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last song

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  • 1:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    ―ピリリリ…ッッピリリ…ピッ
    夕方5時。
    携帯のアラームでダルそうに起きる女━…

    雪。18歳…キャバクラ嬢。

    2006-03-24 09:03:00
  • 88:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    別れを告げた後の晃は…そりゃもう大変。殴るわ暴れるわ…しまいには泣き喚く始末。

    (晃ってこんなんだっけ…)とか殴られながらも冷静な雪。まさに地獄絵図(・Д・)

    2006-03-29 00:58:00
  • 89:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    なんとか晃を落ち着かせ、話し合う。

    晃「別れるとか嫌やしッ…お前しかおらんねんッ…」

    雪「…もう無理やねんて。分かってや…」

    2006-03-29 01:07:00
  • 90:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    なんかあたし等、前と立場逆転してますよヾ(。・ω・)

    雪「な?分かって?とりあえず、もう一緒には住まれへんから。荷物まとめて鍵も置いていって?」

    一緒に住んでいた部屋は、元は雪が一人暮らししていた部屋。そこに晃が転がりこんだってわけ。

    2006-03-29 01:11:00
  • 91:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    雪「いつでも連絡してきていいから。。電話も出るしメ-ルも返すしな。」

    晃「分かった…。連絡だけはとれるようにしといてな?携帯変えるとか無しやで?あと…最後に聞きたいことがあるねん…」

    2006-03-29 01:15:00
  • 92:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    雪「うん…。なに?」

    晃「俺のこと…好きか?」


    泣いて、震える声で静かに問い掛ける晃。いつでもどこでも自信満々で俺様な奴やった。でも誰よりも弱くて、誰よりもあたしを愛してくれていた。それに気付かなかったのは、あたし。

    2006-03-29 01:20:00
  • 93:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    略部分}}

    泣いて、震える声で静かに問い掛ける晃。いつでもどこでも自信満々で俺様な奴やった。でも誰よりも弱くて、誰よりもあたしを愛してくれていた。それに気付かなかったのは、あたし。

    2006-03-29 01:23:00
  • 94:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃「…ッッなぁ?答えて?…俺のこと…好きか??」

    雪「……好きやったよ。」

    晃「ははッ。。好きやったって…過去形かよ…」

    2006-03-29 01:25:00
  • 95:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    力なく笑う晃は、あたしがいつも追い掛けていた晃じゃなかった。自信に満ちあふれていた背中が、小さく見えたんだ。
    本当の晃はどっちなんだろうか―。。あたしにはそれさえも分からない。

    2006-03-29 01:29:00
  • 96:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃「俺…お前が戻ってくるまで待つしな。。」

    雪「………」

    晃「ははッ。なんか言えよ」

    2006-03-29 01:31:00
  • 97:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃も分かってたやろ?あたしはもう戻ることはないって事を。それでも、そんな事言ってくれるんやね。

    ―ありがとう晃。
    大好きやったよ。愛してた。

    2006-03-29 01:34:00
  • 98:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃は、あたしの頭を優しく撫でて、荷物をまとめ始めていた。
    あたしはその姿を見つめていた。あたしは、優しく頭を撫でてくれる晃の手が好きやった。

    2006-03-29 01:36:00
  • 99:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃「…よしッ。荷物はこんなもんかな。こんな荷物持って電車乗るんは恥ずかしいし、タクシーで実家帰るわ。あ、あとこれ…鍵な。」

    ヴィトンのキーケースから、部屋の鍵をはずしテーブルの上に置く。

    晃「なー?なんか淋しいし煙草吸ってから行っていいか?お前横におって?」

    2006-03-29 01:41:00
  • 100:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    くしゃくしゃになったマイルドセブンの箱から一本取出し、晃は手招きをする。
    あたしは静かに晃の横に座り、晃のマイルドセブンを一本貰って火をつけた。
    ―…普段メンソールの煙草を吸うあたしにとって、やっぱり、マイルドセブンは苦手。
    なぜかあたしの目から涙が流れる―…。

    2006-03-29 01:47:00
  • 101:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃「…!!え??なに…お前泣いて…」

    雪「ッッ泣いてへんしな!!煙草の煙が目に入ったの!!」

    苦しい言い訳。だけど晃は、「そっか…」とだけ言って、静かに煙をはいた。涙が止まらない…。

    2006-03-29 01:51:00
  • 102:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    雪「…ヒックッ…晃ぁ…ごめんな。。ありがとう…」

    晃は何も応えず、あたしの頭をポンポンッと軽くたたいて、煙草を灰皿に押しつける。それを見たあたしも、吸っていた煙草を消して涙を拭いて立ち上がった。

    2006-03-29 01:55:00
  • 103:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    雪「へへッ。…行こっか。下まで送るわ。」

    鼻声なのに、必死に明るく振る舞い、晃の荷物を持った。

    晃「いや、玄関まででいい。」

    2006-03-29 01:58:00
  • 104:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    晃は残りの荷物を手にとりあたしに優しくほほ笑み、玄関まで歩きだした。あたしは晃の後ろについて歩きだす。

    晃「……じゃあ。お前今日は仕事休みやろ?ゆっくり休みなぁ。」と言いながらあたしが持っていた荷物を手に取り靴を履く。

    2006-03-29 02:01:00
  • 105:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    また軽くあたしの頭を撫でて、優しく微笑む。

    晃「じゃあ…な。また連絡するし☆ぶちんなよー笑」

    雪「ぶちらへんよ!!…ほな、気ぃつけて。またね!!」

    2006-03-29 02:03:00
  • 106:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    ――バタンッッ…コツコツコツ。。
    ドアが閉まる音と、晃の革靴の音が小さく響く。


    ―…これで良かったんや。もう泣かへん…。

    2006-03-29 02:05:00
  • 107:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    心なしか、広く感じる部屋を見渡して大きく息を吸う
    晃がつけていたブルガリの香水の香りだけが部屋に残っている。

    2006-03-29 02:08:00
  • 108:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    ―それから数か月後。
    あたしは祐樹と付き合いだした。あたしの片思いかと思っていたが、祐樹も想いを寄せてくれていた。


    晃からはマメにメ-ルが来ていた。最後にきたメ-ルは「雪、元気か?俺、ホスト辞めるかもしらん。やっぱりお前がおらな頑張る気しやんしなぁ?笑?」あたしはそのメ-ルの返事を返さなかった。その頃には祐樹との恋愛でいっぱいいっぱいだった。晃には、祐樹と付き合ってる事は言ってない。ただ、片思いだ―…と嘘をついていた。

    2006-03-29 02:14:00
  • 109:

    雪 ◆69.0kY8lhQ

    それからは晃からの連絡は無くなり、あたしは祐樹との付き合いも順調で、仕事も順調で。晃のことも忘れかけていた――。

    ――…そして今現在。
    カフェで偶然、晃に再会した。

    2006-03-29 02:17:00
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