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━━Road━━
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1:
知香
http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1146078996/1-50
IP強制表示中:210.136.161.382006-04-28 00:32:00 -
2:
知香
「舞とりあえず帰んで。はよ用意して」
あたしは舞の手を引っ張って起こして、舞のカバンを持った。
「なによ急にぃ。どうしたんよ雪」IP強制表示中:210.136.161.1382006-04-28 00:38:00 -
3:
知香
あたしは黙って真人のほうを見た。真人はばれてるって気付いてない。
「とりあえず行くで。後でわけ話すから」
「もぉ…分かった。ちょっと待ってな」IP強制表示中:210.136.161.1312006-04-28 00:39:00 -
4:
知香
舞は嫌々ながらあたしと一緒に真人の部屋を出た。
「まぁ君また電話するわ。ごめんなぁ」
「えーって気にすんな」
「俺こいつら送って帰るわ。まぁお前月曜遅刻すんなよ」IP強制表示中:210.136.161.1292006-04-28 00:41:00 -
5:
知香
「とりあえず送るわ」
司がそう言ってあたし達の少し前を歩いていく。あたしはこの時から多分…司の見方が変わってたんかもしれん。
チャラチャラした男。でもそれは見た目だけだった。知れば知るほどあたしは司にはまっていくことになるなんてこの時は思いもしなかった。IP強制表示中:210.136.161.442006-04-28 00:44:00 -
6:
知香
「おい!着いたで」
目を覚ました時はもう家の近くだった。隣を見たら舞はもういない。
「あたし寝てた?てゆうか舞は?帰ったん?」IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 00:49:00 -
7:
知香
「おー先送っておろした。お前爆睡やんまじ。今何時か分かってる?」
え?そう思って携帯をひらくとあたしはびっくりして言葉がでなかった。
「12時…」IP強制表示中:210.136.161.432006-04-28 00:51:00 -
8:
知香
「お前めっちゃ寝てたし起こすの可哀相やったから。まぁ俺もちょっと寝てたからいいけど」
「ごめん…な」
ふと気付いた。後部座席に座っていたあたしのひざには司のジャケットがかけられていた。IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 00:53:00 -
9:
知香
「あ、これごめんな。ありがとう」
あたしは妙に緊張しながら司にジャケットを渡した。司は一言「おー」とだけ言って返したジャケットを助手席に置いた。
「じゃあ…あたし帰るわ。ありがとう」IP強制表示中:210.136.161.1402006-04-28 00:56:00 -
10:
知香
慌てて車からおりたあたしは少し小走りで家へと急いだ。
「雪!今日夜あけとけよ!迎えにくるから!」
司は窓をあけてそう叫んでた。あたしは聞こえないふりをして自分のマンションへと入った。IP強制表示中:210.136.161.352006-04-28 00:59:00 -
11:
知香
「ただいまぁ…」
変な気持ちのまま帰宅したあたしは家族の誰とも話さないまま黙って部屋に入り布団にごろんとしながらぼーっとしてた。
あいつ夜あけといてとか言ってたやんな…しかも迎えにくるとか…なんなんほんま。IP強制表示中:210.136.161.392006-04-28 01:01:00 -
12:
知香
とりあえず舞に電話をかけることにした。舞はすぐに電話に出た。
「雪ぃそーいえば昨日どうしたん?」
「あぁ…あんな、真人女おるらしいで」
「・・・嘘やろ?」IP強制表示中:210.136.161.1312006-04-28 01:03:00 -
13:
知香
「ほんまやで。系列のキャバクラの女やねんて。だから真人はやめとき」
「誰から聞いたん?まぁ君女おらんって言ってたもん。もう別れてるかもしれんやん」
女ってこんなもん。すぐに現実から目をそらそうとする。IP強制表示中:210.136.161.442006-04-28 01:05:00 -
14:
知香
「でももし女ほんまにおったらどうすんの?」
あたしがそう言った時、舞の携帯にキャッチが入り、あたしはとりあえず電話を切った。
舞…ほんまに真人のこと好きなんかな…?なんか複雑だった。IP強制表示中:210.136.161.1312006-04-28 01:08:00 -
15:
知香
しばらくぼーっとしていると舞から電話が鳴った。
「もしもし?」
「雪ぃ…ごめん。ほんまやったわ女おったの」
「えっ?なんで?なんか聞いたん?」IP強制表示中:210.136.161.352006-04-28 01:19:00 -
16:
知香
「女から…電話かかってきた」
真人の女は舞に電話をかけてきて浮気してたんかってすごい勢いでまくし立てられたらしい。
「いいやん。もう忘れ。真人なんかたいした男ちゃうやん。舞にはもっといい男おるって」IP強制表示中:210.136.161.372006-04-28 01:21:00 -
17:
知香
慰めにもならないかもしれない。でもやっぱり舞は大事な友達。傷ついた時は一緒に思いを分け合ってあげたいと思った。
舞とは小6の頃からずっと仲がよくて、中学に入ると愛、ひかる、さやか、香苗、さゆとゆうやんちゃメンバーの仲良し七人グループができた。IP強制表示中:210.136.161.422006-04-28 01:25:00 -
18:
知香
ヤンキーに憧れだしたきっかけは中学の一年頃だった。
かっこよくていつもキラキラしていた先輩がいた。瑠偉(るい)君とゆう人だった。
瑠偉くんはあたしの一つ上で、ヤンキーグループの一員で中学二年にもかかわらず暴走族に入っていた。IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 01:41:00 -
19:
知香
でもそんな中学一年の冬の日、舞がみんなの前でこう言った。
「舞な、瑠偉くんのこと好きかも。だってめっちゃかっこよくない?」
あたしとさやかは目を合わしつつも何も言わなかった。IP強制表示中:210.136.161.1372006-04-28 01:49:00 -
20:
知香
舞にはお姉ちゃんがいて、そのお姉ちゃんはあたし達より三歳年上。
おまけにヤンキーで族の彼氏がいた。だから自然とあたし達七人のグループのリーダー的存在は舞になってた。
だからなんとなく言いにくかった。あたしは好きかどうかも分からなかったから。IP強制表示中:210.136.161.1322006-04-28 01:51:00 -
21:
知香
「応援するわ」
「舞がんばりや」
こんな言葉が舞にかけられていく。変な話だけど身を引くべき状態に勝手に追い込まれてた。
瑠偉くんか…かっこいいけど話したこともないし…もういっか。あたしの憧れの存在だった瑠偉くんを頭から抹消した。IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 01:54:00 -
22:
知香
「雪ぃーいーやん付き合いぃやっ」
こう言ったのは舞だった。あたしが呼び出されて告白をされていた時、勝手についてきたあげく、やたらと付き合うことをプッシュしてきた。
「でも…」IP強制表示中:210.136.161.1362006-04-28 01:58:00 -
23:
知香
「とりあえずいいやん。なっ?オッケーやろ?」
雰囲気に負けた。勢いに…負けてしまった。
あたしは結局そいつと付き合うことになり、翌日のサッカー部の試合まで見に行くはめになった。IP強制表示中:210.136.161.1372006-04-28 02:00:00 -
24:
知香
「なぁ…雪ほんまに大丈夫なん?」
そう言いながらあたしを心配するさやか。さやかとはぶっちゃけトークできる一番の仲よしだった。
「うーん…分からん。てゆうかさやぁ…明日ついて来てくれへん?試合」IP強制表示中:210.136.161.422006-04-28 02:02:00 -
25:
知香
「いーよっ。全然ついてく。さやかは雪のマブやもん」
さやは笑いながらそう言ってくれた。でもこの試合がきっかけで、さやは結婚相手になる人と付き合うことになるんだよね。
誰も想像なんてつかなかったよ。さや達が八年後に結婚するなんてこと…IP強制表示中:210.136.161.372006-04-28 02:05:00 -
26:
知香
━翌日━
あたしとさやはサッカー部の試合を見に某競技場まで来ていた。
うちの中学はサッカーが強かったらしく、対戦相手は某Jリーグチームのジュニアチームに所属する子がいたりする強豪校だった。IP強制表示中:210.136.161.1342006-04-28 02:20:00 -
27:
知香
「マジ…」
「うそやろ…」
まさに一人祭。あたしでさえも━カッコイイ━と思ってしまってた。
彼の名前は村井大紀。クールで大きくてちょいワル系。でもサッカーをこよなく愛する少年だった。IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-28 02:28:00 -
28:
知香
試合が終わりさやと二人で待っているとあたしの彼氏?のようなやつと大くんや他の子達が来た。
「よかったなぁ。めっちゃすごかったやん」
「めっちゃかっこよかったで村井。さやしびれたわ」IP強制表示中:210.136.161.372006-04-28 02:30:00 -
29:
知香
「別に」
村井大くんはそれだけ言うと他の子達を引き連れて帰って行った。ほんまクールってゆうか…無愛想。
「あれで愛想よかったら完璧やのになぁ」IP強制表示中:210.136.161.402006-04-28 02:31:00 -
30:
名無しさん
━━Rord━━
IP強制表示中:58.157.139.2382006-04-28 02:31:00 -
31:
知香
あたしがそう言うとさやは少し黙ったあとこう言った。
「あれがいいねやん。どうしよーさや村井のこと好きなりそう…」
マジでー??あたしは正直村井は無愛想だしさやには合わないような気がした。IP強制表示中:210.136.161.1322006-04-28 02:33:00 -
32:
知香
「大はあー見えてめっちゃ優しい奴やねんで。心開いた奴にはめっちゃ喋るし無愛想でも何でもないで」
あたしの彼氏?がそう言った。まぁ確かに…深く知らんしね…
「とりあえず帰ろう」IP強制表示中:210.136.161.1342006-04-28 02:34:00 -
33:
知香
なんだかものすごく悪いことをしてるような気持ちになったからだ。
相手はあたしを好きでいてくれてるのにあたしは好きでもなんでもない。
だから話すこともないし…話したくも…なかったりして。IP強制表示中:210.136.161.1292006-04-28 02:38:00 -
34:
知香
人の気持ちをもてあそぶようなことをしているみたいでテンションも落ちっぱなし。
結局あたしはその日の夜、家族にも前もって電話には出ないでと言って居留守を使った。
せこいやり方。ほんとに最悪。IP強制表示中:210.136.161.412006-04-28 02:40:00 -
35:
知香
あたしはその日、一晩中考えたあげく次の日、学校に行くとさやに頼んで手紙を渡してもらった。
別れてください。ごめんなさい。
たった二行の短い手紙だった。直接言わずに手紙なんて逃げてるのと同じだった。でもどうしても直接ゆうのは気が引けた、IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-28 02:43:00 -
36:
知香
こんなことになるなら初めっから付き合わなければよかった。
人を傷つけることが初めて怖いと思った。
ずるいんだよ。結局嫌われたくないからいい人ぶってただけだった。舞にもそいつにもいい顔して…IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 02:44:00 -
37:
知香
「ほんまサイテー」
村井の声が響いた。痛いとこつかれた。あたしは泣いてしまった。自分が悪いって分かってたから…
「なんも知らんくせに雪のことサイテーとかゆわんとって!」IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-28 02:49:00 -
38:
知香
えっ…?そう。声を張り上げたのはさやかだった。さや…村井のこと好きかもって言ってたのに…
「はぁ?お前は関係ないやんけ口はさむな」
「さやは雪の友達やもん!村井だって関係ないやんか」IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-28 02:51:00 -
39:
知香
さやかと村井大くんの言い争い。考えてみればこれが二人にとっての初めての喧嘩だったんだよね…。
「ごめ…あたしが全部悪いから…村井もさやも喧嘩せんといて…ごめん」
「ごめん。俺も言い過ぎた。だから泣かんとってや。ほんま…ごめんな」IP強制表示中:210.136.161.442006-04-28 02:55:00 -
40:
知香
「村井…もういいから部活戻って。大丈夫やから。雪はさやがついてるし」
「あぁ…ごめんな」
村井大くんはそう言って走って行った。IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 02:56:00 -
41:
知香
「とりあえず帰ろっ」
さやにそう言われてあたし達は学校を出た。禁止されている自転車を学校のすぐ近くまで取りに行ってあたし達は二人乗りで帰ってた。
自転車通学、通称チャリ通であたしはさやの後ろに座っていた。IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 02:59:00 -
42:
知香
珍しくいつもと違う道から帰っているととおりがかった公園から舞達が見えた。あれー?
「あ!雪ぃーさやぁー!来て来て!」
あたし達に気付いた舞が手招きしながら呼んできた。IP強制表示中:210.136.161.412006-04-28 03:01:00 -
43:
知香
「今帰り?遅いやん」
「うーんちょっと色々あってさ。」
舞の言葉にさやが答えた。IP強制表示中:210.136.161.402006-04-28 03:05:00 -
44:
知香
「うん…」
あたしはぎこちない雰囲気のままそう答えた。
「な?ゆうたやろ。合ってるやんけ」
「お前黙っとけや」IP強制表示中:210.136.161.1292006-04-28 03:10:00 -
45:
知香
「・・・」
びっくりして言葉が見つからなかった。瑠偉くん…あの瑠偉くんが!?ありえへんって…
「無理やって雪は瑠偉くんのことタイプじゃないって言ってたし」IP強制表示中:210.136.161.382006-04-28 03:13:00 -
46:
名無しさん
>>1-100
IP強制表示中:210.136.161.422006-04-28 03:19:00 -
47:
知香
シーンとした空気だった。居心地が悪い。すぐに帰りたい気分…。
「なぁ雪、瑠偉くんのこと取らんといてな。舞が先に好きなってんから」
勝手に宣戦布告された。てゆうか先とか後とか関係ないやん…IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 03:21:00 -
48:
知香
「とりあえず帰るわ」
さやとあたしは気まずいままチャリに乗って公園を出た。
「ほんま舞の自己チューにはまいるわ。お姉ちゃんおるからって調子のりすぎやねん」IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-28 03:22:00 -
49:
知香
お姉ちゃんおるからって…か。気付けばいつもみんなそう言う。
舞がいない時、みんな隠れてそう言ってた。
ひかるも愛も…みんな。でも影でそんな話をすることは嫌いだった。友達なら腹をわって話したい…でも結局あたしも舞のお姉ちゃんにびびってた。IP強制表示中:210.136.161.1382006-04-28 03:33:00 -
50:
知香
「もしかして村井?」
「うーん…ビンゴ」
帰りの別れぎわに照れながらさやかはそう言った。IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-28 03:41:00 -
51:
知香
「じゃああたし応援するわ。うまくいけばいいな」
そうしてあたしはさやかの恋を見守ってきた。ずっとずっと…見てきた。
さやかと村井大くんは誰もがうまくいきっこないって思っていたと思う。でも頑張ったんだよ…さやかが。IP強制表示中:210.136.161.402006-04-28 03:44:00 -
52:
知香
相手にされなくても冷たくされても…さやは頑張ってた。だからあの無愛想で鉄壁の心を持つ大くんの心を…動かせたんだよね。
お互いが初めての彼氏と彼女。それが八年も続くなんてこと…さや達自身も思ってなかったんじゃないかなと思う。IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-28 03:47:00 -
53:
知香
さやと大くんが付き合うようになったのは中学二年の秋だった。
大くんの誕生日の日、さやかは大くんにスパイクをプレゼントした。バースデーカードを添えて。
“一番の彼女はサッカーでいい。だからさやを二番目の彼女にして下さい”IP強制表示中:210.136.161.1382006-04-28 03:50:00 -
54:
知香
大くんはずっと追い掛けてきてたさやを無視してたけど、その日にやっと笑ってくれたと言っていた。
「もう降参やわ(笑)そんかわり二番目やからな。俺はサッカー中心やから遊んだりもできひんで」
さやはその言葉だけで幸せだと言っていた。IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 03:54:00 -
55:
知香
でも舞に確認したら本当だった。
話を聞くと光一くんから電話がよくかかってくるようになって、光一くんを好きになってしまったからだと、そうゆうことらしい。
「る、瑠偉くんのことは?もういいん?」IP強制表示中:210.136.161.1402006-04-28 03:57:00 -
56:
知香
「あーもういいねん」
舞の言葉に気がぬけた。なんなんよまったく…
そんなある日、体育の授業をサボって体育館裏で一人でぼーっとしてると誰かが裏門からよじ登って入ってきた。IP強制表示中:210.136.161.1372006-04-28 04:00:00 -
57:
知香
よく見るとそれは瑠偉くんだった。
「なに見てるん」
「いや…別に」
「サボりか?なぁこんなとこでサボるならもっといい場所あんで。こいや」IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-28 04:02:00 -
58:
知香
やっと登りきると、そこは四帖ぐらいの部屋だった。正式に言えば体育館用の放送室?みたいな感じ。
「ええやろここ」
「あ…はい」
「俺らの隠れ家。まぁゆーてもサボるのにちょうどいいやろ」IP強制表示中:210.136.161.1402006-04-28 04:06:00 -
59:
知香
瑠偉くんはそう言うと煙草に火をつけて煙をフーッと吐き出した。
「けむたい?」
「大丈夫…」
「吸う?」IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-28 04:07:00 -
60:
知香
「うん」
「は?あかんわ女の子やのに。もしかしていつも煙草吸うてんの?」
「あ…うーん…」
「やめときやー。ほんま、いいことないで体に。な?やめや」IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-28 04:09:00 -
61:
知香
プチ説教をくらいながらその時は2時間近くさぼり続けた。
「もうすぐ飯の時間やな。一緒に行く?」
「どこに?」
「あそこに決まってるやんけー」IP強制表示中:210.136.161.402006-04-28 04:11:00 -
62:
知香
あたしは中学二年。瑠偉くんは中学三年だった…。
バイクが着いた先は…マクド。マジで?
「なんのセットにする?」瑠偉くんは慣れた様子で注文していた。IP強制表示中:210.136.161.1362006-04-28 04:15:00 -
63:
知香
瑠偉くんは笑ってた。あ…やっぱりこの人…めっちゃカッコイイ。
無邪気で白い歯を見せながらよく笑う。小さくできるえくぼも…また可愛い。
それに瑠偉くんは本当に整った顔のくせにカッコつけたりはしない。そこがまたいいなぁと思ってしまった。IP強制表示中:210.136.161.332006-04-28 04:19:00 -
64:
知香
「はーい」
あたしが瑠偉くんの後ろにまたがるとバイクは走りだした。どこに行くんやろ?学校戻るんかな?そう思ってると前に瑠偉くん達に会った公園に着いた。
「ここで食べんの?」IP強制表示中:210.136.161.1452006-04-28 04:23:00 -
65:
知香
「えーっ…雪…」
「雪?マジでーそうなんやぁ。いい名前やん」
瑠偉くんはそう言ってくれた。あたしは素直に嬉しかった。「雪」って瑠偉が初めてあたしを呼んだ日のこと、あたしはずっと覚えてるよ…。IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-28 04:30:00 -
66:
知香
その日はあたしを裏門まで送ってくれると、瑠偉くんは学校には戻らずにそのままどこかへ行ってしまった。
学校に戻ると先生達は不思議なぐらい普通だった。もっと大騒ぎになってるかと思ったのに…
やっぱりこの中学はヤンキーには甘いんかなぁ…IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 04:33:00 -
67:
知香
「雪!!どこおったんよぉ!」
ほらきたぁー。友達はやっぱり心配してくれてるやんな。
「ちょっとサボり。それよりどうしたん?」
「なんかコレ…昼休みに正門に来た四つ上の先輩が雪に渡しててって。なんか絶対かけてこいって言ってたで」IP強制表示中:210.136.161.1442006-04-28 04:37:00 -
68:
知香
はい…?四つ上?誰なん?そのへん全然知らんし。
紙を開くと名前と番号だけ書かれてあった。
三輪京介0*0…
このころはまだ携帯が主流ではなく、ベルやピッチが主な連絡手段だった。この人もピッチ…IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-28 04:42:00 -
69:
知香
「てゆうか三輪ってあの三輪くん?」
「多分…あの三輪くんしかおらんくない?」
「雪あんたなんかやらかしたん?」
みんなが次々にそう言う。そりゃそうだ。三輪京介こと三輪くんはチャンプロード毎回掲載の常連さん。族でもいつも先頭のほうを走っている。IP強制表示中:210.136.161.1402006-04-28 04:44:00 -
70:
知香
「あぁごめんな急に。迷惑じゃなかった?」
意外なぐらい落ち着いた話し方をする三輪くんにあたしは正直おどろいた。
もっとこう…ヤンキー口調でこられんのかと思ってたから。
「全然…大丈夫です」IP強制表示中:210.136.161.1362006-04-28 04:48:00 -
71:
知香
「この間ゲーセンの前で女の子がからまれてたの助けへんかった?」
「えっ?あ…小学生の子ですか?助けたってゆうか…カツアゲみたいなんされてたから男の子らに注意しただけですよ」
そういえば先週やったかな…IP強制表示中:210.136.161.1312006-04-28 04:51:00 -
72:
知香
たまたまさやか達と待ち合わせしてた時に見掛けたカツアゲの現場。女の子達が泣いてたからあたし男の子らに怒ってんな…
「それな、俺の妹やねんやん」
・・・はい!?妹?IP強制表示中:210.136.161.1372006-04-28 04:54:00 -
73:
知香
「でな、自分制服着てたやろ?ブレザーに入ってた名前の刺繍を妹が見てたらしくて。ほんまありがとうな。なんか礼さしてや」
「いや…あたしはそんなつもりでしたんじゃないんで。いいです…」
「とりあえず今日夜あけといて。飯おごるわ、じゃあ」IP強制表示中:210.136.161.372006-04-28 04:57:00 -
74:
知香
プーップーッ…
電話は切れた。やば…いやんな?三輪くんとか関わったら絶対さぶいやろ…
でも次に連絡がきたのはあたしのベルにだった。
0*0…4949IP強制表示中:210.136.161.1342006-04-28 05:00:00 -
75:
知香
数字しか入らない古いベルを知ってる人なら分かると思うけど、0*0…は番号でしょ?で、4949は至急至急って意味なんです。
要するに早くかけてきてってこと。
てゆうか…三輪くんの番号やん…なんであたしのベル番知ってんのよ。IP強制表示中:210.136.161.1342006-04-28 05:02:00 -
76:
知香
「すいません…」
あたしは何故が謝りながら三輪くんの待っているところに走った。
「とりあえず乗って」
三輪くんはバイクの後ろをアゴでさしてあたしに乗るように言った。IP強制表示中:210.136.161.1382006-04-28 05:07:00 -
77:
知香
変な気分だった。瑠偉くんの後ろに乗る時はなんか嬉しかったのにな…
三輪くんはやっぱり緊張する。
「焼肉でいいか?」
「あ、何でも…好き嫌いないんで」IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 05:09:00 -
78:
知香
結局焼肉屋に着いた。あまり会話ははずまなかった。緊張してたし初対面だったし。
「俺すごいやろ」
「えっ?」
「ベル番も家もソッコー分かったもん。まぁ全部後輩に調べさしてんけど」IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 05:11:00 -
79:
知香
「あ、そうなんですか…びっくりしました」
「ごめんなぁほんま。でもマジで礼したかってん。大事な妹やし助けてもらってほんま感謝してるわ。俺やったら片足ぐらい折ってたけどな」
三輪くんは笑いながらそう言った。いや…笑えないですよ…IP強制表示中:210.136.161.1432006-04-28 05:13:00 -
80:
名無しさん
>>1-50>>51-100
IP強制表示中:210.136.161.1462006-04-28 05:14:00 -
81:
知香
「あの…ごちそうさまでした」
やっと食べ終わって帰ることになりあたしはホッとしていた。
「こっちこそありがとうな。また時間あったら飯でも付き合ってや」IP強制表示中:210.136.161.352006-04-28 05:15:00 -
82:
知香
「はい、また」
一応ね…そう言っておいた。
「送るわ。乗って」
三輪くんのバイクにまたがり、あたしの家の方向へと走りだした。外は冬の風がとても冷たくて涙が止まらなかった。IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-28 05:17:00 -
83:
知香
ブンブブブン…あたしの家まであと少しぐらいの時、大きな音がマフラーからもれてるバイクの音がした。
「これ後輩ちゃうか」
そう言って三輪くんは音のするほうへ進行方向を変えた。はい?家と逆なんですけど!IP強制表示中:210.136.161.1362006-04-28 05:20:00 -
84:
知香
「あ…やっぱりな」三輪くんはそう言うとププッと鳴らしながらバイクに近付いていく。
その時あたしは気付いてしまった…このバイク…瑠偉くんのや…
三輪くんは何も知らずにバイクに横並びになった。あたしは瑠偉くんのほうを見れなかった。IP強制表示中:210.136.161.372006-04-28 05:24:00 -
85:
知香
あたしは一瞬耳を疑った。誰が…彼女なん?
