小説掲示板ありがとうやで。のスレッド詳細｜夜遊びweb関西版

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ありがとうやで。

• 1:

  ﾄﾞﾗ

  あたしな、ほんまにあんたに会えて良かった。
  たぶん　あんたに会えてなかったら今のあたしは居てなかった。
  

  2006-04-10 01:27:00
• 2:

  ﾄﾞﾗ

  あんたと初めて会ったのは小学校。
  あんたと初めて喋ったのは中学１年。
  あんたの第一印象は最悪やった。小学生ながら、大体名前からして《絶対こいつﾜｶﾞﾏﾏや》思ってたんよ。

  2006-04-10 01:30:00
• 3:

  ﾄﾞﾗ

  【佐藤　梨乃】‥なにその可愛いらしい名前。あんたの親素晴らしいゎ。一方あたしは【佐竹　さくら】‥でもひらがな気に入ってんねん。だからあたしの親も素敵や思ってる?。

  2006-04-10 01:33:00
• 4:

  ﾄﾞﾗ

  小学校５、６年の時、梨乃は学年でも目立つグループにいてた。あたしはフツーな子らの集まったフツーのグループ。梨乃のグループの子は小学生やのに大体が髪染めていた。びびりのあたしには恐すぎた。そんでちょっといきっちゃってるあんたらのグループが大嫌いやった。

  2006-04-10 01:37:00
• 5:

  ﾄﾞﾗ

  みんな特別悪いことしてるってわけじゃなかったけど、小学校にルーズとか履いてきてたしやな。あたしなんかくるぶし出ちゃってる色褪せたズボン履いてたしやな。梨乃とは全くの無関係で、一生関わることもないと思ってた。

  2006-04-10 01:39:00
• 6:

  ﾄﾞﾗ

  あんたと小学校の６年間で１回でも同じクラスになったのかすら分からへん。ってゆうか小学生時代にあんたのフルネーム知ってたのかも分からへん。
  …梨乃はさくらにとってそんな存在。たぶん、明日梨乃が交通事故に遭ったって聞いても《ふーんお気の毒に。》ぐらいにしか思わんやろう的な存在。

  2006-04-10 01:43:00
• 7:

  ﾄﾞﾗ

  一言も話すことないまま、下手したら目も合わしたことないまま、梨乃とさくらは小学校を卒業した。
  中学に入学して、梨乃と同じクラスになった。真面目やったあたしはみんなの投票により学級委員を任された。…ありえへん。相当先生にイヤや言うたけど即却下。嫌々学級委員をやることに??

  2006-04-10 01:47:00
• 8:

  ﾄﾞﾗ

  何でやったか忘れたけど、各班にプリント配る時に梨乃と初めて喋った。
  梨乃:「佐竹さん学級委員がんばってなぁ?」
  さくら:「ありがとう、佐藤さんは何委員なん？」
  …なんかこんな感じやったはず。別に緊張も何も特に思うことはなかった。《ただのクラスが一緒な女の子。》初めて喋った時の感想はそれだけ。

  2006-04-10 01:52:00
• 9:

  ﾄﾞﾗ

  中学１年の時の呼び名は佐藤さん・佐竹さんやった。名前順で梨乃とさくらは前後やったけど、ほんまに数えるぐらいしか喋ったことはなかった。
  梨乃は小学校の頃と同じグループにいて、あたしも相変わらずフツーのグループにいた。

  2006-04-10 01:56:00
• 10:

  ﾄﾞﾗ

  中二の４月。またしても同じクラスになった。でも別に何も思わへん。嬉しくもないし嫌でもない。でもやっぱり名前順は前後やったなぁ。

  2006-04-10 01:58:00
• 11:

  ﾄﾞﾗ

  中学生活で、あたしは陸上部で梨乃はテニス部。テニス部は恐い先輩、属に言う不良の人らが入ってて、梨乃は幼なじみの先輩がいてたから同じグループの子ら３人と入部した。

  2006-04-10 02:01:00
• 12:

  ﾄﾞﾗ

  あんたは休み時間、１人でいることが多くなった。昼休みに教室に居ないことが多くなった。でもあたしは気にも止めてなかった。あたしは夢にも思ってなかった。まさか後ろの席に、イジメにあってる子がいてるなんて。

  2006-04-10 02:08:00
• 13:

  ﾄﾞﾗ

  その頃のあたしは、初めて付き合った彼氏がﾔﾝﾁｬ坊主やった為、不良っぽい子らとも話すようになってた。数年前までは目を合わすのすら恐かった人らと話すようになった。たまに友達と保健室でさぼったり、体育館裏でタバコ吸ってみたり。初めてのタバコは不味くて苦くて、こんなもんに金払うこいつらはアホちゃうかって思った?

