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ホスト。
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1:
主
俺の名前は
【信楽 楓】
18才。
夜の街に憧れた。2005-06-02 15:06:00 -
3:
『誰?自分?』
俺がそぅ言ったらホストが『忘れんなやぁ〜俺やん!中学一緒やった、太一やって!』
………太一?
『あぁ!山本太一!?』
『そぅ!山本太一!』
『元気しとん?お前!ばり久しぶりやん!』2005-06-02 15:09:00 -
4:
『お前こそ元気しとんかぁ!?』
『俺は相変わらずやで。てかお前ばり変わったなぁ。』
『やろ。俺今ホストやってねん。』
ホストと言う響きが何か俺には格好よく聞こえた。2005-06-02 15:10:00 -
5:
ホストか…
7 名前:主 ◆hRJ9Ya./t.:04/11/26 14:07
『ホストってばりえぇで。楓もやったらえぇねん。』中学の時は背も小さくて
小心者やった太一が
ここまで変わるもんなんかホスト?ってって思ったけど
なんか面白そうやったから興味が湧いた。
『お前どないしてホストになったん?』2005-06-02 15:11:00 -
6:
『楓もホストに興味あるん?』
太一が少し驚いた顔して聞いてきた。
『何か面白そうやん。それに俺仕事探してたし。』
『ほんなら俺の店来いや。今人手足らんらしくて困っててん。』
そして太一と番号交換だけしてその日は別れた。2005-06-02 15:13:00 -
7:
伸吾が
『楓お前ホストすんのか?』
って聞いてきた。
『分からん。けど多分やる。』
伸吾が意味分からんて顔をしていた。
『まぁ楓やった出来るんちゃうかぁ?頑張れよ。』
『おぅ!』2005-06-02 15:15:00 -
8:
朝方家に帰るとおかんが起きていた。
『あんたまた朝帰って来て。仕事もせんとプラ?しなさんなや。』
『おかん俺仕事決まる思うわ。』
弟の弁当を作りながら
おかんは
『何の仕事?』
と聞いてきた。2005-06-02 15:16:00 -
9:
『ホスト』
おかんの手がとまった。
『ホスト!?あんたまた何言ってんのよ?』
おかんはまた手を動かした。
『本間やで。中学ん時に太一っちゅー奴おったやろ?あいつの今ホストしてんねん。んで多分その店で働く思う。』2005-06-02 15:17:00 -
10:
あいつのってなってるし…の、抜きで読んで下さい。
『アホな事言ってないでまともな仕事しなさい。』
『アホな事言ってへん。』それだけ言うと俺は自分の部屋に戻って一眠りする事にした。2005-06-02 15:19:00 -
11:
〜♪♪
携帯の音で目が覚めた。
着信を見ると太一からやった。
『楓かぁ!あんなぁお前の事店の人に話したら一回連れて来いて言われたんやけど、お前今どこおるん?』『今は家やで。』
『ほなら一時間後に大丸前まで来てや。』
分かったとだけ言い俺は電話を切った。時計を見ると夕方の四時やった。2005-06-02 15:20:00 -
13:
大丸前は人が多かった。だから背の低い太一を見付けるのはちょっと困難やった。
『楓遅いわぁ!』
太一が少し怒った風に言ったから俺は言ってやった。『お前の背が低すぎるからどこおるか分からんかったわ。』
太一は余計怒って俺は宥めるのに必死やった。2005-06-02 15:22:00 -
14:
主
そして太一とタクシーに乗って店に向かった。
何げに少し緊張していた。『そんな緊張せんで大丈夫やで』
と太一が言った。
『俺をとこの店皆えぇ人ばっかやから。』
その時だけ太一が頼もしく見えた。背は低いが
2005-06-07 12:10:00 -
15:
店に着いた時はもぅ五時を少し回っていた。
【Club・BB】
ここがこれから俺が働くかもしれない店か。
そんな事を思いながら
店の中に入った。