「へぇーっ。よかったっすね。じゃあ僕ら邪魔やし行きますわ」
瑠偉くんがそう言って走っていった。あたしは一度も瑠偉くんのほうを向くことができなかった。ほんま…なんなんよ…IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 05:28:00 -
86:
知香
今日一緒にさぼって昼間はマクド行って…公園で二人で食べたのに…楽しかったのに…。
とことんブルーになった。三輪くんは何も知らずにあたしを家まで送ると「またベル打つわ」と言って帰って行った。IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-28 05:33:00 -
87:
知香
もう二度といれてくんなあほ!そう思いながらもあたしは苦笑いでバイバイした。
「よかったっすね」
瑠偉くん…違うねんで?あたし三輪くんの彼女なんかじゃない。あたしは…IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 05:34:00 -
88:
知香
家に帰ってからもずっと頭がごちゃごちゃで眠れなかった。
次の日学校に行ったけど1時間目がまた体育だったあたしは瑠偉くんに教えてもらった隠れ家に行った。
誰もいなかった。…眠っ…全然眠れなかったあたしは気付いたら寝てしまってた。IP強制表示中:210.136.161.1292006-04-28 05:38:00 -
89:
知香
あたしが次に目を覚ました時、隣で誰かが寝ていた。る…瑠偉くんや…
あたしは放心状態。なぜならあたしはよだれをたらして寝ていたからだ。
変な顔で寝てたんかな…あたしはテンパってあたふたしていた。IP強制表示中:210.136.161.432006-04-28 05:40:00 -
90:
知香
通称隠れ家は、床がカーペットになっていたし瑠偉くんを起こさないようにそーっと立ち上がってあたしは靴をはいて出ようとした…。
なんとなく気まずかったから。昨日のことがやっぱり気になっていた。
「ゆ…き?」IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-28 05:52:00 -
91:
知香
瑠偉くんは目をこすりながら大きいあくびを二回してた。
可愛い顔…あたしは瑠偉くんの顔をじっと見てしまった。
「そんな見んなって。照れるやんけ」IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 05:56:00 -
92:
知香
「あ…ごめんなさ…」
「なぁ…いつから三輪くんと付き合ってんの」
え?あ…やっぱり瑠偉くんは勘違いしてんねや…ありえへんし!IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 05:59:00 -
93:
知香
「あれ嘘やねんで。三輪くんに会ったのも昨日が初めてやし。付き合ってるわけないやん」
あたしは昨日の経緯を話した。瑠偉くんは笑いながら聞いてた。
「マジかよ。ダルイなぁそれ。俺らも三輪くんだいぶダルイからなぁ…すぐラチられるし暴走ぶちったら鉄パイ飛んでくるからな(笑)」IP強制表示中:210.136.161.1342006-04-28 06:02:00 -
94:
知香
「マジで?」
「マジやって。光一とか何回もいかれてるもん。俺もアイアンでいかれたことあんで」
おそるべし三輪…
あたしはこの時まだ知らなかった。三輪くんのせいであんなことになるなんてこと…知らなかった。IP強制表示中:210.136.161.1362006-04-28 06:04:00 -
95:
知香
「俺携帯やしまたなんか送るわ」
珍しかった。あの時代でしかもあの年齢でピッチじゃなく携帯を持ってたなんてことが。
auはセルラーでvodafoneはデジタルフォンやったっけ…DoCoMoはDoCoMoやったけど…
で、ピッチはアステル!みたいな…古すぎて分からないね。IP強制表示中:210.136.161.402006-04-28 06:10:00 -
96:
知香
「もうすぐ卒業かぁ」
ふと瑠偉くんがつぶやいた。あ…そっか…もう二月やもんな。来月には…もう卒業しちゃうんや…
寂しく感じた。瑠偉くんがいなくなればこの場所に誰かがくることはないんだよね…。IP強制表示中:210.136.161.352006-04-28 06:13:00 -
97:
知香
「なにそれ(笑)」
あたしは瑠偉くんが羨ましかった。なんでやろ…あたしの目にはキラキラして見えた。
瑠偉…あたしと瑠偉は何でいつもタイミングがズレてたんやろう?何でいつも…すれ違ってしまってたんかな?IP強制表示中:210.136.161.402006-04-28 06:20:00 -
98:
知香
「なぁ今日な、夜電話していい?家」
「家?あーうん…いいよ。だいたい何時ぐらい?」
懐かしくないですか?今じゃありえない会話。でもあたしは思う。携帯は確かに便利だけど、すぐに相手に繋がるでしょ。だから変な緊張感がない。IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-28 06:23:00 -
99:
知香
昔だったらこんな風に家にかけるようなことが多かったから、誰が出るか分からない緊張感があったり変にドキドキしたり…
相手の親が出たりすると焦ったりね。でも電話のかけ方のマナーもちゃんと分かってたやん?9時を過ぎれば「夜分遅くにすいません…」とかさ。IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 06:25:00 -
100:
知香
でも今の子達はそれすら知らない。
友達の妹なんて友達の家に電話かける時、友達のお母さんが出ても「○○ちゃんいますか?」って突然ゆうんだって。
まず名乗れよ…みたいな。だから便利さが逆に人間の風習をある意味悪く変えていってるように思ったりする。IP強制表示中:210.136.161.352006-04-28 06:28:00 -
101:
知香
東京ラブストーリーってあったよね。ドラマの。「かーんち!」ってやつ。
あれ見てみてよ。ありえないぐらいすれ違いまくり。携帯もベルもない時代だから待ち合わせするたびにすれ違ってんの。
でもね・・・なんか見ててすごく胸がしめつけられる。IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-28 06:32:00 -
102:
知香
待ち合わせをして来るはずだった彼氏が来ない。今ならすぐに電話なりメールなりできるよね。
でもそれがないから待つんだよ…。来るまで待ってたりして。何時間も待って待って…で、結局5時間後とかに彼氏は来たり。IP強制表示中:210.136.161.352006-04-28 06:36:00 -
103:
知香
なんとなくあたしは…昔のほうが相手への思いやりとか優しさが深かったんだろうなと思う。
メールができたから便利にはなったけど手紙を書く機会は減ったし言葉で伝えるべきこともメールで済ませちゃったり。
便利さが人から人間らしさを奪ってるみたい…IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-28 06:39:00 -
104:
知香
「じゃ夜電話するな」
瑠偉くんとは1時間だけの短い時間だったけど、隠れ家での時間はあたしと瑠偉くんだけの秘密の時間みたいですごく幸せだった。
自分では気付いてなかった…。この時から瑠偉のこと…あたし好きやってんな…IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 06:42:00 -
105:
知香
その日の夜、初めて瑠偉くんから電話がかかってきた。あたしは緊張しながらも急いで電話に出た。
「はい」
「あ俺。瑠偉やけど」
「うん。分かってる」IP強制表示中:210.136.161.342006-04-28 06:44:00 -
106:
知香
そう言いながらも瑠偉くんはたくさんの話をしてくれた。友達との話や飼ってる熱帯魚の話…
瑠偉くんと話してると時間がたつのがあっという間だった。
「あぁもうこんな時間やん。俺ら2時間も喋ってんで。会って喋れよって感じやな。ごめんな長いこと。また明日?かな。おやすみ」IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 06:49:00 -
107:
名無しさん
>>1-150
IP強制表示中:210.136.161.372006-04-28 06:50:00 -
108:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.362006-04-28 08:31:00 -
109:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1422006-04-28 12:55:00 -
110:
ひl1
ぁげとくネ(?U3U)??
呼んでるから頑張って?IP強制表示中:210.153.84.2032006-04-28 21:20:00 -
111:
ぁ?た
知香さん(・?・?)はたまた見入ってまつ?これからもいぱーい書いてね??
IP強制表示中:210.136.161.1422006-04-29 01:18:00 -
112:
姫??
携帯の話、私も同じ事思ってたからすごい共感できる?新小説も頑張って完結させてね??応援してます??
IP強制表示中:210.136.161.1372006-04-29 05:22:00 -
113:
名無しさん
リあルタイム?
でれたのヒみしとルけ
がんばッてやン?・?・)ノIP強制表示中:222.7.56.1432006-04-29 14:17:00 -
114:
知香
0*0…4949
ベルを見て身震いがした。相手はあの三輪くんだった。なんなん…また電話しなあかんの?
あたしは夜11時を過ぎてたし一度は無視をした。でもほおっておいてもまたベルが入ってきた。怖いなぁ…IP強制表示中:210.136.161.1332006-04-29 14:19:00 -
115:
知香
「そっかぁ。いや、別になんもないんやけどな。暇やったら遊ぼうかと思って。まぁでも買い物か。しゃあないわな」
半分おどされてるような気分になる。別にあたしは買い物の予定なんてない。でも三輪くんと関わりたくなかったから断る口実がほしかった。IP強制表示中:210.136.161.452006-04-29 14:25:00 -
116:
知香
「すいません…」
「いや、えーよ。またほんならベルいれるわ」
プーップーッ…すぐに電話は切れた。怖っ…なんなんマジで。
三輪くんの妹を助けたことを今になって後悔する自分がいた。IP強制表示中:210.136.161.402006-04-29 14:28:00 -
117:
知香
ダルっ…さっきまでハイだった気分が一気に落ちた。瑠偉くん…明日また会えるといいのになぁ…
翌日、あたしは学校に着いてすぐに隠れ家に行った。ここに来れば瑠偉くんに会える気がしたからだ。でもその日、お昼まで待っても瑠偉くんは現れなかった。IP強制表示中:210.136.161.442006-04-29 14:32:00 -
118:
知香
「雪食堂いこー」
もう昼休みだった。舞とひかるにそう言われてあたしは食堂に向かった。
食券を買って並んでいると舞のところに光一くんが駆け寄ってきた。あ…そっか二人は付き合ってるんやったな。IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-29 14:35:00 -
119:
知香
「マジで三輪くんの女なん…?」
「嘘やん!?マジで」
光一くんと井原くんはびっくりした声であたしにそう言った。
明らかにビビってんねや…三輪くんに。あの舞までもがあたしを見る目が少し変わったような気がした。IP強制表示中:210.136.161.1342006-04-29 14:44:00 -
120:
名無しさん
>>100-200
IP強制表示中:210.136.161.402006-04-29 15:02:00 -
121:
知香
少しかすれ気味な声が受話器から聞こえる。
「うん。終わって今さやかと帰ってるとこ。瑠偉くんどうしたん?」
「風邪ひいてもうたわぁ…てゆうても熱はないねんけど。なんか体がダルイねやん」
「大丈夫…?」IP強制表示中:210.136.161.1452006-04-29 15:06:00 -
122:
?ピメ?
リアルタイムゃん??
気になるぅ?????
?ぃっも読んでまぁす??IP強制表示中:210.136.161.362006-04-29 15:14:00 -
123:
知香
「え?瑠偉くんマジでゆってんの?」
「マジに決まってるやん。あ、嫌やったらいいで。ほんま嫌やったら断って」
「嫌…じゃないけど」
「ほんじゃとりあえず待ってるわ。俺んち505やから。着いたら勝手に入ってきて」IP強制表示中:210.136.161.432006-04-29 15:17:00 -
124:
知香
とりあえず家に着いたあたしは着替えてすぐに瑠偉くんの家に向かった。
でも自転車でゆっくり向かってると、会いたくないあの三輪くんに遭遇した。
ブンブブブン…やばっ。止まってるし。
「今から買い物か?」IP強制表示中:210.136.161.482006-04-29 15:26:00 -
125:
知香
「あ…はい」
「ふーん。気つけてな。またベル打つわ」
三輪くんは去った。万事休す…。あの人ほんま…要注意人物やわ。
あたしは急いで瑠偉くんの家へと向かった。やっと到着…IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-29 15:28:00 -
126:
名無しさん
>>1-200
IP強制表示中:210.136.161.1452006-04-29 15:29:00 -
127:
知香
505やったっけ…
あたしは五階に着いて少し緊張しながら瑠偉くんの家の前で止まった。勝手に入ってきてとか言ってたけど…あかんやろ普通に。
とりあえずピンポンを押すと、すぐにドアが開いた。「入りぃ」一言瑠偉くんが言ってあたしは家へと入った。IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-29 16:00:00 -
128:
知香
「おじゃまします」
緊張しながら中へ入ると奥から瑠偉くんのお母さんが出てきた。
「あ、瑠偉の彼女?」IP強制表示中:210.136.161.342006-04-29 16:11:00 -
129:
知香
「出てくんなやぁ…まだそんなんちゃうわ」
瑠偉くんは焦って部屋へと入った。あたしはふと思った。「まだ」って…どうゆう意味なん?
「名前なんてゆうの?」IP強制表示中:210.136.161.1462006-04-29 16:14:00 -
130:
知香
雪ちゃん…か。瑠偉くんのお母さんはさすが瑠偉くんのお母さんだけあって綺麗な人だった。
あたしが瑠偉くんの部屋に入ると瑠偉くんは少し落ち着きがない状態で二人とも変に緊張感があった。IP強制表示中:210.136.161.482006-04-29 16:18:00 -
131:
知香
「風邪…大丈夫?」
「あ…まぁな。とりあえず立ってんと座れや。そこ座りぃ」
瑠偉くんはそう言うとあたしにクッションのような座布団を出してくれた。とりあえず…座ろう。IP強制表示中:210.136.161.382006-04-29 16:20:00 -
132:
知香
「ごめんななんか」
「ん?」
「ありえへんやんなぁいきなり家呼ぶとか」
「うーうん。大丈夫やで。学校来てなかったから心配やったし」IP強制表示中:210.136.161.462006-04-29 16:23:00 -
133:
知香
「マジで!?」
瑠偉くんはちょっと嬉しそうな顔であたしにそう言った。
「うん…」IP強制表示中:210.136.161.1302006-04-29 16:25:00 -
134:
名無しさん
>>1-50>>51-100>>101-150>>151-200
IP強制表示中:210.136.161.412006-04-29 16:28:00 -
135:
知香
瑠偉くんは電話を切ると大きなため息をついた。
「ばりだるいってー。三輪くんやし。単車塗装するから手伝えとかだるすぎやろ。あー今日も確実夜中までラチられるわ…」
三輪くんか…ほんまあの人うざい。IP強制表示中:210.136.161.332006-04-29 18:15:00 -
136:
知香
「ごめんなぁ来てもらっといてこんなん」
「いーよ仕方ないもん。先輩がらみやし…瑠偉くんも風邪でだるいやろうけど無理せんといてな」
「あぁ…ありがとう」瑠偉くんはそう言って笑ってた。あたしはとりあえず帰ることにした。IP強制表示中:210.136.161.392006-04-29 18:18:00 -
137:
知香
「送ろか?」
「いーよチャリンコで来たから。じゃあ…また」
「気つけて帰りや」
エレベーターに乗るまで瑠偉くんは送ってくれ、あたしはそのまま一階におりた。はぁーあっ…三輪の馬鹿ヤロー…IP強制表示中:210.136.161.472006-04-29 18:20:00 -
138:
知香
どうしよう…
「と、友達がここ住んでて…迎えに来たけど入れ違いなったみたいで」
「そーなん。俺は瑠偉待ちやねん。あいつ遅いから呼びに来たってんやん」IP強制表示中:210.136.161.1402006-04-29 18:24:00 -
139:
知香
瑠偉くんは、あたしのほうを振り返ってゴメンって手を合わせながら三輪くんに連れていかれた。
もうなんなんよ三輪…
あたしは一人で自転車に乗りながら帰っていると舞やひかる達に会った。
「雪ぃー何してんのー遊ぼうや」IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-29 18:38:00 -
140:
知香
あたしはそのまま舞達と遊ぶことにした。
「雪はどこ行きたい?雪が決めていいで」
変だった。みんななんでか分からないけどあたしに気を使ってるように感じる。あの舞でさえもあたしに。IP強制表示中:210.136.161.1352006-04-29 18:40:00 -
141:
知香
あ…そうか…
考えてみればすぐ分かった。多分みんな三輪くんのことがあったからちょっとビビってんねやろうな…
でも人に気を使われるのは気持ちいいことではなかった。
自分の前に線を引かれてるような気分になる。IP強制表示中:210.136.161.1392006-04-30 01:51:00 -
142:
知香
「みんなさぁ…あたし三輪くんとはほんまに何もないねんで。変に気使わんといて」
あたしは空気に耐えられずみんなにそう言った。
「いや…舞らは別に気使ってるわけちゃうで…」IP強制表示中:210.136.161.482006-04-30 01:53:00 -
143:
知香
「でもみんな変やん」
「うーん…なんとなく気付かんうちに気使ってしまってんのかもな…」
ひかるがポツっとそう言った。やっぱり…そうなんや。IP強制表示中:210.136.161.332006-04-30 01:55:00 -
144:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.482006-04-30 04:10:00 -
145:
名無しさん
>>150-200
IP強制表示中:210.136.161.392006-04-30 10:27:00 -
146:
名無しさん
>>1-200
IP強制表示中:210.136.161.412006-04-30 16:17:00 -
147:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-01 03:42:00 -
148:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-02 00:31:00 -
149:
知香
「あたしら友達やろ?」
あたしはみんなに向かってそう聞いた。
「うん…そうやんな」
「ごめんな雪。気使ったりする仲じゃないのに」IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-03 08:18:00 -
150:
知香
ひかると愛がそう言った。当たり前やん…
でもあたしはいいキッカケになると思った。舞に気を使ったりするのをやめるキッカケにも。
「なぁ舞…あんな、ぶっちゃけるけどあたし舞にお姉ちゃんおるから今まで少し気使ってた」IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-03 08:21:00 -
151:
知香
「は?なにそれ」
舞が少し怒った声であたしを見た。
「お姉ちゃんにビビってたから舞と対等に向き合われへんかってん。でももうやめる。そんなんじゃ友達ってゆわんやん…あたしはこれから言いたいことゆうしもう気使ったりせんとく」IP強制表示中:210.136.161.452006-05-03 08:24:00 -
152:
知香
「私…も。雪と同じ意見。舞に気使ったりすんのしんどかった…でもほんまの友達になりたいからもう私も誰にも気使わん」
ひかるがあたしに続いて舞にそう言った。
「みんな…そんなに舞のことキライなん…?」IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-03 08:27:00 -
153:
知香
いつも強気なあの舞じゃなかった。舞は少し泣きそうな顔だった。
「なにゆってんの…キライやったらこんなんゆわんやん?みんな舞とちゃんと仲良く友達したいから雰囲気悪なってもこんな話してんねんで」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-03 08:30:00 -
154:
知香
「うん…」
「私らみんなほんまの友達になろう。な?」
ひかるがみんなに向かってそう言った。これでよかったやんな…?IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-03 08:32:00 -
155:
知香
結局その日はその話が終わると家に帰った。
はぁーあっ…疲れた…。そう思いながらボーっとテレビを見ているとお母さんが部屋に入ってきた。
「もう雪!さっきから呼んでたのに。浅倉って子から電話やで」IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-03 08:37:00 -
156:
知香
「浅倉ぁ?誰そ…」
浅倉?あさくら…浅倉瑠偉…あー!!瑠偉くんや!
あたしはすぐに跳び起きて部屋に置いてあった子機に手をのばした。
「ごめん!だいぶん待った?テレビ見てたから呼ばれてる声聞こえんくて」IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-03 08:40:00 -
157:
知香
「おいおい(笑)てゆうか今日はごめんな。今無事ラチから逃げて帰ってきてん。あ、それで急でごめんやねんけど明日って暇?」
「え?…暇やけど」
「よっしゃほんなら今日の詫びでどっか連れてったるわ。どこがいい?」IP強制表示中:210.136.161.402006-05-03 08:44:00 -
158:
知香
「えっ?えっと…どこでもいい…」
「お前なぁ(笑)じゃあ映画でも行く?今もののけ姫やってるやん。見た?」
瑠偉くん宮崎駿の映画とか見るんや…意外だけどなんか親近感がわいた。IP強制表示中:210.136.161.382006-05-03 08:47:00 -
159:
知香
「見てないで。じゃあ映画にしよっか」
「おー。とりあえず明日学校も休みやしゆっくり寝て昼ぐらいから行こや。家迎えに行くから用意できたら電話して」
電話を切った後、あたしはドキドキがおさまらなかった。IP強制表示中:210.136.161.362006-05-03 08:50:00 -
160:
知香
瑠偉くんと映画って…ほんまにいいん?てゆうかこれってデートってこと?
あたしの頭ん中は軽くパニックを起こしていた。
次の日は朝早くから目が覚めすぎてやたらと一人で浮かれてたりしてた。あほみたいに。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-03 08:52:00 -
161:
知香
やっとお昼が過ぎた頃、あたしは今さっき起きたかのようによそおって瑠偉くんに電話をかけた。
「もしもしぃ一応用意できたよ。遅かった?」
「遅っいわぁ。俺ちょっと緊張して朝から起きてたのに」IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-03 08:55:00 -
162:
知香
瑠偉くんの言葉にあたしはいつもクラッとくる。嬉しいことばっかり言ってくれる…
「ごめんな。とりあえず用意できたし迎えに来てくれる?」
「うん。ほんなら家の下着いたらベル入れるわ。ほんなーな」IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-03 08:58:00 -
163:
知香
あたしはテンション上々。なんてったってあの人気者な瑠偉くんと映画に行くねんもん。
こんなんばれたら確実嫉妬の嵐やろうな…
でもあたしは嬉しくてそんなことはどうでもよかった。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-03 09:00:00 -
164:
知香
ピピーピピー
ドキドキしながらそんなことを考えているとあたしのベルが鳴った。瑠偉くん…来たんや。
あたしは急いで家を出てエレベーターに乗ると、鏡で何回も髪を確認しながらマンションを出た。IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-03 09:03:00 -
165:
知香
「おっ早いやんけ」
「当たり前やん☆」
あたしが瑠偉くんのバイクの後ろに乗ると、瑠偉くんは走り出した。
相変わらずマフラーからすごい音が漏れていて、乗っていると周りの人が必ず見てくるぐらいだった。IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-03 09:06:00 -
166:
知香
結局バイクは梅田に着き、あたし達は二人でゆっくり歩きながら映画館へと向かった。
「中学生二枚」
瑠偉くんがそう言ってチケットを買ってくれた。瑠偉とはたくさんの映画を見た…でも、あたしはこの時瑠偉と初めて見た映画が一番心に残ってる…IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-03 09:10:00 -
167:
知香
「おもしろかったな」
「うん☆」
映画館を出たあたし達は近くにあったゲームセンターに入った。
「あーっプリクラあるー。なぁ瑠偉くん撮ろうよ」IP強制表示中:210.136.161.452006-05-03 09:17:00 -
168:
知香
「マジで?いいけど」
プリクラとゆうもの自体がゲーセンに出たばかりの初期だった。今みたいに綺麗に映るプリクラじゃないけど、当時はブーム的なもんだったからね…
フレームもでかい変なやつばっかり。それでも流行りものは流行るんだよ…IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-03 09:20:00 -
169:
知香
「ちょっこれどこ見たらいいん!?」
「あそこあそこ」
瑠偉くんにとっては初めてのプリクラだったらしい。テンパっていて目線が上を向いていた。
でも逆にそれがよかったりもする。瑠偉…あたしまだこの時のプリクラ持ってるんだよ…10年たった今でも…IP強制表示中:210.136.161.422006-05-03 09:24:00 -
170:
知香
「半分ちょーだいな」
「分かってるってー」
あたし達は仲良くプリクラを半分こにして分け合った。
若いだけで恋ってことも何なのか分からなかった純粋だったこの時があたしにとって唯一キレイな時だったのかもしれない。IP強制表示中:210.136.161.452006-05-03 09:28:00 -
171:
知香
恋をして傷ついてまた新しい恋をして…
24歳になって今ようやく気付いた。
大切だったものは何だったのか。大切な人は誰だったのか。
それをもっと早くに気付いていたら…瑠偉?あたし達はうまくいってたはずだよね?IP強制表示中:210.136.161.452006-05-03 09:32:00 -
172:
知香
「帰っても暇やし俺んち来る?」
ゲーセンからバイクを置いていた場所に戻ってきた時、瑠偉くんにそう言われてあたしは家に遊びに行くことにした。
本当かどうかは分からなかったけど瑠偉くんに瑠偉くんのお母さんが気にいってるから連れてきてくれと言われたと言われた。IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-03 09:42:00 -
173:
知香
「おじゃましまーす」
二度目の瑠偉くん宅訪問…でも緊張感はやっぱりあった。
「あー雪ちゃあん。来てくれたんや。ちょっと瑠偉はほっといていいからこっち来てくれる?」IP強制表示中:210.136.161.462006-05-03 09:44:00 -
174:
知香
すぐに瑠偉くんのお母さんが出てきてあたしを奥の部屋へと連れていった。
「あ…めっちゃ綺麗な柄…これ浴衣とかの生地ですか?」
そこには薄い水色地のアサガオの柄の生地や白地にチューリップの柄の生地などたくさんの生地が並んでいた。IP強制表示中:210.136.161.482006-05-03 09:48:00 -
175:
知香
「そうよく分かったね。雪ちゃんちょっと寸法だけ計らせてくれる?おばちゃんこうゆうの好きやねんけどうち男の子一人やん?だから女の子にこうゆうの作ってあげるのが夢やってん。夏までだいぶ先やけど作っててもいいかな?もらってくれる?」
IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-03 09:50:00 -
176:
知香
「えっいいんですか?あたし浴衣ってめっちゃ好きなんです」
「ほんまに?おばちゃん嬉しいわぁ…じゃあ頑張って作るしたまには遊びに来てね」
「はい☆ありがとうございます」あたしが瑠偉くんのお母さんと仲良くなったきっかけはこの浴衣が始まりだった。IP強制表示中:210.136.161.392006-05-03 09:53:00 -
177:
知香
やっと瑠偉くんのお母さんとの話も終わり瑠偉くんの部屋に行くと、瑠偉くんは熱帯魚をじーっと見ながら座っていた。
「寸法計り終わったよ」
「あ…ごめんなおかん。あいつすぐ調子のるから」IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-03 09:55:00 -
178:
知香
「全然!めっちゃ嬉しいし。逆にありがとうって感じやで」
「ほんま?ほんならいいねんけど。てゆうか静かやなぁ。音楽でも聞く?」
瑠偉くんはそう言ってCDをかけてくれた。IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-03 09:57:00 -
179:
名無しさん
>>200-300
IP強制表示中:210.136.161.462006-05-03 10:08:00 -
180:
知香
瑠偉くんはハッとした顔であたしに謝った。
「あ…だ…大丈夫」
あたしも変にドッキドキで瑠偉くんの目を見れなかった。でも嬉しかった。一年前には、ずっと憧れだった遠い存在の瑠偉くんが今あたしの目の前にいる。IP強制表示中:210.136.161.482006-05-03 10:12:00 -
181:
知香
こんなにうまくいって大丈夫なんだろうか?あたしは幸せな気持ちをかみしめながらも少し怖くなった。
でも嫌な予感は当たる。幸せなんて簡単には手に入らないんだよ…IP強制表示中:210.136.161.422006-05-03 10:14:00 -
182:
知香
結局その日は8時過ぎまで瑠偉くんの家にいた。瑠偉くんのお母さんには半分強制的に晩御飯を食べて行ってと言われてごちそうになり、瑠偉くんのお父さんと四人で食卓を囲んだ。
「俺ちょっと送ってくるから」
「あっ雪ちゃんまた遊びに来てね」
「おじゃましました」IP強制表示中:210.136.161.482006-05-03 10:23:00 -
183:
知香
そう。やばい相手はあの三輪くんだった。
「あ…」
「と!友達とみんなで遊んでて自転車友達が乗って帰ったから送ってもらったんです」
瑠偉くんをかばうようにあたしは三輪くんにそう言った。IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-03 10:29:00 -
184:
知香
「そうかー。ならええねんけどな。瑠偉お前ちょっかいだしとったらホンマきれるからな(笑)」
三輪くんは笑いながら瑠偉くんにそう言った。
こわ…
逆に笑ってるほうが怖いってこの人…IP強制表示中:210.136.161.402006-05-03 10:31:00 -
185:
知香
あれ?クサ…イ
三輪くんが走って行って風が吹いた時、妙な匂いに気付いた。
「あー完全三輪くんイってるわ…吸うてたなぁ」
瑠偉くんはそう言った。あ…そうゆうことか…あの独特な匂いは。IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-03 10:34:00 -
186:
知香
「俺あーゆうのめっちゃキライやねん。ヤンキーはヤンキーでも俺は正統派ヤンキーやからな」
瑠偉くんが笑いながらそう言った。なによ正統派って(笑)でも瑠偉くんがそうゆう人でよかった…
少しずつ瑠偉くんに惹かれていく自分に気付いた。IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-03 10:36:00 -
187:
名無しさん
>>1-150
>>151-300IP強制表示中:210.136.161.392006-05-03 12:57:00 -
188:
名無しさん
ちかちゃんほんますごい文才やな?ばり吸い込まれてくもん?がんばってな?
IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-04 01:07:00 -
189:
名無しさん
>>150-300
IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-04 02:16:00 -
190:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-05 05:04:00 -
191:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.382006-05-06 15:42:00 -
192:
知香
「ありがと。今日めっちゃ楽しかったぁ」
「ほんま?俺もめっちゃ楽しかったで。また暇な時でいいから……遊んでな」
マンションの下に着いた時、あたし達はお互い照れながら静かにバイバイした。IP強制表示中:210.136.161.402006-05-07 01:58:00 -
193:
知香
「ただいまぁー」
気付けば家に帰ったのは夜9時を過ぎていた。
「雪、ちょっと来なさい」IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-07 02:01:00 -
194:
知香
帰ってすぐにお母さんがあたしの部屋まで呼びにきた。やば…ちょっと怒ってる。あたしは渋々リビングに行った。
「座れ」
お父さんとお母さんが並んで座っていてまさに今から怒りますムードが漂っていた。IP強制表示中:210.136.161.452006-05-07 02:06:00 -
195:
知香
「雪、あんたこの前補導されたみたいやないの。今日警察から連絡あったんやで」
「あ…ごめん」
予想的中。あたしは一週間前に夜中に遊んでいて補導されていた。なんでいまさら連絡くんのよ…IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-07 02:19:00 -
196:
知香
「あんな、雪。別に友達と遊ぶなとかやんちゃすんなとはゆわん。でも最低限のルールは守れ。人に迷惑かけたり警察の世話になるようなことはするな」
「うん…分かってる」
あたしのお父さんは今は普通のサラリーマン。IP強制表示中:210.136.161.402006-05-07 02:25:00 -
197:
名無しさん
リァル?
頑張って?
ホンマ好き?IP強制表示中:210.136.161.432006-05-07 02:28:00 -
198:
知香
でも昔はお父さんにもあたし達みたいな時代があったらしい。
だから物分かりがいいとゆうか、頭ごなしに怒ってくることはないし気持ちは理解してくれる。
あたしには三つ年下に朝陽(あさひ)とゆう弟がいる。朝陽には厳しい父だったけど、あたしには随分と優しかった。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-07 02:29:00 -
199:
知香
お父さんとお母さんは普通に仲がよくていい夫婦だ。あたしと朝陽は一姫二太郎とゆう理想的な子供像。
まさに絵に書いたような平凡な普通の家族。
あたしは家族が好きだったし、平凡でも幸せだった。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-07 02:34:00 -
200:
知香
「もうっ…ほんまお父さんは雪に甘いんやから。雪!あんまりお父さんが怒らんからって悪さばっかりしてたらあかんよ」
「まぁカリカリすんな。雪だって一回ゆったらちゃんと分かる。なぁ雪?」
お父さんとお母さんはあたしの理想そのもの。IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-07 02:38:00 -
201:
知香
お母さんは少し怒りっぽいけど、それをお父さんが笑いながらなだめてたり。
二人で話している時はよく笑ってる。
お父さんは家族を一番に考えてくれていて一に家族二に家族…みたいなそんな人だった。
お母さんもなんだかんだ言っててもあたしのよき相談相手でもあった。IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-07 02:43:00 -
202:
知香
「うん。もう絶対補導されるようなことはせーへんから」
あたしは二人に謝った。とりあえず話はそれで終わり、あたしは自分の部屋に戻った。
部屋に戻るとベルがテーブルから落ちていた。IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 02:48:00 -
203:
知香
あれ?なんで落ちてんねやろ。そう思ってベルを拾うとメッセージが一件届いていた。
【0*0…4949】
み…三輪くんや…IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 02:49:00 -
204:
知香
あたしは少し怖かった。三輪くんシ*ナー吸ってたやんな…
そう思うと電話をかけることができなかった。あたしはとりあえずテンパりながら瑠偉くんに電話をかけた。
「もしもし?」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-07 02:52:00 -
205:
知香
「うーん…いいんちゃうか。てゆうか早いこと切っとかんかったらつきまとわれんで。三輪くん結構しつこいし」
「やんなぁ…」
「俺も正直三輪くんとは関わらんといてほしいし」IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 02:56:00 -
206:
知香
「え?」
「あ…いや…とりあえずもうかけんとき。あともし会ったらベル落としたって言えばいいねん。ほんでベル番変えろや。すぐ変えてくれると思うし」
「うんそうしてみる。ごめんなぁなんか」
「えーで。ちょうどよかった」IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-07 02:59:00 -
207:
知香
「ん?何が?」
「えっ?いやぁ…ちょっと声聞きたかったから」
瑠偉くんの言葉はあたしのパワーの源や。幸せな気持ちや元気をくれる。魔法みたい…IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-07 03:01:00 -
208:
知香
「じゃあまたねぇ」
電話を切った後には三輪くんのことなどすっかり忘れてた。なんなら気分よく眠りについた。
それから数日間、瑠偉くんと電話をする毎日が続きながら、あたしはベル番号も変えて三輪くんから逃げていた。IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 03:05:00 -
209:
知香
少し怖かったけど、その時のあたしは瑠偉くんとのことで舞い上がってたせいでそこまで深刻には考えたりはしなかった。
あの人があの三輪京介だと分かっていたのに…
あたしは浮かれていた。あんなことになるなんて…分からずに。IP強制表示中:210.136.161.392006-05-07 03:08:00 -
210:
知香
「明日ちゃんと晴れ姿見に来いよー。んで遊ぼや」
その日も相変わらずあたしは瑠偉くんと遊んでいた。ちょうど瑠偉くんの卒業式の前日だった。
あたし達は二人で遊んだのが七回目だった。
瑠偉くんは翌日の卒業式を控えて、刺繍ランをあたしに見せてくれた。IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-07 03:13:00 -
211:
知香
あたしはその刺繍を見て一瞬鳥肌が立った。
親にもらいし我が人生
15の華麗な今日の日に
一生一度の晴れ姿
仲間と共に咲かせます
雪の結晶胸に秘めこの手で生涯守り抜く
命尽きてもつき進む
俺が選んだ道だからIP強制表示中:210.136.161.1332006-05-07 03:26:00 -
212:
知香
「あ…たしも…言いたいことある。明日ゆうね」
そうしてあたしと瑠偉くんはバイバイした。
次の日は朝早くからお花屋さんに行った。お年玉の残りの五千円を使ってあたしは瑠偉くんっぽいイメージのあった白い薔薇の花束を作ってもらった。IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-07 03:33:00 -
213:
知香
卒業式は二年生の全員が出席だったし、あたしは花束を保健室に預けてとりあえずみんなと一緒に体育館に行った。
「雪カメラ持ってきた?」さやかがあたしに言った。「あー忘れた…」
「やっぱりなぁ(笑)さや持ってきたから瑠偉くんと撮ってあげるわ」IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-07 03:35:00 -
214:
知香
「マジでぇありがと」
そうこうしてるうちに卒業式が始まり三年生が入場してきた。もちろん瑠偉くん達は制服。髪には黒さいをふられていた。
あの刺繍ランは取り上げられてしまったらしく夜の暴走までおあずけだった。IP強制表示中:210.136.161.442006-05-07 03:38:00 -
215:
知香
「浅倉瑠偉」
「はい」
檀上に上がって卒業証書を受け取る瑠偉くんを見ていると急に涙が出た。
もう瑠偉くんとあの隠れ家でサボったりすることはないんや…卒業したら今までみたいに学校で見掛けることもないねんな…IP強制表示中:210.136.161.442006-05-07 03:41:00 -
216:
知香
瑠偉くんを初めて見た時のことを思い出した。
あたしが中学一年の時だった。笑いながら楽しそうにふざけ合っているグループの中で瑠偉くんを見つけた。
あたしの目にはキラキラして映った。可愛い顔をして笑う人だなぁって…IP強制表示中:210.136.161.422006-05-07 03:45:00 -
217:
知香
その日からあたしは気付いたら瑠偉くんを目で探して追うようになってた。
瑠偉くんは覚えてないかもしれないけどあたしが雨の日に渡り廊下を走っていた時、泥に滑ってこけた時、二年生の校舎からあたしに向かって「大丈夫かぁ」って一声かけてくれた。IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-07 03:48:00 -
218:
知香
きっとその時は瑠偉くんあたしのことなんて知らなかったと思う。
でもその一声にあたしは瑠偉くんの優しさを感じた。多分瑠偉くんは本当に優しい…人だった。
「ちょっとぉ雪ぃ…大丈夫?」さやかがハンカチであたしの目をふいてくれた。IP強制表示中:210.136.161.392006-05-07 03:51:00 -
219:
知香
「瑠偉くんおらんくなったら寂しい…っ…」
この時のあたしは純粋に瑠偉のことが好きだったんだよ…。嘘や欺瞞なんてなにひとつなかった。
ただ瑠偉が…好きだった。IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-07 03:53:00 -
220:
知香
卒業式は無事に終わり、涙をおさえながらあたし達二年生は体育館から正門に向けての運動場に三年生のための花道を作った。
あたしや舞やさやか達は保健室に花束を取りに行って花道のスタートする場所に立っていた。IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-07 03:57:00 -
221:
知香
「ちょっとぉ…恥ずかしいからやめてえや…」
あたしは照れながら言った。あ…その時瑠偉くんの制服にふと目が止まった。第…第二ボタンがない…
一瞬でテンションがた落ち。なんか悲しかった。IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-07 04:07:00 -
222:
知香
誰にあげたんやろう…気になりながらも何も聞けない自分がいた。
あたしの中学にはジンクスがあった。卒業式の日に好きな人の第二ボタンを貰うと幸せになれる。
ここまでなら普通でしょ。IP強制表示中:210.136.161.452006-05-07 04:10:00 -
223:
名無しさん
>>200-300
IP強制表示中:210.136.161.342006-05-07 04:11:00 -
224:
知香
で、ジンクスはそこから。制服は男女共にブレザーだから自分の制服の第二ボタンも取って、相手に貰ったボタンと赤い紐でピッタリにつなげるの。
その二つつながったボタンをまた赤い紐でプールの裏のフェンスに結ぶんだけどね。IP強制表示中:210.136.161.422006-05-07 04:17:00 -
225:
知香
代々伝わるジンクスなせいか、その金網のフェンスには数えきれない数のボタンが赤い紐で結ばれてる。
ボタン…あたしも欲しかったな…。
まぁしかたない。ないもんはないんだから。今日は瑠偉くんの卒業式なんだしね…IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-07 04:19:00 -
226:
知香
瑠偉くんは笑いながらあたしにそう言って手を繋いだまま歩いていく。
瑠偉のこうゆう無邪気さにもあたしはいつの間にか惹かれてたんやろうね。
花道を歩きながらあたしは瑠偉を好きなんだとはっきり分かった。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 04:37:00 -
227:
知香
「ん?プールんとこに結ぶねん。知ってるやろ?フェンスのジンクス。絆のボタン」
知ってたんや…
「で!でも瑠偉くんボタンないやん。なかったら意味ないねんで」IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-07 04:42:00 -
228:
知香
「え?俺持ってるし」
そう言って瑠偉くんはポケットからボタンを出してあたしに見せてきた。
「なっ?とりあえずちょーだい」IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-07 04:44:00 -
229:
知香
あたしはそう言われてブレザーの第二ボタンをちぎって渡した。
「あー!雪ぃ瑠偉くーん写真撮ったげるー」
その時さやかが走ってきてあたし達の所にきた。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-07 04:45:00 -
230:
知香
「もっと寄ってー」
「次は顔くっつけて」
さやかはそう言いながら次々にシャッターを押していた。
「めっちゃいい写真やで。現像したら二人に渡すね」さやかはそう言って村井大くんと帰って行った。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-07 04:48:00 -
231:
知香
「今日な、夜9時から卒業暴走やねんな。だから朝まで多分走ってるかもしれんけど…終わったら会ってくれるか?」
さやか達に笑いながら手をふっていた後、急に瑠偉くんが真剣な顔でそう言ってきた。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-07 04:56:00 -
232:
知香
永井か…。永井さんは瑠偉くんの元カノだったらしく、二ヶ月ぐらい付き合っていたらしい。
瑠偉くんがフッたらしいけど永井さんは瑠偉くん達の学年では一番可愛かった人だった。
まだ好きなんやぁ…IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-07 05:05:00 -
233:
知香
でもあたしはムカついたりはしなかった。なんでやろう?なんか同じ女やったからかな。
好きな人のことになると女の子って必死になるし醜くなったりもするから…
まぁあたし調子のってるわけちゃうしな。IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 05:07:00 -
234:
知香
「光一くんも今日暴走やねんて。なぁ雪ぃ一緒にオールして待っとかへん?」
舞が帰る途中にそう言い出し、結局あたしは夜舞と一緒に待つことになった。
だからとりあえず家に帰るとあたしは眠りについた。先に寝てないとね…IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-07 05:11:00 -
235:
知香
ピピーピピーピピー
ハッとした。ベルの音で目が覚めた。
【オキテル?イチジカンゴニイクネ】IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-07 05:13:00 -
236:
知香
三輪くんのこともあったしベルを変えるついでに文字が入るベルに変えたから舞からのメッセージで目が覚めた。
1時間後かぁ…時計を見ると夜のちょうど11時だった。とりあえず起きて用意をして舞を待っているとベルが鳴った。IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-07 05:15:00 -
237:
知香
【デンワシテ。ミワ】
あたしは呆然としていた。ミワ…って…
とりあえず舞からすぐベルが入り、あたしはマンションの下におりた。IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 05:17:00 -
238:
知香
「舞!」
あたしは周りを警戒しながら舞を呼んだ。
「どうしたん雪そんな顔して」IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-07 05:18:00 -
239:
知香
「ちょー三輪くんからベル入ってきてん…ベル番変えたから知らんはずやのに…どうしよう…」
「なんでバレてんの?雪あんた誰に教えた?」
「同級生と瑠偉くんにしか教えてない…と思う」IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 05:21:00 -
240:
知香
「とりあえず瑠偉くんら帰ってくるまで待っとこ。ムシしとけばいいねん」
「うん…」
舞に言われてあたしもしかたなく三輪くんをぶちった。IP強制表示中:210.136.161.372006-05-07 05:22:00 -
241:
名無しさん
ずっと見てます?邪魔になるので書き込みゎ控えますが応援してます?
IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 05:26:00 -
242:
知香
とりあえず二人で24時間営業のファミレスに行って時間をつぶしていると舞のピッチに光一くんから電話があった。
「うん、うん、分かったぁ。ほんじゃ行っとくわ。うん、バイバーイ。なんか今帰ってきてるとこやから中央公園で待っててーって」IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 05:26:00 -
243:
知香
「そっか。じゃあ行こっかぁ」
あたしと舞はレジを済ませてファミレスを出ると公園に向かった。
ピピーピピーピピーIP強制表示中:210.136.161.1382006-05-07 05:27:00 -
244:
知香
中央公園に着くと寒すぎた。三月だといっても夜は真冬並に冷える。
あたしと舞は近くの自動販売機に走ってココアを二つ買った。
ブンブンブーブブブン…
響き渡る単車の音であたし達はハッとした。帰ってきたー☆IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-07 05:33:00 -
245:
知香
しばらくすると音は少し消えて静かになった。あれー?そう思っていると公園の入口から単車に乗った瑠偉くん達が入ってきた。
「ごめんなー遅なって。寒かったやろ」
瑠偉くんは単車をおりるとすぐあたしのところに来てカイロをくれた。IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-07 05:36:00 -
246:
知香
「ありがとー」
「ほんまに待っててくれると思わんかったから光一に聞いてめっちゃ嬉しくてダッシュで帰ってきた」
そう言って瑠偉くんはニコッとしながらあたしの持っていたココアを取って残り全部を一気に飲んだ。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 05:39:00 -
247:
知香
「あ!半分ぐらい入ってたのにぃー」
「ちゃうやん新しいの買ったろかと思って。外寒いしちょっと冷めてたやろ?買いに行こ」
瑠偉くんはあたしの手をつかんで販売機に歩いていく。この強引さがよかったりもすんねんな…IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-07 05:41:00 -
248:
知香
みんなから少し離れると瑠偉くんはあたしを急に抱きしめた。
「めっちゃ寒かったやろ?ほんまごめんな!てゆうかもう…なんてゆうていいんか分からんけど…めっちゃ好き」
そう言って強く抱きしめられたあたしは瑠偉くんの匂いに包まれてた。IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-07 05:44:00 -
249:
知香
ラルフのポロスポーツ。瑠偉くんの匂い。なんだか不思議と落ち着いた。
「とりあえずはよ戻ってはよ帰ろか。雪の返事ってゆうか気持ち聞くんは後で聞くわ」
新しいココアを一つ買ってみんなのところに戻った。二人で一つのココア。なぁ…あたしら繋がりかけてたはずやんな?IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-07 05:48:00 -
250:
知香
あたし達みんな一瞬息が止まった。でも遅かった…
「何してんねんお前らー卒業暴走かぁぁー」
現れたのは三輪くんや、その周りの同い年の族仲間や後輩達だった。明らかにみんなイッていた。IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-07 05:54:00 -
251:
知香
あたしはうつむいたまま顔を上げることができなかった。
「おー瑠偉も光一もええ刺繍ランやんけ。後ろ向けやぁ」
三輪くんに言われて二人は黙ったまま後ろを向いていた。IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-07 05:56:00 -
252:
知香
ビクッとした。あたしはそのまま顔を上げることができなかった。
「お前ら付きおーてんのか?なぁ。俺のベルはぶちってベル番も変えて飛んだつもりやったんかい。なぁ瑠偉、お前手だすなゆうたやろ?あ?」IP強制表示中:210.136.161.382006-05-07 06:00:00 -
253:
知香
クサイ…シ*ナーの匂いで息がつまりそうだった。
「黙って俺の女なっとけばいいねん」
三輪はそう言ってあたしの顔を持ったまま自分の唇をあたしの唇に重ねた。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 06:05:00 -
254:
知香
「やっ!」
あたしは気付けばそんな声を出して三輪くんを突き飛ばしていた。
「何が嫌やねん…お前俺が誰か分かってんのか?おいリュウ、あきら、この女押さえろ」IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 06:07:00 -
255:
知香
三輪くんがそう言うと二人の男があたしの後ろに回って肩を押さえた。
三輪くんはニヤッと気持ち悪い笑い方をしながら近付いてくる。嫌…目が…死んでる…
あたしはたまらず目をつぶった。その瞬間、鈍い音が聞こえた。IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-07 06:09:00 -
256:
名無しさん
ミワきもい?
IP強制表示中:210.136.161.362006-05-07 06:11:00 -
257:
知香
三輪くんの取り巻きは全部で八人。その全員が目の前で瑠偉くんを殴ったり蹴ったり…
あたしは声にならない声で叫んでいた。
「やめて…もう…お願いやからやめてー!」
あかん…あたしが…あたしが我慢したらいいねん…IP強制表示中:210.136.161.382006-05-07 06:15:00 -
258:
知香
「三輪くんやめさせて!お願いします…あたし三輪くんと付き合うから。だからお願いやから…もうやめて…」
泣き崩れたあたしを舞も泣きながら見ていた。
「お前らやめろ。瑠偉離せ」IP強制表示中:210.136.161.442006-05-07 06:17:00 -
259:
知香
瑠偉くんはグッタリしていて動かなかった。どうしよ…あたしが駆け寄ろうとした時、三輪くんに手をつかまれた。
「お前俺の女やろ?」
背筋が凍るかと思うぐらい気持ち悪かった。目も匂いも…最強に最低。IP強制表示中:210.136.161.362006-05-07 06:20:00 -
260:
知香
「…ぅっ…っ…」
涙が止まらなかった。瑠偉くんをこんな姿にさせたのはあたしや…ごめんな…瑠偉くん。
「乗れや」IP強制表示中:210.136.161.342006-05-07 06:22:00 -
261:
知香
あたしはそう言って三輪くんのバイクの後ろに乗った。ごめんな…瑠偉くん…こうするしかなかった…
バイクは走りだし、あたしは無気力のまま三輪くんに連れていかれるまま目をつぶっていた。
恐怖よりも脱力感の方が強かった…。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-07 06:28:00 -
262:
知香
「おりろや」
目を開けるとあたしはびっくりして声が出なかった。
「ごめんな。ボケとったわ…ごめん。なんか悔しかってんやん。俺これでも大阪ではだいぶ名前も売れてるし女なんか腐るほど寄ってくるから。だから瑠偉ごときに負けたんかって思ったら…」IP強制表示中:210.136.161.412006-05-07 06:32:00 -
263:
知香
この人…心が弱いんや。脆すぎる…
「・・・」
あたしは何も言えなかった。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-07 06:33:00 -
264:
知香
「俺に何が足らんの」
三輪くんは吐き捨てるようにそう言った。
「・・・強さ」IP強制表示中:210.136.161.482006-05-07 06:35:00 -
265:
知香
「強さ?」
「人を支配したり力とかだけが強さじゃないと思います。優しさとか芯の強さが…本当の強さやって思う。シ*ナーとかも弱い人がやるものやと思うし」IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-07 06:38:00 -
266:
名無しさん
>>300-400
IP強制表示中:210.136.161.362006-05-07 06:39:00 -
267:
知香
「そうかもな…もうえーわ。なんかめっちゃダサいやん俺」
三輪くんはそう言うとバイクで走って行った。
三輪くんがあたしをおろしていた場所はあたしのマンションの前だった…。一体なんなんやろう…IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-07 06:41:00 -
268:
知香
とりあえず家に帰ってすぐに舞に電話をかけた。
「雪!?大丈夫?」
「あたしは大丈夫。今家帰ってきたから。それより瑠偉くんは?大丈夫なん?」IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-07 06:43:00 -
269:
知香
「それより雪は?三輪くんどうなったん?」
「うん…なんかよく分からんけどなんとかなりそうかも。でも油断できひんからちょっと様子見るわ」
「うん…」
「瑠偉くんにもしばらく会わんとく。三輪くんのこと落ち着くまで」IP強制表示中:210.136.161.362006-05-07 06:48:00 -
270:
知香
「そっか…じゃあ舞になんでもゆってな。力になるし。元気出してな雪」
「ありがとう…」
電話を切った後、一人で何故か泣いていた。
怖かった…ほんまに…IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-07 06:50:00 -
271:
名無しさん
>>250-350
IP強制表示中:210.136.161.472006-05-07 06:51:00 -
272:
名無しさん
今日ゎもお書かないの?
IP強制表示中:210.136.161.342006-05-07 07:00:00 -
273:
名無しさん
>>250-400
IP強制表示中:210.136.161.452006-05-07 09:03:00 -
274:
名無しさん
>>100-500
IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-07 13:54:00 -
275:
名無しさん
早く読みた-い?主頑張れよン??
IP強制表示中:210.136.161.372006-05-07 17:38:00 -
276:
知香
書き込みありがとうございます。今自分で読み返してみたけど内容ちょっと分かりにくいですね?すいません?
この話はフィクションやけど、雪が瑠偉と出会ってからの11年間を描いていこうと思っています。
複雑に曲がり続ける道を歩いていく雪の長い恋の迷路。ゆっくり気長に読んで下さいIP強制表示中:210.136.161.1342006-05-07 20:47:00 -
277:
知香
その日、あたしは一晩中泣き続けた…。
ピピーピピーピピー
朝の5時すぎ、ベルにメッセージが届いた。
【030*******-4949】IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-07 20:50:00 -
278:
知香
瑠偉くん…
あたし決めた。今はもう会えなくてもいい。連絡とれなくてもいい。
でも絶対いつか瑠偉くん…あたしは瑠偉くんに好きってちゃんと言うから。IP強制表示中:210.136.161.342006-05-07 21:06:00 -
279:
知香
ピリリリリリリ…
その時舞のピッチが鳴った。
「はい、うん。うん…うん。えっ!?何で!?うん。うん。今雪と一緒。うん分かったすぐ向かう」IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-07 21:21:00 -
280:
名無しさん
早くぅぅ???
IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-07 21:22:00 -
281:
知香
舞は慌ててピッチを落としてた。
「雪とりあえず乗って!早く!」
舞はあたしにそう言った。わけもわからないままあたしが舞の自転車の後ろに乗ると舞は急いで漕ぎ出した。IP強制表示中:210.136.161.1302006-05-07 21:23:00 -
282:
知香
「ちょ…舞?どこ行くん?なぁ舞?」
「青山病院…瑠偉くんが倒れたって」
病院に着くまでの道がとても長く感じた。瑠偉くんは試験が終わった後、光一くん達とマクドにいる時に突然気を失って倒れたと聞いた。IP強制表示中:210.136.161.342006-05-07 21:26:00 -
283:
知香
「あっ!雪ちゃん」
その時聞き覚えのある声がした。その声の主は瑠偉くんのお母さんだった。
「光一も井原くんもみんな揃ってるやん。もしかして瑠偉のこと心配して待ってくれてんの?」IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-07 21:34:00 -
284:
知香
「はい…」
みんなが声を揃えて返事していた。
「ごめんなぁ。瑠偉今日は安静にしとかなあかんみたいやからまた明日にでもおばちゃんから颯太(そうた)か光一にでも連絡いれるわ」IP強制表示中:210.136.161.422006-05-07 21:38:00 -
285:
知香
「もう…二人ともそんな顔して…瑠偉な、ちょっと頭の検査したみたいなんよ。そしたら左側の目と周りの骨にちょっと異常があったらしくて。多分この前傷だらけで帰ってきてた時の喧嘩が原因やと思うねんけど。でも心配せんでも大丈夫やから。また詳しいこと分かったら連絡するからね」
IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-07 21:46:00 -
286:
知香
「なにゆうてんの。颯太は関係ないやろ?瑠偉の問題は瑠偉の責任なんやから。卒業暴走とかゆってナメたことしとったからこんなことになんねん。とりあえずおばちゃんもう行くから。雪ちゃんも気つけて帰りや」
「あ…はい…お大事に」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-07 21:52:00 -
287:
知香
「俺には年の離れた七つ上の兄貴がおんねんな。でも兄貴は俺のことキモイとか一緒におんのが嫌やとかいつも俺に言ってきとってん。俺体も小さかったし成長も遅かったからな…なんか嫌やったんちゃう?自分の弟が障害児みたいで」
IP強制表示中:210.136.161.442006-05-07 22:10:00 -
288:
知香
「で、瑠偉は俺が五才の時から知ってんねんけどあいつ三才やのに俺と同じような体やねん。だから年は違うけどいつも一緒に遊んどった。あいつは俺のこと年上って知らんかったやろうけど」
「うん…」IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-07 22:12:00 -
289:
知香
「ようやく落ち着いた時には俺はもう小学二年の冬休みやった。でも俺遅れてるやん普通の子より。だから親が学校に掛け合ったらしくて二年遅れで小学校入学することなってん」
ちょうどその頃、瑠偉くんは幼稚園の年長さんだった。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-07 22:20:00 -
290:
名無しさん
>>300-400
IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-07 22:20:00 -
291:
知香
「颯太はお前より二つ年上やねんぞ。ちゃんと君づけして呼べや」
瑠偉くんは目をパチパチさせてびっくりしていた。瑠偉自身、多分その時まで何も知らなかったやろうから。
「兄ちゃんやめてや」IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-07 22:32:00 -
292:
知香
「なんやねん颯太。お前成長も遅かったから年下の瑠偉と同じような体のくせに。ほんまやったらお前は今五年生やねんぞ」
お兄ちゃんは容赦なく言葉をあびせた。
「颯太…ほんまなん?」IP強制表示中:210.136.161.422006-05-07 22:33:00 -
293:
知香
「そっか…」
「でもあいつそれから今までずっと黙ってくれてんねん。俺はまぁバレてもいいって思ってんねんけどな。でも瑠偉がな…気使うやつとか出てきたら嫌やろ?って言ってくれて」IP強制表示中:210.136.161.1302006-05-07 22:42:00 -
294:
名無しさん
>>300-390
IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-07 22:59:00 -
295:
知香
部屋に戻って手紙の封筒をあけてみた。
「汚なっ…」
思わず声に出てしまったほどその手紙に書かれてあった字は汚なかった。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-07 23:52:00 -
296:
知香
やたらとひらがなの多いその手紙は三輪くんからのものだった。
あの人…根はそんなに悪い人じゃないんかもしれへんな…
字は汚かったけど、三輪くんの想いはすごく綺麗に思った。本当に強い人は、人の痛みが分かる人。三輪くんもそうなれたらいい。IP強制表示中:210.136.161.422006-05-08 00:04:00 -
297:
知香
「フーッ…」
大きく息を吐いた。ため息とは違う。なんとなく気合いが入った感じ。
ピピーピピーピピーIP強制表示中:210.136.161.432006-05-08 00:06:00 -
298:
知香
その時ベルが続けて二回鳴った。
【ゼンブナクシテモイイ。ゾクヲダサレテモイイ。】【オレハユキトイッショニオリタイ。ルイ】
二つのメッセージは瑠偉くんからのものだった。瑠偉くん…病院から送ってきてんの?IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-08 00:10:00 -
299:
知香
すぐに瑠偉くんの携帯に電話をした。でも携帯は圏外でつながらなかった。
瑠偉くん。もう族を出されることもないよ。三輪くんも分かってくれたよ。だから何かを失うことなんてないから…一緒にいよう。
あたしは心の中でそう思っていた。IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-08 00:13:00 -
300:
知香
でも…瑠偉くんは失ってしまう…。あの時のことが原因で大切な目を。
なぁ瑠偉。あたしは誓ってんで?一生瑠偉の目になるって。
あたしが瑠偉の目になるって。瑠偉を一生そばで支えるって。一生一緒におるって…誓ってん。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-08 00:17:00 -
301:
知香
「分かったぁ。じゃあ用意できたら行くわ」
「ほんなー4時に青山病院の前着くように来てな」
「ハーイ」
普通に電話を切った。でも不思議な胸騒ぎを感じた。何であたしら二人だけ先に呼ばれたんやろ…IP強制表示中:210.136.161.422006-05-08 00:23:00 -
302:
知香
でも瑠偉くんに会えることが嬉しくてあたしはあまり気にしなかった。
会ったらなんて言おう。昨日のベルの返事も中央公園での返事も…まだあたしは何も瑠偉くんに伝えてない。
次はちゃんと言おう。好きって…絶対伝えよう。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-08 00:24:00 -
303:
知香
「ホットひとつと…雪ちゃんと颯太は?」
「俺コーラ」
「あ…カルピスで」
とりあえず注文が終わり、飲み物がテーブルに運ばれてくるまでみんな何故か緊張感が漂っていた。IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-08 00:33:00 -
304:
知香
飲み物が揃うと、あたし達みんながとりあえず口をつけた。
「でな、話やねんけど」
瑠偉くんのお母さんが口火を切ったかのように話し始めた。IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-08 00:35:00 -
305:
知香
「瑠偉にもさっき話したとこやねんけど…あのこの左目の周りの骨が少し陥没してんねんな。まぁそれは大丈夫やねんけど…。左目の血管と神経が切れてて角膜も傷がついてるから…」
瑠偉くんのお母さんはそれからしばらく黙ったままだった。IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-08 00:38:00 -
306:
名無しさん
>>380-450
IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-08 00:56:00 -
307:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-08 01:56:00 -
308:
名無しさん
がんばれ?
IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-08 04:54:00 -
309:
知香
「えっ…」
あたしはそれ以上なにも言うことはできなかった。ただ黙って泣いてた。
「なんで瑠偉に話したん!そんなん知ったらあいつ…おばちゃんなんでゆうてん…瑠偉…そんな強い奴ちゃうねんで」IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-08 05:19:00 -
310:
知香
「分かったって。一言だけそう言ってた。でもな、みんなには黙っててくれって。颯太にも雪ちゃんにも絶対ゆうなってあの子に言われてん…でもおばちゃんどうしていいか分からんようなって…」
初めて見た瑠偉くんのお母さんの悲しい涙やった。IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-08 05:24:00 -
311:
知香
瑠偉くんはあたし達みんなに自分の目のことを黙っていてくれとお母さんに頼んでた。
あたしは思った。
瑠偉くん…それってあたしのためにやろ?あたしのせいであんなことになったから…だからあたしのせいにならんように黙っとこうと思ったんやろ?IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-08 05:27:00 -
312:
知香
「俺…黙っとくわ。瑠偉はいつか俺に話してくれると思う。その時まで俺知らんふりしとくから。だからおばちゃん泣かんとって。瑠偉が目見えんようなっても不自由せんように近くでちゃんと見とくから」
「颯太…ぁ」IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-08 05:30:00 -
313:
知香
「あたしも…瑠偉くんの力になります。絶対…」
あたし達三人は涙をこらえながら話をし、喫茶店を出た。病院に戻るとちょうど光一くんや舞達がロビーに来ていた。
「あっ雪ぃ!今ちょうど瑠偉くんとこ行こうとしててん」IP強制表示中:210.136.161.352006-05-08 05:33:00 -
314:
知香
「来てくれ…たんや」
「う…ん」
瑠偉くんと会ったのはあの卒業式の夜以来だった。瑠偉くんは少し疲れた顔をしていた。やっぱりしんどいんかな…今。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-08 05:41:00 -
315:
名無しさん
>>400-450
IP強制表示中:210.136.161.392006-05-08 07:20:00 -
316:
名無しさん
>>1-500
IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-08 07:28:00 -
317:
知香
「すぐ退院できるみたいやから合格発表みんなで見にいこや」
瑠偉くんが笑ってそう言った。あたしは泣きそうになるのを必死でこらえて笑った。
瑠偉くん…苦しくない?目が見えなくなるの怖くないの?IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-08 12:07:00 -
318:
知香
少しシーンとした。何から話したらいいんやろ…
「なぁ雪…俺もう暴走族やめるから。だから三輪くんと付き合うとかゆわんとってや…あの時俺のためにゆったんやろ?三輪くんと付き合うって」
「なぁ瑠偉くん。そのことはもう大丈夫やねん」IP強制表示中:210.136.161.422006-05-08 12:12:00 -
319:
知香
あたしはあの手紙を持ってきていた。瑠偉くんに渡すと瑠偉くんは手紙をゆっくり読んで、ほっとしたようなため息をついた。
「なんやねん…こんなんやったら最初からからんでくんなよなぁ」
そう言って瑠偉くんはまた笑った。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-08 12:14:00 -
320:
知香
ほんまにそうやな…
そしたら瑠偉くんの目、こんなことにはならんかったのに。ごめんな…。あたしは心の中で何度も何度も謝った。
「瑠偉くん…あんな、あたし…」
「俺の彼女になって」IP強制表示中:210.136.161.382006-05-08 12:16:00 -
321:
知香
「え…」
「俺は雪が好きや。ほんまにめっちゃ好き」
「瑠偉くん…あたしも…好き。あたしでよかったら…彼女にして下さい」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-08 12:18:00 -
322:
知香
「ほんまに?ほんまにいいん?」
瑠偉くんは嬉しそうにあたしに聞き返した。あたしは笑ってうなずいた。
なぁ瑠偉。あたしは誓った。心の中で誓ってた。あたしは瑠偉の目になるよ。瑠偉に光を与え続けるから。IP強制表示中:210.136.161.342006-05-08 12:21:00 -
323:
知香
「なぁ今日って何日やったっけ?」
「三月…16かな」
「ほんまかぁ?ちゃんと覚えとけよ。今日は付き合い始めた記念日やねんから」IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-08 12:23:00 -
324:
名無しさん
メチャ楽しみ???
IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-08 20:30:00 -
325:
名無しさん
わぁ??
IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-09 02:35:00 -
326:
名無しさん
楽しみらょ???
IP強制表示中:210.136.161.402006-05-09 02:35:00 -
327:
知香
今から約9年前の3月16日。あたしは瑠偉の彼女になった。
憧れだった瑠偉の彼女に。あたしはただ純粋に瑠偉が大好きだった。
あたし誓ったはずやったのに…ごめんな瑠偉。あたしは瑠偉の目だけじゃなく心からも光を奪ってしまった…。ごめんね…IP強制表示中:210.136.161.412006-05-09 04:25:00 -
328:
知香
「多分合格発表の日までには退院できると思うし一緒に見に来る?」
「何を?」
「決まってるやん。合格発表。まぁ俺は間違いなく受かってるから行かんでもいいねんけどな」
瑠偉くんはそう言って笑ってた。IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-09 04:29:00 -
329:
知香
「そんなんゆってて落ちてたら笑われへんで」
「えっ…(呆然)な、なにゆってんねん。大丈夫…に決まってるやんけ」
瑠偉くん可愛いー。ほんまはちょっと不安なくせに…。IP強制表示中:210.136.161.432006-05-09 04:32:00 -
330:
知香
「いーよ。一緒に行ってあげる」
「来たいんやろ雪が」
「来てほしいくせに」
そんなくだらない会話で何時間も笑い合ってた。やっと気持ちが繋がったあたし達二人には、もう何も怖いものなどなかった。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-09 04:35:00 -
331:
知香
それからは瑠偉くんが退院するまであたしは毎日病院に通った。
お見舞いってゆうよりあたしが瑠偉くんに会いたかったから…。
そして無事に合格発表の当日には瑠偉くんは退院できることになった。IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-09 04:39:00 -
332:
知香
「瑠偉早くー」
「お前らほんまうるさいねん分かってるってー。」
退院の日の朝、みんなで瑠偉くんを迎えに来ていた。そのまま合格発表を見に行くことになってたし、急いでいたみんなが瑠偉くんをせかしてた。IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-09 04:44:00 -
333:
知香
「瑠偉!気をつけて行きや。颯太も光一も!とりあえず夜はウチで鍋するからみんな来れるならおいで。雪ちゃんもね」
病院を出ると、瑠偉くんのお母さんはそう言って一足先に帰って行った。IP強制表示中:210.136.161.382006-05-09 04:48:00 -
334:
知香
「はよ行こや」
「おー行きますか」
みんなこの日はバイクではなく可愛いらしい自転車族。のんびりしながらみんなでこうしてるのもたまにはいいな…
あたしは瑠偉くんのうしろに乗りながらそう思った。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-09 04:51:00 -
335:
知香
「よっしゃ行こや」
「ちょー待てって」
みんな自転車をとめると走って合格者の受験番号の掲示板に向かって行った。
瑠偉くんはそんなみんなを微笑みながら見ていた。IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-09 04:57:00 -
336:
知香
「瑠偉くんは行かんの?みんな走ってったで」
「ん?うん。ちょっと光がまぶしいねやん」
ちょうどあたし達は日差しの当たる太陽の真下にいた。瑠偉くん…目…光が当たったら痛いんかな…まぶしいってゆっても今そんなに太陽出てないのに…IP強制表示中:210.136.161.392006-05-09 05:01:00 -
337:
知香
「代わりに見てきたげよっか?」
「いーって。行かんでも俺は受かってるから。ここで待っとこや」
「うん…そうやね…」
あたしいつまで黙ってたらいいんやろう。瑠偉くん目のことあたしに話してくれるんかな…IP強制表示中:210.136.161.352006-05-09 05:04:00 -
338:
知香
目のことを分かってるのに何もできない。力になりたいのに…
あたしはいつも自分を責めてしまってた。あたしのせいで瑠偉は…って。瑠偉の目を…人生を壊したのはあたしや…って。
悔しかった。何もできない自分が…情けなかった。IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-09 05:12:00 -
339:
名無しさん
>>2-50>>51-100>>101-150>>151-200>>201-250>>300-350 >>351-400 >>401-450 >>451-500
IP強制表示中:222.7.56.272006-05-09 05:12:00 -
340:
知香
「ははっマジで落ち込んでるってー」
「笑ったんなや(笑)」
「とかゆうて亮だって笑ってるやんけ」
亮くんと信也くんと神崎くんが走ってきて三人が大笑いしていた。ひどいなぁこの人ら…まったく…IP強制表示中:210.136.161.362006-05-09 08:18:00 -
341:
知香
「俺落ちたら定時行こうと思ってたけどもうやめる。働くわ俺。先輩んとこで現場仕事やる」
光一くんがみんなにそう言った。
「光一くんカッコイイから作業服似合うやろうな」舞が笑った。IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-09 08:31:00 -
342:
知香
「おぅ。金稼いで舞に欲しいもん買ったるからな」
そう言って笑った光一くんはすごくかっこよくて、みんなより少し大人に見えた。
「イッチ(井原君)は?」IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-09 08:33:00 -
343:
名無しさん
??あげ??
IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-09 15:53:00 -
344:
ゆか?
この小説好きっ?
知香さん頑張って
くださーい??IP強制表示中:210.136.161.1942006-05-09 22:03:00 -
345:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-10 00:39:00 -
346:
名無しさん
今日も書いてくれるカナ??かなり楽しみにしてる?頑張ってネ(?´?`?)
IP強制表示中:210.153.84.2162006-05-10 00:44:00 -
347:
名無しさん
>>1-100>>101-200>>201-300>>301-400>>401-500
IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-10 07:10:00 -
348:
ゆか?
書いてくれないの??
IP強制表示中:210.136.161.2002006-05-10 17:15:00 -
349:
名無しさん
あれぇ‥???
IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-10 18:37:00 -
350:
名無しさん
あげッッ???
IP強制表示中:210.136.161.402006-05-10 18:37:00 -
351:
知香
今から書きますよ☆
IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-10 23:03:00 -
352:
知香
「みんな来るまで家でゆっくりしとこや」
瑠偉くんはそう言ってあたしと手をつないでマンションへと入った。
「ただいまぁー。おかん雪連れて来たでー」IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-10 23:53:00 -
353:
知香
「あっ雪ちゃん。颯太達みんな何時頃来るって言ってた?」
「だいたい6時くらいに来るみたいですよ」
「そっか。じゃあ雪ちゃんお昼まだやろ?すぐ作るし一緒に食べて夕方一緒にスーパーに買い物行くからついてきてくれる?」IP強制表示中:210.136.161.332006-05-10 23:56:00 -
354:
知香
「全然行きます☆」
「じゃあ俺も行くー」
「瑠偉は家で待っとき。邪魔なだけなんやから」
瑠偉くんはお母さんにそう言われて少しスネた顔をした。可愛いな…ほんま。瑠偉?お母さんは邪魔なんて思ってないよ。多分瑠偉のこと心配やねん。IP強制表示中:210.136.161.432006-05-11 00:03:00 -
355:
知香
でも1番不安なのは、1番怖いのは瑠偉くんやんな…。あたしらには分かりたくても分かることのできひんことやもん…
何度も何度も夢を見る。今もずっと。あの時あたしが…瑠偉くんのこと守れたらよかった。守りたかった…IP強制表示中:210.136.161.352006-05-11 00:11:00 -
356:
知香
お昼ごはんを食べて瑠偉くんと二人で部屋でボーっとしてると瑠偉くんは気付いたら寝てしまってた。
スースー寝息をたてながら眠るその顔は、綺麗な天使のような寝顔だった。
瑠偉くん…好きやで。あたし絶対にずっとそばにおる。ずっと一緒にいたい…IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-11 00:15:00 -
357:
知香
「雪ちゃーん」
瑠偉くんのお母さんの声が聞こえて部屋を出た。
「もうすぐ買い物行くつもりやけど行ける?」
「大丈夫ですよ瑠偉くんも今ちょっと寝てるし」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-11 00:17:00 -
358:
知香
「そうなん?じゃあ行こっか雪ちゃん」
そうしてあたしと瑠偉くんのお母さんは二人で買い物に出掛けた。
あたしは不思議ともう緊張感もなくて、瑠偉くんのお母さんと普通に話すこともできるようになってる。IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-11 00:19:00 -
359:
知香
「なに鍋がいいー?」
「うーん…なんやろう…?キムチ鍋以外やったら何でも大丈夫ですよ」
スーパーに着いた頃には二人でこんな会話をしながら中に入ってた。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-11 00:21:00 -
360:
名無しさん
リアルや?
頑張って??IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-11 00:22:00 -
361:
知香
「えっ!キムチ嫌いやの?辛いの苦手?」
「いえ(笑)おととい食べたから違うのがいいなぁと思って」
「なんやぁびっくりした。瑠偉辛いもの好きやねん。今度瑠偉の好きなもの作り方教えてあげるわね」
瑠偉くんのお母さんはそう言ってニコッと笑った。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-11 00:25:00 -
362:
知香
「あれ?雪!?」
その時後ろから名前を呼ばれて振り返った。
「あ…お母さん」IP強制表示中:210.136.161.472006-05-11 00:26:00 -
363:
知香
初めて会ったばかりの二人は何故か15分近く立ち話を続け、気付けば今度二人で一緒にカラオケに行きましょうとまで話がふくらんでいた。
「じゃあ雪、帰り遅くならんように帰ってきいや」
「遅くなったら私が送っていきますよ」IP強制表示中:210.136.161.452006-05-11 00:32:00 -
364:
知香
「ほんまですかぁ…すいませんなんか…雪、ちゃんと迷惑かけへんように手伝ったりしなさいよ」
「はーい」
「じゃあすいません買い物の途中だったのに」IP強制表示中:210.136.161.392006-05-11 00:33:00 -
365:
知香
「いえいえ、じゃあまた今度本当にカラオケでも行きましょうね!」
そうして二人はやっと話終えた。長かった…な。さすが大阪のおばちゃんやわ。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-11 00:35:00 -
366:
?
めっちゃ?おもしろぃ?頑張って???
IP強制表示中:210.136.161.2072006-05-11 00:38:00 -
367:
知香
「いいお母さんやねー。おばちゃん気が合いそうやわぁ。」
「ほんまですか(笑)」
あたしは笑ってた。ってゆうか嬉しかった。自分のお母さんと好きな人のお母さんが仲良くなりそうなことがすごく嬉しかった。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-11 00:40:00 -
368:
知香
「もう人数多いし寄せ鍋にするー?」
「はい!寄せ鍋で!」
「じゃあねぇ…雪ちゃんクズキリとお豆腐取ってきてくれる?あと油揚げと鰹節も」
そう言われ、あたしは言われたものを探して次々にカゴに入れていった。IP強制表示中:210.136.161.442006-05-11 00:44:00 -
369:
知香
「よし、とりあえずこんなもんかな」
スーパー内をまわりきった頃にはカゴがテンコ盛りになっていた。そりゃそうだ。
育ち盛り食べ盛りの男の子七人とあたしと舞、それにお父さんとお母さん。
みんな合わせたら11人。ハンパじゃない…IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-11 00:47:00 -
370:
知香
レジを済ませて二人で袋につめ終わると、あたしも瑠偉くんのお母さんも重い袋を持って自転車のカゴに乗せると家に戻った。
「雪ぃちょっと来て」
家に持ってすぐに瑠偉くんの声が聞こえた。あたしが部屋に行くと瑠偉くんは眠そうな目をこすりながらあたしに手招きをした。IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-11 00:52:00 -
371:
知香
「ん?どしたん?」
「いーからちょっと来てー早く」
瑠偉くんにそう言われて、あたしは瑠偉くんのベットまで行くと、そのまま瑠偉くんにつかまえられた。
「びっくりするやんかぁ起きたらおらんかったら。ごめんなさいは?」IP強制表示中:210.136.161.432006-05-11 00:55:00 -
372:
知香
「ごめん…なさい」
何で謝ってんねん!って心では思いながらも、ごめんなさいは?って聞いた時の瑠偉くんの声があまりにも可愛いすぎて、あたしはもう降参だった。
「雪ほんまめっちゃ可愛い!もう!反則やわ」IP強制表示中:210.136.161.352006-05-11 00:58:00 -
373:
知香
瑠偉くんはそう言って強くあたしを抱きしめた。
そしてあたしの顔を右手で触りながら、優しくほっぺにキスをする。ドキドキが止まらなくて顔が熱くなった。
それから瑠偉くんは何度も優しくキスをしてくれた。あたし幸せや…IP強制表示中:210.136.161.362006-05-11 01:03:00 -
374:
名無しさん
>>470-500
IP強制表示中:210.136.161.462006-05-11 01:05:00 -
375:
知香
なぁ瑠偉…あたしらずっと一緒やって思ってた。
なんであかんようになってしまったんかな…?
なんで9年たった今は…別々の道を歩いてるんやろ?なんで今は…お互いに違う人が隣に…いてんねやろ…IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-11 01:13:00 -
376:
知香
あたしの恋は迷路だった。ぐるぐるぐるぐる廻る迷路。
でもな、瑠偉。あたしのたどり着くゴールは絶対瑠偉やねん。
なぁ瑠偉…フェンスに繋いだ第二ボタン。あれって永遠の絆やったやんな?
あたしら同じ道…歩むはずやったやんな…IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-11 01:19:00 -
377:
知香
みんなチューハイやビールを飲んでた。瑠偉くんのお父さんやお母さんは、外で悪さをされるぐらいなら家でお酒を飲んでくれたほうがマシだと言って笑ってた。
9時を過ぎた頃にはお開きになり、みんなで一緒に帰ることになった。IP強制表示中:210.136.161.462006-05-11 01:24:00 -
378:
知香
「ほんならおかん俺送ってくるわ雪」
「いいってみんな一緒やし大丈夫やから」
帰りぎわにあたしはそう言った。夜は暗い。瑠偉くんの目のことも気になるし、あたしは瑠偉くんのためにも断った。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-11 01:26:00 -
379:
知香
「瑠偉ぃ俺同じ方向やしユッキー送ってくで。ついでやし」
「マジで?ほんなーイッチ頼むな」
井原くんが瑠偉くんにそう言うと、瑠偉くんは笑ってあたしやみんなをマンションの下まで見送ってくれた。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-11 01:29:00 -
380:
知香
「バイバーイ」
「また明日なぁ!」
それぞれが違う方向へと帰っていく。あたしは井原くんのうしろに乗せてもらいながら帰っていた。
井原くんはがたいが大きい。とゆうより強い。あたしはこの時までそんなに話したことはなかった。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-11 01:32:00 -
381:
知香
「ユッキー寒ない?大丈夫か?」
井原くんはいつからか分からないけど、あたしをユッキーと呼んでいた。
「あ…大丈夫。ごめんなぁ井原くん送ってもらって」IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-11 01:34:00 -
382:
知香
「えーって全然。あと俺に気使わんでいいで。てゆうかみんなみたいにイッチって呼んでや」
「マジで?うーん分かったぁ呼べるように頑張る」
「なんやそれ(笑)ユッキー天然やなぁ」IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-11 01:37:00 -
383:
知香
「ありがとーイッチ」
「さっそく呼んでくれちゃってるやん」
マンションまで着いた頃には余裕で話せるようになっていた。IP強制表示中:210.136.161.442006-05-11 01:41:00 -
384:
知香
「ほんなぁまたなぁ」
イッチはあたしを送ってくれると手を振って帰って行った。
この時から、イッチとはすごく仲良くなった。本当に友達と思えるような男友達はイッチが初めてだった。IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-11 01:49:00 -
385:
知香
あたしはみんなを知らんうちに傷つけてたんかな…
1番大事な人が…1番遠くにいってしまった。ささいなことがきっかけで全部がおかしくなってん…
イッチ…?あたしと瑠偉…もう同じ道は歩かれへんのかな…IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-11 01:59:00 -
386:
名無しさん
>>500-550
IP強制表示中:210.136.161.352006-05-11 01:59:00 -
387:
知香
そうは言われても頭のどこかでいつも不安がつきまとっていた。
でも瑠偉くんは学校が終わればいつもすぐにベルを入れてきてくれたし、だいたい毎日のようにあたしと遊んでくれてた。
みんなでバカ騒ぎしたり二人でゆっくりしたり…あたしの中学三年はずっとそんな感じだった。IP強制表示中:210.136.161.352006-05-11 02:09:00 -
388:
知香
でも、瑠偉くんと付き合ったあの3月16日から8ヶ月がたとうとしていた頃、秋から冬へと季節が変わっていくような頃に、あたしは自分に自信がなくなっていた。
まぁきっかけは小さいことで…
舞やさや達みんなと話していた時だった。IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-11 02:19:00 -
389:
名無しさん
>>450-600
IP強制表示中:210.136.161.482006-05-11 02:24:00 -
390:
?
