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『あの夏を もう一度』
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1:
◆/fmXna4sZY
耳をすませば 今も聞こえてくる
あの日の 波の音
指の隙間から 零れ落ちる砂のように…
いつか、消えてしまうの?2006-05-22 04:35:00 -
72:
名無しさん
???
2006-06-01 02:32:00 -
73:
◆/fmXna4sZY
「おっす!伊織!あれ…お前何?ちょっと痩せた?」「……圭吾。」
学校に行く途中、背後から圭吾に声をかけられた。 体がダルイ―――…。 「お前…目の下の隈すげぇよ?どした?寝不足か?」「いや…」
ほっといてくれよ… 今は誰とも話したくないんだ。.2006-06-08 17:28:00 -
74:
◆/fmXna4sZY
「……何でもないよ。」 「えっ……伊織?」
体のダルさは、きっと昨晩した【薬】のせいだ。
そう… 俺は、一ヵ月前に興味本位で手を出したドラッグを、―――今だに止められないでいた。
2006-06-08 17:35:00 -
75:
◆/fmXna4sZY
『あっ圭吾と伊織じゃん。何してんの?おはよ!』 「あ……泉!うっす!」
理由は、一つ。ただ、どうしても消せない自分の気持ちを 押し殺す為に――…
2006-06-08 18:07:00 -
76:
◆/fmXna4sZY
『あ、そうだ。圭吾、今日うち来るよね?ママが、買い物行きたいから車出して欲しいって……』
「ははっ、いーよ。なんなら俺、泉と泉ママの専属タクシーになろっかな?」 『何言ってんの…』
いつまで、こんな日々が続くんだろう―――
『あれ…伊織?どしたの?その目の隈……』2006-06-08 18:17:00 -
77:
◆/fmXna4sZY
「あはっ…泉ちんおはよ。あぁコレ?単なる寝不足〜。徹夜でゲームしてた。」『…徹夜でゲーム?あんたも暇人だね〜。伊織ファンが泣くよ。』
「あはは、俺ってつくづく女泣かせ?笑」
『馬鹿じゃん……』
そう言って、泉は呆れたように笑う。俺なんて、きっと彼女にとって今までもこれからも、一生“男友達”でしかないんだ。 .2006-06-08 18:31:00 -
78:
◆/fmXna4sZY
サークルの新歓コンパで泉に初めて会った日、
《…初めまして。朝倉 泉です。》
一人一人の挨拶が始まり、俺は何気なく彼女を見た。《朝倉さん美人だね〜。好きなタイプはぁ!?》 遊び人風のノリのいい先輩が、一際目立つ彼女に質問を投げ掛ける。
《タイプとか…別にないです。興味ないし。》
そっけなく答えて、すぐさま席に腰掛ける泉。あまりの無愛想さに“なんだこの女…?”―― 第一印象はそんな感じだった。2006-06-08 18:48:00 -
79:
◆/fmXna4sZY
サークルを通じて次第に仲良くなって、泉は思ってたより話しやすいヤツで… 《あ、伊織!放課後ひま?今日、圭吾とイベント行くんだけど伊織も来てよ!》もともと圭吾と仲の良かった俺と、女の…泉。気付いたら俺らはいつも、三人で行動するようになっていた。週末は毎週三人で、イベントに行ったり飲みに行ったりしてた。
圭吾と泉が付き合い始めたと聞いたのはそれから半年が過ぎた頃――。俺は、正直信じられなかった。 いや、信じたくなかったんだ… 俺は、自分でも気付かないうちに泉の事を好きになっていた。
2006-06-08 19:08:00 -
80:
◆/fmXna4sZY
だけど、泉は圭吾の彼女。圭吾は、俺の親友だから…この気持ちは、伝える事は出来ない。こんな疾しい気持ちは、早く消し去らなきゃいけないんだ…
《あ、伊織っ…!》
《……え、泉?どした?》《今日は、圭吾の家に行くらしいから…帰り校門で!また放課後にねっ。》
全てが、どうでも良くなるんだよ。俺なんて、いない方が二人の為だから‥‥さ.2006-06-08 20:39:00