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匿 名 メ ー ル 。

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  • 1:

    MiO.☆

    ねえねえ、知ってる?

    何が?

    他人のアドレス使ってメール送れる方法があるんだって。

    マジで?何ていうの?


    「匿名メール。」

    2006-01-04 01:59:00
  • 2:

    MiO.☆

    私、ユイ。平凡な中学3年生。
    今ハマってるのは…パソコン。
    受験勉強の息抜きで始めたつもりが、
    いつの間にかどっぷりハマってた。

    最近よく行くのは、ある掲示板のコミュニティーサイト。
    悩み相談とか、ファッションについて話したりとか、
    色んなジャンルの掲示板があるから1日いても飽きない。

    2006-01-04 02:01:00
  • 3:

    MiO.☆

    今日も、いつも通りパソコンの電源を入れてサイトにアクセス。

    「ん?何だろこのスレ…」

    今日経ったばかりのスレなのに、レスが100もいっていた。
    2ちゃんねるでいうと祭状態?
    気になって、思わずクリックする。
    そこには、こう書いてあった。

    2006-01-04 02:02:00
  • 4:

    MiO.☆

    【匿名メールって知ってる?
    他人のアドレスでメールできるんだよww
    なりすましてメールすんのとか超楽しいからやってみて♪
    ↓のサイトにいってみぃ☆
    http://…】

    匿名…メール?
    他人のフリしてメールできるってどういうこと…?
    少しだけ興味があったから、その後のレスも読んでみた。

    2006-01-04 02:04:00
  • 5:

    MiO.☆

    【嘘でしょ?ネタ?】

    【誰か試してみて!】

    【やばい…マジで出来ちゃった…】

    【ウソ!?】

    【すげーwこれ、ウザイ奴に友達のアド使ってメール送ると、
    次の日片方だけピリピリしててマジおもれーよww】


    …本当なんだ…!

    2006-01-04 02:05:00
  • 6:

    MiO.☆

    最後のレスは特に興味深かった。
    このアイディアいいかも…?

    私には今、めちゃくちゃウザイ相手がいる。
    同じクラスでリーダー気取りの、サエだ。
    親が権力あるのをいいことに、気に食わない事があると
    すぐ脅しやイジメで解決しようとする。

    そんなサエに、私もこの間悪口を言われた。
    サエの好きな先輩と私が話していただけで…。
    先輩がいなくなった後、私の目の前で大声で言った。

    2006-01-04 02:06:00
  • 7:

    MiO.☆

    「ウザイんだよブス。先輩と話すんじゃねーし」

    許せなかった。
    私は別にその先輩を好きなわけじゃないけど、
    大して可愛くもないサエにブスとか言われたくなかった。

    よし…♪
    これでサエに仕返ししてやる…。

    2006-01-04 02:07:00
  • 8:

    MiO.☆

    そう心に決めた私は、早速そのアドレスを開いた。

    【匿名メール。】

    黒背景に赤文字で、たった一言そう書かれていた。
    何かすごい悪いことしてる気分…。
    で、でも…みんなの分までサエにやり返してやんなきゃ…!

    2006-01-04 02:08:00
  • 9:

    MiO.☆

    その下には入力フォームがあって、
    こちらのアドレス(なりすましたい人のアドレス)、
    相手のアドレス、本文を書くところだった。

    「えっと…こちら側のアドレスを…先輩にして…」

    こちら側のアドレスを先輩にして、相手をサエのアドレスにした。
    そして本文には…

    2006-01-04 02:08:00
  • 10:

    MiO.☆

    【俺、サエちゃんのこと正直好きじゃないからさ、
    もう話しかけないでくれる?
    サエちゃんって嫌われてるじゃん…?笑
    だから一緒にいると俺まで迷惑被るからww
    それにユイちゃんのこと好きだから、勘違いされたくないしw
    じゃ、メールも見たくないから返事しないでね?】

    2006-01-04 02:09:00
  • 11:

    MiO.☆

    完璧だ。
    先輩がよく使う「w」も入れたし、
    返事もしないように言ったから本人の先輩のところへメールが行くことはない☆

    「私ってば頭いいかも…よし、送信っと♪」

    送信した後、少しドキドキしたけどいい気味だと思った。
    その日はルンルン気分(笑)で眠った。
    明日が楽しみ…☆ミ

    2006-01-04 02:12:00
  • 12:

    MiO.☆

    翌日、私は軽い足取りで学校に向かった。
    ドアを開けるといつもより大きな声で「おはよー☆」と挨拶する。
    「おはよ♪」
    そう言って、親友のユリが近づいてきた。
    私は笑顔でおはようともう一度言う。
    「どしたの?何かご機嫌だけど?」
    「あ、実はね〜っ…」
    そこまで言いかけて、私は口に手を当てた。
    いくら親友のユリでも、これは言わない方がいいかも…。
    もしユリと喧嘩でもして、バラされたらヤバいし!
    うん、黙っておこう。
    こんなことでみんなからハブられるなんてゴメンだ。

    2006-01-04 02:14:00
  • 13:

    レ〜ナ ◆oNhAxtUiOY

    レ〜ナここゆうのメタ気になウ↑
    頑張ってにゃあン♪

    2006-01-04 02:14:00
  • 14:

    名無しさん

    ぉもしろそ??頑張って?出来たら略なくしてほしぃ?

