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you...
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1:
みゆ
君のその横顔が..
君は弱くて、優しくて、ずるい人。天王寺の大きな歩道橋の上。君は大きく手を広げて駆け寄る私を抱き締めた。あの瞬間、私は恋に落ちた。2009-01-25 22:44:00 -
2:
みゆ
春。
私は18で進学の為に上阪した。地元の学校は嫌。田舎が嫌いだった。狭い世界でオシャレも遊びも何も知らずに10代でデキ結していく友達。そんな風になりたくなかった。やりたいことが沢山あった。2009-01-25 22:54:00 -
3:
みゆ
それまでぽっちゃりだった体型を隠すためにおもいっきりカジュアル系だった私は、大阪に出てくるまでに10キロ以上のダイエットに成功した。
2009-01-25 23:03:00 -
4:
みゆ
春にはお弁当を持ってお花見をして、夏には海や川に行って花火をして、秋には紅葉を見に行って、冬にはまた来年も一緒にいようと誓い合った。そんな純粋な恋愛。もちろん私たちは進学先をお互いが卒業したら絶対に結婚しようと約束していた。
私自身の変化が原因だろうか?そんな純粋にただ愛し合う恋愛に、終わりは突然やってきた。2009-01-25 23:25:00 -
5:
みゆ
引っ越して間もないある日、なぜか部屋で突然テレビが倒れてきた。私は利き手でもない左手だけを差し出して支えようとした。でも支えきれるわけもなく、私の左手の薬指はペアリングもろともクシャッと下敷きになった。変色し、はれあがった薬指に潰れたリング。とても痛々しい姿になった。その数日後だった。
2009-01-25 23:34:00 -
6:
名無しさん
続ききになる?
2009-01-26 00:29:00 -
8:
みゆ
>>7続き
『みゆの彼氏女と一緒にいるところ見たよ』
そんな連絡が地元の友人から入った。そんなわけないやん..見間違いやって!!だって今日は専門学校の男友達とドライブ行ってるもん!!そう言って私は電話を切った。2009-01-26 01:35:00 -
9:
みゆ
その電話は始まりに過ぎなかった。
その日を境に、色んな友人から『みゆ彼氏と別れたの?今日違う女と彼..』と連絡が入るようになった。狭い田舎で2年以上付き合っていれば、だいたいの友人は私と彼の関係を知っていた。だからこそ、違う女と歩く彼は目についたのかもしれない。2009-01-26 01:41:00 -
10:
みゆ
彼に限ってそんなことあるわけない!今日も愛してるって電話がかかってきた。
でも、甘い言葉と引き替えに携帯の電源が切れている時間も増えていった。2009-01-26 01:46:00 -
11:
みゆ
知り合いもいない大阪で慣れない学校生活。不安でいっぱいだった私の心に、彼の不可解な行動は拍車をかけた。でも言えなかった。『男同士で..』
『男友達だけで..』
と連絡を入れ、携帯の電源を切って出かけて行く彼を私は信じたかった。
2009-01-26 01:53:00 -
12:
みゆ
核心的な出来事。
知らない電話番号から着信が入った。いつもなら無視するところだけどなぜか気になって出てしまった。
『久しぶり!元気?突然ごめんねー』電話をかけてきたのは彼氏と共通の男友達からだった。2009-01-26 02:01:00 -
13:
みゆ
『突然どうしたの?』私は胸騒ぎがして挨拶も早々に問い掛けた。『いや、お前の彼氏とこないだ遊んだんだけどさ、連れて来た女がお前じゃなかったから..』ブチッ
私は相手が喋り終える前に電話を切った。最後まで聞くのが怖かった。体が震えた。2009-01-26 02:06:00 -
14:
みゆ
気付いたら私は彼に電話をかけていた。
『...別れて。原因は自分が1番わかってるよね?』2009-01-26 02:13:00 -
15:
みゆ
彼は泣きながら懇願してきた。『ほんとに嫌や!あの人は先輩やから断り切れなくて付きまとわれてるだけで..』大泣きしながらも用意していたかと思うくらい次々並べられる言い訳に、心底嫌気が差した。
2009-01-26 02:22:00 -
16:
みゆ
『もう信用できないの。』これが決定打だった。
黙る彼を尻目に私は電話を切った。涙も出なかった。
大事に大事に温め育てた2年半に渡る恋愛の結末は、こんなにも呆気ないものかと少し笑えたくらいだ。
