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ホスト。
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1:
主
俺の名前は
【信楽 楓】
18才。
夜の街に憧れた。2005-06-02 15:06:00 -
51:
もぅ俺はどないでもなれって感じやった。とりあえず渡されたピンドンを流し込んだ。クソ不味かった。
美江は俺の一気を嬉しそうに眺めていた。
この日も俺は潰れた。
代表の太客のクラブのママが来たから。やっぱり俺はまたママにドンペリ三本をほとんど一人で飲まされた・・・。2005-06-07 12:48:00 -
52:
閉店後。代表が水を持って来てくれた。
『今日もよぅ頑張ったなぁ光』
『俺…ドンペリとかピンドンとかより不二家の安いシャンパンのが好きっす…』俺がそぅ言うと代表は笑って言った。
『そんなん俺もやで。ほら水飲み。』
『ありがとうございます……。』
俺は水を飲んだ後どぅやら眠りに落ちていたらしい。起きたら代表のスーツがかかってあった。2005-06-07 12:48:00 -
53:
携帯を見ると不在着信が
凄かった。着歴は全部美江で埋まっていた。普段は携帯が鳴ると嫌でも目が覚めたけどこの日は覚めんかった。
とりあえず起きて顔を洗いに行く事にした。
『頭痛いわぁ〜…』
鏡を見ると疲れきった男の顔があった。
『うっわぁ…ブサイクな面しとんなぁ……』
なんか虚しくなった。2005-06-07 12:49:00 -
54:
俺って…まだ18やんな…。何でこんな疲れきってんねやろ。
そんな事を思った。
正直俺はホストって仕事を甘くみていた。女と話すだけで金が入る。
けどその思いは間違っていた。本間にしんどい仕事や。肉体的にも精神的にも。♪♪〜
携帯の音で俺は現実に戻された。沙織からやった。
『起きてた?』
『おぅ!どないしたん?』2005-06-07 12:50:00 -
55:
『うち今仕事終わってさぁ、今から朝ご飯食べに行かへん?』
『朝ってもぅ昼やで』
『本間やなぁ〜なら昼ご飯食べに行かへん?』
何か沙織の声を聞いたら安心した。
『えぇで。ほなどこ行ったらえぇ?俺今店おんねん』『なら、店行くから下降りててやぁ。』
『分かった。』2005-06-07 12:55:00 -
56:
五分くらいして沙織が来た。
『お疲れ☆三日ぶりやね。』
『やなぁー元気してたん?』
『光の方こそ。てかあんた顔死んでるで。大丈夫なん?無理してんやったら帰る??』
『大丈夫やって!さ、飯行こうやぁ。』
俺は沙織に心配かけたくなかったからあえて元気な風に見せた。別に沙織に対して恋愛感情が湧いたとかじゃない。2005-06-07 12:56:00 -
57:
何か妹?いや違うなぁ
どっちかって言ったら姉ちゃんみたいな感じ。
沙織にはそんな感じのもんを持ってた。
げんに沙織には彼氏がおったから俺も恋愛感情は
持てんかった。
彼氏持ちの女に手を出す程俺も女に不自由してないし!笑2005-06-07 12:57:00 -
58:
はい!嘘です。女には不自由しまくりですが?
客を自分の彼女にしようと思いませんが?
ここ一年近く女いませんが?
虚しい…ホストになったら女に不自由せんって少しだけ思ってたのに…笑
『かる!光!』
ハッと意識が戻った。
『あ、ごめん。何?』2005-06-07 12:57:00 -
59:
『もーちゃんと聞いてん?何食べる?』
『あ、俺はぁボンゴレ食べる。沙織は?』
『うちはぁ、悩むなぁ〜…どぅしよぅ…』
『エスカルゴでえぇやん!』
『嫌やわぁ!カタツムリなんか!あんたが食べぇや!』
沙織とフザけあってたら俺もまだ若い!って気持ちになった。笑2005-06-07 12:58:00 -
60:
ご飯を食べた後、沙織と適当に遊んだ。けどそれがあかんかった。
『ほな、俺そろそろ仕事の用意せなあかんから店戻るわぁ。』
『うん。あ、今日仕事終わったら店行くわ。』
『分かった。ほな終わったら連絡して迎え行くから。』
『うん。』
そぅ言って沙織とは別れた。店に戻る途中、
【メール受信:美江】
【さっき一緒におった女誰なん?】
俺は背筋が凍るのを感じた。どこで見てたんや??2005-06-07 12:59:00 -
61:
俺はすぐに美江に電話した。
『何?』
電話に出た美江の声は低く怒っているのが分かった。『お前どこいてん?』
『そんな事より、今さっきまで一緒におった女誰よ?あたしの電話には出んのに他の女とは遊ぶねんな?やっぱあたしは色やったん?』
わけの分からん事をまくしたてられて俺は少し困った。いつ俺がお前に色かけてん!てか、付き合ってないやろが!!