    2006-01-04 02:15:00
  • 15:

    MiO.☆

    「何があったの?」
    「あっ…いや、なんでもない☆」
    「ふーん」

    何とかうまく誤魔化した。
    ユリと昨日のドラマの話をしていると、サエが教室に入ってきた。
    すごく、俯いていて髪もボサボサ。
    普段からブスなのに、更にブスになってていい気味♪
    サエにくっついてる金魚の糞のミカが、心配した様子で話しかける。

    「サエ…?何かあったの?」
    「っるさいな…黙っててよ!」

    2006-01-04 02:15:00
  • 16:

    名無しさん

    2006-01-04 02:18:00
  • 17:

    MiO.☆

    13>頑張ります♪ありがと☆
    14>パソコンからやから略になってるん気づかんかったわぁ。もすこし文短めにしてみます。

    2006-01-04 02:19:00
  • 18:

    MiO.☆

    サエは教室中に響く声でそう言い放ち、自席につく。
    ミカは少しだけ、目が潤んでいた。
    その様子を私とユリ、その他クラスメイトが見ていると
    サエは俯いていた顔をあげて私をキッと睨んだ。
    思わずユリに小声で話しかける。

    2006-01-04 02:21:00
  • 19:

    MiO.☆

    「今…私睨まれたよね…?」
    「うん…」
    「なんで…?」
    「わかんない…」
    本当に何で睨まれたのか分からなかった、その時は。
    もしかして、匿名メールがバレた…?
    ま、まさかね…。

    2006-01-04 02:22:00
  • 20:

    MiO.☆

    「あ!」
    「え!?どうしたのユイ?」
    「な、なんでもない…」

    思い出した。匿名メールの本文に、先輩が私を好きってことにしたんだった。
    ふーん…。それで睨んでるわけだ♪

    2006-01-04 02:25:00
  • 21:

    MiO.☆

    別に私を睨むことなくない?先輩が私を好きになっただけで、私は悪くないんだし☆
    ま、空想だけどさ…。まだサエは先輩のこと好きだったり?あんなこと言われてもまだ好きって、ドM?笑

    あーすっきりした♪

    2006-01-04 02:27:00
  • 22:

    MiO.☆

    サエのことを監視してたけど、サエはずっと暗いままだった。
    あ〜いい気味♪そう思いながらウキウキで階段を下っていたら、曲がり角のところで誰かとぶつかってしまった。
    「っきゃぁ…」

    「ご、ごめん!大丈夫?」

    その声の主は……先輩だった。

    2006-01-04 02:28:00
  • 23:

    MiO.☆

    「あっ!せ、先輩っ…//」
    「ユイちゃんじゃん♪大丈夫?怪我してない?」
    「あ、はい!大丈夫です☆」
    「そ?よかった(*^_^*)じゃあね♪」
    先輩は笑顔で去っていった。別に先輩のこと好きじゃないのに胸がトキメいちゃった…笑

    2006-01-04 02:30:00
  • 24:

    MiO.☆

    あ!もし先輩がサエに話しかけたらマズイじゃん…!誤解が解けて仲良くなったりでもしたら…。

    「また匿名メールしなくっちゃ♪」
    走って家に帰ると、早速匿名メールのアドレスにアクセス。
    今度はこちら側にサエのアドレスを入れて、
    送り先に先輩のアドレスを入れた。

    2006-01-04 02:32:00
  • 25:

    名無しさん

    文を短くするんぢゃなくて改行少なくしたらィィねんで?頑張って?