  2006-04-10 02:13:00
• 14:

  ﾄﾞﾗ

  そんなある日の５時間目が始まる前。いつものごとく保健室でさぼろうと思って友達と教室を出ようとした瞬間。いきなり梨乃が話し掛けてきた。
  「梨乃も一緒に行っていい？」
  

  2006-04-10 02:15:00
• 15:

  ﾄﾞﾗ

  ほんまびっくりしたよ。素でえっなんで？って思ったよ。その時でも相変わらず呼び名は佐藤さん・佐竹さんで、おはようぐらいしか話したことなくて。そんな関係やったあんたがいきなり言うもんやから、ほんまに心の底からびっくりした。

  2006-04-10 02:21:00
• 16:

  ﾄﾞﾗ

  「いいでー?」
  …まぁそうとしか返されへんわな。あたしと友達がしゃべりながら歩いて、梨乃はついてくる形で後ろで歩いてた。
  …この時のことを思ったら自分が恥ずかしくて、情けなくて仕方ない。
  どーでもいいような話して笑ってるあたしらの後ろを、多分あんたは下向いて歩いてたんやろな。ごめん。ほんまにごめんやで。

  2006-04-10 02:26:00
• 17:

  ﾄﾞﾗ

  保健室について、しばらくしてからぽつんと座ってる梨乃に話し掛けた。「佐藤さん最近１人でいてるけどどーしたん？」って。
  梨乃は「…友達とケンカしてん。」って悲しそうに笑って言った。その後続けて「ってか梨乃でいいで?」って言った。だからあたしも「分かったぁ、さくらもさくらでいいで??」って言った。でもなんでかちゃん付けやったけど?

  2006-04-10 02:32:00
• 18:

  ﾄﾞﾗ

  友達は寝てしまったから、しばらく梨乃と２人で話してた。あの先生キモィとかあの先輩かっこいいとかどーでもいいような話。その日話して初めて分かったけど、梨乃はあたしが思ってるような子じゃなかった。優しくて思いやりがあって、人に合わせてしまう子。梨乃は作り笑いが多かった。

  2006-04-10 02:36:00
• 19:

  ﾄﾞﾗ

  ほんの１時間程しゃべっただけで、あたしは梨乃を好きになった。数時間前まではどちらかと言えば苦手やったのに、なんとなく《この子とは合いそうやわぁ?》って思うようになった。

  2006-04-10 02:38:00
• 20:

  ﾄﾞﾗ

  チャイムが鳴って、梨乃はそのまま帰るって言ったからあたしは「またあしたぁ??」と言って保健室を出た。
  梨乃はただのケンカだと言っていたけど、あたしは気になって仕方なかった。だから家に帰ってから梨乃に手紙をかいた。

  2006-04-10 02:40:00
• 21:

  ﾄﾞﾗ

  何て書いたか全く覚えてないけど、励まし系の文章と当時あたしがへこんだ時に聞いていた歌の歌詞を書いた。
  あたしは数年後に梨乃からその話を聞くまで、手紙のことなど忘れ切っていた。それぐらい軽い気持ちで書いたんかもしらん。けどそんな手紙を梨乃はずっと持っててくれていた。

  2006-04-10 02:43:00
• 22:

  ﾄﾞﾗ

  「あんたが言うように、あの時あんたは軽い気持ちで書いたんかもしらん。けどな、梨乃はあの手紙もらって涙が出た。頑張ろうって思えた。あの手紙は梨乃のお守りやってんで。」
  いつか梨乃が懐かしそうに言っていた。そうなんかな。そんなもんなんかな。きっと優しさや思いやりって意識しない時にこそ伝わるものなんやろな。

