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  • 1:

    私は全てにおいてトップに立ちたい…
     
    恋も‥
    仕事も…。

    2005-08-16 21:01:00
  • 2:

    コピペ

    これはコピペなので質問等にはこたえれません
    m(_ _)m

    2005-08-16 21:03:00
  • 3:

    『いらっしゃいませ』
     
    今日も次々に客が店に来る 
    私が働いてるのは そんなに大きくはない、肩書きはラウンジ。
    でも実際はスナックと変わりはない。
    料金も安い為 店自体も暇ではない店。
    そこでの私はチーママという肩書きを貰っている。
    でも あくまで肩書きだけなんだ‥

    2005-08-16 21:04:00
  • 4:

    『チーママこれ!!お願いします』
    語尾に敬語はつくものの‥下っぱの仕事までやらされる。
    私の年は二十歳‥
    店では最年少。
    ママは35才。
    美人だけど酔うと質が悪い

    2005-08-16 21:05:00
  • 5:

    『ミーティングするから集まって』
    私が言うと みんな怠そうに席につく‥
    『あきちゃん、最近手抜いてないですか?!お客さん来てないけど…』
    『みかちゃん、いつも時間ギリギリですね‥無断欠勤も目立つし少し気を付けて下さい』
    一人一人 注意をする。
    ママは黙って話を聞いているだけ。髪の毛をいじりながら、爪をいじりながら話を聞くスタッフに私の怒りは限界だった。

    2005-08-16 21:06:00
  • 6:

    そもそも 私がチーママになったのに特に理由なんてなかった。
    たまたま売り上げが多かったから‥
    オープンして二年‥
    私はオープンからいて たった半年でチーママになった。
    でも楽なものではなかった 苦労も努力もした。

    2005-08-16 21:07:00
  • 7:

    中間管理職
     
    下から上から、愚痴や要望が次々に出てくる
    『もー嫌っ‥』
    これが私の本音だった。
    楽しいはずの仕事が苦痛でしかなくなってきた。
    『お疲れさまです』 ボーイに送って貰い家の鍵をあける。

    2005-08-16 21:08:00
  • 8:

    ガチャ━・・『ただいまぁ‥』
    『…おかえり』
    『仕事は?』
    靴を脱ぎながら言う私‥
    『もーちょいしたら出る』

    2005-08-16 21:09:00
  • 9:

    よくある話。
    彼と住みだして一年が過ぎた‥
    彼は夢を売る仕事。【ホスト】
    ホステスとホストの恋愛話なんて そこら中に沢山ある。
    私たちもその中の一組‥
    恋人よりは同類に近い。

    2005-08-16 21:11:00
  • 10:

    彼、一輝と私は同い年。
    たまたま 飲みに行った店で知り合い いつのまにか体の関係になり‥
    いつしか【恋人】という肩書きが後からついてきた。 
    これも肩書きだけ。
    一輝は干渉しない女が欲しかったから‥
    私は一人になりたくなかったから‥

    2005-08-16 21:12:00
  • 11:

    確かに最初は引かれてた。 
    男の色気に・・
    硬派な部分に・・
     
    でも一緒にいればいる程 汚い所は見えてくる。

    2005-08-16 21:15:00
  • 12:

    ♪♪〜
    『もしもしぃ〜』
    ガチャ━・・
    電話が鳴ると同時に寝室に入りドアを閉める一輝。。

    2005-08-16 21:16:00
  • 13:

    そして いつものように 話終えるとリビングのソファーに向かって携帯を投げる。
    『だりぃ〜』
    ソファーに座り また携帯をいじる。
    『瞳、金ちょうだい!欲しい物あるから!!』
    手のひらを こちらに向けて一輝が手を出す。

    2005-08-16 21:16:00
  • 14:

    一輝からは最低でも毎月、給料日に20万は貰う‥
    でも 実際 度々お金を渡す事が増えて 貰っているお金よりも一輝が使ってる額のが多い時の方が最近は多い。
    『何買うの?』
    私は雑誌を広げながら一輝に聞く。
    『必要な物…』
    いつも こんな感じの返事

    2005-08-16 21:17:00
  • 15:

