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人生狂わせ屋
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1:
主
私は一度に二人の人生を狂わせてしまった。
「不倫」
本当に馬鹿でした。2011-02-27 01:41:00 -
2:
名無しさん
中村凜子。
小さな印刷工場の事務職20歳。同い年の彼氏有り。特に派手な見た目ではない、どこにでもいる普通の女性だが、顔立ちは整っている方で、スタイルもすらりと長身のモデル体型だ。2011-02-27 02:06:00 -
3:
名無しさん
だが職場は自宅から自転車で約20分、そこで働く人達も自分の親ほどの歳の人ばかり。
こんな環境に埋もれていた為、オシャレは好きだがする必要もない、そんな感じだった。2011-02-27 22:10:00 -
4:
名無しさん
今日もいつものように大量の納品書や伝票の整理。パソコンの前に座っていた。
すると、
「中村さぁん」
会社一の気難しいおばさん「杉本さん」が声をかけてきた。2011-02-27 22:15:00 -
5:
名無しさん
凜子「はいっ」
と振り向いた。
杉本さんは珍しく満面の笑みだ。
杉本「ちょっと頼みたい事があるんやけど〜」2011-02-27 22:19:00 -
6:
名無しさん
凜子「なんですか?」
杉本「今日ね、お昼に納品に来るはずだった○○物産が配送遅れで18時頃到着になるらしいねん。それで私今日は子供の迎えで早めに帰らんとあかんから、中村さん代わりに荷受けしといてくれへんかなぁ?」
18時か。定時は17時半だけどこのあと予定も無いしまぁいいか。2011-02-27 22:28:00 -
7:
名無しさん
凜子「分かりました、受け取っときますね」
杉本「ありがとう〜!助かるわぁ!○○物産やからね。お願いね?」2011-02-27 22:34:00 -
8:
名無しさん
○○物産か。私まだ1回も会った事無かったかな?まぁなんでも良いけどこれって残業代つくんかな?
そんな事を考えながら、また自分の仕事に就いた。2011-02-27 22:36:00 -
9:
名無しさん
そして17時半。
「あ〜今日は帰りにスーパー寄らなあかんわぁ」
事務員さん達は仕事を終えてぺちゃくちゃとお喋りしながら帰っていった。
「主婦も大変そうやな。」2011-02-27 22:40:00 -
10:
名無しさん
事務所に一人残された凜子。シーンとしている。季節は2月の終わりで外はもう薄暗くなっている。仕事を進めようと思ったが、定時を過ぎると一気に仕事をする気も失せるものだ。
パソコンで疲れた目に目薬を点し、背もたれにグーッともたれかかった。
その時
♪〜♪〜♪〜♪2011-02-27 22:48:00 -
11:
名無しさん
篤志(彼氏)からのメールだ。
?「仕事終わったで!今から飯食って帰る!」
?「了解!うちは今日は残業やわ〜。」
?「そうなん?珍しいな!帰り気をつけや〜」2011-02-27 22:52:00 -
12:
名無しさん
篤志とは2年の付き合い。凜子の家が厳しいのと、お互いの家がそう遠くはない距離という事もあって、同棲はしていなかった。
仲は普通によくて、お互いの事もよく分かり合っている。ラブラブという訳でもなく別にマンネリでもなく、いて当たり前の存在だった。2011-02-27 22:58:00 -
13:
名無しさん
携帯を閉じ、グーッとのびをして、しばらくボーっと天井を眺めていた。時刻は18時を少し過ぎた所。
「もうそろそろ来るかな。すぐ下りれるようにしとこ。」
凜子は荷受用のシャチハタをポケットにスタンバイさせ、帰り支度を始めた。2011-02-28 23:30:00 -
14:
名無しさん
しかし、15分になっても30分になっても業者は来ない。
エアコンを切ってしまった事務所は足元から冷えてきて、凜子はだんだんと苛立ちが募ってきた。
その時…
ピンポーン。2011-03-01 11:29:00 -
15:
名無しさん
続きお願いします(..)
2011-03-03 14:48:00 -
16:
主
↑さんありがとうございます?
