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1:
ユキ#jb
ピ!
「298円になります。」
彼女は、毎回ソースを買っていく。2006-02-15 06:51:00 -
2:
ユキ#JB
サラサラの、少し茶色い髪の毛。ノースリーブのブルーのシャツと、白いタイトスカートから出ている細い足と、細い腕は、夏だとゆうのに真っ白だ。
2006-02-15 07:02:00 -
3:
ユキ ◆owsZ6N97vY
ブルーの財布から、小銭を取り出しカウンターの上に置く。
僕は、レジから小銭を出して彼女の小さな掌に乗せる。
「202円のお返しです。」
2006-02-15 07:08:00 -
4:
名無しさん
レイコを書いてた人??
2006-02-15 08:06:00 -
5:
ユキ ◆BYasmdOvp.
長いまつげを伏せて、彼女は下を向いたまま店を後にした。
「ありがとうございました。」2006-02-16 08:08:00 -
6:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「かーわいーいー。」僕は、彼女の後ろ姿を見えなくなるまで、目で追った。
「おい、心の声出てるから。このストーカーが。」
「え?まじ?」2006-02-16 08:12:00 -
7:
ユキ ◆BYasmdOvp.
同期で入って、フリーターのヨコミゾ君が、僕のにやけた顔を見て、気持ち悪そうな顔をしている。
「違うって!純粋な片想いってゆって!」
僕は、必死で否定する。2006-02-16 08:16:00 -
8:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「はいはい。」
ヨコミゾ君は、あきれた顔で僕を見ている。ここは、コンビニ。
僕は、ここで一年くらいバイトをしている。そして、一年くらい彼女に片想いしている。2006-02-16 08:20:00 -
9:
名無しさん
あれ、トリップ変えたの?レイコ書いてた人?
2006-02-16 08:54:00 -
10:
ユキ ◆BYasmdOvp.
4さん、9さんありがとうです?レイコの作者です?気付いてくださる方がいて、とても嬉しいです(^0_0^)何回か?したんですが?全部半端で終わってしまいましたが?今回は、毎日せこせこ書いていきます?よかったら、お付き合い下さい?あと、最初にトリップ間違えてしまい(>_
2006-02-17 02:43:00 -
11:
%
おっ?おもしろそ?と思って読んでたら…レイコの作者さんなんですか!?嬉しいです。応援してるので頑張ってください。更新中カキコすみませんm(__)m
2006-02-17 02:51:00 -
12:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は、美大の二回生。親からの仕送もあるし、金のかかるサークルに入ってないので、学校が終わる夕方から、比較的仕事が楽なこのコンビ二で、日曜以外毎日のんびり働いている。
2006-02-17 03:50:00 -
13:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そして、このコンビニで働く様になってから、3日と空けず必ずソースを買って行く彼女。そんな彼女を、僕は一目ボレしてしまったのだ。
2006-02-17 03:54:00 -
14:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「まあな、ソースさんかわいいけど。暗そうじゃないか?」
二人で品だしをしながら、ヨコミゾ君が僕に言う。
「そこがいいんだよ。なんか、同い年の女どもと違って落ち着いてる感じがいいんじゃん!」2006-02-17 04:00:00 -
15:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は、危うく手に持っていたサンドイッチを、握りつぶしそうになりながら熱く語る。
「そっすか、俺はもっと愛想よさそうな方がいいなぁ。」
あきれた顔をして、ヨコミゾ君は、僕を見ている。
「ヨコミゾ君。ソースさん取らないでよ。」2006-02-17 04:05:00 -
16:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「お前。あほだろ。」「いや、真剣だから。僕が先に、好きになったんだから!」
僕は、鼻息を荒げて言った。ヨコミゾ君は、ため息をついた。
彼女を好きになったのを、一番最初に言ったのはヨコミゾ君で、以来僕は、ヨコミゾ君の耳にタコが出来るくらい彼女の話をしている。最近は、あきてきたのか、反応が冷たい。2006-02-17 04:13:00 -
17:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ソースさんは、僕の想いや、勝手な推測をされてる事など、知る訳なくて、ここでソースを買い続けている。
2006-02-17 04:29:00 -
18:
ユキ ◆BYasmdOvp.
