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『 影 』

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  • 1:

    今まで生きてきた中で後悔をした事は何度もある。

    だけどあの時の過ちは、今までの後悔を覆す位の最悪なモノだった…

    2006-03-08 05:04:00
  • 6:

    オーダーしたドリンクが運ばれてきた。キャバ嬢4人のドリンクが揃ったという事で皆で乾杯をする。
    乾杯をした後はそれぞれの世界に入り、男と女1対1での会話が始まった。
    愛はいつものように相手の事を知る為にいろんな事を聞き出す。それに素直に答える男。中には嘘を言ってる事もあるだろうけど、そこは気にしない。だってこの世界だけの関係だから…

    2006-03-08 05:46:00
  • 7:

    愛の隣に座っている男。聞く所によると、名前は真樹。年令は愛が予想した通り22才と若い。どうやらこの店は初めてではなく、結構ちょこちょこ通っているらしい。愛とは初対面なので真樹のほうは愛がまだこの店に入って間もない事はわかっていた。真樹からもいろんな質問が飛び交う。年令・どこに住んでいるのか・何でこの店に入ったのか…愛は年令以外は適当に答えておいた。この場限りだと思っていたから…
    その後なぜかお笑い番組の話になり、どうでもいい話ばかりしていた。

    2006-03-08 05:58:00
  • 8:

    ボーイがテーブルの近くに来てキャバ嬢4人のチェンジを指示してきたので、愛はお笑い番組の会話を止め、無理に指名を取らない派の愛は笑顔で「じゃあ行くんで…また会ったら声かけてな☆」と言い残しサッと席を立つ。真樹も「おう☆」と笑顔で返してきた。

    2006-03-08 06:05:00
  • 9:

    同じく舞も指名をもらわなかったらしく席を立った。この日はお客さんが少なく、女の子の出勤人数が多い事もあって、お客さんが来る予定の無い愛と舞は、そのまま待機することになった。

    2006-03-08 06:11:00
  • 10:

    愛と舞が働いているお店には20代前半のお客さんが来る事が少ないので、待機中の会話はもちろん真樹達の話題だった。
    舞の話を聞くと、舞の横に座っていた男は真樹の2つ上の年24才で、名前は翔。仕事は自営業をしている。と言っていたらしい…
    愛は真樹が何の仕事をしているのか聞いていなかった。それを舞に言うと「みんな自営業やで!って翔くん言ってたけど…」と舞が言い、「若いのにすごいなぁ〜」と他人事のように2人で話ていた。

    2006-03-08 06:25:00
  • 11:

    そこまで興味を持っていなかった…というのもあって、いつのまにかに真樹達の話題は流れ、愛と舞は世間話に変わっていた。
    その後、数組のお客さんのテーブルに座り、1日が終わった。

    2006-03-08 06:32:00
  • 12:

    真樹と愛が出会って2日後、愛と舞はいつも通り店に出勤していた。この日の愛と舞は2人ともお客さんが来ていて、それぞれのテーブルについていた。
    途中、愛はトイレに行きたくなり、トイレに向かうと舞の姿があった。舞は愛の姿に気付き、呼び止め「さっきボーイに聞いたけど、もう少ししたら翔くんと真樹くんが来るらしいで!それで愛と舞が今日出勤してるか聞いてきたらしくて指名入ったらいいなぁ☆やって…」と言ってきたが、愛は真樹と翔の存在をすっかり忘れていたので、舞がどのお客さんの話をしているのかあまりわかっていない。すかさず愛は舞にどのお客さんの事か聞き、真樹と翔の存在を思い出した。愛と舞は「まぁ指名が入ればそれでいっか☆」と軽く考え、トイレを済ませそれぞれのテーブルに戻った。

    2006-03-08 21:17:00
  • 13:

    テーブルに戻ってからの愛はお客さんの話なんてうわの空で、真樹が本当に来るのか、そして愛を指名してくれるのかずっと考えていた。まだ自分のお客さんをあまり持っていない愛にとっては指名が入るだけで嬉しい事だから…
    気付けば「真樹が指名してくれますよーに…」と頭の中でお願いをしていた。いろんな事を考えていると、あっという間に横に座っているお客さんのチェック時間が来て、延長をせずに帰ってしまった。愛は別に悔しくもなかった。真樹が来て指名してくれると信じていたから…

    2006-03-08 21:27:00
  • 14:

    自分のお客さんが帰ってしまった後、愛はフリーのお客さんのテーブルにつかされ、なかなかおもしろいお客さんだったので、話に夢中になっていた。
    結局、意気投合してしまいお客さんから電話番号とメールアドレスの交換を要求されたので、愛は自分の名刺の裏に番号とアドレスを書いた。そして書き終わり、ふと顔を上げると目の前を通っていく真樹と翔の姿が見えた。愛は一瞬にしてなぜか緊張してしまった。「ここでボーイが呼びに来るか?来ないか…?どっちやろう…」

    2006-03-08 21:37:00
  • 15:

    ボーイが愛のほうに向かって歩いてきて、愛に席を立つよう指示を出す。
    愛は「きたっ☆」と心の中で思い、少し有頂天になりかけていたが、横に居たおもしろいお客さんがストップをかけてきた。
    店内指名が入ってしまった…
    店内指名でも普段の愛にとったらうれしいことだけど、今日は全くうれしくもなかった。

    2006-03-09 03:47:00
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