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散りゆく花
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1:
主
雅姫。20歳。職業ニート
今日も私は無駄な時間を過ごしてる。2010-03-09 05:15:00 -
2:
主
携帯が爆音を鳴らして着信を知らせる。
―着信 あきら―
暇な私に群がる男共2010-03-09 05:18:00 -
3:
主
力無く携帯を開き、必要最低限の声で電話に出る。
『はい』
「雅姫ー?お前暇やろ!?今から迎えに行くから用意しとけよ」
電話は一方的に切られ、深い溜め息をついてのそのそと用意を始める。2010-03-09 05:22:00 -
4:
主
寝起きの重たい体を無理矢理起こして風呂場に向かう。
だるさをシャワーが流してくれるようだ。
シャワーから出るとさっきのだるさは嘘のように体はテキパキと動く。2010-03-09 05:26:00 -
5:
主
ばっちり化粧をして、適当に服を着て、髪の毛を乾かす。
全ての準備が出来たと同時に電話が鳴る。
「もう下おるから降りてこいよ」
さすがあきら。
私の用意時間をよく分かってる。2010-03-09 05:30:00 -
6:
主
『あんたは私の行動よくわかってんな』
車に乗り込みながら言うと、あきらは当たり前という顔で笑っていた。
『どこ行くん?』
「クラブ!!今日ツレがまわしてんねん」2010-03-09 05:33:00 -
7:
主
ふーんと言って煙草に火をつける。
窓を開けて煙が外に流れていくのをぼーっと見てた。
「今日テンション低いやん、どしたん?」
『誰かさんが強制的に連れ出したからな』
あきらはニっと笑って何故か頭をなでなでしてきた。2010-03-09 05:36:00 -
8:
主
しばらくしてパーキングに車を止め、あきらとよく来るクラブに入った。
店内は私の好きなブラックミュージックに包まれていた。
流れる音楽に体を揺らし、DJブースに目をやった。2010-03-09 05:41:00 -
9:
主
「あいつ!!翔ってゆうねん!!」
爆音の音楽に負けないように耳元で叫ぶように言うあきら。
『いいセンスしてるやん!!』
私も負けないように大きな声であきらに返す。2010-03-09 05:43:00 -
10:
主
あきらはまたニっと笑ってドリンクを取りに行った。
ずっと翔を見ていると目が合った。
間違いなく私を見ている。
私は翔を見つめながら踊り続けた。2010-03-09 05:46:00 -
11:
主
「あいつには気つけろよ〜」
いつ戻ってきたのか、ドリンク両手に後ろに立っていた。
グラスを奪うように取って一気に飲み干して
『なんでなん?』
バーカウンターに向かいながらあきらに聞いた。2010-03-09 05:51:00 -
12:
主
バーカウンターは少しだけ静かで、まだ聞き取りやすかった。
「あいつかなり遊んでるからな〜ま、雅姫も一緒か(笑)」
『失礼な(笑)誰これ構わず遊んでません(笑)』
あきらは笑ってグラスを空にした。2010-03-09 05:55:00 -
13:
主
『でも面白そうな子やん』
「さすが雅姫!!見る目が違うね〜」
ニヤニヤと笑いながらあきらはシガレットケースから一本取り出した。
毎度のことである。
んっと私にも一本差し出し、火をつけてくれた。2010-03-09 05:58:00 -
14:
主
深くそれを吸い込み、目を閉じて音楽に集中した。
何回も繰り返してるうちに音は私を支配し、程よく体に響いてきた。
もう一杯、お酒を一気して私は音に身を任した。2010-03-09 06:02:00 -
15:
主
ふと、翔に目線をむけると、翔もこんな私たちを見ていた。
その視線がまた気持ちよくさせる――――――。2010-03-09 06:09:00 -
16:
主
―――――――――――――ン
2010-03-09 06:13:00 -
17:
主
部屋に入るなり、私達は何かに駆り立てられるように服を脱がしあい、何度も何度もキスをしながらベッドに倒れこむ。
全裸になった2人は欲求の赴くままに体を重ねた。2010-03-09 06:19:00 -
18:
主
―――――――――
ことが終わり、2人とも肩で息をしてる状態。
目があうと何だか笑けて2人してケラケラ笑った。
2010-03-09 06:21:00 -
19:
主
笑いがおさまり、体を起こして煙草に火つけた。
白い煙がゆらゆらと踊っているよう。
なんとなく、翔のあの目が頭に浮かんだ。
「翔のこと気にいった?」
私に抱きつきながらあきらは言う。2010-03-09 06:26:00 -
20:
主
あきらの髪を触りながら、白い煙を吐いた。
「気にいったんなら紹介すんで」
私は笑顔で応え優しくキスをした。
あきらも笑顔でキスをしてくる。2010-03-09 06:34:00 -
21:
主
煙草を消して、また体を重ねた。
今度はゆっくりと、優しく、生を確かめ合うように――――――――――――2010-03-09 06:39:00 -
22:
主
ン2010-03-09 06:42:00 -
23:
主
目を覚ますと部屋は太陽に照らされていた。
風呂場からシャワーの音が聞こえてくる。
とりあえず、下着を着て鞄から携帯を取り出す。
不在着信5件。メール7件。
一通り目を通して携帯を放り投げた。2010-03-09 06:46:00 -
24:
主
「起きた?」
あきらが腰にタオルを巻いて風呂から出てきた。
『おはよ』
「はよ。相変わらず寝起きだるそうやな(笑)」
うん、と言って煙草に手を伸ばす。2010-03-09 06:50:00 -
25:
主
はあ〜と溜め息とともに煙をはいて、またベッドに寝ころぶ。
「寝たばこ禁止」
そう言って煙草を取り上げられた。
『ちょ、ほんま煙草なかったら無理。返して』
2010-03-09 06:53:00 -
26:
主
聞こえてるはずなのに煙草は消され、無理矢理座らせた。
あきらは葉っぱは吸うくせに煙草は吸わない。
普通逆やろ。
「もう起きてるやろ〜それに吸いすぎ」
そう言って箱ごと煙草を取り上げた。2010-03-09 06:57:00 -
27:
主
『マヂ無理やって!!返して〜』
「ご飯作ってくれたら返す」
『訳わからん!!作らんから』
なんとか煙草を取り返し、新しく火をつける。2010-03-09 07:00:00 -
28:
主
「いつになったら作ってくれるん?」
『彼女に作ってもらい。そんなめんどくさい事するわけないやん』
あきらは溜め息をついて服を着だした。
それを横目に煙草を吹かす私。2010-03-09 07:04:00 -
29:
主
『今日仕事は?』
「休み。じゃなかったらお前と遊んでない。雅姫と遊んだらいつも朝までコースやからな(笑)」『よう言うわ(笑)あきらが拉致るねやん。ってか彼女と遊んだれよ』
あきらは困ったように笑い、今から電話するとジェスチャーで伝えた。2010-03-09 07:10:00 -
30:
主
これは毎度のこと。
休み前に私と次の日まで遊んで、私の目の前で彼女に電話する。
優先順位が逆な気がするが私には関係ない。
あきらがそうしたいのなら、そうすればいい。2010-03-10 08:52:00