確かに、買い物後をつけて家を調べたり。分からない様に写メをとったりはしてないけれど、(本当はしたいけどなあ)ストーカーに、この想いは近いのかもしれない。
2006-02-17 04:35:00 -
19:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「てかさぁ、一回話かけてみればいいんじゃねーの?妄想ばっかりじゃん。」
うう。僕は痛い所を突かれ、うなりながら手に持っていた鮭オニギリを握った。2006-02-17 04:40:00 -
20:
名無しさん
激泣Cコの物語読みたいんですけど、激泣で検索しても見つかりません(>_
2006-02-17 04:42:00 -
21:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ヨコミゾ君は、両耳に七個も付けたピアスを揺らしながら、僕を口を開けて見ている。
金髪の白いメッシュ、日サロ焼け、鼻ピアス、どこから見てもヨコミゾ君はギャル男だ。2006-02-17 04:46:00 -
22:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「だって。話かけて、変なヤツって思われて、ここに買い物しに来なくなったら、僕。」そんな事になったら、僕は、死にたくなるぐらい落ち込み。しばらく引き込もるのが、自分で分かっていた。
2006-02-17 04:51:00 -
23:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「…ま、まぁ、気長に頑張れ。」
ヨコミゾ君は、顔を引きつらせながら僕の肩を叩いた。
「うん。応援してくれよな!」
「ああ、あっレジ行ってきます。」
そう言って僕から離れ、客が待つレジまで小走りで行った。その時「ダメだこりゃ。」
そうヨコミゾ君が、つぶやいたのを僕は気付かなかった。2006-02-17 05:00:00 -
24:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕だって分かっていた。ソースさんに話かけてみなければ、何も始まらない事は。
なんだっていい。
『いつもソース買っていきますね。』
とか
『今日は、暑いですね。』
とか、たわいない日常会話。2006-02-17 05:37:00 -
25:
ユキ ◆BYasmdOvp.
だけど、この一年。僕は、そのたわいない一言がかけれず。ソースさんがレジに来た時に、ときめきながら、お釣りを普通に渡すしか出来なかった。
2006-02-17 05:41:00 -
26:
ユキ ◆BYasmdOvp.
情けないと、自分でも思う。二十歳の男子が、女の子一人に声を掛けるのに一年も迷ってるなんて。
ヨコミゾ君は、二つも年下なのに、ナンパしまくってて彼女が三人もいる。
それに比べて…僕。2006-02-17 05:45:00 -
27:
ユキ ◆BYasmdOvp.
田舎から上京してきて、仕送はあるものの貧乏学生で、車も免許もなく、ブランドや流行りにうとい僕は、おとなしい性格も手伝って、大学に入ってから女ッケが、まったくない。
2006-02-17 05:51:00 -
28:
ユキ ◆BYasmdOvp.
美大特有の、課題に追われて、バイトも出来なくなるくらい忙しくて、合コンに行く暇もないし、男友達とナンパする勇気もなかった。…ほんとに僕は、女関係に情けなかった。
2006-02-17 05:55:00 -
29:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そして…、ドウテイだ。
僕だって、二十歳の健全な男子だ。
酔った勢いで女の子から、誘われて(彼氏のグチを聞く為に、飲みに行った。)ぐらついた事もあった。
でも、断った。
2006-02-17 06:00:00 -
30:
ユキ ◆BYasmdOvp.
なんでかと、ゆうと。女の子みたいだけど、最初は大好きな女の子としたいからだった。そして、願いが叶うならソースさんがよかった。
2006-02-17 06:03:00 -
31:
ユキ ◆BYasmdOvp.
田舎に居る時は、おままごとみたいな付き合い方を、何人かの女の子とした。キスもしたし、エッチの途中までした事もある。
でも、最後まではいかなかった。2006-02-17 06:12:00 -
32:
ユキ ◆BYasmdOvp.
それが原因で、別れた事もある。
男友達にも、散々おかしいと言われた。
でも嫌だったのだ。その時の女の子達には悪いと思うし、自分でも変だと思うけど、初めては、本当に自分が大好きな女の子としたいのだ。2006-02-17 06:17:00 -
33:
ユキ ◆BYasmdOvp.