ん―――――!!!
思いだした!!!2005-06-07 13:00:00 -
62:
『本間にお前だけやって!さっき一緒におった人は俺の姉ちゃんやって!本間やって!!』
『本間の本間に?』
『うん!俺美江に嘘ついてない!!』
『なら許す。今から会える?』
『うん。今どこ?』
俺はきっと訳の分からん事を言ってたと思う。自分でも後々考えたら何言ってんねん自分って思わずツッコミたくなったから。
誰が姉ちゃんやって?誰が本気やって?
誰が嘘ついてないって?
全部嘘じゃぁぁ!2005-06-07 13:02:00 -
63:
とりあえず電話を切って美江が指定した待ち合わせ場所にむかった。けど正直眠気が襲ってきてたから俺はしんどかった。
『光〜』
美江が嬉しそうに手を振っていた。
『遅いわぁ〜』
『ごめん!ごめん!これでも急いできたんやから許してやぁ』
『さっきの人は?もぅおらんやんな?』
『あ・あぁ姉ちゃん?仕事行ったわぁ!さ、俺らもどっか行こっか?』
われながら俺は嘘が下手やな。姉ちゃんって…。そんな見え見えの嘘…店に来たら一発でバレるやん。2005-06-07 13:03:00 -
64:
美江とまた飯を食いに行ってゲーセンに行ってプリクラを撮った。プリクラには【彼氏☆彼女】って書いてあった。
心の中で俺は誰がやねん!って思ったけど口に出せへんかった。
『美江俺もぅ仕事の時間やけど、どぅする?』
本間はまだ早かったけど
俺は一刻も早く店に行きたかった。
『同伴する!』
美江が言った。内心初同伴で嬉しかったけど、今日は沙織も来る!ヤバイ!
けど売り上げもあげたい!俺は迷ったし考えた!2005-06-07 13:04:00 -
65:
そぅか!沙織が来る前に美江を帰したらえぇんか。
けど俺は美江の事をまだ分かっていなかった。
ホストになって初めての修羅場をこの日迎えるとは
この時には知るよしもなかった。
開店の十時になったので俺は美江と一緒に店に行った。2005-06-07 13:05:00 -
66:
『いらっしゃいませぇ!』『お、美江ちゃん今日は光と同伴かぁ?』
代表が美江を席まで案内した。その間に俺は急いで用意をした。
『美江お待たせぇ!美江ボトルなんやったっけ?』
『ヘネシーやで。ちゃんと彼女のボトルぐらい覚えといてやぁ〜』
『アホ!それを店の中で言ったあかんやん!俺らだけの内緒やで!』
『何でなん?』
『いつ違う客と被るか分からんやろ?美江は俺の仕事の邪魔するんか?』
そぅ言うと美江は渋々
『分かった。』
とだけ言った。2005-06-07 13:06:00 -
67:
美江とは店の中で話すって言う事はあんまりなかった。どっちかって言うと美江が俺にずっとくっついているだけ。やった。
たまにヘルプが来て喋る。でも基本的に美江のとこにはヘルプはつけんよぅに代表に言っておいた。美江が嫌がるからやった。
どぅしても俺と二人きりでおりたいらしかった。
『美江、ボトルあいたから新しいの開けていぃ?』
『うん。』
会話らしい会話と言ったらこれくらい。2005-06-07 13:06:00 -
68:
美江がトイレにたってる時に沙織から電話があった。『今仕事終わったから今から行くわぁ〜』
『あ、ちょっと待ってて!すぐに迎えに行くから!』とだけ言い電話を切った。美江が戻って来てたから。『美江もぅ帰りぃ』
『なんで?』
『俺なぁ美江にあんま金使わしたくないし、今から客来るから仕事してる姿あんま美江に見てほしくないねん。分かるやろ?』
散々使わしておいてよく言ったな俺も。2005-06-07 13:08:00 -
69:
今日数時間で美江は二十万近くを使った。
『そっか!分かったぁ。なら帰るわぁ!』
と美江は笑って言った。
コイツはアホなんか?って思った。まぁ美江は金を持ってるから二十やそこら使ったぐらいやった何とも思わんのやろう。
会計をすまして美江を送った。そして急いで沙織に電話をして迎えに行った2005-06-07 13:09:00 -
70:
俺は今日沙織と別れた後の事を全部沙織に言った。
そしたら沙織は爆笑した。『うちいつからあんたの姉ちゃんなん!?あははははっ!!』
『しゃーないやん!とっさに思いついたのが姉ちゃんやってんから!!』