店の中は以外と広くてキレかった。2005-06-07 12:11:00 -
17:
『君か。うちで働きたい子は?』
『はい。』
『中々男前やな。で、今日からでも働けるか?』
いきなりかよ。とか思ったけど
『はい!』
と俺は言った。
『ほならよろしくな。俺は三月和哉や。』
『あ、信楽楓です。』
軽く握手した。2005-06-07 12:13:00 -
18:
代表の和哉さんは顔は男前って言う程格好よくなかったけど何かオーラ?って言うものがあって同じ男として見習いたいと思った。
『店での名前どないする?別に本名でもいぃけど。』『あの、付けてもらってもいぃですか?』
『俺がか?』
『はい。』
代表は少し悩んだ顔をした。2005-06-07 12:14:00 -
19:
『そやなぁ…………………よし!光!これどうや?』光…………。
『ありがとうございます』
こうしてホスト・光誕生。ホスト初日。
スーツは代表のんを借りた。2005-06-07 12:15:00 -
20:
『お!似合ってるやん。』太一が言ってきた。
『なぁ、俺ホストっぽく見える?』
『見える?!カッコええで!!』
太一がニカって笑って言った。
今日から俺もホストや。
何か嬉しかった。2005-06-07 12:16:00 -
21:
ホストになれて浮かれていた俺はそっこー落ちた。
キャッチに行かさた俺は
中々女の子に声をかける事が出来んかった。かけても素無視か冷たい視線を送られるかのどっちかやった。しまいには
『うざいねん!』
とまで言われた。2005-06-07 12:16:00 -
22:
『うざいって何じゃこらぁ!!』
とつい言いそぅになったのを我慢した。
見兼ねた先輩の希さんが
『光、相手の前に立って足を止めなあかんやん。そんでから相手を安心させな。』
と言ってくれた。
『女は敏感やからな。ホストに。』
俺はちょっと感心した。2005-06-07 12:17:00 -
23:
その日は結局キャッチゼロやった。だからヘルプで頑張る事にした。
新人って事で俺は代表の太客のどっかのクラブのママにしょっぱなからドンペリを一気させられた。
ママは俺の苦しそうな顔を見てご満悦。代表は少し心配そう。2005-06-07 12:18:00 -
24:
ドン!!
ドンペリをやっと一気した。はっきり言って不味い!『ありがとうございます』と俺はニッコリと笑った。するとママは潰れてない俺が気にくわへんのか
『ドンペリもぅ一本』
と言いだした。
俺はドンペリのビンでママの頭をしばきたくなった。2005-06-07 12:19:00 -
25:
『――番テーブルドンペリ入りましたぁ!!』
『ありやぁーっす!!』
店は賑わった。
俺は泣きたかった。
『ほら、飲みや。』
とママが言った。
『いただきます。』
俺はニッコリしてビンを持った。そして一気に口の中に流し込んだ。2005-06-07 12:20:00 -
26:
そして俺の記憶はなくなった。
目を覚ますともぅ閉店した後やった。気持ち悪くて吐きそうになった。
『大丈夫か?』
代表の声がした。
『なんとか……でももぅ飲めないっす。』
『はははっ!そらしょっぱなであんだけ飲まされたらかなわんわなぁ』2005-06-07 12:21:00 -
27:
『でも、お前酒強いなぁ〜あの後ドンペリ二本おりたけどそれも全部お前が一人で飲んでたぞ。』
『マジっすか…?俺記憶ないっすわ…。』
喋るのも少し億劫やった。何か話すたびにゲロが出そうになった。
『まぁでも良かったやん。ママお前の事ごっつう気に入ってたぞ。』
『あんま嬉しくないっす。』
そぅ言うと代表はまた笑った。2005-06-07 12:22:00 -
28:
その日は結局店の事務所で寝る事にした。頭が痛すぎて家に帰るのも怠かった。♪♪〜
夢の中に入りそぅになった時に携帯の着信音が聞こえた。
けど俺は無視する事に決めた。体を動かすのも喋るのも嫌やったから。
けど携帯の音は一向に鳴り止む気配がなかった。2005-06-07 12:22:00 -
29:
俺は眠いのと痛い頭を無理に起こして携帯を取った。画面を見ると知らない番号からやった。
『……はい楓。』
『楓?あんた光じゃないん?』
電話の主は女やった。
『あ、そぅです光です。所で…あの誰…ですか?』
『覚えてないん?』
電話の主はちょっと怒り口調やった。2005-06-07 12:23:00 -
30:
『すいません…。昨日はちょっと酒飲みすぎてあんま記憶がないんです…。』
それだけ言うのがやっとやった。とりあえず俺は電話を切って早く寝たかった。『そらあんだけママに飲まされたら記憶もなくなるわなぁ』
それを聞いて少しだけ記憶が戻った。俺にアホ程酒を飲ましていたママの横におった少し地味目の女の人。2005-06-07 12:25:00 -
31:
『あぁ〜…少しだけ記憶戻りました。ママの横に居た人ですよね?』
『そぅやで。やっと思い出してくれた?今何してたん?』
『ちょっと寝かけてました。』
俺の目はもぅ限界やった。『そぅなんやぁ。ほなまた起きたら電話ちょうだい?あたし美沙子って言うねん。ちゃんと登録しといてや。』2005-06-07 12:26:00 -
32:
それだけ言うと電話は切れた。俺もいつの間にか寝ていた。
夢の中で俺は大量のドンペリに襲われた。俺は泣きながらドンペリから逃げまくっていた。
『―…る!オイ光!!』
誰かの声で目が覚めた。2005-06-07 12:27:00 -
33:
『うわっはい!!』
ソファから落ちそうになった。目を擦るとNo1の彼方さんが立っとった。
『あ、おはようございます!すいませんすぐ用意します!』
『何寝呆けてんねん。まだ十時やぞ。』
それを聞いて、ほな起こすなよ!と思った。
『お前こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ。』
彼方さんが服を着替えながら言ってきた。2005-06-07 12:28:00 -
34:
『いや、でも家帰るのも怠いし…いぃかなって思って。』
俺は眠くて仕方なかった。『ほなら俺の家来いや。ここより寝心地はえぇで。』『いぃんすか?』
『別にかまわんで。』
そぅ言って俺は彼方さんとタクで彼方さんの家に向かった。彼方さんの家は
メチャクチャキレかった。一人暮しやのに部屋は四つあってどの部屋もとりあえず広い。2005-06-07 12:29:00 -
35:
『メチャクチャ広いっすねぇ〜…』
俺は目が点になっていた。『一人やから虚しいもんやぞ。』
彼方さんは笑いながら言った。
『そや、お前実家遠いんやったらここに住むかぁ?部屋余ってるし。』
『いや、そんな悪いっすよ!!』
『別に遠慮せんでえぇやんけ。誰も金なんかとらんがな。ただ一つ条件あんねん。』2005-06-07 12:30:00 -
36:
『何すか?』
『毎日な観葉植物の世話だけやってほしいねん。家事とかは別にせんでえぇから。』
『それぐらいいくらでもしますよ!』
『本間か!なら余ってる部屋どっちか好きに使い。遠慮はいらんし。』
こぅして俺は彼方さんの家に住むことになった。彼方さんは何かと世話をやいてくれた。2005-06-07 12:31:00 -
37:
俺は彼方さんが言った通り観葉植物の世話はきっちりやった。ずっとやっていたらいつしか観葉植物が愛しくなってきた。
今一番のお気に入りはミニサイズのサボテンやった。仕事行く前には必ず話かけて帰って来てからもどんだけ眠くても話かけた。
『ただいまぁ〜今日もよぅ飲んだわぁ〜』2005-06-07 12:32:00 -
38:
このサボテンがあったから俺は頑張れた。気休めでしかないけど、コイツに話かけている時は心が落ち着いた。
『ほーら、水やぞ〜』
今日も俺はサボテンに話かける。すると
『クッ…クックッ……』
彼方さんが後ろに立っていた。2005-06-07 12:33:00 -
39:
『お前可愛らしいやっちゃなぁ〜植物に話かけるて』目に涙を浮かべながら彼方さんはまだ笑っている。
『別にえぇやないっすか!植物だって生きてるんですから!』