今まで付き合った女の子は、向こうから言われてなんとなく付き合ってきた。
特にかっこよくもないし、モテるわけじゃないくせに、処女みたいな誓いを僕は自分の中でバカみたいに守ってきたのだ。2006-02-17 06:20:00 -
34:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そんな、ダイブおかしい僕が二十年間生きてきて、一目ボレした相手がソースさんだった。
2006-02-17 06:23:00 -
35:
名無しさん
%さん?21?さんありがとうです(^.^)おもしろく出来る様に頑張ります?激泣き(^.^)レイコですかね?まだこの掲示板にありますよ?ダイブ駄文?ですが、読んでもらえたら幸せです(^.^)
2006-02-17 16:25:00 -
36:
ユキ ◆BYasmdOvp.
一年前の夏。僕はこのコンビニで働き始めた。
馴れない土地に住み始め、一人暮らしの生活や、大学の生活にやっとひとだんらくついた頃だった。
研修生のバッチを付けて、僕は馴れないレジに毎日悪戦苦闘していた。2006-02-17 16:35:00 -
37:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は計算があまり得意でないので、お釣りを間違えない様、渡す事に神経を使っていた。だが、バイト三日目で、千円と五千円を間違えて渡してしまい、店長にこっぴどく叱られてしまった。
2006-02-17 16:44:00 -
38:
ユキ ◆BYasmdOvp.
バイト四日目。僕は、自分の失敗で落ち込んだままレジに立っていた。
同期で要領のいいヨコミゾ君は、僕とは違い仕事をどんどんこなしていた。それが、僕をさらに落ち込ませた。そんな日だった。
2006-02-17 16:50:00 -
39:
ユキ ◆BYasmdOvp.
この日、僕はソースさんと会った。
2006-02-17 17:24:00 -
40:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「おい客きたぞ、レジ入れ。」
僕は、なるべく避けていたレジに入った。
ピ!
僕は、客の顔も見ずに商品のバーコードを通す。
「298円になります。」2006-02-18 04:03:00 -
41:
ユキ ◆BYasmdOvp.
小さい声で客にゆう。客は、一万円を出した。
僕は、下を向いたままお札と小銭を客の手のひらに置いた。
商品を、袋に入れる。「あの、これ。」
商品の入った袋を、手渡そうとした時だった。2006-02-18 04:08:00 -
42:
ユキ ◆BYasmdOvp.
客が、声を掛けてきたた。僕は顔を上げた。「これ、間違えてる。返すね。」
茶色の大きな目。鼻筋のとおった小さい鼻。少し下が厚い桜色の口ビル。白くてつるんとした顔にそれらがいい感じに、気持ち中央に集まっている。2006-02-18 04:22:00 -
43:
ユキ ◆BYasmdOvp.
肩より長めなブラウンの髪は、ゆるく巻かれていて彼女の顔を際立たせている。
小さい頃、絵本で見たお姫様みたいだった。僕は、ソースさんを初めて見た時、固まってしまった。
2006-02-18 04:33:00 -
44:
ユキ ◆BYasmdOvp.
なぜなら、ソースさんの容姿が、僕の理想のど真ん中だったからだ。動悸が、早くなり、顔が赤くなってくのが分かった。
2006-02-18 04:37:00 -
45:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ソースさんは、僕のてらにお札を乗せた。
「今度は、間違えないでね。」
ふわっと、一瞬笑い。ソースさんは買い物袋を手に持って、店を出ていった。
その間、僕はソースさんに目が釘付けだった。2006-02-18 04:43:00 -
46:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「おい、よかったな。これ返してもらわなかったら、お前クビだったんじゃねー?」
ヨコミゾ君が、一部始終を見ていたらしく、僕に話しかけてきた。2006-02-18 04:45:00 -
47:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「おい?早くレジに金入れろよ?何、ぼーっとしてんだよ?」
僕は、お金を乱暴にレジに直した。
ヨコミゾ君が、そんな僕の行動を見て、けげんな顔をして顔を覗いてきた。2006-02-18 04:49:00 -
48:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「おい?大丈夫か?」僕の肩を、グーで殴る。痛みは感じない。
グイ!!