    私達が一緒にいる意味なんて本当はないのかも知れない‥
    好きかどうかさえ私には分からない。
    でも何故か私から離れる事は出来なかった。
    『これで足りる?』
    私は財布から三万を 取出し 一輝に見せる。

    2005-08-16 21:19:00
  • 16:

    『ぉお。じゃ行ってきます‥』
    一輝はお金を片手に取り、もう片方の手を私の耳に当てて私の顎を少し上に向け目を閉じる。
    たった数秒のキスですら義務に感じる。
    一輝から『愛してる』などの甘い言葉を聞く事なんてかなり前からなくなっていた。

    2005-08-16 21:20:00
  • 17:

    それだけじゃない‥
     
    『ありがとう』
    『ごめん』
    の言葉すら聞かない。

    2005-08-16 21:21:00
  • 18:

    一輝への不満も私にとってストレスの一部だった。
     
    一輝を仕事に見送り私はシフトを作る。
     
    我儘なスタッフが多く 私にとって一番嫌な仕事だった。

    2005-08-16 21:22:00
  • 19:

    『辞めようかな‥』
    独り言を言いながら頭をひねる。
     
    そして一通り終えると私はお酒を飲み 眠りにつく。 
    目覚めると隣には一輝がお酒や香水の匂いを漂わせて隣に眠っていた。

    2005-08-16 21:23:00
  • 20:

    一輝の髪の毛を触りながら 
    『一輝ぃ‥着替えないとスーツしわになるよ…』
    『ん〜‥瞳・・?!』それだけ言うと一輝はまた寝息をたて眠った。
    この時ばかりは一輝の事を愛しく思う。
    いつもこれくらい可愛ければ…

    2005-08-16 21:24:00
  • 21:

    重い身体を無理矢理起こして私はリビングに行き 一休憩するとご飯の支度をして仕事に向かう。

    『おはようございます』
    店に入るとボーイが掃除をしていた。
    次々に女の子が出勤してくる。

    2005-08-16 21:25:00
  • 22:

    開店時間になり お客さまが次々に来られる。
    『すいません、チーママ…みかちゃんのお客様来られてるんですけど、みかちゃん来られてないんです』
    私の頭の中には【またかっ…】という言葉だけ。
    私はみかちゃんの携帯に電話をかけてみる。
    【おかけになった電話は、電波の届かない所におられるか、電源が入って…】

    2005-08-16 21:26:00
  • 23:

    これもいつもの事。。
    でも、みかを切らない訳は人気があるから‥
    容姿も可愛いし 何より甘えた上手。
    店にとってはプラスだった 
    仕方なく代わりの女の子をつけてミカからの連絡を待つ‥

    2005-08-16 21:27:00
  • 24:

    結局 ミカちゃんからの連絡はなかった。
    営業終了後━・・
    『雅ちゃん、ちょっと時間いい?』
    『何ですかぁ?!』
    『雅ちゃんとミカちゃん仲いいやんね?!最近ミカちゃん当欠多いけど何か聞いてない?』

    2005-08-16 21:28:00
  • 25:

    雅とミカは二人とも23歳。 
    殆ど同じくらいに入店した事もあり 一番仲がいい
    『知らなぁ〜い。またホストにでもハマってるんじゃないですかぁ…』
    『そぅ‥お疲れさま』

    2005-08-16 21:30:00
  • 26:

    ホストかぁ‥
    ミカはハマりそうだと思った。
    仕事さえしてくれたら関係ない。

    2005-08-16 21:31:00
  • 27:

    『ママ、いいですか?!』
    私が話かけるもママはかなり酔ってる様子で 聞いているのかすら分からない様子だった。
    『絶対このままじゃ潰れる』
    これが私の本音。確信があった‥
    私はママに話するのをやめて家に帰った。

    2005-08-16 21:32:00
  • 28:

    再度 ミカに電話をかけてみる。
    プルルル・・
    やっと繋がった電話。
    『はぃ…』
    『もしもし‥みかちゃん?!今日出勤じゃなかった?』

    2005-08-16 21:33:00
  • 29:

