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ソース
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1:
ユキ#jb
ピ!
「298円になります。」
彼女は、毎回ソースを買っていく。2006-02-15 06:51:00 -
81:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「私、麦茶好きです。ありがとう。」
ソースさんは、僕の手からコップを受取り微笑んだ。
僕は、失神しかけた。生ソースさんが、可愛すぎて。
幸せすぎて死にそうだった。僕の部屋で、向い合いながら、麦茶を飲んでいる。こんな奇跡、予想も妄想もしていなかった。2006-03-12 23:07:00 -
82:
ユキ ◆BYasmdOvp.
今日、僕は女の子を助けた。そして、現場から自分の家まで逃げた。
女の子は、ソースさんだった。
襲われていたのが、自宅のマンションの近くらしく、帰るのは怖いから、僕の家に今日だけ泊めてくれないかと、ソースさんにお願いされたのだ。2006-03-12 23:13:00 -
83:
ユキ ◆BYasmdOvp.
なんだか、まだ信じられない。今起こってる現実が都合良すぎて。冴えない男の奇跡的な、恋物語。
まるで、〇車男みたいだ。さしずめ僕は、自転車だったから、自転車男だろう。
なんだか、間抜けな名前だ。
「あの。」2006-03-12 23:19:00 -
84:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「はい。」
変な声が出てしまった。ソースさんが話かけてきた。それだけで、緊張してしまう。
「学生さん?ですよね?美大?」
乱雑に置かれたキャンバスを指差しながら、僕を見る。2006-03-13 07:56:00 -
85:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「はい。」
僕は、自分で顔が赤くなってくのが分かった。
「絵、見ていい?」
「あ、はい。」
ソースさんは、キャンバスを手に取りながらクスリと笑った。
「はい。ばっかりだね。」
「あ!はい!…あ。」クスクスと、彼女は笑った。2006-03-13 08:00:00 -
86:
ユキ ◆BYasmdOvp.
その時のソースさんは、さっきまでのこわばった表情じゃなくて、やわらかい顔になっていた。それを見て僕は、安心した。
「蝶々好き?」
「あ、は…。うん。好きです。」2006-03-13 08:04:00 -
87:
ユキ ◆BYasmdOvp.
何枚かの、僕の描いたキャンバスは蝶々の絵ばかりだった。
「すいません。下手くそなんで。」
ソースさんは、首を横に振り、キャンバスをじっと見ている。
「すごくキレイだよ。わたしは、好き。」
ズキュン
その時、僕の心臓が飛び跳ねた。2006-03-13 08:08:00 -
88:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「俺も。」
ソースさんは、僕のほうを見て微笑んでる。「俺も、好きです。」「そうなんだ。自信昨なんだね。」
彼女は、キャンバスを手に持ち眺めている。彼女の視線の先では、ピンクの蝶々が、何匹もグラデーションとなりキャンバスを埋め尽していた。
2006-03-13 08:15:00 -
89:
ユキ ◆BYasmdOvp.
その絵は、テーマ課題で提出したものだった。テーマは。
『初恋』だった。
蝶々の様に軽やかに舞いながら、心の一番奥から、勝手に沸いてくるキレイで頼りない、初めてのフワフワした気持ち。
落ち込んだり、喜んだり、日によって激しく変わる気持ち。そんな気持ちを募らせていく心。2006-03-13 08:25:00 -
90:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そんなひとつひとつの想いを、淡いピンクや濃いピンクの蝶々に変えて、キャンバスいっぱいに不規則に描いた。
この絵は、僕のソースさんへの気持ちを表したものだった。
そんな事、知るはずもなくソースさんは、その絵を眺めている。
「でも、この絵キレイだけど、」
2006-03-13 08:32:00