った 『ごめんなー』 先生はあたしの方へと歩いてくると、そっと頭を撫でてくれた。 『まだ痛い?』 『………………』 何だか歩の言葉に傷ついてしまって頭をうなずかせるのがぎりぎりだった。 『ほな』 歩が保健室から出ていくのと同時に涙が出た。
2009-01-15 17:32:00 -
33:
主
『痛かった!?』 保健の先生が慌てる。 あたしが首を振ると先生はあたしにタオルを貸してくれた。 『今日は帰り』 本当は学校にいたかった。
だけど思ってたよりもしんどくて静かにうなずいた。 『歩ちゃんにも言おか?歩ちゃんもしんどい言うてたし家近いんやろ?』 あたしは急いで首を振った 『ええの?』 『…うん』 『んじゃお家に連絡してくるから待ってて?』 『先生!』 『ん?』 『荷物取ってくるから』 『おけ』 先生はニコッと笑って 保健室から出ていった。2009-01-15 21:46:00 -
34:
主
2階にあがると 廊下には人がいなくて 皆授業中のようだった。 ガラガラー… あたしがドアを開くと 皆が口を開いた。 『夏海大丈夫?』 春奈達が立ち上がる。 『大丈夫ゃで』 パッと自分の机の方を見ると綺麗に荷物が入ったかばんが置いてあった。 『あたし帰る』 ぐっさんに言うとぐっさんは黙ってうなずいた。 『気ぃつけろよ』 『うん』 自分の机に戻ると歩がとなりで顔を伏して寝ていた。 (歩がやってくれたんや) かばんの中の雑に入れられた教科書を見てわかった。『ありがと』 軽く肩に手を置いて礼を言った。 『ん』 歩の短い返事が聞こえた。
2009-01-15 22:00:00 -
35:
主
顔をあげてくれないという事に少し寂しさを感じながら教室から出ていった。
2009-01-15 22:03:00 -
36:
主
家に帰ると母さんが心配そうにあたしを出迎えた。 『夏海大丈夫なん?』 母さんの顔を見ると何だか安心出来た。 『大丈夫やで』 母さんは安心した顔をして家の中へと入っていった。 『疲れたから寝るな?』 『うん』 晩ご飯を作っている母さんの背中に一声かけてあたしは自分の部屋へと戻った。
2009-01-16 17:23:00 -
37:
主
ベッドに寝転がり 今日の事を思い返していた あたしはいつの間にか 寝てしまった…。2009-01-16 17:25:00 -
38:
壱
『ひなた!』 母さんが弟の日向を呼ぶ声で目が覚めた。 『歩やで!』 『あっちゃん?』 日向が自分の部屋からかけおりて行く音が聞こえた。 (歩?) あたしも顔を出したかったけど前に進め無かった。
2009-01-16 17:28:00 -
39:
主
『あっちゃんどしたん?』歩と日向は一才しか年が変わらないのもあるし、あたしと同じで昔からの付き合いなのもあって仲が良かった。 『明日でもよかってんけど持っとくの何やからさ。』歩の少し低い声が聞こえた 『夏海の?』 『うん。渡しといて』 『わかった』 日向に何か渡したらしい。
2009-01-16 17:32:00 -
40:
主
『夏海は?』 『寝てるねん』 『そか…』 『何かあったん?』 『別に?』 その後も歩と日向の話す声が聞こえたけどそれ以上あたしの話は無かった。
2009-01-16 17:34:00 -
41:
主
『んな帰るわ』 『うん』 玄関が開く音が聞こえた。『おじゃましましたー』 『また来ぃや歩!』 母さんの声。 『おー』 『バイバイあっちゃん』 『おー』 ドアが閉まる音がした。 歩が帰ったらしい。
2009-01-16 17:37:00 -
42:
主
日向が上にあがってくる音がしたので布団にもぐった ガチャ…。 『夏海これ置いとくで』 日向があたしの机に何かを置いて行った。 『もう飯やで?』 帰りぎわにそう言って階段を降りて行った。
2009-01-16 17:40:00 -
43:
主
暗い部屋の中を見回して 自分の机をみた。 机の上には春奈、彩乃と一緒にやっている交換のーとが乗っていた。 その横に紙が置いてある。 『春奈から。歩』 それだけが書かれた紙だった。 (持ってきてくれたんや…)何だか嬉しくなった。
2009-01-16 17:43:00 -
44:
主
少し元気が出たのもあって下に降りると母さんと父さんと日向がもう晩ご飯を食べていた。
