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『あの夏を もう一度』
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1:
◆/fmXna4sZY
耳をすませば 今も聞こえてくる
あの日の 波の音
指の隙間から 零れ落ちる砂のように…
いつか、消えてしまうの?2006-05-22 04:35:00 -
86:
◆/fmXna4sZY
三日後、圭吾に呼び出された俺は、一人校舎裏に迎う。
「……で、お前はどーする気なんだ?」
「この間も言った通り…俺も実奈も、結婚なんてまだ早いって思ってる。」
「実奈ちゃんが…ハッキリそう言ったのか?子供については何って言ってるんだよ?」
「子供は………生みたいって。」2006-06-08 21:48:00 -
87:
◆/fmXna4sZY
実奈は、自分のお腹に宿った生命を殺す事なんて出来ない。一人でも、育てていきたいんだ…と言った。
「伊織は…どう受け止めるつもりなんだ?」
「………俺は」
だけど俺には…… ずっとずっと想ってる奴が―――‥
「圭吾……実は、俺…」2006-06-08 21:54:00 -
88:
◆/fmXna4sZY
「……伊織。お前、薬は?もうやってないのか?」 「え―――?なん・・で」
驚いた。まさか、圭吾が知っていたなんて。泉を忘れる為にやってた俺の、俺だけの虚しい逃げ道……
「薬を止めれたのって、実奈ちゃんのおかげだろ?大切に…してやれよ。彼女も、お腹の中の子供も。」
圭吾… お前には…
2006-06-08 22:05:00 -
89:
◆/fmXna4sZY
お前だけには…
一生、俺の気持ちなんてわかんねぇよ………
「…子供の事は、俺と実奈でもう決めた事だから。」「は……?何言ってんの?じゃあ、実奈ちゃん一人で育ってるって事か?」 「実奈も…ちゃんと納得してる。もう話はつい――」バシンッッ――――― 「ふざけんなっ……!!!伊織、お前がそんなやつだったとは思わなかったよ…!!」2006-06-08 22:13:00 -
90:
◆/fmXna4sZY
「………」
「お前…最低だよ。同じ男として信じらんねぇ…。」
お前には何が分かるんだ?
2006-06-08 22:20:00 -
91:
◆/fmXna4sZY
俺になくてお前にあるモノ一体何なんだよ……………
2006-06-08 22:21:00 -
92:
◆/fmXna4sZY
「ふざけんなぁぁぁっ…!上等じゃねぇかぁ!!!」バキィッッッッ――――
「……痛…って。ん…に、すんだよ…っ!!!お前がわりぃんだろーがぁ!!」バコンッッッッ―――
「お前に……お前なんか…に…にが…分かんだよっ!」バキィンッッ――
「俺はっ……お前の為を思って―――バシンッッ――」 「…っいってぇ。あぁー!もう何なんだよーっ…!」
2006-06-08 22:32:00 -
93:
◆/fmXna4sZY
そこから先の記憶は、あんまり覚えていない。
ただ、いづみの叫び声がして俺と圭吾は正気に戻った。生傷が痛む顔で寝転がって空を見上げた――
2006-06-08 22:33:00 -
94:
◆/fmXna4sZY
空は悲しい程に鮮やかで、今の俺には眩しくて、ゆっくりと目を閉じる。
閉じる前に、隣を見ると圭吾を心配そうに見つめる彼女の姿がそこにあったんだ……
2006-06-08 22:40:00 -
95:
◆/fmXna4sZY
三日後、俺は二人の前から姿を消した。同時に、実奈もまた……俺の前から姿を消した。
一通の手紙を残して。
【伊織くんへ。突然、いなくなったりしてごめんなさい。出会った頃から、伊織くんには他に好きな人がいる事、分かってました。だけど、一緒にいるうちにいつか実奈の事を好きになってくれれば… って思ってた。時々見せる、伊織くんの悲しそうな表情を見るのがつらかった。慰めてあげる事は簡単だけど、支えてあげられるのは、やっぱり実奈じゃないんだって…気付いたの。今までごめんなさい。一緒にいてくれて、ありがとう。実奈より。】
2006-06-08 22:52:00