今日は終わりですか?
お疲れ様?IP強制表示中:210.136.161.782006-05-11 02:43:00 -
391:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.442006-05-11 03:31:00 -
392:
名無しさん
???
IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-11 03:31:00 -
393:
名無しさん
>>1-250>>251-525
IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-11 12:57:00 -
394:
知香
「そういえば雪は瑠偉くんとどこまでいった?もうエッチしたん?」
「えっ?」
いつものように談笑していた時、ふとそんな話になった。あたしは瑠偉くんとはキス止まりで、まだそれ以上は何もしていなかった。IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-11 13:17:00 -
395:
知香
「舞は…どうなん?」
「えーっ…やったよ!三ヶ月たった頃やったかなぁ?光一ガマンできひんとかゆって襲われた(笑)」
そうなんやぁ…。あたしは少し動揺した。舞達とあたし達は付き合った時期も近かったし、進展の早い二人の話を聞いて何故か遅れてるんかなって焦りがあった。IP強制表示中:210.136.161.402006-05-11 13:20:00 -
396:
知香
「さやかは?」
舞がさやに話を振ると、さやは顔を赤くして黙っていた。
「えっマジ!?さやか大とやったん!?いつよー?はよ教えてやー」IP強制表示中:210.136.161.482006-05-11 13:21:00 -
397:
知香
舞がそう言ってからかうとさやは話し始めた。
「ちょうどこの間な、一年記念やってんやん。それで大の家おって…やっちゃった…。ずっと拒否っててんけど一年も我慢してくれてたしもうそろそろいいかなって思って…」IP強制表示中:210.136.161.362006-05-11 13:24:00 -
398:
知香
「そう…なんやぁ…」
あたしは一人で取り残された気分になった。瑠偉くんも我慢してんのかな?
「雪はどうなん?もうやったんやろ?」IP強制表示中:210.136.161.482006-05-11 13:25:00 -
399:
知香
そう言って二人があたしを見てた。
「まだ…やで」
あたしがそう言うと二人はびっくりした顔で本当に驚いていた。IP強制表示中:210.136.161.362006-05-11 13:26:00 -
400:
知香
「マジで?雪と瑠偉くんめっちゃ仲いいしもうやってんのかと思ってた」
「でも意外やけどなんかいいやん☆瑠偉くんは雪を大事に思ってんねんって」
舞とさやかがあたしにそう言った。IP強制表示中:210.136.161.342006-05-11 13:28:00 -
401:
知香
「そうなんかな…」
あたしは少し自信がなくなった。瑠偉くんあたしとエッチしたくないんかな…とかそんなくだらないことばかり考えてしまう。
「雪ぃーそこのCD取ってや」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-11 13:31:00 -
402:
知香
その日もあたしは学校が終わると瑠偉くんの家にいた。
「これ?はいっ」
CDを手渡すと瑠偉くんはあたしのおでこにチュッとキスをした。
あたしやっぱり子供扱いされてんのかな?瑠偉くん…前の彼女とはエッチしてたんかな…IP強制表示中:210.136.161.452006-05-11 13:33:00 -
403:
知香
「雪?どないしてんそんな泣きそうな顔して」
瑠偉くんがそんなあたしに気付いてあたしをじっと見ていた。
「なんもない」IP強制表示中:210.136.161.342006-05-11 13:35:00 -
404:
知香
「なんやねん(笑)なんかあったんか?」
瑠偉くんは笑ってた。
「なぁ瑠偉くん…あたしのこと好き?」
「なんやねん急にー。当たり前やろ好きに決まってるやん」IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-11 13:36:00 -
405:
知香
「そっか…」
「なんで?雪は俺のこと好きちゃうん?」
「好き…やで」
自分があほらしくてうんざりする。瑠偉くんはあたしのことちゃんと好きでいてくれてるやん…。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-11 13:38:00 -
406:
知香
「なぁ雪今何時?」
「ん?7時過ぎやで」
「ふーんありがと」
この頃から瑠偉くんはよくあたしに時間を聞くようになっていた。部屋には時計があるのに。あたしは忘れかけてた。瑠偉くんの目のことを…IP強制表示中:210.136.161.402006-05-11 13:40:00 -
407:
知香
それから時々左の目をこするようになった。ふと思った。瑠偉くん…目みえにくくなってきてんのかな?
一度瑠偉くんのお母さんと話をしていた時、片方の目が見えなくなってしまうと、脳や体のバランスがとりにくくなると聞いていた。IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-11 13:44:00 -
408:
知香
片目の視力がなくなるだけならそんなにたいしたことはないと思われがちだけど、人間はまず両目から見えるもので生活のほとんどを過ごしてるから急に片目だけ見えなくなる場合、ものすごく神経に負担がかかるらしい。。
IP強制表示中:210.136.161.1442006-05-11 13:46:00 -
409:
知香
左目を閉じてみて?
普通に見えるはずの視界の半分はなくなってしまうよね。左の方向に人がいる場合だと、顔ごと左に曲げないとその人の顔は見えないんだよ。
だからあたしはいつも瑠偉の右側にいるようにしてた。IP強制表示中:210.136.161.392006-05-11 13:50:00 -
410:
知香
瑠偉に負担がかからないように、瑠偉のために…って。
あたしは瑠偉のことばかり考えてた。あたしが逆に瑠偉に依存してしまってた。本当にうっとうしいぐらいに…。
どこに行く時も瑠偉について行ってた。瑠偉が友達と遊ぶ時もいつでも…IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-11 13:53:00 -
411:
知香
「ごめん今日遊ばれへんねん。またベルいれるわ」
「なんで?何すんの?どこ行くん?」
年が明け、冬休みも終わりに近付いていたある日、瑠偉は用事があると言ってあたしと会わなかった。付き合ってから初めてのことだった。IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-11 13:57:00 -
412:
知香
どんなに短い時間でも一日一回は顔を見ていたあたしは、それがすごく寂しく感じた。
でも、その夜に瑠偉くんのお母さんから内緒で電話がかかってきた。
瑠偉くんの目は、もうすでに半分ぐらい視力が落ちていたみたいで、その日は病院で検査を受けに行っていた。IP強制表示中:210.136.161.362006-05-11 14:00:00 -
413:
知香
瑠偉くん…やっぱり目悪くなってたんや…
あたしあほや。自分のこどばっかり考えてた。寂しいとかそんなことより瑠偉くんの目のことちゃんと考えてあげなあかんのに…
こんなんじゃあかん。もっとしっかりしな。IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-11 14:02:00 -
414:
知香
翌日、あたしはいつものように瑠偉くんと遊んでたけど何も知らないふりをしてた。
「なぁ雪昨日ごめんな。親戚の家行っててんやん。ばりだるかったってー」
瑠偉くんはあたしに嘘をつく。悲しい嘘を。IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-11 14:05:00 -
415:
知香
「そうなんやぁー。まぁそうゆうこともたまにはあるさ」
あたしは普通に接してた。なぁ瑠偉くん…しんどくない?ずっとそうやって嘘をつき続けていくの?
あたしじゃ瑠偉くんの気持ちの全てを受け止められへんのかな?IP強制表示中:210.136.161.452006-05-11 14:07:00 -
416:
知香
「雪ぃこっち来て」
あたしは瑠偉くんに手をひかれながらベットに乗せられた。いつも瑠偉くんはあたしをギュッとしてくれる。
でも本当に抱きしめられたかったのは瑠偉くんのほうやってんやんな…IP強制表示中:210.136.161.462006-05-11 14:10:00 -
417:
知香
瑠偉くん…一人で苦しいんやんな…怖いんやんな…
あたしはその時、瑠偉くんを力いっぱい抱きしめた。大丈夫やで瑠偉くん。瑠偉くんにはあたしがおる。
片目が見えなくなっても…あたしが瑠偉くんに楽しいものや綺麗な景色、たくさん見せてあげるから。IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-11 14:12:00 -
418:
知香
「どうしたん?雪。めっちゃギュッてしてるやん」
瑠偉くんはあたしにそう言った。
「んー?あたし瑠偉くんから離れへんから。ずっとずっと一緒におる。何があっても絶対そばにおるから」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-11 14:14:00 -
419:
知香
「雪お前ほんま可愛いー!俺も絶対離さん」
瑠偉くんはそう言うとあたしに何度も何度もキスをした。
「雪…好きやで」IP強制表示中:210.136.161.372006-05-11 14:17:00 -
420:
知香
その日はいつもより瑠偉くんは何度もそう言ってあたしにキスをしてきた。
なんとなくあたしも空気に流されてた。とゆうよりも瑠偉くんに触れられることがすごく幸せに感じた。
「なぁ雪…瑠偉ってゆって」IP強制表示中:210.136.161.392006-05-11 14:20:00 -
421:
知香
「瑠偉…好き」
あたしは瑠偉がすごく愛おしかった。
「もっかいゆって」IP強制表示中:210.136.161.342006-05-11 14:21:00 -
422:
知香
「好きやで瑠偉」
あたしがそう言うと、瑠偉はもう止まらなかった。あたしにとっては初めてのエッチだった。
一言で表すなら痛いにつきないけど、瑠偉に包まれていたあたしは間違いなく幸せだった。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-11 14:23:00 -
423:
知香
「ごめんな痛かったやろ?大丈夫か?俺も初めてやったからなんかテンパってた…ごめんな」
「え!?そうやったん!?大丈夫やで☆瑠偉のこと好きやもん」
この時に初めて知った。瑠偉にとっても初めてのエッチだった。IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-11 14:26:00 -
424:
知香
あたしの初めての相手は瑠偉。瑠偉の初めての相手はあたし。
なんやろ?1番になれた気がして嬉しかった。
焦ってたわけじゃないけど、10ヶ月近く待ってくれていたのは瑠偉の思いやりやったんかもしれんな…IP強制表示中:210.136.161.412006-05-11 14:28:00 -
425:
知香
「よかったやん☆」
「聞いててこっちがドキドキしたわぁ」
あたしは舞とさやに数日後、そのことを話すと、二人は笑って話をきいてくれてた。
舞と光一くんも、さやと大くんもうまくいっていたしみんながハッピーだった。IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-11 14:31:00 -
426:
名無しさん
また?リアルや?
頑張って??IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-11 14:40:00 -
427:
知香
「はぁ(笑)?なんなんひかる結構おもろいやん。舞は賛成!」
「やろ?なんか残したいなぁと思って。紙になんか書けへん?で、成人式とかにあけに来ようや。五年後ぐらいやしさ。五年後の自分に手紙書いたりする?」IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-11 14:54:00 -
428:
知香
「いいやんそれ!」
みんなノリ気で卒業式にタイムカプセルを埋めることに決まり、それまでに未来への自分宛てに手紙を書くことになった。
それからはみんなで遊びながら勉強も頑張ったりして、あたし達はようやく卒業式を迎えた。IP強制表示中:210.136.161.332006-05-11 14:56:00 -
429:
知香
みんなが色とりどりの傘をさし、門までの花道を歩いていく。
去年は瑠偉くんと歩いてたんやったなぁ…。
「なぁ雪ぃーサインペン持ってる?」
「持ってんで。細いやつやけど」IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-11 15:01:00 -
430:
知香
「ちょっと貸してー」
さやにそう言われてサインペンを渡すと、さやはニヤッと笑ってあたしの傘に落書きを始めた。
あたし達七人はみんなビニール傘をさしていて、寄せ書き色紙ならね寄せ書き傘をみんなが書き始めたのだ。IP強制表示中:210.136.161.1402006-05-11 15:02:00 -
431:
名無しさん
頑張って?????
IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-11 15:12:00 -
432:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1302006-05-11 18:09:00 -
434:
名無しさん
>>520-570
IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-12 02:57:00 -
435:
名無しさん
ぁげー???
頑張ってネ(?U3U)??IP強制表示中:210.153.84.1972006-05-12 15:53:00 -
436:
知香
「あっ雪!あそこ見て!瑠偉くん来てんで」
みんなで傘にメッセージを書き合っていた時、ひかるが正門を指さしてそう言った。
瑠偉くんは正門の前で白いの花束を持って立っていた。えっ…来てくれたん?IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-13 04:04:00 -
437:
知香
隣を見ると光一くんもいた。舞は急いで光一くんのところへ走って行った。
「雪ー!」
瑠偉くんがあたしを見つけてそう呼んだ。あたしは瑠偉くんのところに歩いていった。IP強制表示中:210.136.161.412006-05-13 04:06:00 -
438:
知香
「おい雪なんやねんその傘は(笑)はいこれ」
あたしの落書きだらけの傘を見て瑠偉くんは笑いながらあたしに花束を渡してくれた。
白いゆりの花だった。
「ありがと…瑠偉。めっちゃ綺麗」IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-13 04:07:00 -
439:
知香
「おー」
瑠偉は少し照れた顔でそう言うと、あたしの傘をジロジロ見ていた。
「なぁこれ舞らが書いたんやろ?サインペンないん?俺にもかかしてや」IP強制表示中:210.136.161.422006-05-13 04:09:00 -
440:
知香
「瑠偉も書くん?」
「あかんか?」
「ん?…いいけど」
あたしがそう言ってペンを手渡すと、瑠偉はキュッキュッと音をたてながら文字を書いていた。IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-13 04:11:00 -
441:
知香
瑠偉のメッセージを見てあたしは涙が出た。
雪は俺の宝物…誰にも渡さん…って…あたしは嬉しかった。嬉しくて泣いてしまってた。
「ちょっと雪!?どうしたん!?」
あたしに気付いたさやが駆け寄ってきた。IP強制表示中:210.136.161.352006-05-13 04:19:00 -
442:
知香
「ちが…う…嬉しくて…ごめん…泣いたりして」
あたしがそう言うとさやはあたしの傘を見て笑ってた。
「よかったなぁ雪。瑠偉くんは雪のことほんまに大事に思ってくれてんねんって。これからもずっと仲良くおってな」IP強制表示中:210.136.161.412006-05-13 04:21:00 -
443:
知香
「さやぁ…ありがと」
「雪の泣き虫ー(笑)」
さやはそう言って笑った。あたしも涙が止まった。
「さやかー!行くでもう!行かんねやったらもうやめとくけど」IP強制表示中:210.136.161.342006-05-13 04:24:00 -
444:
知香
その時少し離れた場所から大くんがさやを呼ぶ声がした。
「行くってばー待って!すぐ行くから一緒に行こ」
「俺どっちでもいいで!とりあえず行くならはよしてやー」IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-13 04:27:00 -
445:
知香
「分かったってばー」
さやはそう言うと、自分の制服の第二ボタンを取った。あ…そっか…フェンスに付けに行くんや…
「絆のボタンやろ?はよ行ってきい☆」IP強制表示中:210.136.161.382006-05-13 04:29:00 -
446:
知香
「うん行ってくるわ」
さやはそう言って大くんのもとへと走って行った。大くんはさやを置いて足早に歩いていく。
そんな大くんを追い掛けるようにさやは後ろを歩いていた。
二人…幸せになったらいいのにな…IP強制表示中:210.136.161.372006-05-13 04:31:00 -
447:
知香
ちょうど一年前、あたしと瑠偉くんもフェンスにボタンを繋いだ。
舞も光一くんも。ジンクス通り、あたし達はうまくいってた。信じてたよ…フェンスのジンクスを。
さや達もこのままずっとうまくいくといいのにな…IP強制表示中:210.136.161.332006-05-13 04:34:00 -
448:
知香
「雪ぃ帰んで」
あたしがボーっとみんなを眺めてると、瑠偉がそう言ってあたしの手をつかんだ。
「とりあえず雪と俺のおかん向こうで待ってるから。なんか今から飯行こうやって」IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-13 04:37:00 -
449:
知香
「そうなんやぁ」
あたしはみんなにバイバイして瑠偉とお母さん達の待つ裏門へと歩いて行った。お母さんと瑠偉のお母さんは、この日二人で卒業式を見に来てくれてた。
瑠偉は卒業生だし中には入れなかったけど。IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-13 04:39:00 -
450:
知香
「雪ぃ卒業おめでと」
「あっ雪ちゃんおなかすいてるやろ何食べたい?」
あたしと瑠偉が付き合って一年を迎えるこの頃には、お母さん達はすごく仲が良くなっていた。
二人は年齢は違うけど本当に仲がよかった。IP強制表示中:210.136.161.392006-05-13 04:42:00 -
451:
知香
それからレストランに着いて食事を始めながらみんなでゆっくり話をしていた。あたし達よりもよく話すお母さんコンビだった。
「ほんまに雪と瑠偉結婚させたいわぁ」
「私も思ってた。雪ちゃんお嫁さんになったってくれる?」IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-13 04:47:00 -
452:
知香
テンション上がりすぎ。それにいつからかお母さんは瑠偉って勝手に呼びだしたし…まったくもう。
「そんなんゆわれんでも俺ら結婚するし。まぁ俺がちゃんと雪のこと幸せにできるようになってからやで」
瑠偉…あたし今でも幸せやで?瑠偉がおるからあたしは幸せを知った。IP強制表示中:210.136.161.1382006-05-13 04:50:00 -
453:
知香
「ほんじゃあもう婚約したも同然やな。楽しみやわぁほんまに」
「ほんまやねぇ」
お母さん達はまたまた勝手に話を盛り上げていた。
あたし楽しかった。本当に毎日が幸せで嬉しかった。瑠偉と過ごした時間は、あたしにとって忘れられないかけがえのないものやねんで…。IP強制表示中:210.136.161.1302006-05-13 04:54:00 -
454:
名無しさん
スゴィおもしろぃです?
でもめちゃ切なくなる?
応援してるので頑張って下さい??IP強制表示中:210.136.161.352006-05-13 05:01:00 -
455:
知香
「ただいまぁー」
食事が終わってとりあえず瑠偉達とはバイバイしてお母さんと家に帰った。
「あっ姉ちゃん瑠偉くんは?」IP強制表示中:210.136.161.342006-05-13 05:02:00 -
456:
知香
朝陽がすぐにあたしの部屋に入ってきた。
「ん?後から来るで」
「そうなんや。俺ゲームやりたいからちょっと瑠偉兄貸してな」
朝陽も瑠偉と仲が良かった。最近になって瑠偉にぃと呼ぶようになってからは、本当の兄弟のように仲良くなりだしていた。IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-13 05:05:00 -
457:
名無しさん
>>1-300
>>301-600IP強制表示中:210.136.161.372006-05-13 05:06:00 -
458:
知香
「おじゃましまーす」
瑠偉が来た。瑠偉はお母さんや朝陽とは仲が良かったけど、やっぱりお父さんは少し怖いらしく、いつも礼儀正しく挨拶は欠かさない。
まぁヤンキーって変に礼儀深かったりするんだけど。IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-13 05:09:00 -
459:
知香
「瑠偉にぃゲームやろ!こっち来て」
瑠偉はうちに遊びにくるなり朝陽に服を引っ張られてリビングに連れて行かれてた。
でもこの日はあたしの卒業式もあったせいか、お父さんはいつもより早く帰ってきていて、リビングのソファーに座っていた。IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-13 05:11:00 -
460:
知香
「こんばんは…お邪魔します」
瑠偉はやっぱりお父さんには緊張気味だった。きっとお父さんも昔やんちゃな時代があったからだろう。
瑠偉は自分同じにおいを感じて少し怖く思っているんだろうなと思った。IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-13 05:13:00 -
461:
知香
お父さんはいつも無愛想だった。あまり瑠偉と口を聞いたりしない。
だから瑠偉も余計に話にくかったんだと思う。
でもこの日は違っていた。お父さんから瑠偉に話し掛けたのだ。
本当にささいな話だった。IP強制表示中:210.136.161.472006-05-13 05:15:00 -
462:
知香
「るいってどんな字書くねん?」
突然お父さんがそう言った。瑠偉はびっくりしてあたふたしながら喋り始めてた。
「あっあの…説明しにくいんで紙に書いてもいいですか?」IP強制表示中:210.136.161.462006-05-13 05:19:00 -
463:
知香
「おう。ほんならこれに書いてみ」
お父さんはそう言ってメモ用紙とボールペンを渡した。
瑠偉はメモ用紙に浅倉瑠偉と書いてお父さんに手渡した。
「お前キレーな字やなー。達筆やんけ」IP強制表示中:210.136.161.1312006-05-13 05:21:00 -
464:
知香
はい?あたしは拍子抜けした。字って(笑)
「そんなことないです。全然…」
瑠偉は緊張していてガチガチだった。IP強制表示中:210.136.161.402006-05-13 05:23:00 -
465:
名無しさん
更新楽しみにしてます?
IP強制表示中:210.136.161.722006-05-13 21:56:00 -
466:
名無しさん
今日は書かないの??
楽しみに待ってて
何回かのぞいたけど
眠さピークだから寝ます?
起きて更新されてたら
嬉しいなァー( ゚∇^)IP強制表示中:210.136.161.152006-05-14 01:34:00 -
467:
名無しさん
またあげとくネ???
IP強制表示中:210.136.161.72006-05-14 16:58:00 -
468:
名無しさん
>>1-200
>>201-400
>>401-600IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-14 21:48:00 -
469:
名無しさん
>>2-100>>101-200>>201-300
>>301-400>>401-500>>501-600 >>601-700IP強制表示中:210.136.161.422006-05-14 23:36:00 -
470:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-16 00:18:00 -
471:
名無しさん
かいて
IP強制表示中:210.153.84.2092006-05-16 01:14:00 -
472:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.342006-05-16 02:55:00 -
473:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1432006-05-16 02:55:00 -
474:
名無しさん
あげあげ
IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-18 13:14:00 -
475:
名無しさん
かいて???
IP強制表示中:210.136.161.412006-05-18 16:32:00 -
476:
名無しさん
まだですかねぇ‥??
IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-19 04:55:00 -
477:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1332006-05-19 04:55:00 -
478:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.362006-05-19 04:56:00 -
479:
名無しさん
???
IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-19 04:56:00 -
480:
名無しさん
傷跡の作者と一緒なん?
IP強制表示中:210.136.161.162006-05-19 21:58:00 -
481:
名無しさん
違うよ
IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-19 23:49:00 -
482:
名無しさん
あげ
IP強制表示中:210.136.161.1292006-05-20 02:35:00 -
483:
名無しさん
続きが気になるゥゥゥ???
書ぃて下しゃぃ(・∀・?)IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-21 11:04:00 -
484:
名無しさん
書ぃて?さァァ?ぃ???
IP強制表示中:210.136.161.352006-05-22 01:34:00 -
485:
名無しさん
かかんかったら小説かくな
IP強制表示中:210.136.161.422006-05-22 19:30:00 -
486:
名無しさん
他のスレで愚痴ってる場合ちゃうでワラ
IP強制表示中:210.136.161.122006-05-22 19:34:00 -
487:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-23 02:32:00 -
488:
名無しさん
>>1-250>>250-500>>500-750
IP強制表示中:210.136.161.1302006-05-23 19:44:00 -
489:
名無しさん
>>1-632
IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-24 10:34:00 -
490:
名無しさん
629サン、それどういうことなん?
IP強制表示中:222.7.56.2372006-05-24 11:23:00 -
491:
名無しさん
IP強制表示中:210.136.161.1342006-05-25 00:16:00 -
492:
名無しさん
書く気ないんなら
最初っからスレたてんなIP強制表示中:210.136.161.2112006-05-25 11:33:00 -
493:
名無しさん
↑そんなんゆったら?ここの作者?また前みたいに書かへん!!とか言い出すで??ワラ
IP強制表示中:222.7.56.1132006-05-25 14:08:00 -
494:
名無しさん
ばかだもんね
IP強制表示中:210.136.161.1462006-05-25 15:05:00 -
495:
知香
書く気あります。でも今の状態で書いてもあなた達が荒らすだけでしょ?書きたいからスレ立てたの。これからは書けない日あったら事前に言います。今までのいい加減な放置のことはすいませんでした。読みたくなかったら他読んでくれていいです。とりあえず完結するまで黙っててもらいたいです。完結したら何でも質問とか答えるし。
IP強制表示中:210.136.161.1362006-05-25 15:55:00 -
496:
知香
明日の昼に書きにきます。
IP強制表示中:210.136.161.472006-05-25 15:57:00 -
497:
さき?
書いてくれるんや?
頑張ってな??
荒らしゎ、ょぉ?がってるスレにゎつきモンやから踏張れ???
楽しみにしてま?IP強制表示中:210.136.161.1322006-05-25 17:00:00 -
498:
名無しさん
傷跡も早く完結さしてやーワラ
IP強制表示中:210.153.84.2072006-05-25 18:13:00 -
499:
名無しさん
↑は?傷跡ここの作者と関係ないし。頭悪すぎ。
IP強制表示中:210.153.84.2052006-05-25 23:33:00 -
500:
名無しさん
↑そう思ってるんはあんただけ
IP強制表示中:210.136.161.1622006-05-26 01:59:00 -
501:
名無しさん
だから傷跡とは関係ないねんって。こんな荒らし回るから書く気うせるねんやん。
IP強制表示中:210.136.161.332006-05-26 02:04:00 -
502:
名無しさん
なんでみんな傷跡×2言うてるん?傷跡ってそんな有名なん?
IP強制表示中:210.136.161.1452006-05-26 08:41:00 -
503:
名無しさん
書く気うせるんやったら書かんかったらいいやん。
別に完結させようがさせまいがどっちでもいいしIP強制表示中:210.153.84.2002006-05-26 09:39:00 -
504:
名無しさん
以上な程にここ荒らし多いな‥主ガンバレ。
IP強制表示中:222.7.56.1142006-05-26 11:23:00 -
505:
名無しさん
ここの作者なんか偉そうだね?
IP強制表示中:210.136.161.812006-05-26 14:22:00 -
506:
名無しさん
RAINの時からそんな感じ?
IP強制表示中:210.136.161.422006-05-26 14:59:00 -
507:
名無しさん
頭痛い仔なの?
IP強制表示中:210.136.161.352006-05-26 17:04:00 -
508:
知香
もうかかんから安心して好きなだけ荒らして。夜遊びでは小説もう書かんことにしたから。
マナーの悪い読者が多すぎ。これからは変な人のいないアイランドで書くつもりやから適当にスレ埋めてくれてけっこーですよ。IP強制表示中:210.136.161.1352006-05-26 17:10:00 -
509:
名無しさん
あいらんどなら荒らしいないし安全?
