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『あの夏を もう一度』
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1:
◆/fmXna4sZY
耳をすませば 今も聞こえてくる
あの日の 波の音
指の隙間から 零れ落ちる砂のように…
いつか、消えてしまうの?2006-05-22 04:35:00 -
111:
◆/fmXna4sZY
伊織の話が終わる頃、あたしは…これ以上その場に立っていられなくなりそうだった――
「……伊…織、じゃあ実奈ちゃんとは今も……」 「……いや、実奈とは今は一緒じゃないよ。アイツは九州の実家にいるから。」「え…?なんでだよ…?」
伊織が、あたしを好きだったなんて……2006-06-11 18:39:00 -
112:
◆/fmXna4sZY
「……んーなんだろ?フラれちまった…かな?あははっ…カッコ悪りぃ。笑」 「え…フラれた?実奈ちゃんに?」
「や……正確には、実奈じゃなくて実奈の親にフラれちまった…だな。」
実奈ちゃんに会いに行った伊織は、その後すぐに、実奈ちゃんの両親に挨拶をしに行ったらしい。だけど、【娘を妊娠させ、責任から逃げ出した男】―――という硬いレッテルは、想像以上に頑丈なもので… 伊織は、実奈ちゃんのお父さんに初対面にして鉄拳をくらった。その後、何度会いに行っても「二度と家に現われるな!!」と、吐き捨て玄関のドアを閉められる。その繰り返し――…2006-06-11 18:55:00 -
113:
◆/fmXna4sZY
だけど、伊織は懲りずに何度でも何度でも、頭を下げに行った。実奈ちゃんも一緒になって、頭を下げていた。だけど、お父さんの返事はいつでも“NO”――。しまいには、玄関にすら出てきてくれなくなってしまった…
伊織は、近くにアパートを借りて現場仕事を始めた。公認にはなれない為、目を盗んで隠れてコソコソと二人は会う。伊織は実奈ちゃんの為に、実奈ちゃんの事だけを想って…毎日一生懸命働いた。心も体もボロボロだったけれど、幸せだった。誰かを守る為に生きる喜びが―、嬉しかったと。そんな日々が、そのまま二年間続いた。
ある日の夜、実奈ちゃんに告げられた言葉。「伊織くん、もう……自由になっていいよ。」
伊織は、ただ――、わけが分からずに 理由のない涙が止まらなかったらしい 。2006-06-11 19:18:00 -
114:
◆/fmXna4sZY
「…んで……そのまま、戻ってきたのか…?」
圭吾と伊織の会話が、なんだか上の空で…あんまりうまく聞き取れない。
「ん…仕方ないから。実奈が、これからは一人で頑張りたいって言ったからね」「そんな…のっ、強がってるだけに決まっ――…」 「分かってるよ。だから、迎えに行く。俺がこっちで一人前の男になったら、アイツの親にも認めてもらえるような男になったら… もう一度、実奈を迎えに行く。……もう一度、アイツにプロポーズするよ。」
2006-06-11 19:33:00 -
115:
◆/fmXna4sZY
「伊織、お前……」
伊織…アンタ変わったね。全然、違う人みたいだよ。
「…いづみ、あの日、あそこで再会したのは偶然なんかじゃないんだ。泉に会いたくて… 俺は、あの場所で待ってたんだ。」
『…待ってた?』2006-06-11 19:38:00 -
116:
◆/fmXna4sZY
「お前の事が、好きだったよ。三年前から…ずっと。泉が、好きだった。」
“やっと言えた――” そう言って笑った彼の表情は、二年前のあの頃より…一回りも二回りも、大人になっている気がした。あの頃、何も知らずに無邪気に圭吾の隣で笑っているあたしを見て… 伊織は、それでもあたしに笑いかけてくれてたんだね。
誰も裏切ってなんてなかったのに。ごめんね、伊織。
2006-06-11 19:49:00 -
117:
???
しおり?
2006-06-11 22:15:00 -
118:
◆/fmXna4sZY
そして、ありがとう…
圭吾と伊織と別れて、あたしは一人あの場所へ来ていた。何かあると来る、いつものあの場所へ―――… ザザン…
何かを忘れたい時…やっぱり潮の香りに、心洗われる気がするんだ。2006-06-12 02:28:00 -
119:
◆/fmXna4sZY
???サン、しおりありがとうございます!(*^_^*)
2006-06-12 02:49:00 -
120:
◆/fmXna4sZY
さっきまでの朝焼けは、照りつける太陽に代わり、青い海に反射する。もうすっかり“夏” と呼ばれる季節に突入したんだと実感して、前髪を掻き上げながら潮風を浴びた―――…
『気持ちいい…』
海が好き。昔から、此処に来ると落ち着く。海は、思い出の場所だから。家族三人で訪れた、最初で最後の思い出の場所――― ‥。
2006-06-12 02:59:00