  2006-04-10 02:47:00
• 23:

  ﾄﾞﾗ

  それから梨乃とはたまに話すようになり、中三には梨乃がその頃居た子との中にあたしが入った。あたしが今まで一緒に居た友達が学校に来なくなったから。その子は本格的に悪い道に行ってしまった。
  いつからか梨乃・さくらと呼び合うようになって、あたしは梨乃に何でも話せるようになった。学校で３人で居てもあたしと梨乃とが話すことの方が多かった。

  2006-04-10 02:53:00
• 24:

  ﾄﾞﾗ

  中三の秋頃、あたしは梨乃が昔居たグループのリーダー的存在の子に目を付けられた。悪口を大声で言われたり、悪い噂を広められたり、あたしが入ってるトイレのドアを蹴られたり。イジメよりかは大分マシなものだったけど、あたしは精神的に弱くて結構傷付いた。

  2006-04-10 02:56:00
• 25:

  ﾄﾞﾗ

  期間で言えば２ヵ月ぐらいだったけど、あたしにとってその２ヵ月は本当に辛かった。人間には、悲しさや辛さに慣れる能力はついてないんやろうな。悪口を言われた時はいつでも辛かったし、学校に行きたくないって思う日もあった。

  2006-04-10 02:59:00
• 26:

  ﾄﾞﾗ

  冬頃、気が済んだのかいきなりその子が笑顔で話し掛けてくるようになった。嬉しかった。その子との関係が元通りになったことじゃなくて、《もう悪口言われたり嫌がらせされることもなくなる》と思い嬉しかった。

  2006-04-10 03:01:00
• 27:

  ﾄﾞﾗ

  今からして思えば、その子はなんて可哀相なんやろうと思う。それからその子と話して楽しい気持ちになったことなんて１度たりともないし、それはこの先一生変わらない。
  一生で出会える人なんて限られているのに、なんでわざわざ嫌われるようなことをするんやろ。あたしならどうせ生きるなら、自分が死ぬとき出来るだけ多くの人に心寂しく思ってほしいと思うけど。

  2006-04-10 03:07:00
• 28:

  ﾄﾞﾗ

  卒業式の後の打ち上げの帰り、梨乃と２人で帰っている時いきなり梨乃が「ちょ、今から中学いこっ!!」って言った。またいきなり何言いだすねんとか文句を言いながら２人で、数時間に卒業した中学に向かった。

  2006-04-10 03:14:00
• 29:

  ﾄﾞﾗ

  中学の校門の前について、またいきなり梨乃が
  「佐竹さくら、佐藤梨乃と一生親友でいることを誓いますか。」
  と言った。あたしは爆笑した。
  「なにそれ、結婚式やん??ﾜﾗ」

  2006-04-10 03:16:00
• 30:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃は照れながら、「えぇやん?誓え?」って言うから、あたしは仕方なく「誓う誓う?ﾜﾗ。そんかわりあんたも誓いや?」と言い、一生親友でいることを誓ったﾜﾗ。
  

  2006-04-10 03:19:00
• 31:

  ﾄﾞﾗ

  あの時、あんたのアホさ加減に涙が出るぐらい爆笑したけど
  ほんまはめっちゃ嬉しかった。
  あたしは基本誰とでも仲良くなれたけど、親友って思えるような子はいてなかった。
  だけどあんたと仲良くなって、初めて心から信頼できる親友ができた気がした。
  あんたも同じように思っててくれたんやって思ったら　嬉しくて嬉しくて仕方なかったよ。

  2006-04-10 03:23:00
• 32:

  名無しさん

  完結まで頑張ってな?