『だからって!あはははっ!そんなすぐバレる嘘言うかぁ!?』
笑う沙織の腕を掴んで俺は店に連れて行こうとした。―――その時。
『光?』
名前を呼ばれ振り替えるとそこに美江が立っていた。2005-06-07 13:10:00 -
71:
沙織も笑いが止まっていた。俺はどないしよって気持ちがいっぱいやった。
『客ってお姉さんなん?』美江が最初に口を開いた。『あ、うん。そぅ。』
何だこの返事。
『ふ〜ん…お姉さんとはそんな仲良さそぅに腕組んで歩くんやぁ』
沙織はとっさに俺から離れた。
『いや、これは…その』
ヤバイって!本間ヤバイ!2005-06-07 13:11:00 -
72:
『あんた一体なんなん!?』
美江がキレた。
何なんって言われても人間やけど。ホストやけど。
『あんたはアレか?お姉ちゃん呼ばなあかん程売り上げないんか?』
いや、売り上げはありますよ。あなたのおかげで。
『何とか言ったらどぅなん?』
『さっきから横で聞いてたらごちゃ?うっさいねん』今の俺ちゃいますよ!
横を見ると沙織もキレだしていた。2005-06-07 13:12:00 -
73:
『はぁ!?あんたに言ってないやん。あたしは光に言ってんねん。』
『黙れや。喋んなブサイク。』
沙織さん!言ったあかん事を!!
『あんたにブサイク言われる筋合いないねん!光!何なんこの女!』
俺はもぅどないしたえんか分からんかった。
『はぁ〜…美江。こいつは姉ちゃんでも何でもないわ。』2005-06-07 13:13:00 -
74:
『そんなもん最初から分かってたわ!』
美江の怒りついに大爆発。『やっぱりあたしは色やったんやろ!!本間信じられへん!二人してあたしをバカにして楽しい!?』
『いつコイツがお前に色かけとんねん!お前がコイツの言った冗談勝手に間に受けて彼女面しとっただけやろが!!二人してあたしバカにしとったぁ!?誰もお前の話なんか一切やってへんわ!今日初めてコイツからお前の話聞いたわ!』
沙織の怒りも大爆発。
俺タジタジ。2005-06-07 13:13:00 -
75:
『もぅいぃわ。もぅ二度とあんたの店には行かん。』そぅ言うと美江は去って行った。
『光ごめん!あの子デカい客やったんやろ!?本間ごめん!!』
『えぇよ。後で一応謝っておくし。さ、飲も!嫌な事は飲んで忘れよ!』
内心俺はかなり痛かった。けど、過ぎた事を悔やんでもしゃーない。
その日はめちゃくちゃ飲んだ。俺は記憶を無くすまで飲んだ。
もぅどないでもなれって感じやった。2005-06-07 13:14:00 -
76:
〜♪♪
携帯の音に気付き俺は目が覚めた。起きると彼方さんの部屋やった。
どないして帰って来たか分からんかった。
携帯の画面を見ると美江からやった。俺は急いで掛け直した。
『もしもし』
『美江、今日ごめんな…』『何で嘘なんかついたん?』
『どない言ったえんか分からんかってん…。でも、もぅえぇから。俺が悪いし。ごめんな。』
『何がえぇんよ!』
二日酔いにデカい声は響く。2005-06-07 13:15:00 -
77:
『うまい事言えんけど、もぅお前に連絡せんから。嘘ついてごめんな。ほなな。』
電話を切ろうとしたら
『嫌や。連絡とらんとかやめてやぁ…。うち光好きやからそんなん辛いやん。店にも行くからそんなん言わんといてよ。』
『嫌々来られても俺も嬉しくないし無理する事ないから。』
『嫌々ちゃうよ!だからそんなん言わんといて!』
『本間か?なら今日も待っててえぇん?』
『うん。』
よし!と俺は小さくガッツポーズした。
『ほな待ってるわな。俺今から寝るけど起きたらまた連絡するな。』2005-06-07 13:16:00 -
78:
『うん。おやすみ。』
と言い電話を切った。とりあえず俺は沙織にメールだけ送って寝る事にした。
『光!起きな遅刻すんで』彼方さんの声で目が覚めた。もぅ外は暗かった。
『早よ用意しろよ。』
『うぃっす。あ、彼方さん俺昨日どぅやって帰ってきたんすか?』
『覚えてないんかぁ?お前昨日かなり飲んでて最初は店に寝かしとけって代表が言っててんけど、お前外行くわ、他の従業員にヤカるわで大変やったから俺と太一でここまで運んだんや。』2005-06-07 13:17:00 -