俺は顔が真っ赤になって言った。彼方さんはまだ笑いが止まってない。むしろツボにハマッたらしい。
ソファに座り腹をかかえて笑ってる。2005-06-07 12:33:00 -
40:
『笑いすぎっすよ!彼方さん!!』
『あーおかしかったぁ!!あかんわ!やっぱおもろいわ!!』
俺は笑ってる彼方さんを無視してサボテンに水をやり続けた。
そして出勤時間。2005-06-07 12:34:00 -
41:
ホストになって丁度一週間目やった。まだ?新人の俺にはお客さんはおらんかった。あの美佐子って人は
電話はしてきても店には一向に来なかったので俺は連絡を取るのをやめた。
無駄な気がしたから。
さぁ今日も頑張るで!!2005-06-07 12:35:00 -
42:
相変わらずキャッチを
すれば無視されていた。
最近はやっと話だけでもしてくれるよぅにはなったけど。中々店に連れて行くのは難しかった。
『なぁ何してるん?』
『彼氏待ってる。』
はい終了。
いつもこんな感じ。2005-06-07 12:36:00 -
43:
それでもめげずに俺は頑張った。
『すいません。今時間ありますかぁ?』
『何?キャッチ?』
その人は少しうっとうしそぅな顔をした。
『うん。そぅやねんけど何してるん?』
『別に。』
コイツも無理やなって諦めかけた時――――。2005-06-07 12:37:00 -
44:
『うち暇やし、あんたの店行ったるわ。』
『本間っすか!?』
俺はかなり嬉しかった。
ホストになって一週間目で初キャッチをあげた!
彼女の名前は沙織。
キャバ嬢をしていた。
『一名様ご来店です!』
『いらっしゃいませ!!』2005-06-07 12:38:00 -
45:
『へぇホスクラってこんなんなんやぁ。』
と沙織が辺りを見回しながら言った。
『ホスト初めてなん?』
『うん。あんま行く気とかせんかったし。』
『何で今日はきてくれたん?』
俺はおしぼりを渡しながら言った。2005-06-07 12:40:00 -
46:
『暇ってのもあったけどあんたに興味持ったから。』沙織がタバコを取り出した。俺は慌てて火をつけた。『興味?』
『そぅ。はっきり言ってあんたはこの世界向いてないって思った。その向いてないあんたがどぅ変わるか見てみたいねん。』
ゆっくり煙を吐きながら沙織は言った。2005-06-07 12:41:00 -
47:
何やコイツ失礼な奴やなって思った。
『何飲む?』
と聞くと沙織は
『ビール。』
とだけ答えた。
『すいません!ワンビア!』
『名前は?』
『あ、光やで。よろしく』『光かぁ。えぇ名前やね』沙織は笑うとえくぼが出来て可愛かった。2005-06-07 12:42:00 -
48:
『やろ?代表が付けてくれたんやで』
俺は自分の事を話しまくっていた。沙織はその間ずっとニコニコしながら話を聞いていてくれた。
『あ、ごめん俺の話ばっかおもんないやんな?』
『おもしろいで。光って見てたら可愛いしな。目キラキラさせて話すから。』
何か照れた。沙織は素で人が喜ぶ事を言える。
さすがキャバ嬢!!2005-06-07 12:43:00 -
49:
その日から
沙織はちょく?店に来てくれるよぅになった。俺も仕事にだいぶ慣れてきて客も少ないけど出来てきた。
『なぁ光〜ドンペリ卸すからあたしと付き合ってやぁ〜』
俺の客の中で一番太客の
美江が言ってきた。
『えーどないしよ・・・ドンペリやなくてピンドンやった付き合うねんけどな』俺は冗談で言ったつもりやった。
『ピンドン持って来て!』―――――!!?2005-06-07 12:44:00 -
50:
『――番テーブルピンドン入りましたぁ!!ありやぁーっす!!』
代表のシャンパンコールが始まった。みんな踊って歌ってしている。美江は俺の方を見て
『光今日からうちの彼氏な。』
にっこりと笑って言った。俺が呆然と美江を見ていると先輩の直人さんがピンドンの瓶を俺に渡してきた。『光が飲むってさ!ハイハイハイハイ!五秒で飲むってさ!!』2005-06-07 12:47:00