    『体調が悪くて‥』
    『それなら誰でもいいから連絡入れてね。こんな事が続くならいくら人気があっても切る事もあるから』
    『はい‥』
    『何か店に不満でもあるの?それともプライベートの事?』
    『・・・』沈黙が続く。。

    2005-08-16 21:34:00
  • 30:

    『何かあったら言ってね。じゃ‥』
    電話を切った後も 私の中では何かモヤモヤした物が残った。
    私だって本当はスタッフとも仲良くしたい…
    仲が悪い訳ではない。
    でも何処か壁がある‥

    2005-08-16 21:35:00
  • 31:

    ずっとなりたかったチーママという立場。
    いつかなりたい【ママ】という立場。
     
    でも私の望みはあまりにも早く叶いすぎた。

    2005-08-16 21:36:00
  • 32:

    階段を一段飛ばしで登ったから‥
    憧れと現実とのギャップはかなり大きかった。
    でも今更やめれない。
    これは私のプライド‥
    水商売に対してのプロ意識

    2005-08-16 21:38:00
  • 33:

    次の日 私主催の親睦会を開いた。
     
    『チーママ、いきなりどしたんですか?』
     
    親睦会と称した、ただの飲み会‥

    2005-08-16 21:40:00
  • 34:

    『ん〜何かみんなと飲みたいなぁ‥って思って』
     
    『何かチーママ違う人みたい‥。』
    みんなが笑う。
    私は心の中で少しショックを受けた。

    2005-08-16 21:41:00
  • 35:

    普段どんな風に見られてるのか‥
    確かに怒る事もある。
    ママが言いにくい事でも私が言ったりしないといけない事も多々ある‥
    でも店を出れば私もただの二十歳の女。
    ごく普通の子‥そこら辺にいる子と変わりない‥。

    2005-08-16 21:42:00
  • 36:

    『チーママって彼氏いるんですかぁ?』
    一人の女の子が私に聞く。 
    『まぁ‥一応。』
    少し照れ気味で私が答えると
    『写メとかプリクラないんですかぁ?見たい!!』

    2005-08-16 21:43:00
  • 37:

    『ないよ‥また会わすわぁ。』
    本当はプリクラもたくさんある。
    でも一樹はごく近くの店のホスト‥
    見せれるわけがない。

    2005-08-16 21:44:00
  • 38:

    その日を境に私とスタッフは少しずつ距離を縮めていった。
    ゲストの好き嫌い‥
    彼氏の相談‥
    ママ、店への不満‥女の子同士の中傷‥
    いろんな話をしてくれるようになって 私の中では仕事に楽しさを取り戻していった。

    2005-08-16 21:45:00
  • 39:

    『瞳ちゃん、あのお客さん腰とか触ってくるから嫌やぁ‥』
    『わかった。私が行くわ‥』
    いつからか私の事をチーママではなく瞳ちゃんと呼ぶ女の子の方が多くなっていった。
    私も特に気には止めず年下だし それでいいと思っていた。

    2005-08-16 21:45:00
  • 40:

    私が心を開かないと向こうも開いてはくれない。
    仲が悪くては仕事なんて出来ない。
    これが私の考え‥

    2005-08-16 21:46:00
  • 41:

    『瞳ちゃん、終わった後、飲みに行こうよ‥』
    アキちゃんが私を誘う。
    『いいよ!』
    そしてアキとミカに後二人の女の子と五人で行った店は 運が悪くも彼氏の店だった。

    2005-08-16 21:47:00
  • 42:

    【いらっしゃいませ】
    何度か来たことはある。
    一輝との出会いの場‥
    たまたま友達とフリーで入ったお店。
    でも一輝と関係が出来てからは来なくなった。

    2005-08-16 21:48:00
  • 43:

    一瞬だけ私の動きが止まった。
     
    動きを止まられた発言をしたのはミカ‥
    私とミカの距離は今だに遠い。
    嫌な予感がした‥

    2005-08-16 21:50:00
  • 44:

    『ミカちゃん、いらっしゃい‥』

    私にすら見せた事ない愛想のよさで一輝は私たちの方に向かってきた。

    2005-08-16 21:51:00
  • 45:

