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1:
◆1pKdxKNrNo
?は?http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1138919740/-52006-04-03 01:10:00 -
597:
◆1pKdxKNrNo
『綾子!お前、コイツ戻せ!』マキはそうあたしの体ごとそばにいたボーイの方へやった。〈――…ッ…〉
『綾サン、とりあえず中いこ!なッ!落ち着きって!』そうしてあたしは引きずられる様に店内に引っ張られた。皆、あたしを見ていた。ボーイに更衣室に連れられ、『大丈夫?』と頭を撫でられ、あたしは我に帰った様に脱力した。
〈やってもた…あたし…〉そうはわかっているのに、苛立ちがまだ収まらず、『あたし謝らんから。』とそっぽを向いて言っていた。2006-06-18 08:20:00 -
598:
◆1pKdxKNrNo
"最悪だ――。"
更衣室にも誰のかもわからない怒鳴り声が聞こえてて、しばらくしてからマキが入ってきて座り込むあたしの両腕を引っ張った。
『…何…?』彼を見上げる。もう、どうでもいい―…『謝って。』『誰に…?』『誰ってアイツやんけ。今落ち着いてるから!』『何であたしが……。』
立とうとしないあたしを持ち上げる様に立たせ、マキはちょっと怒った様に言った。2006-06-18 08:27:00 -
599:
◆1pKdxKNrNo
『…綾、仕事やぞ。その辺のオッサンとケンカしたんちゃうねん。客やぞ。』…久しぶりにマキの怒った顔見るカモ…。あたしこんな時でさえ、そんな事を思ってしまうが、意地を張った。悔しいってゆうのもあって、ふてくされた様に言ってしまう。
『…あんな客いらんやろ。』口が勝手に――…。
『どんなんでも客は客やろ。そんくらいわかるやろ?』2006-06-18 08:32:00 -
600:
◆1pKdxKNrNo
〈なんなん客客って…。〉あたし触られたんやで?それでも客やししゃあないってゆうん?いっつもああゆう客はマキも怒るやん…。何でなん―…。
この時のあたしは仕事とは関係ない、マキに対しての醜い気持ちでいっぱいだった。
『あたしは間違った事ゆうてへんし、悪ない。謝る必要あるん?それでも謝れってゆうん?』2006-06-18 08:37:00 -
601:
◆1pKdxKNrNo
『…わかれや。たった一言で終わりやんけ。な?』
あたしの頭を撫でようとする彼の手を振りはらった。『嫌やゆうてるやん!あたし悪くないもん絶対嫌!手ェ出してきたんも向こうやん!』その言葉にタメ息をつき、手を離すマキ。多分、苛ついてる…。
『お前そんなアホやったん?コレ愛やったら普通に謝って引っ張んで?』
――あたしは彼の嫌味なのかなんなのかわからないが、その言葉に、泣きそうになるのを堪え言った。2006-06-18 08:45:00 -
602:
◆1pKdxKNrNo
『…んな愛ちゃんに変わりに謝ってもらったら。看板やし、許してくれんちゃう。』
自分でも、こんなヒネクレた事をゆう自分に嫌気が刺した。でも、言ってしまった――。
『もういい。お前、そこおれよ!残っとけ!』
マキは少し怒った様にドアを閉め、出て行った。2006-06-18 08:50:00 -
603:
◆1pKdxKNrNo
『…も…嫌……ッ!』
―バン―!ロッカーを蹴った。やってしまった…。怒らせた…。でもあたし謝りたくなかってんもん―…。
そこからあたしはずっと更衣室にいた。外では代表も来て騒ぎになってみたいやけど、収まったみたいで、女の子は着替え始めていた。2006-06-18 08:53:00 -
604:
◆1pKdxKNrNo
ある女の子が教えてくれた。さっきのあの客は、うちが仲良くしてる他店の爆弾で、今日はたまたまその店がいっぱいやったから、こっちを紹介してくれたらしい――。
〈あっちの店の顔汚したって事か…―〉そうやんな、いつもならマキもあんな客追い出すし相手しんもんな…。でもそんなん、言ってくれてたらあたしだって…。2006-06-18 08:58:00 -
605:
◆1pKdxKNrNo
―バン―ッ!更衣室のドアが開く。『綾!』そこには何ヶ月かぶりの代表【山チャン】の姿が――…
『山チャ〜ン!ゴメンなさい〜…!』あたしは山チャンの元へ行き謝った。代表、山チャンは元々あたしをスカウトした人で、あたしのお兄ちゃん的存在だった。
『おうおう!笑 反省してんか?お前!笑 それやったらもうええから!話ついたし。』『んま〜?ホンマゴメン…!あたし知らんくて…その、紹介で…』あたしの言葉を遮る様に山チャンが言った。2006-06-18 09:07:00 -
606:
◆1pKdxKNrNo
『てかお前触られたんやろ?大丈夫か?アイツはああゆう奴やからかなり痛いんやけど爆弾やから、この辺の店じゃ取り合いやねん。』〈そやってんや…。〉
『ゴメン山チャン…。ゴメンなぁ〜…!許してぇ〜…』泣きそうなあたしの頭をポンポンっと叩く山チャン。
『ええて!笑 泣くなよ!笑 綾つけさすんじゃなかったな!悪い?!笑 まぁもうええし、アイツに許してもらい!』笑って言ってマキの方を指す。〈……。〉2006-06-18 09:12:00