「!?」
いきなり両手を握られ、ヨコミゾ君は困惑した顔で僕を見ている。「ありがとう。」2006-02-18 04:53:00 -
49:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「ヨコミゾ君。僕頑張るから!首にならない様に。」
僕は、赤い顔で、熱くヨコミゾ君に言った。「…お、おう。」
さぞ気持ち悪かっただろう、あの時の僕は。2006-02-18 04:57:00 -
50:
ユキ ◆BYasmdOvp.
その日から、僕はミスして首にならない様に頑張って仕事を覚えた。毎日、日曜以外シフトを入れた。
その行動は、すべてソースさんと会いたいからだった。2006-02-18 04:59:00 -
51:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ソースさんが、来ないかなとウキウキしながら、毎回バイトに行く様になった。
僕の期待通り、ソースさんは、三日に一度のペースで買い物にきた。2006-02-18 05:03:00 -
52:
ユキ ◆BYasmdOvp.
仕事帰りなのだろうか?スーツや、きちんとしたシャツをいつも着て、夜の八時位にソースだけ買っていく。
2006-02-18 05:06:00 -
53:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ソースさんが、来るのを待つ事が僕のバイトを続けている理由となった。
だけど、初めて会った日から、助けてもらったお礼も言えず。一年間僕は、声を掛けれずにいた。2006-02-18 05:12:00 -
54:
ユキ ◆BYasmdOvp.
レジカウンターを挟んで、すぐ終わる時間だけが、僕とソースさんが関わっていられる時だった。
そして、僕は彼女の背中を見送る度に、後悔と、恋心が、つのるようになっていった。2006-02-18 05:18:00 -
55:
ユキ ◆BYasmdOvp.
声も、あの日以来聞いてない。ソースさんは、毎回黙ってお金を払い買い物袋を持って出ていくだくだ。
そして、僕も通常のレジ作業をこなすだけだ。心と頭の中では、グルグルと溢れだしそうなほど、色々思っているのに。
2006-02-18 05:25:00 -
56:
ユキ ◆BYasmdOvp.
だが、行動にはまったく移せずに、うつむいたままの僕がそこにいた。
ほんとに情けない僕。2006-02-18 05:27:00 -
57:
ユキ ◆BYasmdOvp.
何か奇跡でも起きない限り、このまま僕の恋心は、ストーカーの手前のまま進展もせず、腐っていくのかもしれない。
最近は、諦めたようにこんな想いと、妄想で、僕は何も行動を起こさないまま、グルグルしていた。2006-02-18 05:32:00 -
58:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そう、奇跡が起こったあの日までは。
その日は、神様がこんなに情けない僕に、チャンスをくれた日だった。2006-02-18 05:34:00 -
59:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「お疲れ様です。」
深夜十二時、僕はコンビニのバイトを終えて、店を出た。
課題が無い時は、大体この時間まで働いていた。2006-02-19 04:23:00 -
60:
ユキ ◆BYasmdOvp.
キコキコキコ
間抜けな音立てながら、リサイクルショップで三千円で買ったママチャリをこいで、僕は、自分の住んでるアパートに急ぐ。
コンビニから家までは、チャリで20分くらいだ。
2006-02-19 04:29:00 -
61:
ユキ ◆BYasmdOvp.
今日は、新発売の。
『夏季限定トマトチリ焼きそば』
をコンビニで買った。早く食べたくて、僕は頑張ってペダルをこいだ。
キコキコキコ
世間は今週から、梅雨明けだ。初夏のサラっとした夜風が冷たくて、半袖のシャツから出た腕に優しく当たって気持ちよかった。2006-02-19 04:37:00 -
62:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は、気分がよくなり小さく歌を歌った。
キコキコキコ
今日は、ソースさん来なかったなぁ。そんな事を思いながら、歌の二番を歌いだした時だった。
「きゃあああ!!!」2006-02-19 04:41:00 -
63:
ユキ ◆BYasmdOvp.
キキキ!!
僕は、びっくりしてブレーキを踏んだ。
静かな、夜の住宅街に、悲鳴が確かに聞こえた。
「誰かぁ!!!」
しかも、女の子の声だった。僕は、声がした方の角を曲がった。2006-02-19 04:46:00 -
64:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「離して!!!」
そこには、悲鳴をあげている女の子と、その女の子の手を掴んでいる男がいた。二人は、街灯の光に照らされながら、揉合っていた。女の子は、あきらかに激しく抵抗していたのが分かった。
ガシャン!!2006-02-19 04:51:00 -
65:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は、その光景を見て頭が真っ白になった。そして、自転車を乗り捨て男の方へ走った。バキ!!