    そして一瞬で私と目が合う 
    そらしたのは私の方だった 
    『店の人?』
    一輝がミカに聞く。
    『うん。』

    2005-08-16 21:52:00
  • 46:

    『初めまして』
     
    名刺を両手に持ち一輝が私に渡そうとする。
     
    『あっ、初めまして‥瞳です。』

    2005-08-16 21:53:00
  • 47:

    私も名刺を返す。
     
    一瞬でわかった事。
    ミカは一輝が好きだって事…

    2005-08-16 21:53:00
  • 48:

    そして一輝にとってミカは必要な客だって事‥
     
    一輝とミカは仲良さげに話をしている。
    私はそれを見ても見ぬふりをした。
    【嫌だ】とか【私の彼氏なのに‥】という感情は無かったけれど何か心の中に嫌な空気が残った。

    2005-08-16 21:54:00
  • 49:

    一時間ほど経ち みんなそれなりに楽しんでいた。
    でも何故か私は心の底から笑ってなかった‥
     
    嫌でも視界に入る二人の姿 
    嫉妬‥‥?!

    2005-08-16 21:55:00
  • 50:

    『ごめん‥先帰るわ』
    私は財布に手を掛けながら言う。
    『チーママ帰るんですかぁ?!』

    2005-08-16 21:56:00
  • 51:

    一番に声をあげたのは一輝の腕に手を回すミカだった 
    『家片付けないとあかんし…ごめんね。みんな楽しんで帰り』
    私は財布からあるだけの万札を出し席をたとうとした 
    『もしかして彼氏が来るとか?!』
    ミカは一輝とのイチャイチャぶりを見てほしいかのように私に話かける。

    2005-08-16 21:57:00
  • 52:

    貴方が腕を回してくっついてるのが うちの彼氏ですから‥
    貴方は色カノ?!
    私は宿カノ?!
    でも欲しいならあげる‥

    2005-08-16 21:58:00
  • 53:

    ホストに本気になんてならないから。
    いゃ…本気の恋愛なんてした事ないから‥
     
    『まぁ‥じゃ明日遅刻しないようにね。おやすみ』
    私は足早に店を後にした。

    2005-08-16 21:59:00
  • 54:

    『ありがとうございました…また店寄らして貰います。でもチーママ俺の事覚えといて下さいよっ!!』
    新人ホストの春がエレベータのボタンを押しながら私に笑顔を向けて言っていた。
    『はい。私もまた寄らして貰うねぇ。ありがとう』
    社交辞令を交わす私達‥
    『瞳っ!!』

    2005-08-16 22:00:00
  • 55:

    振り返るとそこにいたのは一輝だった。
    『はい?!』
    『何でお前あんなに払ったん?ミカに払わせたらいいやろ!!』
    『私仮にもチーママやで。従業員に払わせたり出来ないやん。しかもここやって知ってたら来なかったわっ…一輝は何も言うてくれんねっ。しかもお金の話ばっか‥バイバイ』

    2005-08-16 22:01:00
  • 56:

    ビックリした様子の春に
    『ありがとう。ご馳走様』とだけ言い私は一人エレベータに乗った。
     
    家での私たちの会話はお金の事ばかり‥

    2005-08-16 22:02:00
  • 57:

    一輝にとって私は何?
    私には一輝が必要なんだよ 
    多分‥
    自分でも気付かない内に‥ 
    貴方に惚れていた‥

    2005-08-16 22:03:00
  • 58:

    私は家に帰り すぐに眠った。
    ダブルベット‥
    いつもなら一輝が隣で眠るから左側で寝るけど おもいきり真ん中で寝た。
    帰って来ないと思ったから

    2005-08-16 22:04:00
  • 59:

    夢の中で 私は幸せそうに笑ってた‥
    何の夢かは覚えてない。
    でも嫌な夢じゃなかった‥ 
    とっても温かい夢…
    『・・み━・・ひとみ‥』

    2005-08-16 22:05:00
  • 60:

    『んっっ・・』
    体をポンポンと叩かれて半分、夢見心地で目を開けると 隣にはスーツ姿の一輝が座っていた。
    『ちょっと話いい?』
    いつもより優しく話す一輝に私は頷きリビングに向かった。

    2005-08-16 22:06:00
  • 61:

    『コーヒー飲むか?』
    普段なら絶対そんな事言わないし、しない。
    一輝はお殿様‥
    私は・・・家政婦?!

