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夢みたもの

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  • 1:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    応援して下さっていたみなさん、本当にありがとうございます。消えてしまったのでもう一度書かせていただきます。更新は遅くなると思いますが、前より詳しく書いて行こうと思います。全て実話です。

    2006-01-11 07:59:00
  • 2:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    2000年9月20日。


    あの日私は、独りになった

    2006-01-11 08:00:00
  • 3:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『お父さん、待ってぇ!』『はよせぇよぉ!!』
    『うわっお母さん何その大量の荷物!?』
    『うるさいなぁ。』
    こんな会話をしながら私達は車に乗り込んだ。

    2006-01-11 08:03:00
  • 4:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    今日は私の誕生日。
    プレゼントとしてディズニーランドへの二泊三日の旅に出かけるところだった。
    19歳になりたての私は期待に胸を膨らませていた。

    2006-01-11 08:10:00
  • 5:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    優しい父と母、喧嘩ばかりしていたけど仲は良かった四つ上の姉。裕福でも貧しくもなく、ごく普通の家庭。
    私は幸せだ。
    …いや、幸せだった。
    この日までは。

    2006-01-11 08:13:00
  • 6:

    ?凛?

    叶サンゃぁ?頑張ってくださぃ?

    2006-01-11 08:16:00
  • 7:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    関空へ向かい車は出発した。しばらく走った時に、あの悪夢の様な事故は起こった。
    目の前にはトラック。
    “ぶつかる―――!!”
    そう思った瞬間に、目の前は真っ暗になった―………

    2006-01-11 08:19:00
  • 8:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    ?凛?さん、ありがとうございます?育児と家事の合間に書くんで遅くなりますが頑張ります?うちには翼というでかい子供も居るんで…笑

    2006-01-11 08:23:00
  • 9:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    目が覚めた私が一番に見たもの、それは真っ白な天井だった。
    『――――!?』
    『叶ちゃん、目覚めた?』『あれっ…看護婦さん、ここ病院…?』
    『そうやでぇ。あっ右腕と左足骨折してるから動かしたらあかんよ?』

    2006-01-11 08:27:00
  • 10:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    周りを見渡しても、家族の姿はない。
    『みんなは!?』
    『…今から叶ちゃんの担当の佐藤先生が説明してくれるから、落ち着いて聞いてね?』
    ――嫌な予感がした。

    2006-01-11 08:30:00
  • 11:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『初めまして、担当医の佐藤です。叶さんは脳波にも異常はなく、右手と左足の骨折のみです。しかしご家族の方々は…残念ですが…お母さまは叶さんを抱き抱えた状態でお亡くなりになってました。』

    2006-01-11 08:37:00
  • 12:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    事故の原因は相手側の飲酒運転だと聞かされた。
    『嘘やん…嘘やろ!?なぁ!?』
    そう問い掛けても、医師達は涙を浮かべながら首を横に振るだけだった。

    2006-01-11 08:41:00
  • 13:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    それからの日々は足早に過ぎて行った。
    お葬式のやり方なんて知らない。遺産相続なんて考えた事もない。
    両親や姉の手帳や住所録を引っ張りだし、弁護士を雇い手続き等を代行してもらった。
    この日から私の目に映る世界は“色”を失った。

    2006-01-12 08:10:00
  • 14:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『ただいま…』
    誰も居ないのはわかっている。でも…認めたくない。真っ暗な部屋に電気をつけ洗面所に行く。
    あの事故の日以来取り替えられていないハンドタオル。そう言えばいつも母が取り替えてくれていた。
    父の髭剃り。姉のコンタクトケース。そんな物までもが愛しくてたまらなかった。

    2006-01-12 08:20:00
  • 15:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『いやぁぁぁぁぁぁ!!』私は叫びながら家中を走り回った。
    両親の寝室、姉の部屋、リビングや台所…いくら捜しても家族の姿はない。
    携帯を手に取り、両親や姉の電話にかけて見ても、同じ音声が流れるだけ。繋がらないとわかっていても、何回も何回もかけ続けた。

    2006-01-12 08:31:00
  • 16:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『神様…何で私だけ残してったん?こんなんやったら…一緒に死にたかった…』いくら泣いても、涙が枯れる事はなかった。
    遺産は、普通に暮らして居れば何十年かは暮らせる程あった。しかし私は、立ち直らないうちに働く事を選んだ。
    世界に置いていかれたようで、誰かに必要とされたい…気を紛らわしたい、それが理由だった。

    2006-01-12 08:45:00
  • 17:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    私が選んだ仕事、それは夜の世界だった。
    昼しか知らなかった私には、夜に生きる人達は華やかで、でもどこか影があるような悲しい感じがした。
    同じ境遇の人を捜したかったのかもしれない。
    ただ何か…生きる希望を見付けたかった。それが夜には溢れている気がした。

    2006-01-12 09:00:00
  • 18:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    次の日。
    私はミナミの街に居た。
    『お姉さん、キャバクラって興味ない?』
    『行く。』
    私は即答した。働けるのならどこの店でもよかった。

    2006-01-12 09:12:00
  • 19:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    繁華街を少しぬけた所にその店はあった。
    “うわっせま…”
    私がイメージしていたキャバクラとはかなり違い“安キャバ”と言われる処だった。
    ソファーも所々やぶけているし、キャバクラ未経験の私は少し不安になった事を覚えている。

    2006-01-12 09:16:00
  • 20:

    えり

    叶サンまた書いてくれたんですね?楽しみに読みます?また頑張ってください??