男の後ろ頭を、両手を組んで思いきり殴った。2006-02-19 04:56:00 -
66:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ドスン!!
男は、唸りながら頭を抱えて地面に膝をついた。僕は、そんな男の背中をまた思いきり蹴った。
男は、うずくまり唸った。
「早く逃げるよ。立って!」2006-02-19 05:00:00 -
67:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は、地面にへたり込んでる女の子に声を掛け、手を握り自転車まで一緒に走って、荷台に乗せた。
僕は、急いでペダルをこぎ、その場を後にした。
女の子は、僕の腰に両手をまわして、震える手で、僕のシャツを思いきり掴んでいた。2006-02-19 05:11:00 -
68:
ユキ ◆BYasmdOvp.
どれくらいの時間だったんだろうか?
僕は頭真っ白のまま、必死でペダルをこいで、気が付くと自分のアパートに着いていた。
「あの…。大丈夫?」僕は、息を整えながら、後ろの僕にしがみついている女の子に声を掛けた。2006-02-19 05:59:00 -
69:
ユキ ◆BYasmdOvp.
女の子の手の震えは止まっていた。
下に向いていた顔を上げて、僕の顔を女の子は見た。
信じられない事が起きた。
「…ごめんなさい。助けてくれてありがとう。」2006-02-19 06:02:00 -
70:
ユキ ◆BYasmdOvp.
サラサラの髪。長いまつげ。僕の腰にまわしている細い白い腕。
さっきまでは、助ける事に必死で女の子の顔を見てなかった。
僕は、女の子の顔を見た途端、固まってしまい。自転車をこぐのを止めた。2006-02-19 06:07:00 -
71:
ユキ ◆BYasmdOvp.
女の子は、ソースさんだった。
2006-02-19 06:07:00 -
73:
ユキ ◆BYasmdOvp.
信じられない光景が、今僕の小汚いワンルームの部屋で起こっている。奇跡としかいい様がなかった。
ソースさんが、今僕の部屋に居るのだ。2006-02-20 20:37:00 -
74:
名無しさん
書いて
2006-03-05 21:40:00 -
75:
名無しさん
ソース3日おきに買うんやったら買い置きしたらいいのにな
2006-03-05 22:20:00 -
76:
名無しさん
なんでこんなつまらんの。読んで損しました
2006-03-05 22:32:00 -
78:
名無しさん
やばい見たい!
2006-03-06 03:26:00 -
79:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ちょこんと正座をして、画材や、雑誌でゴチャゴチャの部屋のわずかに空いてるスペースに、ソースさんがいた。
自分の部屋を、こんなに居心地悪いものだと思ったのは初めてだ。2006-03-12 22:55:00 -
80:
ユキ ◆BYasmdOvp.
日頃から、ちゃんと掃除してないから、こうゆう時ダメなのか。
僕は、麦茶が出すぎてるのに気付いて、あわててティーバックを取り出した。
「すいません。うち麦茶しかなくて。」
2006-03-12 23:00:00 -
81:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「私、麦茶好きです。ありがとう。」
ソースさんは、僕の手からコップを受取り微笑んだ。
僕は、失神しかけた。生ソースさんが、可愛すぎて。
幸せすぎて死にそうだった。僕の部屋で、向い合いながら、麦茶を飲んでいる。こんな奇跡、予想も妄想もしていなかった。2006-03-12 23:07:00 -
82:
ユキ ◆BYasmdOvp.
今日、僕は女の子を助けた。そして、現場から自分の家まで逃げた。
女の子は、ソースさんだった。
襲われていたのが、自宅のマンションの近くらしく、帰るのは怖いから、僕の家に今日だけ泊めてくれないかと、ソースさんにお願いされたのだ。2006-03-12 23:13:00 -
83:
ユキ ◆BYasmdOvp.