IP強制表示中:210.136.161.1412006-05-26 17:13:00 -
510:
名無しさん
ついに怒ったね?ぷっ
まあこれからもしょうもない小説書き続けてね?IP強制表示中:210.136.161.2072006-05-26 17:38:00 -
511:
名無しさん
自分がどの小説も放置するから悪いんやん。
IP強制表示中:210.153.84.2072006-05-26 17:50:00 -
512:
名無しさん
態度悪いからあかんねやんこんくらいでやめるなら最初から書くなぁ?あほちゃん?さっさといきぃな
IP強制表示中:210.136.161.1392006-05-26 18:32:00 -
513:
名無しさん
どんな話lニも荒らしゎつきもんゃろ?少し荒らされたくらL1でキレゑトカ情緒不安定?(・∀・)
IP強制表示中:210.136.161.862006-05-26 18:36:00 -
514:
名無しさん
ほんまiランドで書いたほうがいいよね。ここの読者は頭イタイ奴いっぱいやから。
IP強制表示中:210.136.161.402006-05-26 18:43:00 -
515:
☆
チカちぁん毎日楽しみに見てましたぁ?
荒しムカツク思うし書く気無くすんゎ分かるケド書かんねやったら書かんで結末教えてほしいねんけど??
中途半端やから気になるし…
それともアイランドで書きなおすん?IP強制表示中:219.125.148.2002006-05-26 19:17:00 -
516:
名無しさん
↑ちゃんと文章読めてます?
IP強制表示中:210.136.161.1622006-05-26 20:21:00 -
517:
名無しさん
けなすんやったら読まんかったらえーのに。完結せんでもえーんやったらくんな。てか態度でかいか!?押さえてる方ちゃうかー。態度でかいのどっちか考えてみーや。
IP強制表示中:210.136.161.1302006-05-26 22:51:00 -
518:
名無しさん
↑あんたが一番態度でかい
IP強制表示中:210.153.84.2062006-05-27 00:41:00 -
519:
名無しさん
なんで皆おとなしくみられへんの?Rainの時は確かにに更新遅かったし、荒らされても仕方ないかなってとこあったけど、今回はじめの方、かなりすごいハイペースで書いてくれてたやん?ちょっとぐらい休憩してもいいんちゃうの?この小説では更新開いたの今回だけやで?ちょっとかかんかった位ですぐ文句いいなや?知佳ちゃんもう本間に書いてくれへんの?無理に書いてとはいわへんから、アイランドでかくんやったらせめて、URLのせてほしいです?
IP強制表示中:210.136.161.1372006-05-27 07:10:00 -
520:
名無しさん
なんぼ早く書けやのゆーても書くんゎ知香チャンやからこんなとこで荒らしても無意味やろ?
結果的に知香チァンも書く気無くしてもーたやんッ焦らさんでもいつか完結すんねから☆IP強制表示中:219.125.148.2032006-05-27 18:08:00 -
521:
名無しさん
本間それ。今回ハイペースでビックリしたもん。
しかもフィクションやのにこんなに早くかいてくれてんのすごいよな〜IP強制表示中:210.136.161.332006-05-27 19:14:00 -
522:
名無しさん
チカたん、URLのせてちょ?
IP強制表示中:210.136.161.1422006-05-28 02:42:00 -
523:
名無しさん
↑自分で調べろ
IP強制表示中:210.153.84.2062006-05-28 09:04:00 -
524:
名無しさん
>>1-300>>300-600
IP強制表示中:210.136.161.392006-05-28 17:07:00 -
525:
名無しさん
え、665ばりイケズやん…
IP強制表示中:210.136.161.392006-05-30 01:16:00 -
526:
名無しさん
何で荒らすんょ?road読むんが毎日の細やかな楽しみやったのに?iランドってどうやって調べたらいいの?
IP強制表示中:219.125.148.1742006-05-30 11:48:00 -
527:
名無しさん
iランドのURL?は
これだょo(^-^)o〃でもこれに載ってるかゎ分からへんで?IP強制表示中:222.7.56.1112006-05-30 20:02:00 -
528:
名無しさん
↑スマソ?‥
肝心なURL載せるん忘れてた?ワラ
はぃ?http://ip.tosp.co.jp/ranking/tosrank010.asp?DSP=B1&SPA=20IP強制表示中:222.7.56.1072006-05-30 20:03:00 -
529:
名無しさん
>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>6
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名無しさん
>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>6
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名無しさん
>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>6
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名無しさん
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名無しさん
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名無しさん
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名無しさん
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名無しさん
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名無しさん
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名無しさん
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名無しさん
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551:
名無しさん
>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>6
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552:
削除削除されますた
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553:
名無しさん
>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>6
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554:
削除削除されますた
IP強制表示中:あぼーん -
555:
名無しさん
>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>63>>6
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556:
削除削除されますた
IP強制表示中:あぼーん -
557:
名無しさん
↑>>63の場面好きなん?
IP強制表示中:210.136.161.662006-06-06 22:58:00 -
558:
名無しさん
あげ
IP強制表示中:210.136.161.792006-06-07 17:51:00 -
559:
名無しさん
あ
IP強制表示中:210.136.161.472006-06-07 17:53:00 -
560:
名無しさん
・゚・(>_
IP強制表示中:210.136.161.1462006-06-10 16:33:00 -
561:
名無しさん
>>1-300>>300-650
IP強制表示中:210.136.161.1412006-07-02 00:37:00 -
562:
名無しさん
>>650-690
IP強制表示中:210.136.161.362006-07-02 05:22:00 -
563:
名無しさん
アゲ
IP強制表示中:222.7.56.2512006-07-03 11:21:00 -
564:
名無しさん
iランドに書くって言ってたけどもう書いてるんですか?題名は同じですか?
IP強制表示中:210.136.161.392006-07-03 13:49:00 -
565:
名無しさん
教えてほしい!めっちゃきになります
IP強制表示中:210.136.161.2122006-07-03 13:50:00 -
566:
名無しさん
それぐらぃおしえてや
IP強制表示中:210.136.161.452006-07-07 03:01:00 -
567:
時間ができたので今、読み返してました。色々荒されてもう書かないってレスされてたけど、更新するきはありました。
今から、少しだけ更新します。
IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 19:07:00 -
568:
でも、それからお父さんと瑠依は、一緒に野球の話をしたり、その日は自然な笑い声が聞こえるくらい柔らかい空気が部屋を暖かくしていた。
人と人は心が通えばこんなに変わるものなんだとあたしは二人を見ていてそう思った。
好きな人と自分のお父さんが仲良くなってくれることってすごく嬉しかったしほっと一安心だった。IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 19:22:00 -
569:
知香
瑠依とあたしには、見守ってくれる人がたくさんいた。
お互いのお父さん、お母さん、朝陽や周りの友達。みんながあたし達二人を暖かく、優しく大切にしててくれたように思う。
たくさんの人たちに支えてもらっていたから、あの頃は幸せだった。大好きな瑠依がいて、大切な家族や仲間がいて・・・IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 19:33:00 -
570:
知香
幸せだと心から感じられたあの頃を、今も時々ふと思い出す。
笑いあってたあの日々を今もずっと忘れられなくて・・・。誰かをあんなにも大切に、まっすぐに、綺麗に愛せたのは、きっとあの頃だけだった。
帰りたい・・・あの頃に。瑠依がいた・・・あの頃に。IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 19:41:00 -
571:
知香
人は生まれてから死ぬまでの間、たくさんの人に出会ってきっとたくさんの恋をする。
でもね、本当に心から愛する人は一人だけ。あたしのそのたった一人の人は瑠意だった。
今までも・・・きっとこれからも・・・IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 19:57:00 -
572:
知香
「本間やなー。一年ってあっという間やわー」
時間は静かに流れていた。幸せという暖かい空気に包まれながら。静かに・・・流れてた。
今年もあの花火が空を明るく染めるんだ。大きな音とともに。IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 20:13:00 -
573:
知香
地元で行われるその花火大会は、とても大きなものだった。
色とりどりの花が、夜空にぱっと咲いていく。舞い上がる花火は暗い夜空を明るく華麗に彩る。
IP強制表示中:210.196.186.222006-08-20 20:20:00 -
574:
ナオッチ
純粋な恋いいよな Roadを読んでいるとつい昔をおもいだします 知香 がんばれ!
IP強制表示中:222.7.56.1472006-08-22 23:54:00 -
575:
知香
「あ、そういえばおかんがまた新しい浴衣作ったから取りにきてーゆうとったで」
「マジでー♪めっちゃ嬉しい!」
去年も瑠依のお母さんに浴衣を作ってもらった。それを着て瑠依と花火を見た。今年も新しい浴衣を着て瑠依と花火を見るんだ。夏の思い出を…一緒に作るんだ。IP強制表示中:210.136.161.1332006-08-28 02:17:00 -
576:
知香
「あほか、颯太らが場所取りやってくれてんねんぞ。はよ行って花火までバーベキューすることなってんねんから」
「分かったってばぁ」
「はい、雪ちゃん終わったよ。よう似合ってるわ」IP強制表示中:210.136.161.332006-08-28 02:26:00 -
577:
知香
「ほんまにぃ?」
瑠依のお母さんの言葉に少し照れながら、あたしは瑠依の部屋へと入っていった。
「用意できたで。ほんなら行こっか」あたしがそう言うと瑠依はテレビを見ていた目をこっちに向けて振り返った。IP強制表示中:210.136.161.382006-08-28 02:30:00 -
578:
知香
「変…かな?」
ジーっと見たまま何も言ってくれない瑠依を見てあたしはそう聞いた。
「よお…似合ってるやん…」瑠依はそう言うと照れ笑いして立ち上がった。その顔がたまらなく可愛くて、すごく好きなんだと改めて感じさせられた。IP強制表示中:210.136.161.382006-08-28 02:34:00 -
579:
知香
付き合っていくうちに当たり前になっていく瑠依の存在。
そばにいるのが当たり前でいなくなることなんて考えられなくなっていく。
付き合いが長くなるにつれ、「好き」という気持ちはどんどん増していった。でも、それとは逆に「好き」という言葉は、お互いに口にすることはなくなっていく。言わなくても分かる。当たり前になった瑠依の存在が自然とそうさせた。IP強制表示中:210.136.161.1302006-08-28 02:41:00 -
580:
知香
「遅いねんお前」
マンションを出てすぐに瑠依は振り返ってそう言った。しかたないやんか浴衣やねんから…。プッとふくれたあたしを見て、瑠依は笑いながら手をつないだ。
「ごめんって。ゆっくり歩いたるから。なっ?キゲン直して雪ちゃん」IP強制表示中:210.136.161.1412006-08-28 02:46:00 -
581:
知香
あたしが怒るといつも瑠依はふざけながらキゲンを直すためにわざとちゃん付けして呼ぶ。
「ほんまにゆっくり歩いてや、浴衣やから歩幅せまいねんから」
そしてあたしはそれでキゲンが直る。単純っていうか…瑠依とはいつもこんな感じで。IP強制表示中:210.136.161.1432006-08-28 02:51:00 -
582:
知香
二人で笑い合いながら階段をおりていた。夕焼けに照らされながら笑う瑠依の顔は、とても優しい顔だった。
「…っ!」
「キャ…っ」
突然の出来事だった。楽しい空気は一瞬にして変わる。IP強制表示中:210.136.161.1292006-08-28 03:01:00 -
583:
知香
「痛っ…ぁい」
「雪…大丈夫か?ってマジ痛いな…」
あたし達二人はおりていた階段から落ちてしまっていた。あたしは繋いでいた瑠依の手に引っ張られるように階段から足を踏み外してしまった。
瑠依は足元が見えにくかったんだろう。あたしはふとそう思い、痛みをこらえながら笑って瑠依を見た。不安にさせたくない…目が見えないことで苦しんでほしくない。IP強制表示中:210.136.161.342006-08-28 03:07:00 -
584:
知香
「ごめ…俺が」
「ごめんなぁ瑠依ぃ。慣れてへん下駄やからつまづいてもうたわ、ほんまごめんな」
分かっていた。瑠依が足を踏み外したことくらい…分かってた。でもあたしがそうやって謝りながら笑うことで瑠依の不安な気持ちを消してあげることができるならあたしはどんな嘘だってつく。瑠依を守りたい。大切な人を…守りたい。IP強制表示中:210.136.161.422006-08-28 03:14:00 -
585:
知香
「ええ…よ」
瑠依は少し小さな声でそう言うと、あたしを起こしてくれた。二人で転んで痛い思いはしたけど、これも後になればひとつの思い出になる。
瑠依。いつか笑って話そうね。二人の思い出のひとつひとつを。IP強制表示中:210.136.161.482006-08-28 03:18:00 -
586:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1372006-08-28 07:04:00 -
587:
名無しさん
初めて読んだけどバリ面白い??主さん無理せず頑張って下さい??
IP強制表示中:210.136.161.392006-08-28 07:10:00 -
588:
名無しさん
がんばって?
IP強制表示中:210.136.161.342006-08-28 07:47:00 -
589:
知香
当たり前に存在する仲間の輪というものをそこに感じる。暖かい日溜まりのように…
「瑠偉もゆっきーもこっち来てはよ始めよや」
イッチが新しいビールを持ってあたしと瑠偉を手招きしながらそう言った。IP強制表示中:210.136.161.352006-08-28 21:54:00 -
590:
知香
「おー」
瑠偉は返事をしながらイッチにビールをもらいに歩いていく。あたしも歩いてみんなの座るレジャー用の椅子まで向かった。
でも階段から落ちた時にぶつけていた足はかなり限界に近かった。歩いているだけでとんでもなく顔がゆがんでしまうそうになる。それくらい激痛だった…IP強制表示中:210.136.161.1462006-08-28 21:57:00 -
591:
知香
それでもあたしは瑠偉と歩いている間、痛みなんて感じていないくらいのとびきりの笑顔で瑠偉の隣を必死で歩いてた。
そのせいなのかやっと椅子に座ったとたんに気が抜けた。でも少し楽にはなったけど痛みは消える気配すらない。IP強制表示中:210.136.161.1322006-08-28 22:01:00 -
592:
知香
「どしたん?雪。めっちゃ顔色悪いやん」
そんなあたしを察したのかは分からないけど舞があたしを見てそう聞いてきた。
「あぁ。ちょっと暑いからさ。疲れただけやで」IP強制表示中:210.136.161.1452006-08-28 22:04:00 -
593:
知香
「ほんまに?」
舞が聞くのも無理はない。あたしは顔から流れるくらいの汗が出ていた。冷や汗とゆうものをかいたことはなかったけど、痛みをこらえながら、出てくる汗というものがこんなにひどくでてくるものだとは知らなかった…。
瑠偉が変に思ったらどうしよう…。あたしはそればかり考えていた。IP強制表示中:210.136.161.482006-08-28 22:16:00 -
594:
知香
痛みで頭がいっぱいになっていく。足から伝わってくる鈍い痛みは次第にどんどん強いものへと変わっていった。
舞がお皿にいれてくれるバーベキューの焼き肉にも手がつけられないほどだった。
しばらくすると花火が始まりみんなが夜空を見上げて楽しそうに声をあげる。そんな空間の中で、あたしはただじっと痛みと戦うしかなかった。IP強制表示中:210.136.161.442006-08-28 22:23:00 -
595:
知香
「雪全然食うてないやん。腹へってないん?」
お皿に入ったままの減らない肉や野菜を見て瑠偉が聞いてきた。
「あ、うん。ちょっとダイエット…みたいな(笑)」笑っていても顔がひきつるのが自分で分かる。痛い…IP強制表示中:210.136.161.442006-08-28 22:26:00 -
596:
知香
それでも隣に瑠偉がいる。それだけであたしは幸せだった。
上を向くと真上で花火がパッと咲いている。それを大好きな瑠偉や大切な仲間達みんなで見られる。ただそれだけで…幸せだった。
「めっちゃ綺麗…」IP強制表示中:210.136.161.462006-08-28 22:30:00 -
597:
知香
花火を見ながらあたしが静かにそうつぶやいた時、瑠偉は黙ってあたしの手を握った。
「来年も一緒に見よな。再来年もその次も…ずっとずっと一緒に見よう。お前がおるから今年の夏もめっちゃ楽しかったわ。ようわからんけど…なんかありがとう」
瑠偉は小さな声でそう言った。ありがとうという言葉がこんなにも心に響くものだとは思わなくて…少し泣きそうになった。IP強制表示中:210.136.161.1322006-08-28 22:39:00 -
598:
名無しさん
リアル?
IP強制表示中:210.136.161.1442006-08-28 22:43:00 -
599:
知香
「お前らあついって」
「いちゃつくなやぁ」
イッチや神崎くん達が次々にひやかしてくる。それはすごく照れくさくてすごくあたたかいものだった。
人を好きになると、優しい気持ちになれる。やわらかい顔になる。生きているだけで幸せだと思える。それを教えてくれたのは、瑠偉。あんたやねん。IP強制表示中:210.136.161.1292006-08-28 22:44:00 -
600:
知香
ずっと一緒やと思ってた。ずっとそばで笑ってるんやって思ってた。
花火大会も毎年一緒に見ようなって…約束したやんな?
なんで…?なんでなん?瑠偉の今歩いてる道は…正しい道?あたしは違うよ…。あたしの歩いてる道は…冷たくて…あの頃みたいにキラキラしてない…。気付けば立ち止まって振り返るばっかりで…。あたしはきっとあの頃から一人だけ歩き出せてないんかな?IP強制表示中:210.136.161.1322006-08-28 22:51:00 -
601:
知香
「ばーり綺麗!」
はしゃいでいる瑠偉の声やドンドン響く花火の音を聞いていると少し痛みも忘れられる。
長かった花火もフィナーレをむかえ、観客はみんな空を見上げていた。IP強制表示中:210.136.161.452006-08-28 22:55:00 -
602:
知香
色とりどりの花火が空一面を明るくしていく。それはまるで夜空に咲く花のようだった…。
あの夏の夜の花火が今も胸に焼き付いて離れない。
ずっと一緒だと誓ったあの夜が…ずっと忘れられない…。どうして離れたんだろう。なんで壊してしまったんだろう…。あたしは瑠偉の左目だけじゃなく、心まで傷つけてしまった…IP強制表示中:210.136.161.362006-08-28 23:01:00 -
603:
知香
「お疲れー」
「また明日なぁ」
花火が終わり、あたし達はそれぞれ別れた。痛みがおさまらないままの足を我慢しながら瑠偉の隣を歩いていた。
夏休みの間はほとんど瑠偉の家にいたあたしだったけど、この日はさすがに無理だと思い家まで送ってもらった。IP強制表示中:210.136.161.1342006-08-28 23:05:00 -
604:
知香
「疲れてないか?大丈夫?ちゃんとゆっくり寝ろよ。また明日起きたら電話して」
瑠偉は帰り際、そう言って優しくキスをした。
好き…。瑠偉が好き。帰っていく瑠偉の後ろ姿を見送りながら強くそう思った。IP強制表示中:210.136.161.1342006-08-28 23:09:00 -
605:
知香
「いっ…た…ぁ」
でも、あたしの足はすでに限界を超えていた。みんなでいる間めくれなかった浴衣のすそをマンションのエントランスに腰掛けながらそっとめくった。
「え…なに…これ…」IP強制表示中:210.136.161.472006-08-28 23:12:00 -
606:
知香
自分の足を見て呆然だった。痛いと思っていた右足の膝から足首にかけての足が左足に比べるとありえないくらいの太さに腫れ上がっていたからだ。
「ねぇちゃん何やってるん」
呆然とするあたしにそう言って近付いてきたのは弟の朝陽だった。IP強制表示中:210.136.161.382006-08-28 23:16:00 -
607:
知香
「朝陽ぃ…ちょうどよかった…おんぶして。もう歩かれへん」
今にも泣きそうな顔で朝陽を見ると、いつもは全然ゆうことなんて聞いてくれないのにすぐに背中を向けて座ってくれた。
「泣きそうな顔すんなやぁ何歳やねん」IP強制表示中:210.136.161.432006-08-28 23:27:00 -
608:
知香
「あんた最近瑠偉の喋り方に似てきてんねんけど」
あたしはそう言いながら朝陽の背中に体をまかせた。
「そうか?」朝陽はそう言ってあたしをおぶりながらエレベーターに乗った。気のせいではない。朝陽は最近瑠偉に似てきた。喋り方もそうだし服だって瑠偉から貰った服ばかり着ている。IP強制表示中:210.136.161.1362006-08-28 23:33:00 -
609:
知香
いつのまにか瑠偉と朝陽は本当の兄弟みたいに仲が良くなっていた。実の姉であるあたしには言えない相談ごとまで内緒で瑠偉にはしているらしい。
瑠偉はその内緒の話をあたしには教えてくれない。
男同士の約束らしく、変な絆みたいなものが結ばれていた。IP強制表示中:210.136.161.422006-08-28 23:38:00 -
610:
知香
「つーか姉ちゃん多分これ折れてんちゃうの」
ようやく家に着いて部屋のベッドでおろしてもらうとすぐに朝陽はそう言ってあたしの右足を見ていた。
「え゙っ…折れてるって何が!?もしかして骨!?」IP強制表示中:210.136.161.342006-08-28 23:42:00 -
611:
知香
「骨以外の何が折れんねん(笑)なにしたん?事故?喧嘩?」
「あんたなぁ…事故とか喧嘩とかって人をヤンキーみたいに言うんやめてよっ。花火大会で階段から落ちただけやわ」
「昔はヤンキーやったくせに」朝陽はそう言って笑っていた。IP強制表示中:210.136.161.342006-08-28 23:46:00 -
612:
知香
「どうしよう…ほんまに折れてたら…」
「ってゆうか折れてたらってゆうより完全折れてるやろ、この腫れ方とその痛がり方やと」
二人でひそひそと話していると突然ドアが開き、洗濯物を持ったお母さんが入ってきた。IP強制表示中:210.136.161.1312006-08-28 23:50:00 -
613:
知香
「なによあんたら帰ってきとったん?帰ってきたら帰ってきたでただいまぐらい言いーや、って雪!あんたその足どないしたん!」
お母さんが大声でそう言うと、リビングにいるはずのお父さんまでもが部屋をのぞきに来た。
「なんやなんかあったんか?」IP強制表示中:210.136.161.1312006-08-28 23:53:00 -
614:
知香
あーあっ…こりゃ大変なことなるわ。
「なんやその足」
ちょっと笑ってしまいそうになるくらいお父さんの言葉は単発に発された。IP強制表示中:210.136.161.1402006-08-28 23:56:00 -
615:
知香
「花火大会でこけてさぁ。階段から落ちてん」
「とりあえず病院やな。お母さん車のキー取っておりてきてくれ。雪、行くぞ」
お父さんはそう言ってあたしの前に腰をおろした。えっ…おぶってくれんの?IP強制表示中:210.136.161.1402006-08-28 23:59:00 -
616:
知香
あたしは戸惑いながらもお父さんにおぶられた。朝陽とは違う大きな背中。
何年ぶりなんだろう。小さい頃はよくこうしてあたしや朝陽をおんぶしたり肩車をしてくれていた。
懐かしい気持ちになる…なぁお父さん?あたし…めちゃくちゃ大きくなってんな…IP強制表示中:210.136.161.332006-08-29 00:03:00 -
617:
知香
「折れてますねぇ」
病院に着いてレントゲンを撮ったあとすぐに先生にそう言われた。
あたしはそのままその日は入院することになり、お父さん達は帰ることになった。IP強制表示中:210.136.161.1412006-08-29 00:13:00 -
618:
知香
「また明日朝から来るから」
そう言って三人が帰っていく姿を見ていると、すごく寂しく感じた。一人はやっぱり寂しい。特にあたしはそういう性格だったりもするから。
「ほんまに早くから来てやぁ、絶対やで!」帰っていく家族に向けて何度もそう言った。IP強制表示中:210.136.161.1412006-08-29 00:16:00 -
619:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.402006-08-29 06:38:00 -
620:
岬
瑠依と雪 これからどういう展開になるんやろ楽しみにしてるにゃ? 知香ゆっくりでいいから?
IP強制表示中:222.7.56.1492006-08-29 07:51:00 -
621:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1462006-08-29 18:01:00 -
622:
知香
それにしてもシーンとした病室やな…でもまさか折れてたとは…。
ギブスをつけられて固定された足を見ていると、少し自分のことをすごいやつだなって思った。
痛みを我慢して折れた足で歩いていたなんて…。すごい根性ってゆうか…愛情ってゆうか…。IP強制表示中:210.136.161.1372006-08-29 18:48:00 -
623:
知香
瑠偉もう寝たかな?なんて言おう…あたしの足が折れてたらって知ったらびっくりして落ち込んだりするかもしれん。
どうすれば…いいんやろ?
あたしはそんなことばかり考えながらいつまにか眠りについていた。IP強制表示中:210.136.161.1412006-08-29 18:57:00 -
624:
名無しさん
?????
IP強制表示中:210.136.161.1462006-08-29 23:34:00 -
625:
名無しさん
愛の力?アーシもそんな青春したかった…
IP強制表示中:210.136.161.1442006-08-30 04:22:00 -
626:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1292006-08-31 21:46:00 -
627:
名無しさん
???
IP強制表示中:210.136.161.332006-09-01 17:48:00 -
628:
知香
「雪ぃー」
瑠偉の声がした。夢の中から聞こえる優しい声があたしの目を覚ます。
「大丈夫か…?」IP強制表示中:210.136.161.1332006-09-02 03:11:00 -
629:
知香
ん…?夢なのか現実なのか分からなかった。目をあけるとそばには瑠偉がいてあたしを見ていた。
「どおしたん瑠偉?」
少しかすれた寝起きの声。あたしは半分寝ぼけたまま瑠偉を見た。IP強制表示中:210.136.161.1332006-09-02 03:15:00 -
630:
知香
「夜中に朝陽が電話くれて…。とりあえず心配やったから面会始まる時間まで待ってて…やっとさっき始まったから。足大丈夫か?ごめんな…」
瑠偉はそう謝りながら悲しい顔をする。
「なんで瑠偉が謝んのよ。雪全然大丈夫やで」IP強制表示中:210.136.161.422006-09-02 03:21:00 -
631:
知香
足の痛みなんてどうでもいい。そんな痛さいくらだって我慢できる。
だから瑠偉…自分を責めんといて?お願いやからそんな顔せんといて?そんな悲しそうな顔…見たくない。心が痛くなる…
瑠偉にはいつも笑っててほしい。幸せでいてほしい。そのためだったらあたし…何だってするから。IP強制表示中:210.136.161.422006-09-02 03:27:00 -
632:
知香
「雪…あんな、俺…お前に言わなあかんこ」
(コンコンッ)
瑠偉が何かを言おうとした時、病室のドアがノックされた。入ってきたのはお父さんとお母さんだった。IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-02 03:31:00 -
633:
知香
「あ、瑠偉来てくれとったん。おはよう」
「俺も今さっき来たとこっすよ」
お母さんと瑠偉が言葉を交わしている。でもお父さんの様子がいつもと少し違うような気がした。怒ってるってゆうか…不機嫌ってゆうか…IP強制表示中:210.136.161.1382006-09-02 03:35:00 -
634:
知香
でもあたしはそれどころではなかった。さっき瑠偉が言いかけた言葉の続きが気になってしかたない。
もしかしたら…瑠偉…。左目のことを話してくれようとしてたのかもしれない。IP強制表示中:210.136.161.352006-09-02 03:39:00 -
635:
知香
「雪が足折れてたん気付かんかったんか」
少し空気が重くなっていくのを感じた。お父さんはそう言って瑠偉をじっと見ている。
「すいませんでした…」IP強制表示中:210.136.161.1402006-09-02 03:43:00 -
636:
名無しさん
頑張れ???