  2006-04-10 03:32:00
• 33:

  ﾄﾞﾗ

  けどたとえ２週間ぶりでも１ヵ月ぶりでも、全く久しぶりな気がしなくて全然気を使わない。沈黙も恐くないし、《次何はなそう‥》って頭で悩むこともない。梨乃といたらありのままのさくらでいれた。
  

  2006-04-10 03:35:00
• 34:

  ﾄﾞﾗ

  「あたしら親友やで。」なんて言葉で確認するようなことは１度もなかったけど、あたしにとって梨乃は親友以上だった。居るのが当たり前で、何かあった時はすぐに梨乃に電話をした。
  前世では姉妹じゃないかと今でも本気で思う。

  2006-04-10 03:39:00
• 35:

  ﾄﾞﾗ

  あたしはその時の話を思い出すと今でも涙腺が熱くなる。下手するとﾎﾞﾛﾎﾞﾛ泣いてしまう。
  当時の梨乃の気持ちと、自分の愚かさを思うと涙が止まらなくなってしまう。

  2006-04-10 03:43:00
• 36:

  ﾄﾞﾗ

  ――「梨乃な、中二の時〇〇(中三の時あたしに悪口や嫌がらせした子)にいじめられとってん。理由は分からへん。ある日突然グループのみんなからハブられるようになって。結構長かったで、半年ぐらい。おかげで精神病にもなったゎ。」

  2006-04-10 03:46:00
• 37:

  ﾄﾞﾗ

  やっぱりケンカじゃなかったんや‥。って思いながらも、半年とゆう期間の長さにあたしは既に胸が痛くて仕方なかった。
  「精神病って…何なったん？」と聞いた。

  2006-04-10 03:48:00
• 38:

  ﾄﾞﾗ

  「なんか自律神経失調症ってゆうやつ。欝病も寸前やったな。」
  梨乃は淡々と続ける。
  「結構きつかったゎ。呼び出されて殴られるとか日常茶飯事やったしな。一時体アザだらけやったし。けど体より心の方が痛かった。昨日まで友達やったのになぁ？なんで次の日にそうなるんやろ。」

  2006-04-10 03:52:00
• 39:

  梨乃

  「一番傷ついたんは、そら全部やけど一番は‥『なんで生きてるん？お前なんか死んだら良いのに。自分で死なれへんのやったら殺したろか？』って言われてナイフ突き付けられたことやな…。」

  2006-04-10 03:55:00
• 40:

  ﾄﾞﾗ

  「ほんまに辛くて、死のうとしたで。どうせ死ぬんやったらこの学校で死んだるって思って屋上行ったこともあるし、手首にカッターあてたこともある。けど死なれへんかったゎ。親悲しませたくなかったし、何より死ぬ勇気がなかった。」

  2006-04-10 03:56:00
• 41:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃は一気に話した。あたしはいつの間にか泣いていた。そいつらが憎くて、何も知らずに笑って過ごしてた自分が愚かに思えて、言われた時の梨乃の気持ちを思うと涙が止まらなかった。

  2006-04-10 03:59:00
• 42:

  ﾄﾞﾗ

  そんなあたしを見て梨乃は「なんであんたが泣くねん?。まぁもう過去のことやしな。それが無かったら梨乃は今でもあいつらと一緒におって、あんたと仲良くなってなかったし。だからいいねん。」と笑いながら言った。

  2006-04-10 04:01:00
• 43:

  ﾄﾞﾗ

  あたしは流れる涙を止めることが出来なくて、半年片思いしてた人にふられた時より、財布を落とした時より、何倍も何十倍も胸が痛くてどーしようもなかった。
  あたしはいつでも梨乃に頼ってばっかりで、梨乃の辛かった時を「さくらと仲良くなれたからそれで良かった。」と言われるようなことは何もしてないのに。
  時間も時間だけあって、その後少しして帰ることになった。

  2006-04-10 04:08:00
• 44:

  ﾄﾞﾗ

  家に着いて、思い出すと一旦ひっこんだ筈の涙がまた溢れた。どーしようもなくて、あたしはお母さんにその話をした。お母さんも泣いて、しばらく２人で泣いていた。

  2006-04-10 04:09:00
• 45:

  ﾄﾞﾗ

  自分の部屋に戻り、梨乃にメールすることにした。もちろん泣きながら。
  「梨乃、ごめん。さくら何も知らんかった。あの時、あんたほんまに１人ぼっちやったんやんな。１人で辛かったやんな。さくら何も知らんで、知ろうともしやんでほんまにごめん。もし時間が戻るなら絶対梨乃と一緒に戦うのに。全校生徒が敵になっても、絶対梨乃と戦うのに。ほんまにごめん…。

