-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
銀の鎖
-
1:
美桜
初めて書く小説なので、下手ですが読んでもらえれば嬉しいです。更新も少しずつになりますが、気長におつきあい下さいm(__)m
2006-05-07 02:28:00 -
676:
美桜 ◆kJmhGaf60.
太股の比翼の鳳凰はもう一度皓輝に会えるための『おまじない』だった。
2006-06-19 00:56:00 -
677:
美桜 ◆kJmhGaf60.
比翼の鳥というのは、一つの羽、一つの目しか持たない2羽の鳥が2羽揃うことによって一羽の完全な『鳥』になれる、という想像上の鳥だ。
2006-06-19 00:57:00 -
678:
美桜 ◆kJmhGaf60.
『夫婦』の深い結びつきを現すときに使われる表現で、美桜はその鳥に自分と皓輝を重ねたのだ。
2006-06-19 00:58:00 -
679:
美桜 ◆kJmhGaf60.
美桜と皓輝は2人で初めて一人の『人間』になることができる…
2006-06-19 00:58:00 -
680:
美桜 ◆kJmhGaf60.
あまり多くの時間父の部下たちの監視の目から逃れて行動は出来なかったので、全て出来上がるまでに相当な時間を要した。
2006-06-19 00:59:00 -
681:
美桜 ◆kJmhGaf60.
でも、TATTOOを彫っている間の痛みは何故か美桜に安らぎをくれた。この痛みは皓輝と繋がっている証だ。そう思えたから。
2006-06-19 01:00:00 -
682:
美桜 ◆kJmhGaf60.
出逢った彫師も良かったのだろう。ネットで調べて見つけた女性の彫師。初めてスタジオを訪れた日、包み隠さずどんな事情でどんなTATTOOを彫りたいのかを話した。
2006-06-19 01:01:00 -
683:
美桜 ◆kJmhGaf60.
美桜の話を彫師は親身に聞き、そしてこう言った。『2人で協力して素敵な証を残しましょう』と。
2006-06-19 01:02:00 -
684:
美桜 ◆kJmhGaf60.
実際に出来上がったTATTOOは今まで見たどんなTATTOOよりも美しいものだった。毎日そのTATTOOを見ることだけが孤独を癒すことができた。
2006-06-19 01:03:00 -
685:
美桜 ◆kJmhGaf60.
このまま皓輝の想い出と共に鳥籠の中で暮らすのも悪くないかもしれない。そう思い始めたころ季節は桜の季節を迎えていた。
2006-06-19 01:04:00 -
686:
美桜 ◆kJmhGaf60.
部屋の窓から舞い散る桜の花を眺めていた。皓輝と知り合ったのは夏の始め。そして離れたのは冬の半ば。
2006-06-19 01:05:00 -
687:
美桜 ◆kJmhGaf60.
だから皓輝との思い出の中に桜の景色はない。こんなにも綺麗な桜の花、皓輝もどこかで同じ景色を見ているのだろうか…
2006-06-19 01:06:00 -
688:
美桜 ◆kJmhGaf60.
ぼんやりと桜を見つめていると部屋の扉をノックする音が聞こえた。どうせ母だろうと思い放って置いた。
2006-06-19 01:07:00 -
689:
美桜 ◆kJmhGaf60.
返事をしなくても入ってくるのだからノックなどしなければいいのに…「美桜ちゃん…」やはり母だった。美桜は母を振り返ることなく桜を見続けていた。
2006-06-19 01:08:00 -
690:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「美桜ちゃん、あなたがこの家に帰ってきてどれくらい時間が経っているかわかっている?」「…さあ?…」そんなことどうでも良い。
2006-06-19 01:09:00 -
691:
美桜 ◆kJmhGaf60.
どうせどれだけの時間が経とうと『籠』の中から飛び立つことなどできないのだから。
2006-06-19 01:10:00 -
692:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「…2年よ。あなた2年もの間誰にも会わず過ごしてきているのよ?」「…そう…」だから何だと言うのだ。
2006-06-19 01:11:00 -
693:
美桜 ◆kJmhGaf60.
2年経とうが5年経とうが10年経とうが関係ない。一生このまま皓輝の想い出とともに生きていくのだから。
2006-06-19 01:12:00 -
694:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「美桜ちゃん、あなたこのまま誰にも会わずに生きていくつもり?」美桜は少し苛立ってきた。そんなことを聞いてどうしようというのだ?
2006-06-19 01:13:00 -
695:
美桜 ◆kJmhGaf60.
結局母が父に逆らったのはあの病院での携帯電話の件のみだった。外出に監視がつけられることも黙認してきた母が今更なんだというのだ。
2006-06-19 01:14:00 -
696:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「…だから?」素っ気なく美桜は返した。「…美桜ちゃん、あなた、この家を出なさい」「!?」思いがけない母の言葉にさすがに驚いて振り返った。
2006-06-19 01:15:00 -
697:
美桜 ◆kJmhGaf60.
母は美桜に向って銀行の通帳とカードを差し出した。「ここに少しだけどあなたのために取っておいたお金があるの。これを持って家を出なさい」「…お母さん?どういうつもり?」美桜は母の真意がわからず尋ねる。
2006-06-19 01:16:00 -
698:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「そんなことをすればアイツに怒られるのはお母さんなんだよ?」「そうね。でもあなたがこの家に帰ってくる時にお母さん言ったわよね?お母さんだって美桜の幸せを望んでいないわけではないの」「……」
2006-06-19 01:17:00 -
699:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「最初ね、美桜ちゃんが水商売をしているってわかったときはお母さんショックだった。そんなことをして生活をしているくらいならここに戻ってくればいいとも思ったわ」
2006-06-19 01:18:00 -
700:
美桜 ◆kJmhGaf60.
