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キミといた空

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  • 1:

    柚子

    モコモコの空が泳ぐ青空 
    夕焼けに染まる空 
    キミと初めて見上げた空は月がポツンと浮かぶ真っ暗な空

    私は空が好きだった 

    2009-01-14 23:35:00
  • 2:

    柚子

    まん丸な大きい目に八重歯をのぞかせて笑う 
    初めて会った日もキミはそうだった 
    目が会った瞬間恋をすると思った

    2009-01-14 23:45:00
  • 3:

    柚子

    『名前は?』
    キミはニッコリ笑いながら隣にしゃがみこんだ
    この一言から始まった 

    2009-01-14 23:48:00
  • 4:

    柚子

    キミの名前はシュウ。 
    ハタチの専門学生。アルバイトでホストを始めたばかり。 
    店の忘年会後、先輩とキャッチをしに来たところだった。 
    私は友達に2時間も待ちぼうけをくらわされ、UFOキャッチャーで取った大きなぬいぐるみを抱きしめて座りこんでいた。

    2009-01-14 23:53:00
  • 5:

    柚子

    『寒いなぁ…』
    シュウが手に白い息を吹き掛けながら空を見た 
    12月26日。寒いに決まってる。 
    私も空を見た。 
    薄い雲がかかる真っ暗な空に少し欠けた月。 
    真っ暗な空は私をシュウを包みこむように広がっていた。

    2009-01-14 23:58:00
  • 6:

    柚子

    『カラオケ行きたい』
    寒さのあまりなんとなく言った。でもシュウは『キャッチもういいや!行こか!』って笑ってくれた。 
    朝まで歌って酔っ払ってシュウは私の家にきた。

    2009-01-15 00:01:00
  • 7:

    柚子

    ソファーに押し倒されキスをされた。同時に動くシュウの手を止めて『付き合ってない人とはしないよ』と離れた。 
    『じゃあ付き合お!』
    は?!何それ!やりたいだけやん!

    2009-01-15 00:04:00
  • 8:

    柚子

    『彼女いないし、柚子可愛いし付き合お』
    『いや…そんな簡単に…』
    『決まり!じゃあよろしく!』
    強引なシュウのテンポにかなわなかった。
    私達はこんな簡単な始まりだった。

    2009-01-15 00:08:00
  • 9:

    柚子

    ねぇシュウちゃん
    私はあの時シュウちゃんの事かけらも信じてなかったんだ 
    でもこんなに苦しい思いも愛しい気持ちも切ない空もシュウちゃんが教えてくれたね 
    ねぇシュウちゃん 
    今キミは笑ってますか?

    2009-01-15 00:13:00
  • 10:

    柚子

    『柚子ー!どう?似合う?』 
    テレビ電話の向こうで袴姿のシュウちゃんが友達と手を振る。 
    『似合う似合う!成人式楽しい?』
    シュウちゃんの地元は私の地元より早く成人式が行われた。

    2009-01-15 02:14:00
  • 11:

    柚子

    『いいなぁ。私も袴姿のシュウちゃんと写真撮りたかった』
    落胆する私を見て笑うシュウちゃん。 
    『お前今どこ?外だろ?』
    私は成人式の髪飾りを買いにミナミに来ていた。 
    『今TSUTAYA前!』

    2009-01-15 02:18:00
  • 12:

    柚子

    『またTSUTAYA?第二の家じゃん!キャッチ気をつけろよ!』
    『シュウちゃんみたいな?』
    『すぐ着いて行くもんな(笑)』
    『シュウちゃんだけでーす』

    2009-01-15 02:20:00
  • 13:

    柚子

    DVDが好きな私はやたらとTSUTAYAにいた。 
    シュウちゃんと出会ったのもTSUTAYA前。 
    この日もDVDを借りて帰った。 
    日を重ねるたびに好きになる。 
    男はもう信じないって誓ったのに…

    2009-01-15 02:24:00
  • 14:

    柚子

    私はシュウちゃんに言えない事があった。 
    シュウちゃんに仕事を聞かれてとっさに『キャバクラ』と言ったけど… 
    ホントは風俗だった。 
    私の心にある大きな傷。
    男が怖い。でもシュウちゃんといたい…

    2009-01-15 02:27:00
  • 15:

    柚子

    大晦日に撮った初めてのシュウちゃんとのプリクラを眺めてため息をついた。 
    シュウちゃんを信じていいのかわからなかった。 
    ホストなんてまともに行った事ないのに今付き合ってるのはホスト。
    店も源氏名も教えてくれないけど、確かにシュウちゃんはホストなんだ。

    2009-01-15 02:31:00
  • 16:

    柚子

    『柚子!それ彼氏?』
    中学からの友達のユキが携帯を覗き込む。 
    『うーん、たぶん』
    ホストを彼氏って言うのが怖かった。騙されてるかもしれないのに言えなかった。 
    『たぶんて(笑)なんで?カッコいいやん!』

    2009-01-15 02:35:00
  • 17:

    柚子

    成人式の二次会。お酒も入って私はユキにシュウちゃんの事を話した。 
    『そっかぁ…ゆっくり様子見た方がいいね。でも店も源氏名も知らないんやし柚子が付き合ってるのはホストじゃなくてシュウちゃんやろ!』
    ユキはニッコリ笑って私の頭をポンポンと撫でた。

    2009-01-15 02:39:00
  • 18:

    柚子

    私が付き合ってるのはホストじゃなくてシュウちゃん。
    ユキの言葉で何か吹っ切れた。シュウちゃんて人間を知りたい。 
    でも私はシュウちゃんに嘘をついてる。 
    騙してるのは私だ。

    2009-01-15 02:42:00
  • 19:

    柚子

    地元から大阪に戻り、シュウちゃんが大阪に戻ってくるのを待った。 
    『戻ったらそのまま会いに行く』
    シュウちゃんに話そう。そう決めた。 
    〜♪ 
    携帯が鳴る。シュウちゃんからだ。

    2009-01-15 02:46:00
  • 20:

    柚子

    『今大阪着いた!もうちょい待ってて♪』
    心臓が痛いぐらい早くなって携帯を握りしめた。
    何から話そう?
    どんな顔をするだろう?
    なんて言うだろう…

    2009-01-15 02:49:00
  • 21:

    柚子

    『ただーいま♪疲れたぁ!はい、お土産☆』
    シュウちゃんはご機嫌で私にキスした。
    うまく笑顔を作れない私にすぐ気付いたシュウちゃん。
    『話したい事…ある』
    心配するシュウちゃんの顔を見れなかった。

    2009-01-15 02:53:00
  • 22:

    柚子

    『なんで?』
    風俗って口にした瞬間シュウちゃんの顔が強ばった。
    当たり前だね。彼女が風俗なんて。 
    『理由は?そんなにお金がいるの?』
    『ううん…』
    『じゃあなんでやってんの?!』

    2009-01-15 02:57:00
  • 23:

    柚子

    シュウちゃんは勢いよく机を蹴った。 
    今日でシュウちゃんとお別れ、そう覚悟した。 
    せめて最後に全部話そう。 
    そう思ってゆっくり話し始めた。

    2009-01-15 03:02:00
  • 24:

    名無しさん

    待ってます?

    2009-01-15 04:14:00
  • 25:

    柚子

    ありがとうございます?
    仕事忙しくて更新遅いですが少しずつでも更新しますね?

    2009-01-19 23:40:00
  • 26:

    柚子

    私はの父は小さい頃から私や兄に暴力をふるっていた。 
    温厚で優しい母は父を怒らすまいといつもピリピリしていて父がいる時はいつも何かに急かされているような家族だった。

    2009-01-19 23:44:00
  • 27:

    柚子

    私の父は小さい頃から私や兄に暴力をふるっていた。 
    温厚で優しい母は父を怒らすまいといつもピリピリしていて父がいる時はいつも何かに急かされているような家族だった。

    2009-01-19 23:44:00
  • 28:

    柚子

    ↑すいません?間違えたので訂正しました。

    2009-01-19 23:46:00
  • 29:

    柚子

    今でも覚えてるのは、まだ小学校に上がる前、殴られ倒れこんだ兄をいつまでも蹴り続ける父。何発目かでお腹にもろに入ったのか兄は嗚咽を上げた。 
    ‘死んでしまう’
    幼稚園児の私の頭に浮かんだ不安。

    2009-01-19 23:50:00
  • 30:

    柚子

    私は隣にいた母の手を握り‘助けてあげて’と思いを込めて母の顔を見た。 
    母はただ無表情でその光景を見ていた。 
    ううん、見えてなんてなかったように感じた。 
    びー玉みたいに冷たい目を見て‘誰にも止められないんだ’と悟った。

    2009-01-19 23:55:00
  • 31:

    柚子

    それでも父がおかしいなんて気付きもしなかった。 
    友達をどなりつける父、友達の目の前で些細な理由で殴る父。 
    『しつけ』という言葉を信じて疑わなかった。

    2009-01-19 23:59:00
  • 32:

    柚子

    貧しいわけでも金持ちなわけでもなく、父を怒らせない事にさえ気を使えば幸せな家族だった。 
    でも私が小学校4年になってすぐ、突然母は亡くなった。

    2009-01-20 00:01:00
  • 33:

    柚子

    葬儀が終わり、慌ただしく親族が帰った後初めて母が亡くなって父と兄と私だけになった。 
    賑やかな家は誰一人口をきかず、食事が終わるとそれぞれの部屋に戻る。 
    静まり帰った家の中で恐怖を感じた。

    2009-01-20 00:04:00
  • 34:

    柚子

    正直それから家を出るまでの8年、家族で楽しく話した記憶はほとんどない。 
    兄は文武両道の優等生。父は兄を信頼し兄を頼るようになった。父はうつ病になっていた。 
    毎週呼び出されては父が死んだ時の保険金などの対処法を聞かされ、夜中にどこかわからない山の上に連れて行かれた事もあった。

    2009-01-20 00:11:00
  • 35:

    柚子

    そんな父が心配で笑ってほしくて、私はたくさん話した。わざとバカのふりをした。 
    父からの返事はいつも『疲れてるから喋るんやめろ』
    それでも父が大好きだった。

    2009-01-20 00:13:00
  • 36:

    柚子

    最初に糸が切れたのは中学二年の冬だった。 
    兄が少し前に腹痛で学校を休んだ。父は仕事を休み、病院へ付き添ったがただの食べ過ぎだった。 
    その時は笑って聞けた。でもその数日後、私と兄との違いにはっきり気付いてしまった。

    2009-01-20 00:17:00
  • 37:

    柚子

    その頃私は兄に殴られる事が多かった。兄の反抗期は私にむかってきていた。 
    母が死んで1年ほどして再婚、私を理由に離婚した父は離婚した後も週末は彼女のところに行くのが決まりになっていた。

    2009-01-20 00:20:00
  • 38:

    柚子

    毎週末はテーブルに二万円だけが置かれ、外泊は禁止されていた私は一人で過ごす事がほとんど。 
    兄は父がいない時を狙って私を殴った。気が済んだら友達の家に泊まりに行く兄。 
    何故殴られるのかわからなかった。

    2009-01-20 00:25:00
  • 39:

    柚子

    たまりかねて父に打ち明けると、父は兄を呼び本当に殴ったのか聞いた。 
    兄が軽く否定すると父は私を嘘つきだと言った。 
    もう居場所なんかとっくになかった。 
    そしてあの日、些細な事で私は崩れた。

    2009-01-20 00:28:00
  • 40:

    柚子

    朝起きると喉と頭が痛くて体もダルかった。 
    風邪をひいたと父に言うと無視された。 
    熱を計ると微熱で、学校を休みたかったけど怒られるのが怖くて言えなかった。

    2009-01-20 00:30:00
  • 41:

    柚子

    兄が具合悪そうにするといつも父から『休むか?』と言うので父からの言葉を待った。 
    でも父は何も言わなくて、気付いてないのかと思いもう一度熱を計っていた。 
    父は仕事に行くため玄関に向かいながら私を横目で見て一言だけ言葉をくれた。

    2009-01-20 00:34:00
  • 42:

    柚子

    『また熱はかってんの?』
    呆れたようにその言葉を残して父は仕事に行った。 
    プチンと糸が切れた気がした。

    2009-01-20 00:37:00
  • 43:

    柚子

    頭の中でぐるぐると疑問ばかりが浮かぶ。 
    私はいらない子?私は嘘つき?どうすれば愛してもらえた?
    父は私を見ない。兄は私を殴って笑う。 
    私はどこにそれを吐き出せばいい?
    『お母さんに会いたい』

    2009-01-20 00:44:00
  • 44:

    柚子

    手首から流れる血を乾かないように水につけながら目をつむった。 
    『ゆーず!泣いたらブチャイクやで!ほらゆずちゃん笑って?』
    私が泣くとお母さんがよく言ってくれた。 
    お母さんと歌ったシャボン玉の歌、お母さんの歌。 
    お母さんと見た夕暮れの真っ赤な空。

    2009-01-20 00:48:00
  • 45:

    柚子

    血と涙と一緒にたまった思いが流れるような感覚がした。 
    お母さんとの思い出の中は暖かくて、もう二度と目を開きたくないと思った。 
    でもそんなうまくは行かなくてチャイムの音に私は起こされた。

    2009-01-20 00:53:00
  • 46:

    柚子

    しつこく鳴るチャイム。 
    重い体を起こし玄関を開けると担任の先生がいた。
    『佐伯〜お前連絡もないから…』
    先生は血だらけの私の左腕を見て固まった。

    2009-01-20 20:38:00
  • 47:

    柚子

    『先生、私死にたいんです』
    そう言った瞬間グニャリと世界が歪んで涙が溢れた。 
    ‘死にたい’なんて思ってる自分が悲しくて、でも居場所も逃げ場もない。 
    そのまま私意識が無くなった。

    2009-01-20 20:41:00
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