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俺を救ったのは【太郎】

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  • 1:

    暇ジ

    寝る前にいつも思い出す…あのぬくもり…
    あの匂い…
    もっと早く、いや、最初からバカな事をしなかったら太郎も幸せだっただろう…

    2010-04-03 18:53:00
  • 2:

    暇ジ

    俺と太郎が出会ったのはペットショップ。
    太郎は狭い檻に入れられ、まったく媚を売らないメスの犬。
    俺は案内所で働いていてストレス解消がてら店から近いペットショップに来ていた。

    2010-04-03 18:56:00
  • 3:

    暇ジ

    他の犬は、手招きすると近くに寄ってきて、誰かに教えられたのか知らないが可愛さをアピールしてくる。
    まぁ、たしかに可愛いのだがそれは癒しになっていたが飼いたいとは思わなかった。
    人間、無いものねだりで無いものを欲しがる。
    全然なついてこない太郎に俺は魅力を感じていた。

    2010-04-03 19:01:00
  • 4:

    暇ジ

    ペットを飼いたいとは思ったが見るだけで癒されてたし俺は1人暮らしだし、お金には困ってなかったが飼うと俺が仕事に行ってる間は一人ぼっちになるわけで、犬の事を考えると可愛いし癒されるから…と自己満足だけで飼ってはいけないと思っていた。

    2010-04-03 19:08:00
  • 5:

    暇ジ

    そんな日が続いたある日、俺は暇づぶしに仕事仲間と三人でキャバクラに来ていた。
    俺についたのは【アミ】。見た目はこれといって良くはないが過去に何かあったと感じるような笑っているが笑っていない…それがアミと会った最初の印象だ。

    2010-04-03 19:16:00
  • 6:

    暇ジ

    他愛ないの話をしてそろそろチェックの時間になった。
    暇ジ「今日はありがとう〜楽しかったしまた来るわ」
    アミ「本間に〜嬉しい!私も楽しかった〜じゃあ番号教えてやぁ〜♪」
    まぁベタベタな営業トークだ。
    夜の仕事を全般的にしていた俺はサボらず指名をとろうと営業をしてるな、頑張っとるなと快く教えた。

    2010-04-03 19:28:00
  • 7:

    暇ジ

    どんなに営業されても自分が行きたいと思う時に行く、これは昔から変わらない。
    逆に来てと言われると絶対に行かなかった。
    …これも無い物ねだりの一種かなぁ…

    2010-04-03 19:33:00
  • 8:

    暇ジ

    ただアミは違っていて、店に来てとは言わない。
    終わってからご飯を食べに行こうとかカラオケに行こうとか…
    俺も女はいなかったし名前の通り暇ジだったから頻繁に遊ぶようになり次第に一緒に住むようになっていた。

    2010-04-03 19:38:00
  • 9:

    暇ジ

    アミ「本間に生きててまったく良いことないけどあんたに逢えた事が唯一の幸せかな♪」
    暇ジ「まだ18才やし、辛い事があるぶんくだらん事や小さい事でも幸せと感じれる、これってなんか素敵やん」
    アミ「なんやそれ(笑)島田紳助かい〜?(笑)」
    とまぁ乗りの良いアミに次第に惹かれていった。

    2010-04-03 19:56:00
  • 10:

    暇ジ

    アミと一緒に暮らすようになって三ヶ月が過ぎていた。
    休みの日は温泉に行ったりアミが行きたいと言う所に連れて行った。
    たまにペットショップに行って太郎(勝手に名前を決めた俺)の様子を見に行った。
    アミは太郎より懐いてくる犬を気に入り、アミ「見て、見て♪もんすごい可愛いって!なんでこんなに可愛いん?こっちにおいで〜」とはしゃいでいた。
    …なぁ太郎。お前は誰にも懐かなかったけど唯一、俺にだけは懐いて体をよせてきたよな?

    2010-04-03 20:04:00
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