小説掲示板『あの夏を もう一度』のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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『あの夏を もう一度』

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  • 1:

    ◆/fmXna4sZY

    耳をすませば 今も聞こえてくる
    あの日の 波の音
    指の隙間から 零れ落ちる砂のように…

    いつか、消えてしまうの?

    2006-05-22 04:35:00
  • 51:

    ◆/fmXna4sZY

    「………あ…れ?泉…?」『あ…いや、さっき伊織に呼ばれてさ。……元気?一ヵ月ぶりだね。』

    一ヵ月ぶりに見た圭吾は、長かった髪を切って、前より垢抜けた気がした。 

    「ま、なんだし中で話そうよ。圭吾、今いける?」 「お…おう……」

    2006-05-29 03:35:00
  • 52:

    ◆/fmXna4sZY

    都内で一人暮らしをする圭吾の家――。1LDKのマンション。
    一ヵ月前までは、あたしも同じ【鍵】を持っていた。『…お邪魔します。』

    去年の誕生日に貰った、赤と青のリボンのついた二つお揃いの鍵。そう、あたしと圭吾は大学を卒業してからココで同棲していた。   
    今はもう、“ただいま” じゃないけれど――…

    2006-05-29 03:46:00
  • 53:

    ◆/fmXna4sZY

    彼女と自分の違いを…痛感させられた気がしたんだ。


    「でさ、圭吾話出来る?」「お…おう」
    あたし達三人はとりあえずテーブルを囲んで腰を下ろし、あたしは一人、この緊迫したムードに落ち着きを取り戻せずにいた。

    2006-05-29 04:12:00
  • 54:

    ◆/fmXna4sZY

    「……実奈の事だけど」 「伊織っ…ごめんっ!!」   
    え――――??あたしは、目を疑った‥ 
    伊織の言葉を遮るように放った圭吾の言葉。それと同時に、彼は床に両手と頭を付け土下座していた。
    『ちょ…圭……吾?』  あたしは、何が何だか分からなくて… 
    「伊織っ…ほんとに、悪かった。俺が、俺が、あんな事しなきゃ……」

    2006-05-30 19:22:00
  • 55:

    ◆/fmXna4sZY

    『伊織…何?あんた達二年前に…何があったの?』 あたしの言葉に、黙って圭吾の姿を見つめていた伊織が、ゆっくりと口を開いた。

    「圭吾、顔あげろよ…」 「……伊…織?」
    「土下座なんてすんなよ。謝るのは…俺の方だよ。」    

    2006-05-30 19:31:00
  • 56:

    ◆/fmXna4sZY

    伊織が語りだした、二年前の真実。あたしが何度圭吾に聞いても、彼の口からは告げられなかった…過去。
        
    伊織には、当時、彼女がいた。“実奈ちゃん”といって、あたし達より一つ下の同じ大学の女の子だった。伊織は、こんな性格のくせに意外と照れ屋なトコロがあって… あたし達にすらなかなか彼女である“実奈ちゃん”を紹介してくれなかった。
    初めて彼女を見たのは、学園祭の日――。伊織の横で楽しそうに笑う女の子を見て、一目で実奈ちゃんだと分かった。それから、学校でもちょくちょく彼女を見かけたけど、人一倍…人見知りが激しいあたしは、一回も声をかけれなかった。

    2006-05-30 19:44:00
  • 57:

    ◆/fmXna4sZY

    特別目立つ感じの子では無かったけれど、伊織と一緒にいる時の彼女は、いつもニコニコ笑っていて…女のあたしから見ても、とても可愛いと思ったんだ。


    ある日、圭吾から一本の電話が鳴った。内容は、伊織の彼女と三人で遊ぶから、あたしも来て欲しいという話だった。だけど、あいにく今からバイトに行かないといけなかったあたしは、その誘いを断った――

    2006-05-30 19:55:00
  • 58:

    ◆/fmXna4sZY

    そこから、全ては変わっていってしまったんだ…

    その日、帰ってきた圭吾に電話で伊織の彼女の事を聞いても、圭吾は「ん、まぁ普通だった」としか、言わなかった。あたしも、あえてそれ以上は触れなかった。
    それから、数か月が過ぎた――。ある日の、放課後だった。「泉…!大変!!圭吾と伊織が!!」共通の友人が慌ててあたしの元に、駆け寄ってくる。『えっ…何?どしたの?』「いいから!!早く来て…!!」 ただならぬ様子の友人に無理矢理腕を引っ張られて、あたしはそのまま‥何処かへ連れていかれた。

    2006-05-31 00:34:00
  • 59:

    ◆/fmXna4sZY

    連れていかれた場所は、学校の裏庭。何やら、騒がしい声が聞こえてくる。  え―――…? 
    『ちょ…二人共、何やってんの!?やめなよ!!』 駆け寄るあたしの目に映った光景は、男二人の取っ組み合い。圭吾と伊織…  「…っ前に、何が分かんだよ!!」バシッ――「……前の為に‥言ってんだろ!!!」ガンッ―――
    『やめてってばぁ…!!圭吾!!伊織っ…!!』    

    今考えれば、あの時あたしがバイトを休んで行っていれば。ううん、圭吾に話を聞いていれば… あの日の二人の気持ちを、少しは理解出来たのかな―――…?.

    2006-05-31 00:49:00
  • 60:

    ◆/fmXna4sZY

    そのまま、喧嘩の原因が何か分からないまま…その日は三人別々に帰った。

    伊織が姿を消したのは、その日から三日後の事だった。卒業式までは、すでに一ヵ月をきっていた。
    そのまま音信不通になり居場所も、何をしているのかも、分からなくなった。…風の噂で、彼女とは別れたんだと聞いた。それだけだった。     
    それから圭吾は、毎日自分を責めた。伊織がいなくなったのは、自分のせいだと。あの日の喧嘩が原因――…? あたしには、分からなかったけれど。 .

    2006-05-31 01:02:00
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