    2006-01-04 02:33:00
  • 26:

    MiO.☆

    【先輩、あたし彼氏出来たんでぇ…もう話しかけたりとか、メールとかやめてください。勘違いされちゃうんでw先輩あたしのこと好きかもしんないですけど、諦めてくださいねぇ☆ぢゃ♪あ、ウザイからこのメールの返事もいらないんで!笑】

    2006-01-04 02:34:00
  • 27:

    MiO.☆

    25>教えてくれてありがと♪改行へらすわぁ↑↑

    2006-01-04 02:36:00
  • 28:

    MiO.☆

    よし…完璧。サエは自分のこと「あたし」って言うし、この自分を好きって勘違いしてる辺りも性格の悪さが出てていーね♪♪

    「送信、っと」

    私はすっかり、匿名メールの虜だった。

    2006-01-04 02:37:00
  • 29:

    名無しさん

    めちア?オモローLl???
    更新早Llしッ???
    頑張ッて完結?させてネ?更新?に?無駄な時間使わしてまゥカラ??返事わア?Llら無Llョ???

    2006-01-04 02:38:00
  • 30:

    MiO.☆

    匿名メールを先輩に対して使うのは、少し戸惑った。けど、仕方ないことだった。先輩に対して恋心を抱いてるわけでもないし、それよりサエを懲らしめてやりたかったから…♪

    「私って悪女かも?」
    そんなことを呟きながら、つい一人で笑ってしまった。すると携帯が鳴った。サブディスプレイを見ると…

    2006-01-04 02:46:00
  • 31:

    MiO.☆

    大きく深呼吸をして、先輩からのメールを開く。そこには、こう書いてあった。
    【さっきサエちゃんからメールで、彼氏ができたとか、話しかけないで、ウザイ、的なこと言われちゃった(^_^;)もしかして、俺のこと前からそんな風に言ってた?何か聞いてたら教えて〜m(_ _)m】

    2006-01-04 02:51:00
  • 32:

    MiO.☆

    …良かった…。有り得ないって分かってるのに、凄くドキドキした。ここは…何か聞いたことにしておこう…。そうすれば二人はもう二度と話さなくなるだろうし♪
    【そうですか…。あの…すごい言いづらいんですけど…、前から私に愚痴ってきてました、先輩のこと(^^;)私はやめなよって止めるんですけど聞かなくて…】

    2006-01-04 02:52:00
  • 33:

    MiO.☆

    もう匿名メールに対する躊躇いは何も無くなっていた。手慣れた手つきで色んな人になりすまし、送信ボタンを押す。悪意なんて、感じない。こんなことを考えると心がモヤっとするから、もう悪いことだなんて考えるのはやめにした。私は、みんなのためにサエにやり返してるだけなんだ。そう思うしか、無かった。

    2006-01-04 02:54:00
  • 34:

    MiO.☆

    しばらく経って、先輩からメールが返ってきた。
    【まじで!?!?超ウゼーんだけど(-へ-)てか俺元々あの子好きじゃねーのに、好きだと思うけど諦めて、とかメールきたんだけどww】

    2006-01-04 02:55:00
  • 35:

    MiO.☆

    予想通りの返信ありがと、先輩☆そりゃー後輩に影でウザイだの何だの言われてたら、ムカツクに決まってる。ここは先輩にも協力してもらおっかな♪
    まだまだゲームは終わらないよ?サエ。

    2006-01-04 03:00:00
  • 36:

    MiO.☆

    【実は私もサエ好きじゃないんですっ!!もし良かったら…私と先輩で組んで、調子乗ってるサエに痛い目見させてやりませんかぁ☆(^^)】
    先輩の友達とか使ってもらってー…後輩イジメとかいいかもしれない。色々作戦を練ってたら、先輩からメールが返ってきた。
    【いいねーそれ♪でも、イジメ程度じゃ俺の腹の虫が収まんないんだよね(*^_^*)だからレイプしてやんない?俺の周りの男子集めて☆笑】

    2006-01-04 03:02:00
  • 37:

    MiO.☆

    ………レ……イプ…?
    さすがに、それはマズイと思った。そこまでしようとは考えてなかったから。小心者の私には、キツイ。
    それに先輩ってもっと優しい人だと思ってた。こんなことする人だったんだ…。むやみに断ったりしたら、私まで危なさそう…。
    やるしか、ない…。

    2006-01-04 03:03:00
  • 38:

    MiO.☆

    【いいですね☆ってか先輩結構極悪ですよね!笑でも私が何かして広まったらヤバイんで、先輩に全部やってもらっていいですかー?m(_ _)m】
    これでいい♪こうすれば私が先輩と組んでることはバレないし☆
    その後、先輩から即返事が来た。
    【分かった♪こっちで勝手にやっちゃうね(^_^)b】

    2006-01-04 03:05:00
  • 39:

    MiO.☆

    本当に、いいのかな…。後悔と罪悪感で心がモヤモヤしながらも、その日は疲れていたからぐっすりと眠った。
    −翌日−
    私はどこまで小心者なのだろう。誰にも“あの計画”はバレてるわけがないのに、なぜかビクビクしながら学校に向かう。
    下駄箱で上履きに履き替える手も、自然と震える。

