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「約束やで」

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  • 1:

    私が小学3年生のころ、住み慣れた大阪の街から知らない場所へ引っ越す事になった。
    「萌ちゃん引っ越すんー?」「萌ちゃん何処いっちゃうんー?」
    と、仲の良かった友達は私にたくさんの質問をしてきた。
    「場所はなぁ〜…忘れた!でもなぁ、きっと楽しい事いっぱいあるから、めっちゃ嬉しいねん☆」
    私は思ってもない事を言葉に並べ、必死で笑顔を作った。
    本当は悲しいのに
    本当は不安なのに
    本当は泣きたいのに

    私は小さいながら、昔から本音を隠す子でした。
    自分だけ我慢してれば親も友達も悲しまないだろう、そんなことを考える子でした。

    2006-02-26 15:50:00
  • 11:

    どんな声になってるんだろう?何を言って驚かせよう?色んな気持ちがよぎる。
    そのとき、予想もしない声が聞こえた。

    「現在この電話番号は使われておりません」

    2006-02-26 20:44:00
  • 12:

    私は呆然とした。何秒間かその場に立ちつくした。そのまま受話器を静かに置き、かけ足で自分の部屋に戻った。状況を把握できなかったけれど布団にくるまって、ただ泣き続けた。
    「なんで連絡してくれへんかったん…」

    2006-02-26 20:48:00
  • 13:

    私はその日、みっちゃんの家を訪ねた。私の家から遠くもなく近くもない距離。心なしか早歩きだった。


    ――やっぱり、みっちゃんの家はなかった。すでに空き地になっていた。ショックだったけれど…私のこと忘れてるんだろう。だって幼かったし。当たり前やんな……そう思うしかなく、私は家に帰った。

    2006-02-26 20:52:00
  • 14:

    優「…もしかして、萌?」
    萌「…優やんな?!」
    優「やっぱり☆元気しとったん?!てか大阪戻ってきたん?」
    萌「元気やで〜♪そうやねん、自分でもまさか戻ってくると思わんかったし〜!」
    そんな他愛のない会話で盛り上がっていた。

    2006-02-26 21:00:00
  • 15:

    少し昔話に浸っていると、みっちゃんの事が頭によぎった・
    萌「優、今日このあと予定ある?」
    優「ないけど!どないしたん?」
    萌「聞きたい事あるから、昼ご飯たべるついでにどっか店いかん?」

    そうして私達は近くの店へ場所を変えた。

    2006-02-26 21:04:00
  • 16:

    私達は種類の違うスパゲティを注文し、まだ新しい制服にシミがつかないように注意をしながら、それをほおばった。
    私はドキドキしながらも、重い口を開いた。

    2006-02-26 21:07:00
  • 17:

    萌「優さぁ、みっちゃん覚えてる?」
    優「…あぁ」

    優の顔が一瞬、気まずいような何かを隠したがるような表情になった。

    2006-02-26 21:10:00
  • 18:

    海?

    しおり?
    主さん頑張ってね??
    楽しみに読んでます??

    2006-02-27 17:36:00
  • 19:

    ぁりがとぅ??頑張る〜?

    2006-02-27 20:34:00
  • 20:

    私は唖然としてしまった。
    フォークをもつ手がかすかに震えてるのが自分でもわかった。
    私が知らない間に、みっちゃんは色んな出来事、色んな想いで1人で抱え込んでいたんだ。私は情けなくなった、連絡をくれないみっちゃんに少しだけ怒ってたことに。辛い日々の中、私だけ平和すぎる日々を過ごしてた事。

    2006-02-27 20:38:00
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