そういう母の顔は今まで見てきたどの表情よりも寂しそうな顔をしていた。
2006-06-19 01:19:00 -
701:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「でも帰ってきてからのあなたを見ていると、お父さんとお母さんのしたことは間違っているんじゃないかなって思ったの。あなたの幸せを願うならあなたの思い通りの人生を送らせてあげなくてはいけないのよね?」「…お母さん…」
2006-06-19 01:20:00 -
702:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「美桜ちゃん、ごめんね。お父さんもお母さんも今まであなたに本当の意味での幸せを与えてあげることができなくて」そう言いながら母は静に涙をこぼした。
2006-06-19 01:21:00 -
703:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「これからはあなたの望む場所であなたが一緒にいたい人と幸せになりなさい」「…でも・・・もうあの人は待っていてくれていないかもしれない。私なんか必要と
していなかもしれない…」2006-06-19 01:22:00 -
704:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「それでも、ここで何もしないまま人生が終わっていくよりは幸せだとお母さんは思うわ」「…それに、きっとまたアイツが連れ戻しに来るよ」
2006-06-19 01:23:00 -
705:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「お父さんのことはお母さんに任せて。何とか説得するから」それから、と続けて母は何かを差し出した。解約されたはずの美桜の携帯だった。
2006-06-19 01:24:00 -
706:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「電話としてはもう使えないけど、この電話の中には美桜ちゃんの大切な人の連絡先が入っているでしょう?」美桜は言葉もなくその携帯を受け取る。
2006-06-19 01:25:00 -
707:
美桜 ◆kJmhGaf60.
母はずっと充電をしていてくれたらしく、今でもその携帯は電源を入れることができた。メールボックスを開くとそこには懐かしい皓輝とのメールが残っていた。
2006-06-19 01:26:00 -
708:
美桜 ◆kJmhGaf60.
皓輝とのメールを見ていくうちに涸れてしまったと思っていた涙が溢れてきた。会いたい。皓輝に会いたくて仕方がない。
2006-06-19 01:27:00 -
709:
美桜 ◆kJmhGaf60.
携帯を見つめながら静かに涙を零す美桜を母は静かに抱きしめた。
2006-06-19 01:28:00 -
710:
美桜 ◆kJmhGaf60.
「美桜ちゃん、幸せになってね。何か困ったことがあればお母さんに連絡するのよ」「…ありがとう、お母さん。ありがとう…」
2006-06-19 01:29:00 -
711:
美桜 ◆kJmhGaf60.
そして美桜は家を出た。だけど、まだ皓輝には会えない。会いたいけど、会いに行かない。
2006-06-19 01:30:00 -
712:
美桜 ◆kJmhGaf60.
もう少し強くなって、守られるだけではなく皓輝を守れるようになってからでないと皓輝には会わない。
2006-06-19 01:31:00 -
713:
美桜 ◆kJmhGaf60.
それがいつのことになるかはわからない。だけど、美桜にはいくつかの《お守り》がある。
2006-06-19 01:32:00 -
714:
美桜 ◆kJmhGaf60.
皓輝からもらったネックレス。背中と太股のTATTOO。そして母にもらった携帯。それに皓輝との想い出もある。
2006-06-19 01:33:00 -
715:
美桜 ◆kJmhGaf60.
だから寂しくても一人で平気だった。『籠』の中でのことを思えばこんな孤独などなんてこともない。
2006-06-19 01:34:00 -
716:
美桜 ◆kJmhGaf60.
強くなろう。いつか胸を張って皓輝に逢えるように……
2006-06-19 01:35:00 -
717:
美桜 ◆kJmhGaf60.
今日の更新はここまでになります。読んで下さっている皆様お付き合いくださいまして本当にありがとうございます。
2006-06-19 01:36:00 -
718:
名無しさん
更新楽しみにしてます!
2006-06-19 04:32:00 -
720:
美桜 ◆kJmhGaf60.
726さん、ひろさんレスありがとうございます。読んで下さっている皆さん、本当にありがとうございます。
今から更新させていただきます。2006-06-19 22:29:00 -
721:
美桜 ◆kJmhGaf60.
Side B〜皓輝〜 「皓輝さん、お疲れ様でした!!」悠馬たち従業員が並んで一斉に頭を下げている。今日は皓輝の『ラスト』だった。
2006-06-19 22:30:00 -
722:
美桜 ◆kJmhGaf60.
美桜がいなくなってから皓輝は水商売を上がる決心をした。もちろんすぐに辞めるわけにはいかなかったのであれから今まで以上に懸命に働いた。
2006-06-19 22:31:00 -
723:
美桜 ◆kJmhGaf60.
そして水商売を上がる決心をしてからちょうど一年目の5月30日に『ラスト』を迎えることにした。明日5月31日が皓輝にとっては特別な日だったから。
2006-06-19 22:32:00 -
724:
美桜 ◆kJmhGaf60.
3年前の5月31日、初めて美桜に出逢ったのだ。美桜と出逢ったその日から、新しい人生を歩むことにした。
2006-06-19 22:33:00 -
725:
美桜 ◆kJmhGaf60.
水商売時代に作ったコネで皓輝は自分の店を出すことになった。店は水商売ではなくカフェだ。
2006-06-19 22:33:00