マイペース更新になるかと思いますが、時間を見つけて書くようにしますので宜しくお願いします?2011-03-03 18:38:00 -
17:
名無しさん
荷受け窓口のインターホンが鳴った。
凜子「はい」
業者「遅くなって申し訳ございません!○○物産です!」
凜子「ご苦労様です。今降ります。」2011-03-03 21:24:00 -
18:
名無しさん
『ほんまに遅いわ…』
凜子はイライラしながら階段をおりた。
「ご苦労様です。」
窓口のシャッターを開け、顔も見ずに一言声をかけた。2011-03-03 21:27:00 -
19:
名無しさん
業者「申し訳ないです!遅くなってしまって。」
凜子「あ、大丈夫ですよ」
電気を点けて振り向いた瞬間…凜子のの体にビリっと電気が走り、自分の瞳孔がみるみる開いていくのが分かった。
どうしよ、めっちゃかっこいい…2011-03-03 21:37:00 -
20:
名無しさん
歳は27、8ぐらいだろうか。黒髪の短髪に切れ長だがたれ目気味の瞳。芸能人でいうと大沢たかおによく似ていた。
凜子はすぐに目をそらし、自分がとった最初の無愛想な態度を本気で後悔した。
業者「商品ここで大丈夫ですかね?」2011-03-03 21:46:00 -
21:
名無しさん
凜子「はっ、あ、はい!そこにお願いします!」
業者「分かりました?」
ニコっと笑うその顔はくしゃっとなった目元が凄く優しそうで、強く凜子の脳裏に焼き付いた。2011-03-03 21:56:00 -
22:
名無しさん
その人が荷物を降ろす間、凜子は関係のない棚を開けてみたり、空の段ボールを整理したり、ひたすら仕事をするフリをしていた。
ひとり緊張してしまい間が持たない。
『顔赤くなってないかな』『私今動き不自然ちゃうかな』
頭の中はそんな考えでいっぱいだった。2011-03-03 22:04:00 -
23:
名無しさん
ちらっとその人に目をやった。リフトで荷物を降ろしている。顔が凜子の方へ向きそうになる。さりげなく目をそらし背を向けた。ドキドキして仕方がない…。
すると、
「すみません!終わりましたー」2011-03-03 22:15:00 -
24:
名無しさん
凜子「はいっ!ありがとうございますっ?」
業者の元へ駆け寄った。
業者「ここにサインお願いできます?」
完全にテンパっている凜子は、上着・ズボン・胸ポケット、どこにシャチハタを入れたか分からない。いろんな所を触りながらあたふたしていると、その人が自分の胸ポケットのボールペンを凜子に差し出した。2011-03-03 22:21:00 -
25:
名無しさん
凜子「あ、すみません?」
《中村》とサインして、極力顔は見ないようにして伝票とボールペンを渡した。というか見れなかった。
業者「ありがとうございます?」
反射的に顔を上げるとまたあの優しい笑顔。頬がカーっと熱くなった気がした。2011-03-03 22:34:00 -
26:
名無しさん
面白そう?頑張って?
2011-03-05 22:25:00 -
27:
主
ありがとうございます?
また時間見つけて更新しに来ますので、気長に待ってやってください??2011-03-09 12:41:00 -
28:
名無しさん
そしてその人はトラックに乗り込み帰って行った。受け取った伝票の控えに目を向ける。
【水谷】
それが彼との出会いだった。2011-03-13 18:59:00 -
29:
名無しさん
「水谷さんっていうんやぁ…」
帰り道、自転車をこぎながらずっとさっきの事を思い出していた。指がかじかんでいる事も頬を刺す風の冷たさも今は感じない。凜子の頭の中は水谷の事でいっぱいになっていた。彼氏の篤志とはまた雰囲気の違う、柔らかい笑顔が忘れられなかった。2011-03-13 19:05:00 -
30:
名無しさん
次の日。いつものようにパソコンで打ち込み作業をしていると…
「中村さぁん♪」
振り向くとえらく機嫌の良い杉本さんが笑顔で立っていた。
「昨日はありがとうねー♪遅くなったんやってね?ごめんね〜凄く助かったわぁ」2011-03-13 19:08:00 -
31:
名無しさん
「あ、いえいえ〜全然大丈夫ですよ?」
凜子も笑顔で答えた。
というより満面の笑みで…。
『こちらこそありがとうって感じですよ杉本さん(笑)』2011-03-13 19:12:00 -
32:
名無しさん
「水谷君も助かりましたーって言ってたよ!それに、めっちゃ可愛い子が荷受けしてくれましたって♪あんな子いたんですね!って?」
…
キタ----(・∀・)----ッ!!2011-03-13 19:17:00 -
33:
名無しさん
「いやっ?もう〜そんな事ないですよぉ?二人して何言ってるんですか??」
内心本当に嬉しかった。
色気も何もない職場で、こんなにウキウキしたのは初めてだった。2011-03-13 19:20:00 -
34:
名無しさん
あげ?
2011-04-11 16:40:00