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  • 1:

    さく

    俺が生まれて初めて好きになった女の背中には大きな十字架が彫られていた。
    「クリスチャン?」って聞いたらお前は「私が殺した男のイニシャル。」って言ってた。
    今お前は心から笑えてますか?

    2011-05-21 21:27:00
  • 2:

    さく

    18でホストを始めた俺。元々酒好き女好き。天職やと思った。B型の末っ子。何も怖いものはないと思った。

    2011-05-21 21:33:00
  • 3:

    さく

    長所→人見知りがない(ふりが得意)
    人に取り入るのが得意。相手のニーズを把握するのが得意。
    負けず嫌い。
    短所→飽きっぽい。打たれ弱い。ワガママ。って履歴書には書いたかな?

    2011-05-21 21:38:00
  • 4:

    さく

    母親は保険のセールスやってた。親父が俺が生まれてすぐどっか行ったから女手一つで俺を育ててくれた。片親だったけど金銭的に惨めな思いをしたことはなかった。毎日外食に行って毎日プレゼントもらって休みの日はテーマパークに連れて行ってもらって小遣いだってもらってた。
    毎回知らないおっさんに。

    母親は保険のセールスをしながら自分自身も売ってた。

    2011-05-21 21:45:00
  • 5:

    さく

    それを知ったのが14の夏。
    部活が急になくなりいつもより早く家に帰った俺は大好きな母親の子犬のように鳴く姿を見た。
    「おかん…?」
    母親は俺の存在に気づかず快楽を貪っていた。気づいたのは先週キャッチボールをした川合さん。俺を見て冷たい顔で【出て行け】と訴えた。

    2011-05-21 21:56:00
  • 6:

    さく

    音を立てないように玄関から出ると涙がこぼれた。
    悔しくて悲しくて賎しくて何ともいえない感情に押し殺された。

    誰にも話せず公園で時間を潰した。大きな入道雲が形を変えていくのを無心で見てた。

    2011-05-21 22:02:00
  • 7:

    さく

    「…って事があったんよ。でも不思議と母親を軽蔑する事はなかったんよ。最新のゲーム機買い与えてくれて携帯だってもたせてくれて靴下だってパンツだっていつもぴかぴかよ?友達も一杯周りにいたしむしろ環境を与えてくれた母親に感謝したね。」

    2011-05-21 22:08:00
  • 8:

    さく

    新規で来た風俗嬢に俺は昔語りをしていた。
    きっかけは【風俗の仕事って偏見ある?】っていう質問から。
    ホストという職業は嘘をつくから信じてもらえず長続きしたいんだと思う。あいさつみたいに「好き」と言って、無理をして笑うから相手は「仕事」って気づいて夢から覚めるんだと思う。

    2011-05-21 22:16:00
  • 9:

    さく

    俺の言葉はいつも嘘も無理もなかった。店での会話も店以外での会話も俺にとって苦痛に感じることは一度もなかった。
    夜の商売をしてるものは何かしら心の闇を抱えている人間が多いようだがそんな話もまるで小説を読んでいるような気持ちで聞くことができた。

    2011-05-22 06:10:00
  • 10:

    さく

    人の痛みとか闇とか人並みに背負ったつもり。だから同情もしない代わりに同調もせず人の身の丈に傾聴できたのだと思う。 ホストは天職。お客様は親友で彼女で姉妹でホステス。

    2011-05-22 21:59:00
  • 11:

    さく

    「なぁさくやぁ。今日部屋来れる?」接客中にあやのが潤んだ瞳で俺に尋ねた。「全然いいよ?あやのから誘ってくれるのめずらしいなぁ♪」そう答えると「チェックして。。。」あやのは会計を済ませ店を出ていった。閉店の片づけを終えあやのに電話をかけた。

    2011-05-22 22:05:00
  • 12:

    名無しさん

    頑張ってください。

    2011-06-03 08:17:00
  • 13:

    さく

    『お疲れ。今から部屋行くけどプリンと白バラのコーヒー以外に何か欲しいもんある??』「ないよ。早くぎゅーして。。。」『わかった。急いでいくから待っててな。』近くのコンビニであやのが好きなものを目一杯買い込みタクシーを走らせた。

    2011-06-14 20:59:00
  • 14:

    さく

    部屋に入ると何も言わずにあやのは俺に抱きついてきた。『ちょっ。俺汗くさいし酒臭いしやめときや(笑)』「いいねん。さくや…。あたし怖いねん…。」『何も怖いことないから…。おいで。』俺はあやのを抱きしめた。

    2011-06-14 21:06:00
  • 15:

    さく

    あやのは心が弱っていた。容姿も美しくお金も十分すぎるほど持て余していた。店に来だしたのも心の闇を埋めるためだったのだろう。決して男を捜しに来ていたのではなく平静を保つためにプライドを守るために存在意義を確認するために店に通っていた。

    2011-06-15 09:05:00
  • 16:

    さく

    『落ち着いた?』腕の中で小さくなるあやのの髪を撫でた。「うん。ありがとね。昨日あいつから着信あって動揺してしまってん。また過呼吸なってもてな。」『お母さんから連絡あったんやな。お金か?』「んー。何か今一緒にいてる男に金がかかるんやて。暴力もひどいらしいし。とりあえず30振り込んだ。」『そか。お母さんも目さましてくれたらええな。』「うん。。。」俺たちは会話を終えるときつく抱き合って夜を迎えた。

    2011-06-15 09:12:00
  • 17:

    さく

    「さくやー。起きやー。同伴あるんやろ?」あやのに起こされ眠たい目をこすりながらリビングのソファーに腰掛けた。「コーヒー飲む?」『うん。』湯気の立ったマグカップを手渡され一口飲むと頭が徐々に覚醒してきた。

    2011-06-15 11:47:00
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