79:
『マジっすか!?すいません。』
『何かあったんか?』
彼方さんにそぅ聞かれ俺はどない言ってえぇんか分からんかったから
『何もないっすよ!』
とだけ言っておいた。
そして彼方さんと店に行く途中飯を食べに行った。
美江に連絡するのを忘れていたから軽くメールを送っといた。
『おはようございます』
店にはまだ代表だけしかおらんかった。
『おぉ。おはよう。光ちょっとこっち来い。』2005-06-07 13:18:00 -
80:
『何すか?』
『お前よぅ頑張ったなぁ。見てみぃ。今月の売り上げ。お前がNo3やぞ。』
『マジっすかぁ!?』
かなり嬉しかった。ナンバー入りは密かに狙っていたけどこんな早く入れるとは思ってなかった。
『光凄いやんけ!』
彼方さんも喜んでくれた。『ありがとうございます!』
俺は一番最初に沙織に教えた。そしたらすぐに返事が返ってきた。2005-06-07 13:19:00 -
81:
名無しさん
おもしろいけど略ありすぎてよみにくいです(≧Д≦;)
2005-06-07 13:19:00 -
82:
【メール受信:沙織】
【おめでとう光☆良かったなぁ!うち今から仕事やから終わったらお祝いしよな☆】
俺は嬉しさのあまりすぐに返信した。
今日も仕事頑張ろうって気になった。
先輩のホストは俺のナンバー入りを喜んでくれたが、俺と同期のホストは悔しそうな顔をしていた。
そして俺は今日も元気にキャッチに出た。2005-06-07 13:20:00 -
83:
『お姉さん。何してるん?』
『いやぁあんた可愛いなぁ〜』
『本間にぃ?嬉しいわぁ!ありがとう。』
『でもあんたホストやろ?ごめんなぁ、うちホスト嫌いやねん。だから行かんわぁ。ばいばーいまた見かけたら声かけてぇ』
二度と声かけるかぁ!!
と心の中で毒をはいた。
俺は相変わらずキャッチは全然やった。2005-06-07 13:20:00 -
84:
気をとりなおして声をかけまくった。けど誰一人として止まってくれんかった。すると
『相変わらずキャッチ下手やなぁ〜』
と沙織が笑いながら言って来た。
『仕事はぁ?』
『今日は早引きしてん。よし店行くぞ!光!』
肩を組まれ無理やり連れていかれた。
こん時沙織の様子がおかしいのに俺は気付かんかった。2005-06-07 13:25:00 -
85:
店に入るなり沙織は今までせんよぅな事をした。
『ピンドン入れて!』
『沙織?どないしたん今日は?偉い羽振りいぃやん。』
『今日は飲みたい気分やねん!』
といつも通りに笑うから俺は沙織の異変に気付いてやれんかった。
マイクコールが始まり沙織が一気する。2005-06-07 13:26:00 -
86:
その日沙織はシャンパンを五本とビールを十杯卸してベロベロやった。
『沙織大丈夫か?』
会計を持って来て俺は沙織の様子を見た。
『大丈夫やで。』
財布から金を出しながら沙織が言った。
その時沙織の財布から何か落ちた。2005-06-07 13:27:00 -
87:
俺はそれを見てビックリした。それは
―――覚醒剤やった。
『お前これ?』
『返して!』
沙織が俺の手から薬をひったくった。
『お前何しとんねん!』
俺は言いよぅのない怒りを覚えた。
『別に光に関係ない!』2005-06-07 13:27:00 -
88:
俺は沙織の金を掴み無理矢理返した。
『何?チェックやろ?』
『いらん。俺が出す。だからお前まだおれ。』
『はぁ?意味分からんし!帰るし』
『えぇからおれや!』
俺の怒鳴り声に代表がやってきた。2005-06-07 13:29:00 -
89:
『どないしたんや?』
『すいません。』
『沙織ちゃん?どないしたん?』
代表が沙織の手に持ってるヤツを見て俺に言ってきた。
『アレって…』
俺は頷くだけしか出来んかった。
代表は沙織に耳打ちで何かを言っていた。2005-06-07 13:30:00 -
90:
沙織は代表に連れられて奥に入っていった。
代表が戻ってきて俺に言った。
『多分な今まだ薬効いてるからお前一緒におったれ。』
『でも、まだ仕事…』
『えぇから。』
俺は代表に頭を下げて奥に入った。2005-06-07 13:31:00 -