    2006-01-04 03:07:00
  • 40:

    MiO.☆

    上履きを履き終えた時、後ろから肩を叩かれた。途端に体がビクンと反応する。振り向くと……ユリだった。
    「お、おはよ…」
    「何驚いてんのさー笑」
    私は何でもないよ、と言って笑い飛ばす。ああ、良かった。バレてないんだ。そりゃ、そうだよね。バレるわけ無いもん。

    2006-01-04 03:09:00
  • 41:

    MiO.☆

    休み時間、職員室に行って帰ってくる階段で、先輩と出くわした。今、一番会いたくない相手。
    「例の件、明日やっちゃうね☆」
    先輩は笑顔でそう呟いて去っていった。あの悪魔のような笑顔が、目に焼き付く。こんなことを始めたのは私なのに…。怖くて怖くて、たまらなかった。
    サエ、ごめん…。

    2006-01-04 03:10:00
  • 42:

    名無しさん

    がんばれ?みてるよ

    2006-01-04 03:11:00
  • 43:

    MiO.☆

    その日は家に帰ってもなかなか寝付けなかった。明日は…あの計画が実行される日だから。でも、自分を犠牲にしてまで止めるなんて出来ないよ。それに、まだサエのことはムカツクし…。未だに威張りくさってるし、さ…。
    気づいたら涙が止まらなかった。
    私はその時、誓った。もう、匿名メールなんてしないって。
    …二度と。

    2006-01-04 03:14:00
  • 44:

    MiO.☆

    −計画実行日当日−
    私は一人でドキドキしていた。当人のサエを見てみると、友達とバカ笑いしている。
    「いいな…気楽で…」
    思わずボソっと呟いてしまった。
    「何のこと?」
    「あ、いや、こっちのこと」
    ユリにすかさず突っ込まれてあせった。こっちのこと、って何だよ…。時が経つのは早いもので、すぐに放課後になった。

    2006-01-04 03:16:00
  • 45:

    MiO.☆

    「ユイ、今日あたし部活無いから一緒に帰ろ?」
    「ごめん!!今日ちょっと先生に残れって言われてて…」
    「そうなの?じゃ、また今度ね☆」
    私は必死に笑顔を作ってユリに手を振る。せっかく誘ってくれたのに、なんか凄い悪いことした気分…。っていうか、してるよね…。一人になった教室でボーっとしていると、サエの声が聞こえた。

    2006-01-04 03:19:00
  • 46:

    MiO.☆

    「あのぉ、話って…何ですかぁー??」
    階段から聞こえるサエの声。教室から階段を覗くと、サエと一人の先輩が立っている。どうやら先輩の友達がサエを呼び出すようだ。サエは自意識過剰だからすっかり告られるのと勘違いしてるwやっぱりこうやって見てると、いい気味かも♪
    「俺さー…サエちゃんのことずっと好きだったんだよねー」
    「えっ??」
    その先輩は結構カッコイイ。サエも「えっ??」なんて言いながら嬉しそうだ。

    2006-01-04 03:21:00
  • 47:

    名無しさん

    2006-01-04 03:22:00
  • 48:

    MiO.☆

    「付き合ってくんない?」
    「いい…ですよぉ♪」
    「じゃーさ、一緒に帰りながら話そ☆」
    「はぃ♪」
    しかし軽い女だな…サエ。そんな簡単についてっていいの?アンタ今から、レイプされるってのに。展開が早すぎるとかおかしいとか、考えないのかね?私は物音を立てないように二人の後をつける。すると、先輩が体育館の前でピタリと止まった。

    2006-01-04 03:23:00
  • 49:

    MiO.☆

    「どうしたんですかぁ??」
    「俺さー、今日体育の時間、倉庫に忘れ物しちゃって」
    「あ、じゃあ取りにいきましょーよ☆」
    「真っ暗だと俺何しちゃうかわかんないよー??笑」
    「先輩ってばぁー(*^_^*)」
    何が「先輩ってばぁー」だよ。そんなんだからヤられちゃうんだよ?サエ。冗談じゃなくて、マジでヤられるのに。

    2006-01-04 03:24:00
  • 50:

    MiO.☆

    体育倉庫は夜の見回りも来ないし、職員室からは離れてて見えない。声だって聞こえやしない。もう知らないよ、サエ。

    昨日や今朝までの怖さは全く無くなってた。サエの姿を見ると、かわいそうなんて気持ちは無くなってて。昨日のあの誓いも、無駄だったかもしれない。
    二人は体育倉庫に入っていく。私も体育倉庫に近づくと、脇から先輩とその友達が出てきた。

    2006-01-04 03:26:00
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