    2005-08-16 22:07:00
  • 62:

    一輝のが立場は上。
    嫌だけど離れれない‥
    一人になりたくない。。

    2005-08-16 22:08:00
  • 63:

    でも、一輝が別れを告げるなら 私は何も言わない。 
    かっこいい女でいたい。
    ちっぽけな私のプライド‥ 
    『話って?!』
    私はタバコに火をつけながら言った。

    2005-08-16 22:09:00
  • 64:

    『今日ごめんなっ‥後、ミカの事も。瞳と同じ店の子やって知ってたけど‥』
    『だから何?』
    『いゃ…おれらの事さっ・・内緒にしてくれるよなっ?!』
    私の中で何かスイッチが入った。
    『ミカとこ行けば?』

    2005-08-16 22:10:00
  • 65:

    『はぁ?!』
    『だからミカと付き合えばいいやん。私が誰にでもペラペラ一輝の事話してるとでも思ってたん?』
    『いや違うけど‥』
    『もう肩書きだけの彼氏なんかいらんから。住む家なんか他にもいっぱい、あるでしょ!!一輝がおらな生きていけんくなる前に早く出て行って‥これ以上、苦しめんといて。』

    2005-08-16 22:11:00
  • 66:

    涙が次から次に溢れてきた
    自分で自分が言った言葉の意味が理解出来なかった。 
    ホストになんて本気にならない‥
    人を本気で好きになったりしない‥
    干渉しない人なら誰でも良かった筈‥

    2005-08-16 22:12:00
  • 67:

    矛盾ばかりの私の気持ち‥ 
    かっこいい女でいたいと願った私が誰より惨めな女だと思った。

    2005-08-16 22:13:00
  • 68:

    『何で泣くん?俺、別に住む家が欲しいから瞳とおるんちゃうで‥瞳とおりたいからおるんやで。』
    真っすぐ私を見つめて言う一輝の言葉が事実か偽りかそのときの私には分からなかった。
    ひたすら流れる涙‥
    初めて言った私の本音‥
    初めて聞いた一輝の甘い言葉‥

    2005-08-16 22:14:00
  • 69:

    一輝は椅子から立ち上がり私の隣に来て私の頭を撫でながら
    『一緒に頑張っていこな。瞳いつも口に出さへんけど俺、瞳のわがままくらい聞いてやれるし‥なっ!?』
    小さく頷いた私。
    甘い蜜にやられた私‥
    でも嬉しかった。一輝が私を必要としていてくれる事が‥

    2005-08-16 22:15:00
  • 70:

    その日は久しぶりに一輝と体を重ねた‥
    今までは義務としか感じなかったキス‥
    愛の証と意味づけてしていたセックス‥
    それがこの日を境に私の中で変わっていった。
    【愛しい】という言葉の本当の意味が分かったような気がした。

    2005-08-16 22:16:00
  • 71:

    次の日
    朝から二人で買い物に出掛けた。
    久しぶりのデート‥私達は今まで話をしなさすぎた。 
    その穴を埋めるように 出会った頃の二人に戻り 沢山の話をしながら手を繋ぎ歩いた。
    家につき仕事の用意をして靴を履いていると 一輝が私に駆け寄って来た。

    2005-08-16 22:17:00
  • 72:

    『瞳、頑張ってなっ‥』
    一輝の手が耳にかかり私は目を閉じる。
    愛情いっぱいのキス‥
    そして目を開けると私の左手の薬指には キラキラ光るリングがついていた。

    2005-08-16 22:18:00
  • 73:

    『何これ…?!』
     
    『いつも一緒の証』
    一輝が左手を見せながら言う。

    2005-08-16 22:19:00
  • 74:

    シルバーのリングの真ん中に小さな石が入っているリング‥
    一輝の左手にも同じのがついていた。
    『嬉しい‥』
    私が指輪を見ながら小さな声で言うと『店では外していいけど普段はつけてなっ!!』
    『うん!ありがとう』