なんだか、まだ信じられない。今起こってる現実が都合良すぎて。冴えない男の奇跡的な、恋物語。
まるで、〇車男みたいだ。さしずめ僕は、自転車だったから、自転車男だろう。
なんだか、間抜けな名前だ。
「あの。」2006-03-12 23:19:00 -
84:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「はい。」
変な声が出てしまった。ソースさんが話かけてきた。それだけで、緊張してしまう。
「学生さん?ですよね?美大?」
乱雑に置かれたキャンバスを指差しながら、僕を見る。2006-03-13 07:56:00 -
85:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「はい。」
僕は、自分で顔が赤くなってくのが分かった。
「絵、見ていい?」
「あ、はい。」
ソースさんは、キャンバスを手に取りながらクスリと笑った。
「はい。ばっかりだね。」
「あ!はい!…あ。」クスクスと、彼女は笑った。2006-03-13 08:00:00 -
86:
ユキ ◆BYasmdOvp.
その時のソースさんは、さっきまでのこわばった表情じゃなくて、やわらかい顔になっていた。それを見て僕は、安心した。
「蝶々好き?」
「あ、は…。うん。好きです。」2006-03-13 08:04:00 -
87:
ユキ ◆BYasmdOvp.
何枚かの、僕の描いたキャンバスは蝶々の絵ばかりだった。
「すいません。下手くそなんで。」
ソースさんは、首を横に振り、キャンバスをじっと見ている。
「すごくキレイだよ。わたしは、好き。」
ズキュン
その時、僕の心臓が飛び跳ねた。2006-03-13 08:08:00 -
88:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「俺も。」
ソースさんは、僕のほうを見て微笑んでる。「俺も、好きです。」「そうなんだ。自信昨なんだね。」
彼女は、キャンバスを手に持ち眺めている。彼女の視線の先では、ピンクの蝶々が、何匹もグラデーションとなりキャンバスを埋め尽していた。
2006-03-13 08:15:00 -
89:
ユキ ◆BYasmdOvp.
その絵は、テーマ課題で提出したものだった。テーマは。
『初恋』だった。
蝶々の様に軽やかに舞いながら、心の一番奥から、勝手に沸いてくるキレイで頼りない、初めてのフワフワした気持ち。
落ち込んだり、喜んだり、日によって激しく変わる気持ち。そんな気持ちを募らせていく心。2006-03-13 08:25:00 -
90:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そんなひとつひとつの想いを、淡いピンクや濃いピンクの蝶々に変えて、キャンバスいっぱいに不規則に描いた。
この絵は、僕のソースさんへの気持ちを表したものだった。
そんな事、知るはずもなくソースさんは、その絵を眺めている。
「でも、この絵キレイだけど、」
2006-03-13 08:32:00 -
91:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「え?」
キャンバスを触りながら、ソースさんは言った。
「なんだか、せつないね。」
僕の顔見ている。
大きな瞳に僕が、写っている。
僕の理性は、この時ふっとんだ。2006-03-13 08:44:00 -
92:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「…おい。」
「ああ。」
ヒソヒソと、悪友の同級生の声が聞こえる。「あいつ大丈夫か?」「ああ、朝からずっとああだ。魂抜けてる。」
「ついに、振られたか?俺、千円。」
「あ、俺二千円!」
2006-03-13 08:49:00 -
93:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「賭けになんねーじゃん!」
好き勝手に、僕の話題で盛り上がっている。「おい!午前の講義終わったぞ」2006-03-13 08:51:00 -
94:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「賭けになんねーじゃん!」
好き勝手に、僕の話題で盛り上がっている。「おい!午前の講義終わったぞ!」
悪友の一人が、僕の肩を勢いよく叩いた。
「あ、うん。」
「学食行こうぜ、ほら、…あ?」
僕は、ノロノロと椅子から立ち上がった。
「お前、それ…。」2006-03-13 08:55:00 -
95:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「は?」
悪友が、僕の顔を凝視している。
「おめでとう。」
僕の肩をポンと叩いた。意味不明な言葉に僕は首を傾げた。と、その時悪友が耳元で囁いた。
「ドウテイ喪失おめでとう。」
僕は、体を離した。
悪友は、ニヤニヤしながら僕の首元を指でつついた。2006-03-13 09:01:00 -
96:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「うわ!」
トイレの鏡の前で、僕は、自分の首元を見て驚いた。指摘されるまで気付かなかった。
悪友達は、僕のいない間、無責任にこの事を話題に盛り上がっているんだろう。
僕の首元には、赤いアザが出来ていた。
あきらかに、キスマークだった。2006-03-13 09:06:00 -
97:
ユキ ◆BYasmdOvp.