91:
沙織は頭を垂れ下げてソファに座っていた。
『沙織?』
俺は沙織の前にしゃがみ込んで話し掛けた。
すると沙織は急に泣きだした。
『あた…あたし…本間は…ヒック…こ・こんな…ん…やり………』
後はもぅ声になってなかった。
俺は沙織が消えてまいそぅに見えて抱き締めた。2005-06-07 13:32:00 -
92:
小さな肩を震わせて沙織は泣き続けた。自慢の化粧も髪型もぐちゃぐちゃやった。
『もぅえぇから。泣かんでもえぇから。落ち着いたか?』
沙織は小さく頷いた。
『ほら顔拭き。沙織ご自慢の化粧がぐちゃぐちゃやで。』
俺が笑って言うと沙織も笑って言った。2005-06-07 13:33:00 -
93:
『ありがとう。光。』
まだ目には涙をためながら言う沙織をまた抱き締めた。どぅしてえんか分からんかったから。
『教えてくれへんか?何であんなんしたか?沙織が言いたくなかったら無理にはきかんから。』
ちょっと間、沈黙やった。そして沙織はゆっくりと
口を開いた。2005-06-07 13:34:00 -
94:
『あたしな…本間はキャバやなくてソープで働いてるねん。光と初めて会った日あるやろ?あの時からやねんやりだしたん。でな、あたし男いてるやん。そいつが薬昔からしててんやん。ある日、彼氏が薬のしすぎで頭イカれてもてあたしに打ってきてん。そっからずっとやってる。』
『うん。それで?』
『最初はすぐやめようて思っててんやん。でも、ハマってもて…薬代欲しさに今ソープで働いてるねん…キャバの給料やったらおいつかへんから…。』2005-06-07 13:35:00 -
95:
『ずっとやめたいって思っててん。けど嫌な事とか不安な事があるとやってまうねん…。』
握った手を震わせながら沙織は黙々と話していく。
『最初光に声かけられた時も売人待ってた。でも何か光があたしよりキレイに見えてあたしあたしの汚い部分洗ってくれてるみたいなんあって…』
沙織は落ち着きがなくなってきた。2005-06-07 13:36:00 -
96:
『あ・あたし…汚いから…あた…あたし……』
沙織の目から涙がポロポロこぼれ落ちた。
『でも…やっぱり…や・やめ…やめれん…ねん…』
俺は沙織の頭を撫でてやった。
『沙織は汚くなんかないで。』
『うっ…ヒッ……ヒック…』
『沙織はキレイやん。俺はそぅ思う。』2005-06-07 13:37:00 -
97:
当たり前のセリフしか出てこんかった。
『沙織が薬やめたいんやったら俺がいくらでも協力したる。不安な事や辛い事あったら俺に言っておいで。いつでも沙織の傍行ったる。だから一人で悩むなや。頼むから。』
沙織は何度も頷いた。
そして声にならない声で
『ありがとう。』
って何回も言った。
『沙織ちゃんどないや?』代表が入って来て聞いてきた。
『今さっき落ち着いて今寝かせてます。代表迷惑かけてすいませんでした。』2005-06-07 13:38:00 -
98:
『アホ。謝る必要ないやろ。沙織ちゃんの事心配なんやろ?』
『はい。』
『ならちゃんと最後まで付き合ったれよ。困ったら俺に言って来いよ。』
『ありがとうございます。』
代表には感謝してもしきれんかった。本間えぇ男やって思った。2005-06-07 13:39:00 -
99:
『沙織ちゃん寝かしててえぇからお前仕事戻れ。』
『あ、沙織の今日の飲み代の事なんですけど』
『下っぱがいらん心配すんな。』
そぅ言って代表は仕事に戻った。俺はこん時から代表に本間に憧れだした。
代表みたいなカッコイイ男になりたい。
そして俺も仕事に戻った。代表や先輩達が気を使ってくれて俺はあんま酔わんでもよかった。2005-06-07 13:41:00 -
100:
そして店も終わりに近づいてきた。俺はカウンターの掃除をしていた。すると沙織が奥から出て来た。
『お、目ぇ覚めたか?』
代表が優しく沙織に話かけた。
『迷惑かけてごめんなさい。』
沙織が小さく謝ると代表は沙織の頭を撫でた。
『謝る相手は俺やなくてあいつやろ?沙織ちゃんの事物凄い心配してたんやで』沙織は俺の方に来て
『光、ごめんね。』
『えぇよ。』
俺は沙織の頭をくしゃくしゃっとした。2005-06-07 13:42:00