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匿 名 メ ー ル 。
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1:
MiO.☆
ねえねえ、知ってる?
何が?
他人のアドレス使ってメール送れる方法があるんだって。
マジで?何ていうの?
「匿名メール。」2006-01-04 01:59:00 -
77:
MiO.☆
内容や文体は様々。けど全てミカへの悪口だった。こちら側のアドレスは、クラスの色んな人のアドレス。送り先のアドレスは、もちろんミカ。そ、勝手に自分はイジメられてると勘違いさせて、孤立させんの♪本当、私ってば頭いい。ミカが怖がってみんなを自然に避けてれば、みんながミカを本当にハブりだす。これでつじつまは合う。
「送信っと♪」
これだから、やめられない。2006-01-07 01:09:00 -
78:
MiO.☆
私は心躍る思いで、翌朝学校へと向かった。普段より少しだけ、遅めに向かう。教室のドアを開けると、予想通りみんなが集まっていて、沈黙が流れていた。
「お、はよ…?ど、どうしたの?」
私は何も知らないフリを装う。演劇部のエースになれるぐらい、自然な演技で。するとユリが近づいてきて、耳元で囁いた。
「なんかね、ミカがみんなのことシカトすんだって…」2006-01-07 01:11:00 -
79:
MiO.☆
「えっ?何で…?」
「分かんないんだけど…クラス全員シカト」
本当は何もかも知っているのに、何も知らないフリをしたり、キョトンとした表情で物を尋ねるのは想像以上に苦しいことだった。嗚呼、今ここで全てネタバラししてやりたい。そんな衝動をかきたてながら、ユリと共にみんなの様子を伺う。するとクラスのまとめ役のサチが席を立った。みんなサチに目が釘付けになる。一人席に座っているミカの目の前で、サチは止まった。
「何でシカトすんの?何かあんなら堂々と言って」2006-01-07 01:13:00 -
80:
MiO.☆
流石サチだ。みんなから慕われているだけある。突然のクラスの問題にも、冷静に対処することが出来ている。
「…」
「またシカト?それしか出来ないんだ、ダサ」
サチが吐き捨てるように言い、小さく笑う。それを聞いたミカはそっぽを向いていた顔をサチの方へと向け、眉間にシワを寄せてめいいっぱいサチを睨んだ。2006-01-07 01:15:00 -
81:
MiO.☆
「暴力でも振るう気?脳無いもんね」
「っざけんなよ。シカト?ハァ?お前らあたしのこと散々言った癖して」
サチは言い返せなかった。確かにみんな、影ではミカやサエのことを嫌っていて、悪口を言っていたから。サチはきっとそのことを言われたのだと思ったのだろう。違うのに…。そんなこと程度で、クラス全員をシカト?ミカはそんな度胸ある奴でも無いし、そこまで馬鹿じゃないよ。
嗚呼、下劣で馬鹿な野郎共の戦いは実に面白い。2006-01-07 01:17:00 -
82:
MiO.☆
サチが黙っていると、ミカは席を立ち教室から出て行った。今日はサエも休みだし、行くあても無い。どうせ屋上で寝てるんだろう。馬鹿のやることなんて、目に見えてる。それにしても、本当いい気味。私は裏で簡単な下準備をしておくだけで、後は勝手に役者達が動いてくれる。今回の場合は、クラスのみんな。私は何もしなくても、みんなが自動的に動く。何も知らないからこそ、扱いやすい。
ミカ、まだまだお楽しみはこれからだよ?2006-01-07 01:19:00 -
83:
MiO.☆
放課後、よくミカを見かけるゲーセンに行ってみると、やはりミカはいた。他中の友達と遊んでいた。私は物陰からミカをじっと見つめて、機会を伺う。ある事を実行する機会を、ただただ待った。
すると、ミカと他中の友達はUFOキャッチャーに夢中になった。後ろの椅子には、ミカの荷物が置いてある。
「今だ…!」2006-01-07 01:20:00 -
84:
MiO.☆
私は小声でそう呟くと、ミカの荷物をサッと取ってトイレへ逃げ込んだ。後ろを振り返ったが、ミカは全く気づいていない。トイレの個室の中でカバンを漁ると、携帯が出てくる。私はその携帯から、ある電話番号に電話する。その電話番号とは…
この間ネットの情報サイトでゲットした、有名ヤクザの○△組本部の電話番号だった。私は番号通知の状態で、その電話番号に電話する。
プルルルル…プルルルル…
「○△組本部ですが」2006-01-07 01:23:00 -
85:
MiO.☆
「お前んとこの組長この間見たけどマジしょぼ。アレ、小さそうだよね(笑)絶対うちら勝てるから」
「あぁ?」
「殺せるもんなら殺せって。どうせ出来ねぇんだろ?■○組とは違ってお前んとこは臆病者ばっかだもんな」
「んだとコラ!ガキィ!待ってろ!」
「ガキじゃなくて、ミカって言うんだけど?」2006-01-07 01:24:00 -
86:
MiO.☆
低い声でそう言い残して、私は電話を切る。
そう、ミカの携帯からヤクザに挑発的な電話をかけて、またもや他人にミカをどうにかしてもらおうと考えた。最初は相手にしないかと思ったけど、ライバルの■○組の名前を出したことが正解だったようだ。
「頑張ってね…ミカ…♪」
その後、ミカの携帯をそっと元の場所に置きにいった。きっと、逆探知してこのゲーセンの居場所をつかむだろう。
あんたもここで終わり、ミカ。2006-01-07 01:27:00