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4年前の今日、私は彼に出会った

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  • 1:

    2006年。ホストブーム真っ只中。テレビでホスト特集を見て憧れを持った女がいた。希美19歳。地元の安キャバで朝まで働きながら地元のショボイボーイズバーに通っていた。
    希美は決意する。大阪に行こうと。
    本物のホストクラブにいこうと!

    2010-05-12 10:15:00
  • 90:

    私が初めて未収した日から1ヶ月くらいたった頃、あっ君から締日に来て欲しいと頼まれた。『今月ナンバー1いけそうやねん!お願いやから希美も力貸して欲しい。』
    あ〜やっぱり色か。気付かないように、見て見ぬふりしてたのに。わかってたけど、認めたくなかったのに・・・もう色でもいいや。違う方向に割り切れてしまった。この人はホスト。私は客。それはきっとこれからも変わらない。あっ君は手に入らない。たくさん泣いて諦めることを決意した。そして、締日に使って終わりにしようと・・・。

    2010-05-18 13:40:00
  • 91:

    仕事の方はママにも気に入られたり、休みの日も積極的にお客さんとご飯行ったり営業してたおかげで日給は上がってたし、ついでにお小遣い的なお金ももらってたから少しお金はあった。
    未収せずにいける額全部使おう。締日、私は初めてドンペリをおろした。その日のことはあんまり覚えてないけど、楽しかったと思う。
    でもその月、あっ君は2位やった。それだけは許せん(笑)

    2010-05-18 13:45:00
  • 92:

    あっ君をあきらめると決めてから大阪を離れることを考えた。あっ君と出会って大阪に住みたいと思った。あっ君のおかげで大阪に住めた。私の大阪生活はあっ君でいっぱいだった。大阪にいる限りあっ君から離れられないと思った。
    そんな時タイミングよく母から連絡があった。父が倒れたと。父さんは大したことはないけれど、実家に帰って来る気はないかと。帰ってきて欲しいと。母さんは私がホストにハマってることも知ってたから。

    2010-05-18 13:48:00
  • 93:

    私は実家に帰ることにした。帝王に事情を話し、お店も数日後円満退店できることになった。私の大阪生活が終わっていく・・・。
    あっ君には言えなかった。
    締日以降は普通にメールはするけど、家に来ようとするのはなにかと理由付けて断っていた。会うと決心が鈍ってしまうと思ったから。

    2010-05-18 13:50:00
  • 94:

    大阪を去る一週間くらい前、あっ君から電話があった『今何してるん?』『家おるけど?』ピンポーン!・・・あっ君やった。すっぴんスウェットなんですけど。こうでもしないと会えないと思ったらしい。そしてちょっと嬉しい私(笑)
    実家帰ること帝王から聞いたらしい。『なんで黙ってたん?』や『お父さんの具合どうなん?』色々聞かれ、もう全部言ったれ!とあっ君を諦めることも父さんはもう元気なことも正直に話した。『諦めるって何なん。大阪おったらええやん』首を横に振る私。『なんでなん?大阪おってや。そばにおってや。』泣いてしまった。嬉しい気持ちと、ホストと客としてやろって思ってしまう気持ちで。
    あっ君は大阪におってと何度も言ってくれたが、私の気持ちは変わらなかった。あっ君を信じるのが怖かったから。
    『・・・わかった。希美、付き合おうや。せやからたまには大阪帰ってきてな。』嬉しい。嬉しすぎる。やっぱりあっ君のこと大好きや・・・『うん。』やっぱり流された。あっ君は『ホンマに?ありがとう。今日から恋人やな(笑)よろしく』って笑って抱きしめてくれた。
    出会ってから5ヶ月たった頃やった。

    2010-05-18 13:53:00
  • 95:

    次の日もその次の日もあっ君は営業後に家に来てくれた。でも大したご飯も作れんでごめんね。あっ君がめっちゃ美味しいって食べてくれた炊き込みご飯は、ダイソーの炊き込みご飯の元入れただけのやったんよ(笑)
    数日間だけやったけど、ホンマの恋人になれたってホンマに嬉しかった。

    2010-05-18 14:01:00
  • 96:

    私がお店最後の日に同じ店のルリちゃんが送別会や〜っておごりでC店に連れてってくれた。
    久しぶりに店で会うホストのあっ君。やっぱりかっこよかった。ルリちゃんには付き合うことになったのも話してて、自分のことのように喜んでくれていた。ルリちゃんはあっ君に『希美ちゃん一旦地元帰るんやろ?なんかあげたりしぃーや(笑)さみしいやん!』と煽った。あっ君はちょっと考えて、首に付けていたネックレスを外して私に付けてくれた。『え?もらってもいいん?』『もらってや。今はこれでごめんやで。また買いにいこな♪』そのネックレスはチェーンがちょっと長いくらいで、女の子が付けてもそんなに違和感ないクロスのデザインやった。『ありがとう!めっちゃ大切にする・・・』その日、ルリちゃんが撮ってくれた写真は笑顔のあっ君と目が真っ赤な私。ギリギリ泣かんかったと思ったのに泣いてたんやね。

    2010-05-18 14:04:00
  • 97:

    次の日の朝、私は大阪を去った。
    もちろんあっ君は営業中。
    家から新大阪までのタクシーの中。ひんやりした朝の空気が余計寂しかった。
    私の大阪生活は終わった。

    2010-05-18 14:08:00
  • 98:

    遠距離恋愛には無理があった。日に日に減ってくメール。電話はほとんど出てくれなくなっていた。会えなきゃ意味がない。店に来てくれなきゃ意味がない。そう言われてるような気がした。近くにいても遠くにいっても同じことの繰り返し。変わらないのは不安な気持ち。自分が本彼のじゃないってわかってた。

    2010-05-18 14:10:00
  • 99:

    私は大阪には戻らなかった。
    結局私はあっ君から逃げた。好きで好きでたまらなかったから逃げた。あっ君の本心を知るのが怖かったから。真実と向き合いたくなかったから。あの5ヶ月を憎しみに変えたくなかったから。

    2010-05-18 14:12:00
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