  2006-04-10 04:14:00
• 46:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃は『死ぬ勇気がなかった』って言ったけどそんな勇気いらんねんで。梨乃頑張ったな、辛かったよな。でも生きててくれてありがとう。その時、死ぬことを選ばんでくれてありがとう。さくらは梨乃と会えて良かった。中学で教えてもらったり感謝することはいっぱいあるけど、１番は梨乃と親友になれたこと。生まれてきてくれて、頑張ってくれて、さくらと出会ってくれてありがとう。」

  2006-04-10 04:19:00
• 47:

  ﾄﾞﾗ

  今思い出すとちょっと恥ずかしいけど、その時は思ったこと・感じたことをそのまま文章にした。でも伝えたいことの100％を伝えられた気がしなくて、また自分が情けなくて悔しくてずっと泣いていた。

  2006-04-10 04:21:00
• 48:

  ﾄﾞﾗ

  数十分後、梨乃からメールがきた。
  「なんでさくらが謝んねん。あんたは何も悪くない、むしろありがとうやゎ。梨乃な、もし今いじめられへんけどあんたと仲良くならへん人生か、いじめられるけどあんたと仲良くなれる人生か　を選べるなら、間違いなくあんたと仲良くなれる人生を選ぶで。さくらと親友になれた中学生活、悪いもんじゃなかったで?」

  2006-04-10 04:24:00
• 49:

  ﾄﾞﾗ

  と来た。
  梨乃はなんて大人なんやろう。なんでそんなに人を思いやれるんやろ。
  でも　梨乃に何て言われたって、何万回さくらは何も悪くないって言われたって
  あたしは自分の愚かさに腹が立つし、どんなに大人になっても思い出すときっと涙が出ると思う。

  2006-04-10 04:28:00
• 50:

  ﾄﾞﾗ

  >>34ｻﾝ、レスありがとう??完結まで頑張りますんで、良ければ最後までお付き合い下さい??

  2006-04-10 04:44:00
• 51:

  みゆ

  読んでます?頑張って完結してください??

  2006-04-10 20:45:00
• 52:

  ポロ

  頑張って(:_;)

  2006-04-11 05:19:00
• 53:

  ﾄﾞﾗ

  みゆさん、ポロさんありがとうﾃﾞｽ??書き込みあると本当に嬉しいです?良ければ完結までお付き合いお願いします?

  2006-04-12 00:11:00
• 54:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃は本当にイィ奴だった。口が悪くてものすごいﾍﾋﾞｰｽﾓｰｶｰで、18になっても平気で野ｼｮﾝが出来るような奴だった。だけど可愛くてｵｼｬﾚで、優しくて相手を思いやれて人の痛みが分かって。自分が傷付けられた分、人を傷付けるのをとても嫌う。だから相手の顔色を伺うし、友達に合わせることが多かった。

  2006-04-12 00:16:00
• 55:

  ﾄﾞﾗ

  あたしはいつも言ってた。「あんたはめっちゃ良い子やねんから、そんなに気使わんでもみんな嫌いになんかならへんで。」って。そしたら梨乃は「…なんか恐いねんな。これ言って嫌われたらどうしよう、梨乃から離れて言ったらどうしよう‥って思ったらどうしても気使ってしまう。まぁあんたは梨乃を嫌うことないって分かってるから気使わんのやけどな。」って言っていた。

  2006-04-12 00:27:00
• 56:

  ﾄﾞﾗ

  あたしは「自惚れんな?」って言ったけど、あたし自身梨乃を嫌いになることはないって分かっていた。

  2006-04-12 00:31:00
• 57:

  ﾄﾞﾗ

  あたしらには２人の夢があった。“可愛くておしゃれなおばちゃん・おばぁちゃんになろう。お互いの子供を同じ学年に産んで、もし女の子と男の子なら二人が恋に落ちるようにしむけよう。いつかｼﾜｼﾜのおばぁちゃんになった時は一緒にエステに行こう。そして縁側で一緒に緑茶でも飲もう。…」本当にいっぱいあった。未来を語るのは楽しくて、そこに当たり前にお互いの名前があることが嬉しくて。
  未来なんて当たり前に用意されてると思っていた。

