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〜狂愛〜永遠を手に

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  • 1:

    詩音

    「シン、行ってくる。」「…行ってらっしゃい。」
    君の美しい長いサラサラの髪が肩から滑り落ちる。艶かしい細く白い首筋が鎖骨にぶつかる美しいライン。
    僕はいつも思うんだ。君を永遠に自分の中の世界にd

    2010-03-06 21:50:00
  • 2:

    名無しさん

    閉じ込めてしまえたらいいのにって。永遠はないと言った君に、僕は永遠を捧げよう。
    例え、他人に狂った愛だと罵倒されようとも。苦しくて悲しくて美しい永遠の愛を君に刻み込む。

    2010-03-06 22:09:00
  • 3:

    オートロックの玄関を出ると待たしておいたタクシーに名前を告げ乗り込んだ。行き先を告げてあたしはタバコに火をつけた。
    今からは愛人ルイとしての仕事だ。愛人だなんて言うけどあたしは所詮金で買われたぺっトだ。男を喜ばせる術はちゃんと知ってる。商売として成り立つ程に。

    2010-03-06 22:27:00
  • 4:

    今日は岡田さんとリッツカールトンでまず食事をする予定だ。いつもの場所でタクシーを降りると岡田さんの姿が見えた。あたしはピンヒールの靴をカツカツと鳴らして近づいた。それに気づいて岡田さんは振り返る。
    「こんばんは。」あたしはにっこりと笑う。「こんばんは。」岡田さんも嬉しそうに微笑んだ。

    2010-03-06 22:33:00
  • 5:

    詩音



    君の笑顔を独り占めしたくなる。誰にも見せたくない。誰にも触れさせたくないんだよ。
    独占欲と支配欲が僕を狂わせる。
    君が出て行った後の部屋にはまだ君の香水の香りがほのかに香る。
    こんな時、君の存在を感じて益々孤独に思うんだ。どうか僕の目の前から消えてしまいませんようにって怖くなるんだ。
    臆病者だと君は笑うかな。失う事をこんなにも怖いと感じた事がない。だったら自分の手で壊してしまおうか。

    2010-03-06 22:43:00
  • 6:

    詩音

    食事をしながらたわいもない会話をする。この人はあたしにとって一番の上客。そして社会的地位もきっと上層階級の人だ。
    「ルイに会えるのが楽しみで仕事も頑張れる。」「そうなんですか?そんな風に思って頂けたら嬉しいです。」あたしはそう言いおえるとワイングラスを手に飲み干した。
    白く伸びたあたしの首筋に岡田さんの視線を感じる。どの男も一緒だ。所詮は女を欲求の対象物としてしか見ていないのだから余計な綺麗事は逆に寒い。
    食事を終えて、今度はジャズバーに移動した。もうすぐ近づいてくる時間のためにあたしは余計にお酒を飲んだ。

    2010-03-06 23:03:00
  • 7:

    詩音

    ピアノの音と黒人のジャズシンガーの美しい歌声。各テーブルに揺れるキャンドル。大きな窓ガラスの向こうには美しい夜が広がっている。ロックグラスに入ったウィスキーがテーブルに置かれたキャンドルの火で金色に輝いていた。
    まるで作られた世界は今のあたしによく似ている、なんて思った。
    「ごめんなさい、ちょっとお化粧室に。」あたしは岡田さんの手を軽く握って席を立った。

    2010-03-06 23:11:00
  • 8:

    詩音

    「おまたせしました。」さっきよりも美しさに磨きをかけて席へ戻る。待ってましたと言わんばかりに腰に手をまわして来た。
    「そろそろ行くか。」岡田さんはそう言いながらあたしの頬を撫でる。

    ―時間だ。

    「行きましょう。」あたしと岡田さんはバーを出た。

    2010-03-06 23:37:00
  • 9:

    詩音

    ―イタイ

    狂いそうな痛みを感じて愛しい君が憎いように感じてしまう

    2010-03-09 10:22:00
  • 10:

    詩音


    カチンッ
    シュボッ

    ホテルの一室であたしは一仕事終えてタバコに火を付けた。目の前にはその報酬としてお札の束。不粋な愛には札束が似合う。

    2010-03-09 10:30:00
  • 11:

    名無しさん

    読んでます

    2010-03-13 00:57:00
  • 12:

    詩音

    無駄に広い部屋に一人きりになる。たった数時間のためにこんな部屋を取るなんて、あの人は馬鹿だ。いつだってあたしが行為の後眠ってなんかいない事に気づいているはずなのにね。この部屋で眠るつもりはない。

    2010-03-14 20:05:00
  • 13:

    詩音

    あたしは軽くシャワーを浴びて服を来てホテルの一室から出た。財布には先程の行為の報酬が十分すぎる程つまっている。そして今気づいたが、コートのポケットには3万円。岡田さんの事だからタクシー代に、との事だろう。あたしはロビーを足早に通り抜けタクシーに乗り込んだ。

    2010-03-15 18:09:00
  • 14:

    詩音

    君はいつからそんな風にしか笑えなくなった?
    僕なら君を本当の笑顔にさせる事できると思うんだ。
    でも全てを諦めて、信じようとしない君には僕みたいな人間が一番信用ならないみたいだね。
    わかったよ。
    ―なら命をかければ信じてくれる?僕だけの命じゃないよ、君の命もかけるんだ。―
    僕が一から教えてあげる。そして与えてあげるから。君が諦めたもの全部、僕が与えてあげるから。

    2010-03-15 18:19:00
  • 15:

    詩音

    「ただいま」
    ドアを開けたら眠そうにスウェットを着たシンが立っていた。
    「ルイさん、おかえりなさい。」
    そう言ってあたしに抱き着いてくる。この子の本当の名前も何処に住んでたのかもあたしは知らない。知る必要もないから。あたしはこの子を拾った。歳は今年の5月で19歳らしい。本当に19歳なのかもわからない。あたしより4つ下であたしは今年で23歳になる。
    「起きてたの?」「うん。ご飯作ってお風呂も入れといた。ルイさんと一緒に寝たいから。」「ありがとう。」
    あたしはシンの髪を撫でてからお風呂に入るため洗面所へ向かった。

    2010-03-17 02:24:00
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