    2005-08-16 22:20:00
  • 75:

    私は 小さな子供が初めておもちゃを買って貰った時のように喜んだ。
    タクシーの中でも ずっと指輪を眺めてはにやけていた。
    男の人から指輪を貰った事は今までにもあるのに、特別嬉しかった。
    『おはよう‥』
    私は半分にやけながら店に入った。

    2005-08-16 22:21:00
  • 76:

    『おはようございます』
     
    私はグラスにお茶を入れタバコに火をつけて座っていた。
    『チーママ、何かいい事ありました?』
    新人の唯が私に話かける。

    2005-08-16 22:22:00
  • 77:

    『何で?!』
    灰皿に灰を落としながら答えた。
    『何か顔にやけてますよっ!!』
    本当は話したい‥
    自慢したい。。

    2005-08-16 22:23:00
  • 78:

    でも我慢、我慢‥この幸せを守るためには仕方ない。
    『何もないよ!何か今日は気分がいいだけ。それより唯ちゃんはどうなん?』
    唯と仕事の話をしていると誰より苦手なミカが出勤してきた。
    『チーママ、おはようございます‥』
    『おはようございます。ミカちゃんまたギリギリだよぉ〜もぅ少し頑張ってね』

    2005-08-16 22:24:00
  • 79:

    『はぁ〜い…唯、灰皿とってきてっ!!』
    ミカは唯の事をよく思っていない。
    唯は新人の割に人気があるから‥
    特に可愛いわけでもないけれど愛敬の良さは抜群!持って生まれたモノだからミカには真似出来ない。
    自分の立場の危うさに気付いているのか唯の事を目の敵にする‥

    2005-08-16 22:26:00
  • 80:

    『失礼します』
    コトッ━・・
    唯がミカの前に灰皿を置いた。
    『ちょっと濡れてるやん。替えてきて!』
    まるで中学生‥

    2005-08-16 22:27:00
  • 81:

    『ミカちゃん。唯ちゃんもまだ分からない事あるやろし教えてあげてねっ‥』
    私は冷静に話した。
    『だって唯の奴覚える気ないんやもん…教えてもハイハイ言うて笑うだけで又同じミスするし‥』

    2005-08-16 22:28:00
  • 82:

    同性ばかりの職場は難しい…
    仲が悪いのは困る‥
    でも仲が良すぎるのも正直困る‥
    友達であっても【ライバル】ではいて欲しいから。
    でもミカの場合は唯をよく思ってないのは誰が見ても分かる程‥それも店的には困る‥

    2005-08-16 22:29:00
  • 83:

    『なるべく私も言うところは言うから。ねっ?!』
    『でもっ・・』
    『でもとか言わない!怒ったら可愛い顔台無しだょ…ミカちゃんは笑顔が可愛いのにっ!!また飲みに連れていってあげるから!』
    『本間に?!』
    ミカを宥めるなんて簡単。 『うん!さっ!!今日も一日頑張るよぉ!!』

    2005-08-16 22:30:00
  • 84:

    ミカはおいしい餌を目の前に置けば とびついてくるペットのよう‥
    その餌が【ホスト】
    『今日頑張ったら一輝の所連れてってくださいねぇ』 
    満面の笑みで携帯片手にミカは私の前を通り過ぎた‥ 
    一輝の所・・?!不気味な三角関係にはなりたくない‥

    2005-08-16 22:32:00
  • 85:

    たくさんの男の子の店がある中で 何で一輝?!
    たくさんのお客さんがいるなかで 何でミカ?!
    でも これだってよくある話‥
    珍しくはない━・・
    でも よりによって相手がミカ・・━

    2005-08-16 22:32:00
  • 86:

    『お疲れさまで〜す』
    女の子が次々に帰宅していく中…
    『チーママ、お疲れさまです!!』
    ミカが嬉しそうに私のもとへ寄ってきた。

    2005-08-16 22:34:00
  • 87:

    『お疲れさま。』
    私は帰り支度をしながら答えた。
    正直、今日は疲れた…

    2005-08-16 22:35:00
  • 88:

    『チーママ、ミカ今日頑張ったでしょ?!一輝の所一緒に行きますよね?!』
    『あっ・・‥うん…少しだけ行こうかぁ』
    忘れていた。。ミカとの約束…
    でも断ってこれ以上 険悪になるのも困る…。
    『嬉しいぃ!!じゃ一輝に連絡しときますねっ!!』

    2005-08-16 22:36:00
  • 89:

    『あっ!!ミカちゃん!唯ちゃんも誘ってあげて!!』
    『えっ?!』
    ミカの顔が一瞬ムッとしたのは言うまでもない‥
    『誘ってあげてねっ!!』

    2005-08-16 22:37:00
  • 90:

    『どうしてですか?!』
    『いいから!!ミカちゃんが言いにくいなら私が言うけど?!』
    『私一輝に電話するんでチーママお願いします』
    さっきまでのテンションはどこにいったのか、冷たく言い放ちミカは電話をかけに行った。

    2005-08-16 22:38:00
  • 91:

    『唯ちゃん、今から予定ある??』
    『えっ?!ないですけど??』 
    驚いたように目を丸くして唯が私を見る‥
    『今からミカちゃんと飲みに行くんだけど唯ちゃんも行かない?同業者の店だから勉強にもなると思うんだけど‥』

    2005-08-16 22:38:00
  • 92:

    『唯も行っていいんですか?!』
    嬉しそうに笑顔になる唯は私からしても可愛かった。 
    『いいよ!!一緒にいこっ!ミカちゃん戻ってきたら出るから用意しといて』
    少しでもミカと唯が仲良くなってくれれば…
    そんな気持ちで私は店を出た。

    2005-08-16 22:40:00
  • 93:

    『いらっしゃいませ!!』
    結局店につくまで唯とミカは会話がなかった。
    ずっと携帯を触るミカ‥唯は私にべったり‥。
    『一輝ぃ〜!!』
    店に入り一輝を見つけた瞬間黄色い声を放ちながら一輝に抱きつくミカ‥

    2005-08-16 22:42:00
  • 94:

    『ちょ、ミカちゃん酔うてるん?!』
    一輝がさり気なくミカの身体を押し離す‥
    酔ってる訳じゃない。。
    私達に見せびらかしたいだけなのは 分かってる。
    だから 私は何も反応しない‥

    2005-08-16 22:44:00
  • 95:

    ふと 唯を見ると唯は空気にのまれてるようだった‥ 
    『お久しぶりです。』
    一輝が私におしぼりを渡しながら言う。
    『ありがとう‥』
    満面の笑みで私は一輝と目を合わせた。

    2005-08-16 22:45:00
  • 96:

    いつもより 一輝の顔がすごくやさしく見えた。。
     
    『初めまして!!一輝って言います。一応主任やらして貰ってます』
    『あっ。唯です』
    一輝の名刺を受け取りながら唯は少し緊張した様子だった‥

    2005-08-16 22:46:00
  • 97:

    『唯ちゃん緊張してる?』 
    『はぃぃ…唯こういう所初めてで・・チーママは、よく来るんですか?』
    『あんまり来ないよ。でもたまに来たら楽しいし!!緊張するような所じゃないから!ねっ?!』
    唯の顔が笑顔に変わり 私も少し安心した。
    『乾杯ぃ!!』

    2005-08-16 22:47:00
  • 98:

    みんなでグラスを片手に乾杯し 取り合えず一気‥
     
    そして また一気・・
     
    一輝の他に男の子が二人ついていたけれど 名前すら聞かないまま 飲まされ続けた。

    2005-08-16 22:48:00
  • 99:

    ガバッッ・・━
     
    『チーママぁ━・・』
     
    抱きついて来たのは春だった。

    2005-08-16 22:49:00
  • 100:

    『ビックリしたぁ‥』思わず出た一言。。
    ふと目を横にやると またまた唯が目を丸くして私を見ていた。
    『ハハハ・・』
    愛想笑いをすると唯も少し引きつった笑顔で私を見た 
    『春〜どしたん?いっぱい飲まされたん?!』

    2005-08-16 22:50:00
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