『はよさん』 父さんが声をかけてきた。『お帰り』 『ご飯食べるやろ?』 母さんが立ち上がろうとしている。 『ええよ!あたし入れる』 台所を見ると鍋の中にはシチューが入っていた。2009-01-16 17:46:00 -
45:
主
『夏海机みた?』 日向がこっちに顔を見せる『みたよ。ありがとー』 『うん』 日向はまたご飯を食べ始めたけどあたしが横に座ると同時に口を開いた。 『あ』 『何?』 あたしが聞き返すと日向が不思議そうな顔をして母さんを見た。 『あっちゃん顔に怪我あったわ。どしたんやろな』 (怪我とかあたし見てない) 『どないしたんや?』 父さんも不思議そうな顔をした。 『わからんわ…。後で様子見に行ってくるわ』 母さんの言葉に父さんはうなずいた。
2009-01-16 17:51:00 -
46:
主
『夏海は?』 ご飯を食べた後、母さんは歩の様子を見に行くと言ってあたしを誘ってきた。 『いいや』 『わかった』 母さんは靴をはいて家から出ていった。 『学校で何かしたんか?』父さんがあたしに聞いてきたけどあたしが学校にいる間には何も無かった。 『あたしにもわからん』 『そーか』 父さんも少し心配そうな顔をしていた。 日向は父さんのとなりに座ってゲームをしていた。
2009-01-16 17:55:00 -
47:
主
10分程たって
母さんが帰ってきた。 『歩は?』 あたしの言葉に母さんは 首をふった。 『チェーンかかってるから中にはいてるはずやけど…』 歩がチェーンをかける事は めったにない。 あたし自身見た事は無かった。 『見てくる…』 あたしは自分の部屋に戻った。
2009-01-26 02:04:00 -
48:
主
あたしの家と歩の家はベランダが繋がってる様なもの。少し隙間はあるけれど 渡れないほどじゃない。 『がたんッ』 ベランダに降りると 歩の部屋が見えた。 部屋は真っ暗。 歩は自分の部屋のベランダには鍵をかけないという事は知っていた。 『キィ…』 ベランダを開ける音で 気がつくはずなのに 物音1つしない家の中。
2009-01-26 02:09:00 -
49:
主
『おじゃまします…』 歩の部屋に電気をつけた。部屋の中にある家具に傷がついているのに気付いた。
『こないだ無かったのに』いつも部屋に入るから家具がどんな状態かはすぐに気がつく。 『あゆー』 階段も電気をつけて 下に降りる。 返事は無く、物音がしない
2009-01-26 02:13:00 -
50:
主
あまりにも静かすぎて 段々嫌な予感がしてきた。『歩?』 リビングの扉を開く。 『怖いってー…』 これ以上進むべきなのかと悩みながらも電気をつける
2009-01-26 02:18:00 -
51:
主
電気が完璧について 後ろを振り返る。 テーブルに伏せている歩の姿があった。 『こんなとこで…』 はぁとため息をついて 歩の肩を揺する。 『歩起きろ!』 少しも動かないので 顔を覗いてみた。 すると顔が真っ青でほっぺたも冷たくなっていた。 『ちょッ…歩!?』 椅子から降ろして床に座らせた。 『…………』 何も喋らないし動かない。だけど確実にわかるのは 息をしているという事だけ
2009-01-29 23:14:00 -
52:
主
あたしは慌てて 携帯で病院にかけた。 何を説明してたのか自分でもよくわからなかったけど住所だけは言えたはず。 もう1度携帯を開いて
日向の携帯に電話をした。 『もしもー…』 『歩がッ!!!』 『へ?』 一瞬聞きなおしたものの すぐにわかったらしく 携帯の向こうで 『母さんあっちゃんが!』その声が聞こえた。2009-01-29 23:20:00 -
53:
主
少しすると 玄関が激しくたたかれた。『あ………』 少しの音でもびくびくしてしまうのにいきなりでかい音がして腕が震えた。 『チェーン!』 父さんの声が聞こえた。 『あ…はいッ!』 やっと足も動いてチェーンを外しに向かった。 玄関の向こうで 母さんが汗をかいている。『あゆは!?』 『わからん…』 チェーンを外し終わると勢いよく父さんと母さんが入ってきた。 『…………ッ』 あたしはどうしていいかわからなくて玄関に座りこんだ。 『歩!?』 母さんの声がした。 『病院には!?』 父さんがあたしの顔を覗きこんだ。 『電話したよ…』 涙がとまらなかった。
2009-01-29 23:29:00