    2006-01-13 03:12:00
  • 21:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    えりさんありがとうございます?少しずつですが前書かなかった事とかも書いて行きたいと思います?

    2006-01-13 06:23:00
  • 22:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『キャバクラの経験は?』
    『ないです。』
    『そっかぁ。じゃあこれ書いといてなぁ。』
    体験入店書を渡しその男は一人でブツブツ言いながらドレスを選び始めた。
    『ん〜これ臭いなぁ。これ破れてるし…』

    2006-01-13 06:31:00
  • 23:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『よっしゃこれや!!書き終わった?』
    『あっはい…。』
    『名前は本名でいい?』
    『反応出来なさそうやし』こうしてキャバ嬢、叶の人生が始まった。

    2006-01-13 06:34:00
  • 24:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    お酒の作り方や火のつけ方を教えてもらっていると、寝呆けながら現われた一人の男。これが幸一との出逢いだった。
    『おあ゛よ〜』
    『あっおはようございます!!』
    『あっ体験の子?頑張ってなぁ!!』

    2006-01-13 06:37:00
  • 25:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『今日が初めてなんです』と言うと、お客さんも多めに見てくれたし、女の子の助けもあり順調に仕事を終える事が出来た。
    『叶お疲れ!幸一が外で待ってるから行ってな!!』店の扉を開けると、エレベーターの前の踊り場にちょこん、と幸一が座っていた。

    2006-01-13 06:51:00
  • 26:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    翼が起きたのでまた後で更新します?感想などまたいただけたら嬉しいです?

    2006-01-13 06:59:00
  • 27:

    名無しさん

    翼クンも書いてる事知ってるんですかぁ?

    2006-01-13 08:59:00
  • 28:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    名無しさん、知ってますよ??二人で話ながら書いてます?

    2006-01-13 09:31:00
  • 29:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『お疲れぇ。』
    『お疲れ様です。』
    『今日ありがとうなっこれ少なくてごめん。』
    そう言って一万円札を手渡した。一日で一万ももらえる事にひどくびっくりした。

    2006-01-13 09:34:00
  • 30:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『全然仕事出来てないのにこんなもらっていいん?』『初めてであんだけ出来てたら十分や!!…叶ってなぁ彼氏おるん?』
    『おらんけど…』
    『ほんまに?はいっ!!』携帯を手渡された。
    『叶の番号入れといて?』そう言って笑う幸一がかわいく思えて、自分の番号を入力した。

    2006-01-13 09:37:00
  • 31:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    店内に戻ると、百合が駆け寄ってきた。
    『叶ちゃん!代表なんやったん!?』
    『…?普通にお金渡されただけやで?番号聞かれたけど次店呼ぶためやろ?』
    『代表普段そんなんしやんねんで!?番号なんか聞かんし百合が教えてってゆっても教えてくれふんのに』百合は頬を膨らましていた。みんなに同じ事をしてると思っていた私は、それを聞いて少し嬉しかった。

    2006-01-13 09:44:00
  • 32:

    えり

    叶サン☆また書いてくれてうれしいです!!
    楽しみに読みます^○^
    むりせず叶サンのペースでがんばって書いてください!!

    2006-01-16 01:49:00
  • 33:

    名無しさん

    書かないんですか??(>_

    2006-02-03 12:19:00
  • 34:

    ゅり?

    ぉもしろそぉッ??
    頑張って下さい? 
    応援してまぁす???

    2006-02-05 04:35:00
  • 35:

    名無しさん

    2006-02-08 14:23:00
  • 36:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    ずっと放置しててすみません?インフルエンザにかかったり色々ごたごたしてました?少しずつですが頑張って完結します?

    2006-02-10 06:15:00
  • 37:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    それからはお互いの家に行ったり、仕事帰りにご飯を食べたりして毎日が楽しかった。“付き合おう”なんて言葉はなかったけど、確かに私は幸一を愛していたし、彼の愛を感じていた。

    2006-02-10 06:19:00
  • 38:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    あの日も、いつもの様に幸一が私の家に来た。
    『お邪魔しま〜す』
    『適当にくつろいどいてや。飲み物何がいい?』
    『コーヒー。ってかな…ずっと気になっててんけど…』

    2006-02-10 06:22:00
  • 39:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『何〜?』
    『お前さぁ、ここ実家やろ?一回も…家族の姿見ぃひんねんけど…』
    『……………』
    私はまだあの事故の事を幸一に話してはいなかった。言いだすきっかけも掴めず、今日のこの日までずるずると来ていた。軽はずみな言動は家族を汚してしまいそうで、同情を買いたくなくて…恐かった。

    2006-02-10 06:27:00
  • 40:

    叶 ◆0V4oT68yBI

    『俺実はな、初めて叶んち来た時に間違って仏間開けてもうてんやん。そしたら…家族の遺影みたいなんあったから…。お前がゆってくれるまで知らんふりしとこかなとも思ってんけど、いっつも寂しそうに笑うから気になっててん。』

    2006-02-10 06:32:00
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