鏡の中に映る、キスマークを見ながら、僕は真っ赤になっていく自分が分かった。
そして、昨日の夜の事を想い返していた。2006-03-13 09:08:00 -
98:
名無しさん
あ
2006-03-20 23:40:00 -
100:
名無しさん
頑張れ?
2006-03-22 19:00:00 -
101:
名無しさん
?
2006-03-24 04:17:00 -
102:
名無しさん
レイコ好きやったねん!楽しみにしてます!
2006-03-24 07:39:00 -
103:
名無しさん
おもろい?
2006-03-25 18:25:00 -
104:
ユキ ◆BYasmdOvp.
読んで下さってたみなさん(;_;)ほんとにありがとうです?放置プレイもいいとこですね?完結に向かって再開です?おつきあいお願いしますしますm(__)m
2006-03-30 03:17:00 -
105:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「…あの。」
理性が、ふっ飛んだ僕は、ソースさんの肩を思いきりつかんだ。
「どうかした?」
ソースさんは、不思議そうに首を傾げた。
そして僕の顔を、じっと見ている。
「あの…僕。」
2006-03-30 03:23:00 -
106:
ユキ ◆BYasmdOvp.
ドン!ドン!ドン!
「おーい!いねーのかぁ!終電逃した!泊めろー!」
大学の悪友の叫び声と、玄関の扉を思いきり叩く音。
「電気ついてんだから、いるんだろー!開けろー!」
悪友は、明らかに酔っぱらいで、叫び、扉を叩き続けた。2006-03-30 03:31:00 -
107:
ユキ ◆BYasmdOvp.
数分間、悪友は騒ぎ。反応が無い為、あきらめたのか、扉の前から去っていった。
僕は、ホッと肩を下ろした。突然の出来事で僕の心臓はバクバクだった。
「あ、すみません。」
僕は、顔を上げソースさんを見た。2006-03-30 03:37:00 -
108:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「!!」
彼女の顔が、僕の顔の目の前にあった。
悪友の騒音にびっくりした時に、僕はどさくさに紛れてソースさんの両肩をつかんで、自分の方に引き寄せていた。
ソースさんと、向かいあいに座った距離は、今五センチぐらいしかなかった。2006-03-30 03:42:00 -
109:
ユキ ◆BYasmdOvp.
綺麗な整った顔。茶色の瞳。ずっとずっと思っていた人。
今、こんなに近くにいる。
僕の心臓は、壊れてしまいそうだった。
「いいよ。」
赤い唇が、小さく動いた。その瞬間、僕は体が痺れてしまういい匂いに包まれた。2006-03-30 04:00:00 -
110:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「…!?」
力の抜けてしまってる僕は、ソースさんにゆっくりと押し倒された。僕の上に重なる様にソースさんが居る。
「!!!?」
僕の頭は真っ白で、今起きてる事に対する行動が出来ずに、ただ固まってしまった。
そんな僕を上から、ソースさんが見ている。「助けてくれたから。」
2006-03-30 04:07:00 -
111:
ユキ ◆BYasmdOvp.
そう言って、ソースさんは僕の首辺りに唇をあて、掌で僕の体を触り始めた。
フリーズ
「…。」
フリーズ
「…!ち!ちがーうぅぅ!」
ガバ!!2006-03-30 04:11:00 -
112:
ユキ ◆BYasmdOvp.
僕は正気を取り戻した。ソースさんの手を止め、僕は、勢いよく起き上がった。
そして、びっくりした顔のソースさんを、僕の体から離した。
ハァハァ
あ、あぶなかった。
僕は、乱れた服を整えてソースさんの前に正座した。
2006-03-30 04:17:00 -
113:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「すいませんでした。」
ガバ!!
僕は、ソースさんに土下座した。床に頭を擦りつけて。
「そんな、あの、エッチな目でソースさんを見ていたなら、謝ります。そんな下心はいっさいありませんから。」2006-03-30 04:38:00 -
114:
ユキ ◆BYasmdOvp.
「すいません。」
僕は、必死だった。
ソースさんは今どんな顔をして、僕を見てるんだろうか。
2006-03-30 13:49:00