  2006-04-12 00:37:00
• 58:

  ﾄﾞﾗ

  なぁ梨乃。
  あんたは幸せやった？いっぱいいっぱい、あんたと同じ時間を過ごしたけど「梨乃幸せ？」って質問はしたことなかったよ。
  あたしがいつか「全員が敵になっても、さくらは梨乃と一緒に戦う。」って 言った言葉覚えてる？
  あの頃より少し大人になった今だって
  少しも変わってないよ。

  2006-04-12 00:41:00
• 59:

  ﾄﾞﾗ

  忙しい日常な上に、その頃あたしにも梨乃にも彼氏がいた。会える日は少なくなったけど、会った時はやっぱり久しぶりな気がしない。メールは毎日していたし??

  2006-04-12 00:48:00
• 60:

  ﾄﾞﾗ

  23時40分ごろ。家まであと５分ぐらいって時に梨乃から着信があった。いつもメールだったから『どうしたんやろ？』って思いながら電話に出た。

  2006-04-12 01:00:00
• 61:

  ﾄﾞﾗ

  さくら:「はいー」
  梨乃:「さくらもう家着いた？」
  さくら:「ううん、まだ。あと５分ぐらい。」
  梨乃:「あっほんまぁ。梨乃今変な人に襲われそうになって、あんたいっつも帰るの遅いし気つけやって思って。」
  さくら:「えっ大丈夫なん??」

  2006-04-12 01:04:00
• 62:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃:「大丈夫やで、暗がりに連れていかれそうになって抵抗してたら車通ってどっか行ったから。」
  さくら:「まじで‥はよ帰りや?」
  梨乃:「帰る帰る。今〇〇(梨乃の彼氏)に電話して迎えにきてもらってんねん。」
  さくら:「そんなんしてんとはよ帰りや??」
  梨乃:「迎えにきてくれるって言うから‥まぁ家まであと10分ぐらいやし大丈夫やって?」

  2006-04-12 01:09:00
• 63:

  ﾄﾞﾗ

  さくら:「そっか…んじゃこのまま電話しとこか？」
  梨乃:「大丈夫やって、もうすぐに〇〇くるし。あんたもはよ帰りや?」
  さくら:「そっかぁ‥分かった、気つけや??」
  梨乃:「うん。んじゃまたなー?」
  さくら:「あいあいー」

  2006-04-12 01:13:00
• 64:

  ﾄﾞﾗ

  そして電話を切った。
  ――この時、無理矢理にでも電話をし続けていればよかった。もしくは一緒に梨乃の彼氏を待っていればよかった。それをしなかったのは…『まさか最悪の事態は起こらないだろう』ってゆう考えがあったから。考えが甘かった。

  2006-04-12 01:15:00
• 65:

  ﾄﾞﾗ

  ……梨乃を襲おうとした男は、どこかに行ったように見せ掛けて影から梨乃を見ていた。電話を切ってすぐに、再び梨乃の前に現われた。梨乃の彼氏は本来ならバイクで飛ばして10分の道程を、ポツポツ雨が降ってきていた為自転車で向かっていた。普段使わない為なかなか鍵が見つからず、10分程探して急いで梨乃の元へ向かった。あたしは無事家につき、遅い夜ご飯を食べていた。

  2006-04-12 01:21:00
• 66:

  ﾄﾞﾗ

  その男は抵抗する梨乃に暴行し、暴言に腹が立ち脅したナイフで梨乃を刺した。「１度刺したら止まらなくなった」と供述する男は、何十ヶ所も刺した。そして梨乃は出血多量により命を奪われた。

  2006-04-12 01:27:00
• 67:

  ﾄﾞﾗ

  翌朝、梨乃の遺体が発見されてあたしは鳴り続ける家の電話で目が覚めた。そして信じられない様な事を聞く。急いで病院に向かうも、梨乃はもう冷たくなっていた。青白くなった梨乃の顔は今までと変わらなく綺麗だった。

  2006-04-12 01:34:00
• 68:

  ﾄﾞﾗ

  「り‥の…梨乃…？」
  いくら話し掛けたって返事は返ってこない。あたしは梨乃を抱き締めて泣き崩れた。
  「り‥の―――!!!」

  2006-04-12 01:37:00
• 69:

  ﾄﾞﾗ

  出棺のとき、梨乃に話し掛けた。「梨乃…？はよ目覚ましーや。さくらなぁ、話したいことあんねん。変な話やねんでぇ、みんな梨乃死んだってゆうねん。うけるやろぉ、ありえへんのにな。だからはよ目覚ましって、なぁ…なぁ!!!」

  2006-04-12 01:43:00
• 70:

  ﾄﾞﾗ

  冷たくなった頬に触れた瞬間、涙があふれ出た。棺桶を抱き締めて「…いやや!!梨乃つれていかんとって!!梨乃!!早く、早く起きてって!!はやく!!!」

  2006-04-12 01:44:00
• 71:

  ﾄﾞﾗ

  「いややﾞぁーーー!!」
  集まった人に押さえられて、あたしは唯泣き叫んだ。「りの…りのーー!!」
  泣き崩れるあたしに、梨乃の母親が泣きながら話し掛けてきた。「さくらちゃ…ん、梨乃悲しむから…ちゃんと最後見てあげて…今なら梨乃の魂…まだここにあるから…」

  2006-04-12 01:49:00
• 72:

  ﾄﾞﾗ

  「…ほんま？梨乃…まだここにおるん？」
  おばちゃん:「お…るよ…だから…」
  おばちゃんの言葉で少しだけ落ち着いて、梨乃の棺桶にあたしのプリクラ帳と手紙を入れた。
  「さ…くらのプリ帳…いれとくから…寂しくなったら…いつでも見いや…梨乃…ありがとう……」

  2006-04-12 01:53:00
• 73:

  ﾄﾞﾗ

  泣きながら途切れ途切れで言い、梨乃の額にキスをした。ありがとうって思いを精一杯込めて。
  …本当は分かってたよ。梨乃は死んじゃったこと。ただ受け入れたくなかった。だけど分かってた。だから最後の手紙を書いたんよ。

  2006-04-12 01:55:00
• 74:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃へ
  りのと話すようになって、友達になって親友になって‥もう３年が過ぎたなぁ。早かったゎ、あっと言う間やった。
  さくらりののこと大好きやで。誰よりも大事。２人で話してた夢はもう叶わん夢やけど、怒ったりしてないから気にしなや。さくらはりののこと一生大好きやから。さくらの一番大事なものは家族とりのやから。
  りのは気使い屋やから、さくらは見ててちょっとだけ悲しかった。そのままのりのはもっと素敵やのにって思って。けどちょっと嬉しかってん、さくらだけ特別みたいで。内緒にしてたけどな。
  梨乃、さくらと出会ってくれて親友になってくれて、ほんまにありがとうやで。覚えてると思うけど、一生さくらら親友やねんで。
  梨乃、ほんまにありがとうやで。さくらより

  2006-04-12 02:03:00
• 75:

  ﾄﾞﾗ

  火葬場に着いて、出てきた梨乃の姿はもう梨乃じゃなかった。これが梨乃なん…？こんな小さな箱に納まってしまうぐらい、梨乃こんなに小さかった…？
  でも梨乃は天国に行ってしまった。梨乃はめっちゃイィ奴やから、天国に決まってんねん。だってさくらの親友やねんもん。ほんまにイィ奴やねん。

  2006-04-12 02:07:00
• 76:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃が天国に行ってから、早くも３年が過ぎました。中学の友達はみんな、梨乃との思い出を懐かしそうに話すよ。でもさくらはあんたを思い出すと泣いてしまうから、楽しかった思い出程泣いてしまうから、中学の友達には会いたくない。さくらも懐かしそうに話そうとするから、顔が疲れるねん。
  あんたが使ってた香水をもらったで。良い匂いやけどやっぱり悲しいな。でもあんたのお墓に行く時はいつも付けてんねん。気付いてた？これはなぁさくらの宝物やねんで。

  2006-04-12 02:13:00
• 77:

  ﾄﾞﾗ

  梨乃、さくらはあかんなぁ。いくら願ってみたってあんたは天国に行っちゃったのに、やっぱりさくらは梨乃がいないとあかんみたいやゎ。「いつまでもくよくよすんな！」って、あんたは怒ってるかな。
  

  2006-04-12 02:17:00
• 78:

  ﾄﾞﾗ

  いつか、梨乃に話した夢覚えてる？でかすぎて恥ずかしくて、「絶対誰にも言わんといてや！」ってゆって話した夢。あんたは笑わんと聞いて、「さくらなら叶えられるよ。頑張りや！」って言ってくれた。さくら、頑張ることにしてんで。あんたとの約束やから、頑張って何がなんでも絶対叶えてみせる。

  2006-04-12 02:18:00
• 79:

  ﾄﾞﾗ

  だから、ずっとさくらのこと天国から見ててや絶対!!２人で叶えられへんかった夢は、さくらがいつかそっちに行った時に叶えよう。でも梨乃は若くてさくらだけしわしわのおばぁちゃんやったら、一緒にシワ取りのエステには行かれへんな…まぁ仕方ないか。
  話したいこといっぱい蓄めて行くから、気長に待っててな。
  

  2006-04-12 02:21:00
• 80:

  ﾄﾞﾗ

  “――佐藤梨乃、佐竹さくらと一生親友で居ることを誓いますか？”
  “――誓います。”
  梨乃、ありがとうやで。
  
  おわり

  2006-04-12 02:22:00
• 81:

  名無しさん

  完結お疲れ?書いてても辛かったと思うけど書いてくれてありがとな?

  2006-04-12 04:12:00
• 82:

  ﾄﾞﾗ

  >>89さん、読んでくれてありがとうございます?最後らへんは泣いてしまって、伝えたいことがあって書いたのに肝心なことは書けないまま終わってしまいました??

  2006-04-12 04:15:00
• 83:

  ﾄﾞﾗ

  書いてから梨乃を思い出してしまってどうしようもないです。
  梨乃、天国で元気にしてますか？今日はとても悲しいことがあったから、こーゆー日は梨乃に話を聞いて欲しくて仕方ないよ。さくらはやっぱり梨乃が居ないとあかんみたい。人を憎みたくはないけど梨乃の命を奪ったあいつだけは‥神様が許すのなら梨乃と同じ目にあわしたいって思ってしまう。

  2006-04-13 22:18:00
• 84:

  リｻ

  めっちゃ泣けました･･･ぅちにも大事な親友ぉるからもし居なくなったらって考え本間無理(:_;)辛かったのに書いてくれてぁりがとぅございました(｡･囚･｡)

  2006-04-14 01:29:00
• 85:

  名無しさん

  完結おめでとぅ?おつかれ様でした?

  2006-04-15 11:38:00
• 86:

  ﾄﾞﾗ

  リｻさん→読んで下さりありがとうございます?
  リｻさんにも大事な親友がいるんですね?さくらは、本当に心から大事って思える人って一生のうちにそんなにいないと思うんです。もしかしたらそれだけ想える相手に、出会えない人もいるかもしれない。さくらは結局梨乃を守れませんでした。どうかリｻさんは、大切な親友を守って守られて下さい?長くなりましたが、読んで下さり本当にありがとうございました??

  2006-04-15 14:08:00
• 87:

  名無しさん

  >>1-100

  2006-04-16 12:04:00
• 88:

  名無しさん

  (T_T)泣いたぁ

  2009-11-03 23:39:00
• 89:

  名無しさん

  うちも(;_;)
  親友おらんなったら……て思ったらすごぃ苦しい。
  めっちゃ重ねてしまって涙止まらん(T^T)

  2009-11-06 02:01:00
• 90:

  名無しさん

  実話なんですか??
  通り魔とかめっちゃ怖い…
  すごい悲しくて涙しました?でも私にはそこまで思える親友はいないから羨ましくも思いました?

  2009-11-07 08:23:00
• 91:

  名無しさん

  泣いた?

  2009-11-08 03:12:00
• 92:

  名無しさん

  めっちゃ泣いた???

  2009-11-08 18:38:00