IP強制表示中:210.136.161.1422006-09-02 03:48:00 -
637:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1462006-09-03 06:22:00 -
638:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1392006-09-03 21:51:00 -
639:
翼
瑠偉と雪どうなるんやろ!楽しみにやわ(‘o‘)ノ
IP強制表示中:222.7.56.1402006-09-04 20:54:00 -
640:
知香
「お父さん、もういいやん。瑠偉だって折れてるの分からんかってんって」
お母さんが重い空気を砕くかのように明るく笑ってそう言ってくれた。
「あんな痛そうにしとったのに気付かんやつがおるか?まして足折れてる状態で普通の神経なら歩けるわけないやろが」IP強制表示中:210.136.161.352006-09-07 21:26:00 -
641:
知香
お母さんの言葉も無視してお父さんは瑠偉を見ながらそう言った。
「ほんま…すいませんでした…」
瑠偉は深く頭を下げながら謝っている。あたしは悔しかった。なんでお父さんは瑠偉を責めるのかって。IP強制表示中:210.136.161.352006-09-07 21:29:00 -
642:
瑠偉
「あれ?瑠偉くん、今日診察の日?」
入ってきてすぐに看護婦さんが瑠偉を見て言った。
「いえ…今日は見舞いっす…彼女の」瑠偉は気まずそうにあたしを見た。IP強制表示中:210.136.161.1342006-09-07 21:36:00 -
643:
知香
このまま気まずい空気のままだともっとお父さんの機嫌が悪くなってしまいそうな気がしてあたしはそう言った。
「そ、うやね。お父さん帰ろうか。雪には瑠偉がついててくれるし」
お母さんがそう言うとお父さんは返事もせずにさっさと病室から出て行ってしまった。IP強制表示中:210.136.161.1462006-09-07 21:55:00 -
644:
知香
「ごめんな瑠偉、ちょっとカッカなってるだけやから気にせんといてね。じゃあ雪また来るわ。なんかあったら連絡してきて」
お母さんも慌てて病室を出て行った。
そんな空気を察して、先生と看護婦さんも静かに病室から出て行った。IP強制表示中:210.136.161.442006-09-07 21:58:00 -
645:
知香
「ごめんな瑠偉…なんか変な雰囲気で」
静かな病室であたしは小さくつぶやいた。
「なんでお前が謝んねん。悪いのは全部俺や」IP強制表示中:210.136.161.1422006-09-09 00:06:00 -
646:
知香
「なぁ…瑠偉さっきなんか言いかけてたやんかぁ。なんか言いたいことあったん?」
途切れてしまった言葉の続きがずっと気になってた。瑠偉はあたしに何を話そうとしてたんだろうって。
「えっ…あぁ…」IP強制表示中:210.136.161.1322006-09-09 00:12:00 -
647:
知香
でも瑠偉はそう言ったまま何も話してくれなかった。
あたしから言うべきなのだろうか…。全てを知っていることを…話すべきなんだろうか。
でもそれを知ったら瑠偉はどう思うんだろう。目のことを知っていたのに知らないふりをし続けていたあたしを…瑠偉は…どう思うんだろう?IP強制表示中:210.136.161.332006-09-09 00:17:00 -
648:
知香
沈黙が続く中、あたしの頭の中はどんどんそのことでいっぱいになっていく。
瑠偉もきっとそのことを考えていたと思う。あたし達は同じことで悩み、苦しんでた…。
でも、そんなあたし達を壊すかのように事態は急展開していく。IP強制表示中:210.136.161.1352006-09-09 00:22:00 -
649:
知香
バンッとする音とともにノックもせずにお父さんが病室に入ってきた。
「あれ?帰ったんちゃうかったん?」
あたしがそう言うとお父さんはあたしを見てこう言った。IP強制表示中:210.136.161.392006-09-09 00:24:00 -
650:
知香
「瑠偉とは別れろ。それだけや」
そう一言…重く言った。あたしは訳が分からず、とっさに言い返した。
「なんなん急に!なんで別れなあかんのよ!」IP強制表示中:210.136.161.392006-09-09 00:27:00 -
651:
知香
ただ必死だった…
「瑠偉…別にお前のことが嫌いなんじゃない。いい男や…でもな、目に障害をもってしまったお前に雪は…まかすことができひんねん。分かるな?」
お父さんはそう言って瑠偉を見た。瑠偉は黙ったままで何も言わなかった。IP強制表示中:210.136.161.342006-09-09 00:32:00 -
652:
知香
「帰ります…」
瑠偉はしばらく黙ったあとそう言って病室を出て行こうとした。
「待って瑠偉!いいやん!左目がみえへんくても右目は見えるねんで!?お父さんのことなんか関係ないやん!」IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-09 00:35:00 -
653:
知香
「雪お前なんで知って…」
瑠偉は驚いた顔をしてあたしを見た。
「いいやん。もう」IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-09 00:45:00 -
654:
ヒュンケル
リアル 細かい マジ吸い込まれる!! ずっと見てます 頑張ってください
IP強制表示中:222.7.56.1472006-09-09 06:09:00 -
655:
知香
あたしが話そうとした時、お父さんが言葉をふさぐかのように話し始めた。
「雪、お前は黙ってろ。なぁ瑠偉…俺は今さっき医者がお前に今日は診察か?って聞いたやろ。なんのことなんかさっぱり分からんかったわ…。でも病室出てきた医者から聞いて知ったんや…」
目のことを勝手に話したのは先生だった…。IP強制表示中:210.136.161.1462006-09-09 20:00:00 -
656:
知香
「俺から聞いたんじゃない。勝手に話し始めたんは医者や…。瑠偉くんは状態が悪化していってるけどずっと変わらず雪の話したりいつもよく笑ってる子やって。娘さんが支えになってるんですよって…」
先生はお父さんにそう言っていた。何も知らないお父さんは何のことだか理解できず、先生に全てを聞いて…全てを知ってしまった。IP強制表示中:210.136.161.1462006-09-09 20:08:00 -
657:
知香
「だったらなんでなん?なんでそれやのに別れろとか無神経なことゆうん!?お父さん人間として最低やで!」
あたしは大声で怒鳴った。あたしの好きな人やのに…障害をかかえただけで偏見をもつなんて…信じられなかった。そんな風に思ってほしくなかった…IP強制表示中:210.136.161.1342006-09-09 20:13:00 -
658:
知香
「最低でもかまわん。お前をちゃんと幸せにしてくれる相手は瑠偉じゃつとまらん。車の免許だって取られへんねん、子供ができたらどうすんねん?パパはいつも助手席か?」
お父さんはヒドい言葉を次々に口にする。
「やめてよ…」IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-09 20:19:00 -
659:
知香
「なんや」
「お願いやから…そんな言葉言わんといて…瑠偉が傷つくって分からんの…ずっと苦しい思いして一人でずっと…」
あたしは涙が止まらなかった。瑠偉の気持ちを考えると…お父さんの言った言葉は許せなかった。瑠偉がどんな思いで…今まで孤独にたくさんのことを抱えていたのか。そう思うとやりきれない思いで…IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-09 20:25:00 -
660:
知香
「雪…もういいから。もう何も言わんでいい…。お前の気持ちはめっちゃ分かった。嬉しかったし…やっぱり俺の惚れた女やなって思ったわ…。でもな、親父さんの言ってることも分かんねん…。それが世間一般の普通の意見やと思う。障害をもった男に娘はまかされへんって…それが普通やねん」
瑠偉は弱々しい声でそう言うとそのまま病室から出て行った。IP強制表示中:210.136.161.382006-09-09 20:31:00 -
661:
知香
「待って瑠偉!まだ話終わってないやんか!待ってってば!」
あたしが大声で叫んでも瑠偉は戻ってはこなかった。動きたくても固定されたキブスのせいで動くこともできない…
「雪、静かにしろ。ここは病院や」IP強制表示中:210.136.161.372006-09-09 20:35:00 -
662:
知香
お父さんは冷静な声であたしにそう言った。
「な…にが…静かにしろなん…なにが病院やなん…お父さんなんか嫌いや!出て行って…もう顔も見たくな…」
言葉がでてこなかった。言いたいことがいっぱいあったのに…瑠偉は今日までどんな風に我慢をしてきたのか、あたしにさえ黙ったままで一人で見えなくなっていく目と闘っていたのか…お父さんは何も知らんくせに…IP強制表示中:210.136.161.372006-09-09 20:40:00 -
663:
名無しさん
???
IP強制表示中:210.136.161.392006-09-11 19:19:00 -
664:
知香
「勝手にしろ…」
お父さんはそう言うとまた病室から出ていった。初めてあたしはお父さんのことを憎く思った。
大好きやったのに…なんでなん…IP強制表示中:210.136.161.402006-09-12 13:00:00 -
665:
名無しさん
親父最低
IP強制表示中:210.136.161.462006-09-12 15:25:00 -
666:
鉄朗
さいやくな別れやな どっちもかわいそう リアルすぎ
IP強制表示中:222.7.56.1492006-09-13 04:54:00 -
667:
名無しさん
気になる???
頑張って???IP強制表示中:210.136.161.1352006-09-13 06:33:00 -
668:
知香
「っ…」
「雪…」
あたしが一人泣いているとお母さんが入ってきた。IP強制表示中:210.136.161.1382006-09-15 23:36:00 -
669:
知香
「お母さ…なんで…なんよ…お父さんひどすぎるや…っ」
あたしは言葉にならない声でお母さんにそう言った。
「雪……あんたは知ってたん?」お母さんは静かにあたしに聞く。IP強制表示中:210.136.161.1342006-09-16 01:09:00 -
670:
知香
「うん…」
「何で今まで黙っとったん、こんな形で知ることになる前にちゃんと話してくれてたらこんなことにはならんかったかもしれんのに…」
お母さんはそう言ってため息をついた。IP強制表示中:210.136.161.1342006-09-16 01:12:00 -
671:
知香
「ごめん…でもお母さんは別れろなんかゆわんやんな?」
すがるような思いであたしはそう口にした。お母さんだけは味方やって…そう思いたかった。
「今は…なんとも言われへん…。雪?お母さんにはあんたの気持ちもお父さんの気持ちも分かる…だからお母さんも混乱してるねん」IP強制表示中:210.136.161.412006-09-16 01:18:00 -
672:
知香
何も言えなかった…。お母さんの言葉と瑠偉の言葉が重なったような気がして。
あたしとお父さん、両方の気持ちが分かる…?あたしにはお父さんの気持ちなんて全然分からん。分かりたいとも…思わへん。
なんで好きやのに別れなあかんの?瑠偉だってなんで好きやのに諦めようとするん?IP強制表示中:210.136.161.362006-09-16 01:23:00 -
673:
知香
「じゃあお母さんは…っ…っ…」
「えっ?」
「お母さんは…お父さん…っ…が…瑠偉みたいに片目…見えへんようになったらお父さんと別れんの?それぐらいのことで…別れんの…」IP強制表示中:210.136.161.482006-09-16 01:29:00 -
674:
知香
「それは……」
「ほら!やっぱり別れることなんかできひんねやんか!矛盾してるやん…言ってることめちゃくちゃやんか…」
やり場のない気持ち…誰かのせいにして逃げたくなる。お母さんに当たっても仕方ないのに…IP強制表示中:210.136.161.1432006-09-16 01:32:00 -
675:
知香
「雪。今は足を治すことだけ考えなさい…。お母さんちゃんとお父さんと話してみるから」
お母さんはそう言ってくれたけど、あたしにはもう何も耳に入ってこなかった。
みんな嫌いや…。みんな…嫌い…IP強制表示中:210.136.161.1442006-09-16 01:36:00 -
676:
知香
お母さんが帰った後、あたしはすぐに瑠偉に電話をかけた。
(オカケニナッタデンワハ…)
でも何回かけても瑠偉の携帯は繋がらなかった。不安でたまらなくなる。瑠偉…あんた今どんな気持ちなん?会いたいよ…IP強制表示中:210.136.161.362006-09-16 01:54:00 -
677:
知香
瑠偉はいつでも強かったね。いつもいつも…なにもかもを一人で背負いこんで。
涙流したこともあったやろ?逃げたくなったこともあったやんな?
一人でずっと…怖かったやんな…。それを隠して我慢してたあんたの気持ち…それを考えただけであたしは胸が痛くなった。IP強制表示中:210.136.161.1322006-09-16 03:15:00 -
678:
知香
お父さんの言葉を聞いて瑠偉はどう思ったんやろう。何を感じた?
お父さんのこと…あたしのこと…もう嫌になったかな…
頭の中で何度もまわる瑠偉の顔。あんなに辛そうな顔させて…ごめんね。傷つけて…ごめんね…。IP強制表示中:210.136.161.372006-09-16 03:19:00 -
679:
知香
「姉ちゃん…大丈夫?」
しばらく泣き続けていたあたしにそう言いながら病室に入ってきたのは朝陽だった。
「おかんから軽く話は聞いたわ…。なんてゆうていいんか分からんけど…時間かかるかもしれんけどさ、親父だってわかってくれると思うから。だから諦めんなよ」IP強制表示中:210.136.161.502006-09-16 03:26:00 -
680:
知香
あんなにガキみたいだった朝陽があたしにそう言った。
いつのまにこいつ…こんなにしっかりした子になってたんやろう。…でも嬉しかった…
「朝陽ぃ…ありがと…」あたしは涙が止まらなかった。きっと嬉しくて泣いてた。朝陽の言葉は素直にあたしの心に伝わったから…IP強制表示中:210.136.161.1322006-09-16 03:32:00 -
681:
知香
「泣くなって。瑠偉にいだって姉ちゃんのそんな顔見たくないと思うで…。しっかりしろよ」
あたしはそう言われてやっと涙をむりやり止めた。そうや。あたしがしっかりしないとあかん。
瑠偉の全てを受け止めてあげたい。苦しみも全部あたしがぬぐい去ってあげたい…。だって瑠偉は…あたしの一番大切な人やねんから。IP強制表示中:210.136.161.472006-09-16 03:37:00 -
682:
知香
とりあえず足早く治さないと…
それからはただそれだけを考えていた。楽しいはずだった夏休みは1日1日が静かに過ぎていった。
瑠偉はいくら電話をかけてもあたしの電話にでてくれることはないままで、気付けば一週間なんてあっとゆうまにたってしまっていた。IP強制表示中:210.136.161.382006-09-16 13:17:00 -
683:
知香
「姉ちゃんいくで」
あたしは軽い骨折だったしすぐに退院できることになり、迎えに来てくれていたお母さんと朝陽に連れられて松葉杖をつきながら病院を出た。
「あ、雪ちゃんやったかな?」IP強制表示中:210.136.161.382006-09-16 13:20:00 -
684:
知香
「えっ?」
病院の駐車場で車に乗ろうとしていた時、あたしにそう声をかけたのは一人の白衣を着た医者だった。
「瑠偉くん今日はおらんのかな?おとといは大事な経過診察の予定やってんけど来なかったから」IP強制表示中:210.136.161.382006-09-16 13:23:00 -
685:
知香
「え…」
あたしは息がつまる思いだった。何考えてんのよ瑠偉…
「また会ったらちゃんと病院来るように言っててね。退院おめでとう」先生はそう言うと病院に入っていった。IP強制表示中:210.136.161.382006-09-16 13:26:00 -
686:
知香
「嘘…やんな?」
あたしは信じられなかった。単車に乗っていたぐらいならまだ分かる。危ない先輩との付き合いもまだ…仕方ないと思えた。
でもシ○ナーって…瑠偉あんなに嫌がってたものやのに…。三輪くんと同じことしてるってゆうん?信じたくなかった。瑠偉はそこまで馬鹿じゃないって…そう思いたかった。IP強制表示中:210.136.161.1302006-09-16 13:42:00 -
687:
知香
たった少しのボタンのかけちがいだった。全てがほんの一瞬で…変わっていった。
瑠偉…?あなたの心の傷を…もっと早くに癒やしてあげたかった。もっと早く…。そしたらあたし達…あんなに傷つけ合うことなんてなかったよね。
あんなに苦しまなくてすんだのにね…IP強制表示中:210.136.161.392006-09-16 13:52:00 -
688:
知香
家に帰ったあたしは部屋に置いてあったうちわを見ながら、ふとあの日を思い出した。
大きな音と共に綺麗な花火が夜空に舞い上がっていた。あの日感じた幸せが…脳裏にゆっくりと蘇る。
ずっと一緒って約束したやん。来年も一緒に…花火見ようって言ったやんか…IP強制表示中:210.136.161.442006-09-16 13:58:00 -
689:
知香
ふとカレンダーに目を向けた。たくさんたてていた夏休みの予定は…何もできなかった。
プール…海…キャンプ…たくさん書かれていた予定の中に見つけたのは記念日という文字。
今日は8月14日…。瑠偉との1年5ヶ月記念の日。忘れてた…もうあれから1年5ヶ月もたったんや…IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-16 14:05:00 -
690:
知香
長いようであっという間だった瑠偉との時間を振り返る…。
憧れから始まった恋やった…。友達がライバルで…。でもふとしたきっかけで急接近して…隠れ家で二人してさぼったりしてたっけ…。
卒業暴走…三輪くんの事件…左目の失明…IP強制表示中:210.136.161.492006-09-16 14:11:00 -
691:
知香
いいこと悪いことが立て続けにあった。
でもあたし達…幸せやったやんな?まっすぐ二人で歩いてたやんな?
同じ道を…進んでたやんな?
どうして外してしまったんだろう。なぁ瑠偉?なんであたしらは…今こんな道を…進んでんの?IP強制表示中:210.136.161.1452006-09-16 14:15:00 -
692:
知香
三人で話をしていたその時、舞の携帯が鳴った。相手は…すぐにわかった。
「うん、うん。で?うん…わかった。とりあえず雪松葉杖やねんやん。歩かれへんし雪のマンションの下まで来て。舞らが下まで連れて行くから」
相手は…光一くん。そして瑠偉が見つかったんだと言われた。だから今から…連れて来てくれることなった。IP強制表示中:210.136.161.432006-09-16 14:27:00 -
693:
知香
「どこ行くねん」
家を出ようとした時、廊下の奥からお父さんが出てきた。あたしが退院するからと聞いてこの日はわざわざ仕事を休んでいた。別に休まんくていいのに…
「ちょっとそこまで行ってくるだけやわ!ほっといて!」IP強制表示中:210.136.161.1462006-09-16 14:31:00 -
694:
鉄朗
いままで同じ人生を歩いていたのに ふとした事で道から外れる事があるからね これから完結まで楽しみにしてます 瑠偉と雪別れんといてー 雪がかわいそうすぎる
IP強制表示中:222.7.56.1402006-09-16 20:00:00 -
695:
知香
「なにがほっといてや!そんな足で外出歩いてどないすんねん!」
お父さんは怒鳴り声をあげながらあたしを見た。なんなん…
「すぐ帰ってくるんで…。30分だけ時間下さい。お願いします」IP強制表示中:210.136.161.522006-09-23 01:52:00 -
696:
知香
重くなっていく空気の中、そう言って頭をさげたのはさやだった。隣にいた舞もさやと一緒に頭をさげてくれていた。
「…勝手にしろ」
お父さんはそう言うとバタンとドアをしめて部屋に戻っていった。IP強制表示中:210.136.161.522006-09-23 01:55:00 -
697:
知香
ごめん…お父さん。でもしょうがないねん。
瑠偉は…瑠偉だけは…大事な人やから。だからごめん。親不孝でもいい。今回だけは…わがままさせてな…
あたしはそう思いながらさや達に肩をかりて家を出た。IP強制表示中:210.136.161.1392006-09-23 02:32:00 -
698:
知香
自分の気持ちをちゃんと伝えたかった。ただ…瑠偉の心を開きたかった。すれ違ってしまった道を歩もうとしている瑠偉を…引き止めたかった…あたし達の進むべき道へ…
2人で歩いていきたかった。ずっと一緒に歩いていきたかった。どんなことがあってもそれは変わらないと思ってた。例え瑠偉が瑠偉でなくなっても…あたしは変わらずあなたを好きでいるから。IP強制表示中:210.136.161.1392006-09-23 02:38:00 -
699:
名無しさん
あげ
IP強制表示中:222.7.56.2132006-09-23 10:59:00 -
700:
知香
ブーン…
おりていくエレベーターの中がやけに静かに感じた。舞もさやも黙っていた。あたしも…何も言葉にすることはなくて。
そのままエレベーターは一階につき、あたし達はゆっくりロビーを通り抜けてマンションを出た。周りを見渡すと離れた場所にたむろする男の子達が見えた。IP強制表示中:210.136.161.362006-09-24 02:22:00 -
701:
知香
「なに?話って」
瑠偉はそう言ってあたしを見た。その声はとても低く、あたしを見る目はすごく冷たいものだった。
「何考えてんの瑠偉!?目覚ましいや!自分が何やってるかわかってんの?」IP強制表示中:210.136.161.462006-09-24 02:30:00 -
702:
知香
気づけばそう叫んでた。瑠偉の手には透明のビニール袋が握られていた…。信じたくなかった。現実だとは思いたくなかった。
「なにがやねん…もうお前に関係ないやろ。うっとしいねん…」
瑠偉はそう言うとあたしを無視してさやに話しかけた。IP強制表示中:210.136.161.462006-09-24 02:34:00 -
703:
知香
「なぁさやか俺と付き合うか?村井なんかと別れて俺と付き合えや」
「瑠偉くん本気で言ってんの?雪…雪の気持ちちゃんと考えてよ…っ」
瑠偉の言葉を聞いたさやは泣きながらそう言った。IP強制表示中:210.136.161.462006-09-24 02:37:00 -
704:
知香
「ほんなら舞俺と付き合うか?」
瑠偉は次は舞を見てそう言った。何がしたいのかあたしには理解できない。瑠偉の気持ちが分からなかった…
「お前…なに考えてんねん…どないしてんほんまに…」IP強制表示中:210.136.161.1412006-09-24 02:40:00 -
705:
知香
そばにいた光一くんがそんな瑠偉を見て静かに言った。
舞は光一くんの彼女。光一くんは…瑠偉のずっと仲良くしてきた友達。何かが壊れていく音が聞こえた…
「どうもしてへんわだるいなぁ…もう帰っていい?しんどなったわ」IP強制表示中:210.136.161.1412006-09-24 02:43:00 -
706:
知香
「瑠偉お前えーかげんせえよ!」
光一くんはそう言うと瑠偉につかみかかり、二人は殴り合いの喧嘩になっていった。IP強制表示中:210.136.161.382006-09-24 02:45:00 -
707:
知香
強く握られていた二人の拳はその言葉とともになくなった。
倒れていた二人は無言のまま立ち上がると黙ってバイクにまたがりそれぞれ別々の方向へと走り去っていった。
見えなくなっていく瑠偉の後ろ姿を見ていると、胸が苦しくなった。瑠偉?あんたは今…何を思ってんの?IP強制表示中:210.136.161.1372006-09-24 02:53:00 -
708:
知香
「ごめんな舞…ごめんな…光一くんにも謝らなあか…な…」
涙で言葉がつまる。言いたい言葉が出てこない。
あたし達のことを想って動いてくれたみんなのことを思うと、やりきれない気持ちが胸をしめつけていた。IP強制表示中:210.136.161.392006-09-24 03:00:00 -
709:
知香
━━あの日あの時君と出会っていなければ こんなに悲しむこともなかったと思う
でも会わなけりゃ もっと不幸せだった…
どんなに年をとっても手を繋いでいるそんな二人でいようと誓った夜も 今は昔の思い出の物語━━
ロード〜第三章〜。この部分は瑠偉がよく口ずさんでいた。今思い出すとすごく…切ない歌だったんだね。IP強制表示中:210.136.161.432006-09-24 03:20:00 -
710:
名無しさん
あげ
IP強制表示中:222.7.56.2042006-11-05 18:29:00 -
711:
名無しさん
知香ちゃん書いて?おねがい
IP強制表示中:210.136.161.392006-11-06 03:42:00 -
712:
名無しさん
これ完結したん?
IP強制表示中:210.136.161.522006-11-06 17:33:00 -
713:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1292007-01-01 02:29:00 -
714:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1362007-01-01 02:30:00 -
715:
名無しさん
これ作り話やんな?