グニャリと変形したままはめられたペアリングが、私の代わりに薬指の上で寂しそうに光った。2009-01-26 02:27:00 -
17:
みゆ
転機。
別れから一週間。何もやる気が起きず、学校が終わるとまっすぐ家に帰って引きこもった。食事もほとんどとらなかった。みるみる痩せていき、また6キロ体重が落ちた。2009-01-26 02:35:00 -
18:
みゆ
変わろう。
なぜそう思えたのかきっかけは思い出せないけど、気付いたら美容室にいた。
2009-01-26 02:40:00 -
19:
みゆ
『明るいアッシュベージュにハイとローのメッシュを混ぜてエクステは..』
数時間で今までとはまた違う立派なギャルヘアーに変身した。2009-01-26 02:44:00 -
20:
みゆ
もう傷つきたくない。
可愛くなる努力をいっぱいしてもっと愛される女になる!と1人闘志を燃やした。
そして私はある人に電話をかけた。2009-01-26 02:49:00 -
21:
みゆ
『はーい。どないしてん?』
電話の相手は男。同じサークルの先輩。男子の少ない学校だった為か、ちょっと人気があった。彼氏の相談もよく乗ってもらっていた。2009-01-26 20:28:00 -
22:
みゆ
『別れてちゃいました』
『まじかぁー落ち込むなよ』
その日はそんな他愛ない会話で終わった。2009-01-26 20:31:00 -
23:
みゆ
それから、先輩との奇妙な関係が始まった。先輩は何かと理由を付けて私の家に来たり、私を家に呼んだりした。
2009-01-26 21:16:00 -
24:
みゆ
学校に提出するための論文を書く手伝いをさせられたり、ご飯を作らされたり。男女の関係なんて全くないパシリの様な扱いだったけど、相手は人気のある人。かまってもらえる事に対して心のどこかで優越感があった。
2009-01-27 16:16:00 -
25:
みゆ
可愛くなる努力をして自信が付いてきた自分。後にこの優越感という感情は、色々な場面で私を苦しめることになる。
2009-01-27 16:22:00 -
26:
みゆ
先輩とのそんな関係が1ヶ月ほど続き、季節は夏になろうとしていた。風に湿気が帯び、太陽の光がジリジリと肌を焼きはじめる。私は何の進展もなくパシリを続けていた。ただ1ヶ月前と違うのは、そんなくだらない関係に正直もぅ飽きていた。
2009-01-27 16:32:00 -
27:
みゆ
『夏がくるのに彼氏がいないなんて!』焦り始めていた。¨彼氏¨が欲しくなった。先輩と過ごす時間は私の優越感だけを満たし、それ以外は空虚なものに思えた。
2009-01-27 16:53:00 -
28:
みゆ
『とりあえず動こう!このまま留まってても彼氏はできない!』そう前向きに気を取り直した時だった。
チャラン?―着信―
先輩からだった。2009-01-27 17:02:00 -
29:
みゆ
『はいー?』
『俺と付き合わへん?』
なんて唐突な告白。2009-01-27 17:05:00 -
30:
みゆ
『電話でそんなん言われたくない。』
そう言って電話を切った。それからひとり爆笑した。2009-01-27 17:07:00 -
31:
みゆ
―先輩ハコレカラスグ家ニ来ル―
そう。最初からわかっていた。入学当初から先輩が私を気に入っていた事。『あの先輩みゆちゃんの事可愛いって言ってるよ』と噂を聞いたのも1度や2度じゃなかった。2009-01-27 17:16:00 -
32:
みゆ
この1ヶ月、文句も欲求もぶつけずにいい子にしていた。こんな人気のある先輩に告白されればもっと自分に自信が付く。あの大好きだった彼氏の裏切り。別れ。もう私は純粋に人を好きにはなれない。
2009-01-27 17:24:00 -
33:
みゆ
悔しさと見返したい気持ちで私の心はすっかり淀んでしまった。
2009-01-27 17:46:00 -
34:
みゆ
すぐに先輩は家に来た。
そして『好きやねん。付き合って』息を切らしながら言った。2009-01-27 19:26:00 -
35:
みゆ
悲しくなった。
人って、こんなに簡単に人に好きって言えるんだね。私のこと、見た目だけで本心は何にも知らない。知ろうともしない。上辺だけ。あなたが好きだと言う私は¨彼氏¨が、あなたに告白された¨称号¨が欲しいだけだよ?最低な女..2009-01-27 19:44:00 -
36:
みゆ
純粋な自分と荒んだ自分が交差し始める。
2009-04-10 23:55:00 -
37:
みゆ
優越感と罪悪感
本音も言えない恋愛が
うまくいくはずない。2009-04-10 23:58:00