IP強制表示中:210.136.161.1342007-01-01 16:28:00 -
716:
知香
これは知り合いの話を元に書いていたものです。ストーリーがまとまらなくて、書けなかったのですが昨日改めて話を聞いてだいたいの結末までが頭に浮かびました。
あくまでも実話を軽く含んだフィクションです…。
とりあえずこの連休中にまとめて書いていきたいと思ってます。その間Rain?は休憩になりますが、RoadもRain?も必ず完結するので気長に読んで下さい☆IP強制表示中:210.136.161.1322007-01-01 19:38:00 -
717:
知香
『みんな…ありがとう…ごめんな…本間に迷惑ばっかりかけて…ごめ…』
『雪なに謝ってんのよっみんな迷惑なんて思ってないで?みんな雪らのこと大切に思ってるねんから。友達って…支え合うもんやろ?』
泣きながら謝るあたしに、さやも泣きながらそう言った。IP強制表示中:210.136.161.492007-01-01 19:45:00 -
718:
知香
『そうやで雪。舞達みんな雪と瑠偉くんの友達やん。友達には怒っても泣いても頼ってもいいねんから』
いつもは気の強い舞も、気付いたらそう言って泣いていた。
『もうお前ら泣くなって(笑)心配すんな、俺らは瑠偉を信じてるから。絶対あいつのこと見放したりはせえへん。だからお前らは何も心配なんかすんな』IP強制表示中:210.136.161.492007-01-01 19:51:00 -
719:
知香
『みんな…ありがとう。もうあたし大丈夫やから。待つわ、瑠偉が戻ってくるの』
精一杯…あたしのもつ精一杯の気持ちと笑顔でみんなにそう言った。
信じよう瑠偉を。信じよう仲間を。信じよう…自分自身を。IP強制表示中:210.136.161.492007-01-01 20:15:00 -
720:
知香
季節が変わるのは早い。日が暮れると涼しい風がふっと吹く…夏休みも終わりかけの8月下旬、あたしはようやく松葉杖なしで歩けるようになった。
瑠偉とはあの日以来会っていない。お父さんともずっと口を聞いてない。16歳の夏は、何故かとても息苦しいまま過ぎていた。IP強制表示中:210.136.161.452007-01-01 20:22:00 -
721:
知香
『うん、じゃあお願いしよっかな』
『よっしゃ任せとけ』
舞が舌をぺろっとだしながらおどけてそう言ったた。あたしは本当に友達に支えられていた。周りの友達がいなければ、あたしも道を外してたかもしれない。友達がいたから…瑠偉がいなくなったこの時も寂しさは半分ですんだ。IP強制表示中:210.136.161.402007-01-01 20:36:00 -
722:
知香
『雪?帰ってきたならただいまくらいゆいなさい。ご飯できてるから早く来なさいね』
『いらん、早く出ていってもう寝るから』
家に帰ってすぐにお母さんが部屋に入ってきた。あたしの家での最近のやりとりはずっとこんな感じ。ただ寝るためだけに帰る場所。IP強制表示中:210.136.161.342007-01-01 20:43:00 -
723:
知香
あの日以来、お父さんと顔を合わせるのも嫌だったし、間に挟まれてあたし達に気を使うお母さんの姿を見るのも気が引けた。
『雪…あんた最近痩せてきてるよ?ちゃんとご飯食べてないからやろ?向こうで食べたくなかったら持ってくるからちゃんと食べなさいよ』
お母さんはそう言うと部屋から出ていき、5分後位に部屋に夕食を運んできてくれた。IP強制表示中:210.136.161.352007-01-01 20:48:00 -
724:
知香
『雪、ちゃんと食べて…な』
そう言って部屋を出ていく時のお母さんの声は、なんだかすごく悲しく聞こえた。
ただの八つ当たり…。それが自分で分かっているからこそ自分がすごく嫌になる。お母さんは何も悪くないのに…IP強制表示中:210.136.161.1302007-01-01 20:52:00 -
725:
知香
エビチリと春巻き…中華スープ…あたしの好きなものばかりが置かれている机を見ていると、ふと涙が溢れた。
お母さんも辛いのかもしれへん。でも…行き場のない気持ちはどうすればいいん?
瑠偉…?教えてや…IP強制表示中:210.136.161.1422007-01-01 20:58:00 -
726:
知香
『姉ちゃんはいんで』
涙をこらえていたあたしの耳に朝陽の声が聞こえた。
『なに泣いてんねん…泣いてたってなんもならんやろ?』IP強制表示中:210.136.161.442007-01-01 21:02:00 -
727:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.1352007-01-02 02:03:00 -
728:
名無しさん
更新更新??
IP強制表示中:210.136.161.1352007-01-02 17:50:00 -
729:
名無しさん
るいとゆきは最後はどうなんの
IP強制表示中:210.136.161.442007-01-04 00:16:00 -
731:
知香
『あんたに何が分かんのよ?偉そうにものゆうのやめぇや』
どうしようもない苛立ちが…あたしを蝕んでいた。あたし達を想ってくれてる人達にさえも…素直にはなれなくて。
『なにがやねん、俺にだって分かるわ姉ちゃんの気持ち…でも飯だけはほんまにちゃんと食えよ。そんなやつれた顔じゃ瑠偉にいに嫌われんで』IP強制表示中:210.136.161.1402007-01-04 18:23:00 -
732:
知香
『分かってるわ…』
あたしがそう言うと朝陽は黙って部屋を出ていった。
情けなくて嫌になる…。苦しくて…逃げたくなる。
でも、あたしの心のSOSは瑠偉には届いていなかった。IP強制表示中:210.136.161.1322007-01-04 18:28:00 -
733:
知香
『でな、ひかるがさぁ、プールで足つってな』
自転車をこぎながら笑っている舞の背中を見ながらあたしはそっと目を閉じた。
舞はあたしに気を使ってか、あの日以来光一くんの話をしない。きっとあたしのことを想ってそうしてくれてるんやと思った。IP強制表示中:210.136.161.492007-01-04 18:45:00 -
734:
知香
━━心配しないで待ってたらいい━━
あの日みんながそう言ってくれた。だからあの日からあたしは瑠偉に連絡はしなかった。
信じてたから…。瑠偉は絶対あたし達のもとに帰ってくるって。IP強制表示中:210.136.161.522007-01-04 18:49:00 -
735:
知香
でも…現実は…帰ってくるどころか…もっと離れてしまっていた。それをこの日…あたしもみんなも知ることになる。
新学期の始まりということもあって、校内はやけにガヤガヤと騒がしい。肌が焼けたとかどこに遊びに行っただとか…そんなありふれた会話がそこら中から聞こえてくる。
夏休みなんて…いらなかったのに…。IP強制表示中:210.136.161.392007-01-04 18:56:00 -
736:
知香
『雪ちゃんはどっか行ったん?』
たいして仲よくもないクラスメートの女の子があたしに話をふってきた。
『別に』IP強制表示中:210.136.161.1342007-01-04 18:58:00 -
737:
知香
『えっ?どこも行かんかったん?夏休み』
『あんたしつこいなぁ、だいたいそんなん聞いてなんになんのよ』
無表情なあたしを見て舞がクラスメートにそう言った。IP強制表示中:210.136.161.1342007-01-04 19:01:00 -
738:
知香
苛立ちが…あたしを支配していく。
自分の中にあるモヤモヤしたものが関係ない相手に爆発しそうだった。
『ごめんってば。怒らんといてよ』IP強制表示中:210.136.161.1332007-01-04 22:00:00 -
739:
知香
クラスメートのその女はあたしがそう言うとすぐに謝ってきた。学年でも大勢いるヤンキーあがり達。でもあたし達には、何故か本気で向かってくるような奴らはいなかった。
『体育館に移動するので全員廊下に出て下さい』
しばらくして担任が教室に入ってきてそう言うと、あたし達はぞろぞろと教室を出ていった。IP強制表示中:210.136.161.372007-01-04 22:11:00 -
740:
?
今日初めて読みました。めちゃいい話でなんて言うていいんかわからんけど頑張って完結さして下さい?続き楽しみに待ってます?
IP強制表示中:222.7.56.1432007-01-04 23:48:00 -
741:
?
あげ
IP強制表示中:222.7.56.1452007-01-05 11:44:00 -
742:
名無しさん
あげ?
IP強制表示中:210.136.161.502007-01-05 13:39:00 -
743:
知香
体育館に入って始業式が始まってからは、ずっと二年生が並ぶ場所を見ていた。
瑠偉くんどこにおるんやろ…
ただずっと…探し続けた。
学校に来れば会えるって…それだけを楽しみにこの二週間を過ごしていたあたしにとって、瑠偉を見つけられない数分間はもの凄く長く、冷たい時間だった。IP強制表示中:210.136.161.1312007-01-06 19:41:00 -
744:
知香
『それでは始業式を終了します。三年八組から順に各自教室に戻ってください』
長い校長の話が済み、教頭がやっとそう言うと三年生の生徒達はダラダラと雑談しながら体育館から出ていく。
三年生が全員出ると次は二年八組から二年生が体育館を出ていく。瑠偉は二年…五組。もうすぐや…IP強制表示中:210.136.161.1462007-01-06 19:52:00 -
745:
知香
『なぁ舞…瑠偉くん…おらんかったやんな?』
『え?うん…』
何故かすごく重い空気だった。悪い予感がした…なんだか嫌なものが待ち受けているようなそんな予感が…ふとあたしの頭によぎっていた。IP強制表示中:210.136.161.1392007-01-06 20:01:00 -
746:
CHIKA
『ほんまや足大丈夫なんか?』
『あんまり無理したらあかんで』
みんなが次々に…言葉を並べていた。
当たり前のようにいつもそばにあった仲間の輪。でもその輪の中に…瑠偉はいなかった。IP強制表示中:210.136.161.412007-01-06 22:42:00 -
747:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.332007-01-07 11:53:00 -
748:
CHIKA
『嘘…つかんといて。嘘ついたらまた嘘つかなあかんようになるやん。隠さんとちゃんと…話してくれへん?』
聞きたくない言葉になるとも知らずに…あたしは自ら…そう聞いた。IP強制表示中:210.136.161.1482007-01-08 02:17:00 -
749:
名無しさん
??
IP強制表示中:210.136.161.1292007-01-09 00:45:00 -
750:
CHIKA
『瑠偉…ぃ…っ…』
涙が…止まらなかった。ずっと一緒って約束したのに…あたしが瑠偉の目になるって誓ったのに…
なんで瑠偉は…離れてくの?なんでもっと…頼ってくれへんの?IP強制表示中:210.136.161.1322007-01-10 18:54:00 -
751:
CHIKA
あたしは必要じゃない?もうキライになった?
あたしが…瑠偉の目をこんなふうにしてしまったから…人生をめちゃくちゃにしてしまったから…だからもうあたしなんていらなくなってしまったんかな…
心が苦しくて痛かった。会いたいよ…IP強制表示中:210.136.161.412007-01-10 18:58:00 -
752:
名無しさん
http://web2.megaview.jp/imageout.php?m=org&ty=201&pt=f%2F20061004%2Fimg%2Fuaanuajz8283410.jpeg&ctv=113
IP強制表示中:210.136.161.1362007-01-11 03:07:00 -
753:
CHIKA
ピリリリリリ…
あたしの携帯の音がずっと公園に鳴り響いてた。学校から飛び出してきたあたしを心配した舞達が次々に携帯を鳴らしてた。
でも…今あたしがほしいのは瑠偉の声で…。みんなからの連絡じゃなかった。IP強制表示中:210.136.161.1462007-01-12 00:02:00 -
754:
CHIKA
30分位たったのかな…ようやく鳴りやんだ携帯を見て、あたしは瑠偉に電話をかけた。
会えなくてもいい…瑠偉の声だけでも聞きたかった。
発信ボタンを押す指は、少し震えていた。静かに携帯を耳にあてるとプップップッというコール音までの発信音が脳に響く。IP強制表示中:210.136.161.502007-01-12 00:09:00 -
755:
CHIKA
ドキドキと心臓の音が早くなっていたあたしの耳には、期待とは裏腹なガイダンスが流れていく。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号を…
一瞬時間が止まった気がした。何度も繰り返すガイダンスは、しばらく流れると切れてしまい、ただ呆然と携帯を耳から離した。IP強制表示中:210.136.161.502007-01-12 00:13:00 -
756:
CHIKA
止まっていた涙は気付けばまた溢れだし、子供たちの声が響く公園であたしは一人で…泣いた。
大好きやった人が…あたしから離れていった。大切やった人が…もうあたしのそばにはいなくなってしまった…。
瑠偉は…そんなもんやったんや…ほんまに好きなら…何があったって離れたりせえへんやんか…IP強制表示中:210.136.161.362007-01-12 00:21:00 -
757:
CHIKA
瑠偉の気持ちが分からなかったこの頃は、一方的に離れていった瑠偉をどうしても許せなかった。
何もかもがからまっていた…永遠という未来をあきらめる道を選んでしまうまでに…。
あの花火の下で交わした約束がただの過ぎた思い出に変わっていく。これが…大人になっていくってことなんだろうか。だったらあたしは…大人になんてなりたくない。IP強制表示中:210.136.161.1332007-01-12 00:31:00 -
758:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.432007-01-12 03:49:00 -
759:
名無しさん
??????
IP強制表示中:210.136.161.382007-01-12 17:38:00 -
760:
名無しさん
?〜?
IP強制表示中:210.136.161.1332007-01-15 21:13:00 -
761:
名無しさん
知香ちゃんがんばってな?更新楽しみにしてます?
IP強制表示中:210.136.161.342007-01-15 23:29:00 -
762:
CHIKA
『雪!!』
そうあたしを呼ぶ声がして公園の入り口を見ると、舞と光一くんがバイクをとめて走ってきていた。
『心配するやんか!』舞は大きな声であたしにそう言った。IP強制表示中:210.136.161.522007-01-16 11:05:00 -
763:
CHIKA
『だって…どうし…いか…からんかっ…』
自分でも何を喋っているのか分からなかった。ただ…苦しかったんかもしれへん。舞の顔を見た途端、あたしは落ちるようにその場で泣き崩れた。
体中に力が入らなくて立っていられない…あたしはただの抜け殻のようやった。IP強制表示中:210.136.161.522007-01-16 11:10:00 -
764:
CHIKA
『雪ぃ…泣かんといて。舞達みんなおるやん』
舞がそう言って崩れ落ちたあたしを抱きしめた。不思議やな…舞の腕に包まれると、少しだけ楽になれたような気がした。
『瑠偉…携帯解約してる…もう雪らあかんのかな…もう…終わりなんかな』IP強制表示中:210.136.161.412007-01-16 11:17:00 -
765:
名無しさん
がんばれ?
IP強制表示中:222.7.56.482007-01-16 11:39:00 -
766:
名無しさん
この話ほんま好きや 久しぶりに見たら結構更新されててめっちゃ嬉しい 頑張ってな
IP強制表示中:210.136.161.542007-01-18 16:32:00 -
767:
名無しさん
?????
IP強制表示中:210.136.161.1302007-01-19 18:26:00 -
768:
CHIKA
『なにゆってんのよ大丈夫やって!』
舞が強くそう言いながらあたしをまたきつく抱きしめてくれた。光一くんはそんなあたし達を見ながら携帯をさわって誰かに電話をかけていた。
『あ、光一っす。おばちゃん急にごめん。瑠偉いますか?』IP強制表示中:210.136.161.532007-01-20 18:41:00 -
769:
CHIKA
『…っ…』
泣きやめないあたしは携帯を耳にあてながら何も話せずにいた。
『雪ちゃん?ごめんね…』IP強制表示中:210.136.161.1392007-01-20 19:02:00 -
770:
CHIKA
久しぶりに聞く瑠偉のお母さんの声。最後に話したのはあの花火大会に行く前だった。
『いってらっしゃい』
浴衣を着せてもらったあたしと瑠偉を玄関まで見送ってくれた。あの日以来…久しぶりに聞いた声。その声がごめんねって…そう言っているのを聞いてやけに胸がしめつけられた。IP強制表示中:210.136.161.502007-01-20 20:46:00 -
771:
名無しさん
書いて〜?
IP強制表示中:210.136.161.1452007-01-22 07:05:00 -
772:
CHIKA
「瑠偉に…会わせてください。話したいこといっぱいあるんです」
勇気を出してあたしはそう言った。確かめたかった…瑠偉の気持ちを。信じたかった…あたしたちの絆を。
「雪ちゃん?あたしも何回も瑠偉と話してみたんやけど…瑠偉沖縄に行ってしまって…多分しばらく帰ってこないと思うねん」IP強制表示中:221.244.40.22007-01-26 16:13:00 -
773:
CHIKA
「沖縄…?」
「うん、親戚の家があってしばらくそこの家に行きたいって言って昨日退学届けを出しに行ってすぐに向こうに行ってしまったんよ…」
瑠偉が…いなくなった。ほんまにあたしのそばから離れてしまったんや…。IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 16:21:00 -
774:
CHIKA
16歳の夏の終わり…あたしと瑠偉は離れ離れになった。
いつも一緒やった。そばにおるのが当たり前やった。そんな《当たり前》の日常が静かに冷たく消えてしまった。
人ってほんまにあほなんやと思った。子供ってほんまに何にもできひんねんなって思った。気持ちってすごいもろいねんなって思った。IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 16:34:00 -
775:
CHIKA
瑠偉を追いかけて沖縄に行きたかった。でも、もうだめだった。
離れていった瑠偉の気持ちを考えたとき、何故かどうしても動くことができなかった。
あたしがいないほうが瑠偉は幸せになれるんだと…そう思うとそれ以上は何もできなかった。IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 16:46:00 -
776:
CHIKA
「何して遊ぶ?ゲーセンでもいこっか」
「うん、いこいこー」
瑠偉がいなくなってからの毎日はすごく長かった。みんなに心配をかけたくなかったし、普通にすごしているふりをしながら一日一日を精一杯笑ってすごしてた。IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 16:57:00 -
777:
CHIKA
舞やさやたちも、そんなあたしを見て瑠偉の話をしなくなった。みんなに気を使われていることも分かっていただけにもうあたしは大丈夫なんだと安心してほしかった。
あたしが笑うとみんなが嬉しそうにあたしを見る。あたしがはしゃぐとみんなも楽しそうにはしゃいでくれる。
大切にされている、支えられているんだと改めて感じさせられた。IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 17:07:00 -
778:
CHIKA
彼女たちがいなければ、あたしはきっと笑うことなんてできなかったと思う。
光の差すほうへ一緒に歩いてくれた。あたしが道に迷わないように同じ歩幅で進んでくれた。
友達ってすごいなぁって思った。大事にしようって…本間にそう思った。IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 17:15:00 -
779:
CHIKA
季節は秋を過ぎ冬を向かえ、街中がキラキラと色をつけていく。
「もうすぐクリスマスやなぁ」
買い物に出かけていたあたしの隣で舞がそう言って大きなクリスマスツリーを見上げていた。
IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 17:22:00 -
780:
CHIKA
「キレーやなー」
あたしがそうゆうと舞はにこっとわらった。でも、いつもの舞とは少し何かが違って見えた。
長い付き合いになると、ちょっとした表情でもすぐに分かってくる。何かあったんかな…?IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 17:35:00 -
781:
CHIKA
帰りの電車の中でもずっとなにかが引っかかったままだった。舞はいつも強くて弱音とかそうゆうのをはいたりもしない。
何やろ?強がりに似た感じ?でもあたしには分かる。人一倍寂しがりな舞やもん。この顔はきっとなにかあったんや。
改札を抜け、駐輪場に自転車を取りに言ったあたしたちはそれぞれ自転車にまたがってゆっくりと漕ぎ出した。
IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 17:47:00 -
782:
CHIKA
「なぁ舞?なんかあった?」
横並びになった舞に向かってあたしはそう聞いた。
「なんもないよ」舞は少し黙ったあと、髪を触りながら作り笑顔でそうつぶやいた。舞は嘘をつくとき髪をくるくると指でねじる癖がある。
IP強制表示中:221.244.40.282007-01-26 17:55:00 -
783:
CHIKA
「ほんま?光一くんとなんかあったんじゃないの?」
余計なお世話だとは分かっていたものの、あたしは舞が心配でそう言ってしまった。IP強制表示中:210.136.161.1362007-01-26 19:10:00 -
784:
名無しさん
????
IP強制表示中:210.136.161.1502007-01-26 22:29:00 -
785:
CHIKA
瑠偉と離れてからの約四ヶ月、舞はほとんど毎日あたしと一緒にいてくれた。
学校にいる時も帰ってからもずっとあたしのそばにいてくれた。
『光一とは夜会うから大丈夫!雪と一緒にいたいもん』舞はそう言って毎日あたしの隣で笑ってくれてた。IP強制表示中:210.136.161.1352007-01-26 22:37:00 -
786:
CHIKA
自分のことで精一杯だったあたしは舞たちの変化に気づいていなかった…。情けないくらい分からなかった。
『光一と別れてん』
自転車を漕ぎながら舞はそう言った。IP強制表示中:210.136.161.1492007-01-26 22:41:00 -
787:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.442007-01-28 00:28:00 -
788:
名無しさん
ちかちゃん楽しみにしてるからがんばって書いてください?
IP強制表示中:210.136.161.1352007-01-30 00:40:00 -
789:
CHIKA
「嘘…やろ?」
信じられない舞からの言葉をあたしはすぐに受け止めることができなかった。
「ほんまやでっ」舞はそう言って寂しそうに笑う。無理して笑ってる顔を見ているとあたしもすごく悲しくなった。IP強制表示中:210.136.161.412007-01-31 18:00:00 -
790:
CHIKA
あんなに仲の良かった二人がなんで別れることになったのか…
そう考えれば考えるほど自分達のせい以外思いつかなかった。
瑠偉とあたしのせいで…二人にも見えない距離がうまれてしまったのかもしれない…そう思うと舞の顔をちゃんと見ることができなかった。IP強制表示中:210.136.161.412007-01-31 18:04:00 -
791:
CHIKA
「ごめんな舞…」
そう言うだけで精一杯で…謝ることしかできなかった。
赤い糸でフェンスに繋いだ制服のボタン。あの頃のあたし達にはこんな日が来るなんて…誰も思っていなかっただろう。絆という恋心を信じて…ただまっすぐにその恋を生きてた。IP強制表示中:210.136.161.1382007-01-31 18:11:00 -
792:
CHIKA
「なんで雪が謝んのよ」
「だって…」
「だってじゃないやんっ。関係ないで?雪と瑠偉くんのことは。光一が舞に冷めただけの話やからさ。あー早く新しい彼氏見つけなあかんなっ」IP強制表示中:210.136.161.522007-01-31 18:14:00 -
793:
CHIKA
舞はそう言ってまた笑った。嘘つき…新しい彼氏なんて見つける気なんかないのに…。
舞あんなに好きやったんやもん。光一くんのこと忘れることなんてできひんやん…
別れてから四ヶ月たってもあたしは瑠偉のことを毎日考えてるねんで?舞もきっと同じようになってしまう。本気で好きだからこそ…簡単に気持ちは切り替わらない。IP強制表示中:210.136.161.522007-01-31 18:21:00 -
794:
名無しさん
?
IP強制表示中:210.136.161.352007-02-01 22:10:00 -
795:
名無しさん
めっちゃ号泣した?
IP強制表示中:210.136.161.1382007-02-02 13:36:00 -
796:
CHIKA
『また明日ね』
『うん…』
舞と別れて一人になったあたしは、すぐに光一くんに電話をかけた。
今ならまだ間に合う。二人には…あたし達みたいになってほしくない。あたし達を心配してずっと手を差し伸べてくれてた二人。次はあたしが…二人をつなぎ止めたかった。IP強制表示中:210.136.161.1392007-02-03 16:44:00 -
797:
CHIKA
『はい』
聞きなれた光一くんの声を聞いてあたしは祈るような想いで話し始めた。
『光一くんごめんな急に…ちょっと話したくてかけてんけど』IP強制表示中:210.136.161.1362007-02-03 16:49:00 -
798:
◆VmUTHhsi2o
?
IP強制表示中:210.136.161.1302007-02-03 17:25:00 -
799:
CHIKA
『うん』
『舞と…別れたってほんまなん?』
『ん?ほんまやで…』IP強制表示中:210.136.161.432007-02-03 22:11:00 -
800:
CHIKA
『なんで?』
『俺…舞より好きなやつできてん。だからもう付き合っていかれへんと思った。もう新しい女おるから…。今も一緒にいてるしごめんやけど切っていい?』
光一くんにそう言われたあたしは何も言わずに電話を切った。IP強制表示中:210.136.161.522007-02-03 23:46:00 -
801:
CHIKA
光一くんに…新しい女ができた。
光一くんの隣には…今は舞ではない別の誰かがいる。人の心がどんどん分からなくなってきた。
好きってゆう気持ちってそんなに簡単に変わってしまうものなんだろうか。そんなに簡単に…なくなってしまうのかな…IP強制表示中:210.136.161.452007-02-04 00:13:00 -
802:
CHIKA
フェンスに繋いだボタンのジンクスは…叶わなかった。
あの頃のあたし達はただまっすぐに…繋いだボタンを信じられてたのに。ずっと一緒だと…誓ってたのに。
人を好きになるって本当はすごく怖いことなのかもしれない。
信じてた永遠という未来がなくなってしまったあたし達は、冷たくなった心を塞いだ。IP強制表示中:210.136.161.352007-02-04 20:48:00 -
803:
名無しさん
750
IP強制表示中:210.136.161.1412007-02-06 12:57:00 -
804:
Chika
Rain書いてた知香です。
iランドで新小説書いてるので良かったらきてください。検索はs@chikaで検索してもらったらホムペがみれると思います。
Rainも直しいれて掲載しようと思ってるのでお楽しみに☆その他夜遊びで書いていた小説もこっちで書いていきたいと思います。では…IP強制表示中:210.136.161.1522007-03-06 03:22:00 -
805:
Chika改め→幸
何度もゴメンナサイ。
iランドのホムペはなくなりました。
なので、スターツ出版様が運営する携帯小説サイト『野いちご』にRoad続編を書いていきます。
ちなみに完結済みのRainも全て掲載しています。
もしよかったら見に来てください。
小説が書きやすいし読みやすいサイトだから、きっと楽しめると思いますよ☆
Roadも再連載頑張りますね〜\(*^▽^*)/IP強制表示中:210.153.84.402007-06-27 01:18:00 -
806:
名無しさん
???
IP強制表示中:210.153.84.392007-06-27 11:36:00 -
807:
名無しさん
そこのURL教えてください?
IP強制表示中:210.153.84.1302007-06-29 05:22:00 -
808:
名無しさん
自演うっざぁ
IP強制表示中:210.153.84.702007-06-29 08:59:00 -
809:
削除削除されますた
IP強制表示中:あぼーん -
810:
名無しさん
自演中毒やな
IP強制表示中:210.153.84.2282007-06-29 18:35:00 -
811:
名無しさん
たいがいにせえよ自演うっといねんけ
IP強制表示中:125.173.78.232007-06-29 21:43:00 -
812:
名無しさん
見てきたよ???
IP強制表示中:210.153.84.342007-06-30 00:52:00 -
813:
名無しさん
ロード連載ってどこにあるんですか?
野いちごのとこ見たんですけど探し方わからなくて??IP強制表示中:210.153.84.672007-07-01 07:59:00 -
822:
削除削除されますた
IP強制表示中:あぼーん -
823:
削除削除されますた
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削除削除されますた
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削除削除されますた
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