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「約束やで」
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1:
萌
私が小学3年生のころ、住み慣れた大阪の街から知らない場所へ引っ越す事になった。
「萌ちゃん引っ越すんー?」「萌ちゃん何処いっちゃうんー?」
と、仲の良かった友達は私にたくさんの質問をしてきた。
「場所はなぁ〜…忘れた!でもなぁ、きっと楽しい事いっぱいあるから、めっちゃ嬉しいねん☆」
私は思ってもない事を言葉に並べ、必死で笑顔を作った。
本当は悲しいのに
本当は不安なのに
本当は泣きたいのに
私は小さいながら、昔から本音を隠す子でした。
自分だけ我慢してれば親も友達も悲しまないだろう、そんなことを考える子でした。2006-02-26 15:50:00 -
2:
萌
しかし、私の心の内を話せる“親友”と呼べる男の子が1人だけいました。名前は光弘といって、皆からみっちゃんと呼ばれ常にグループの中心になり場を盛り上げるとゆう、いたってドコにでも居そうな普通の男の子でした。
みっちゃんは、どことなく私に似ていました。顔が似てるわけじゃなく、何か同じような“何か”をもっている感じがしました。
ふいに見せる暗い表情、周りに合わせて無理をしているような表情。幼いながら、分かっていました。
私は毎日みっちゃんと一緒でなければダメな子だったので、私にとって兄のような存在だったのかもしれない。
私の泣いている姿も、怒っている姿も、私はたぶん彼だけにしか見せていない。それだけ、本当の自分を見せれる相手でした。2006-02-26 16:02:00 -
3:
萌
引っ越す前日まで、私はみっちゃんといつものように毎日遊んでいました。
あそこにいる野良猫が可愛いだの、
今日は寒いだの、
いたって普通の会話でいつもと変わらず遊んでいました。
引っ越す話には、お互い触れなかった。
触れちゃいけない気がしたから。2006-02-26 16:07:00 -
4:
萌
日が暮れてきた頃、家の近くの公園へ2人で向かった。
保育所も一緒だったみっちゃんとは、その頃から毎日遊んでた場所でした。
ブランコの近くの草むらには、2人だけの秘密基地がある。
いつもと変わらない公園の風景。
でも何か違う。違和感がある。…だって、明日でサヨナラだから。
2006-02-26 16:14:00 -
5:
萌
少し沈黙が続いた後、みっちゃんが明るくこう言った。
「萌ちゃん、秘密基地つくった時のこと覚えてる??」
「覚えてるで☆途中壊れかけたりしたけど、やっと完成した時は嬉しかったぁ」
「…ううん、そうやない」
「何が??」
「本間に覚えてへんの??」
「何を?」
「萌ちゃん完成した秘密基地みて嬉しそうに“10年後、一緒にここで住もうな”って言うたんやで笑」2006-02-26 16:25:00 -
6:
萌
…私は確かに覚えてた。
でも、それはもう無理やねん。分かってる。
みっちゃんも分かってるはず。
再び、お互い喋らない雰囲気が流れた。
みっちゃんと明日でお別れ。いつもみたいに毎日のように会えない。もしかしたら、ずっと会えないかもしれない。2006-02-26 16:30:00 -
7:
萌
私は小さい声でつぶやいた。
「また会えるやんな?」
「当たり前やんか!」
「絶対?」
「絶対、会いに行くよ」
「んじゃあ、10年後、秘密基地で待ち合わせしよう?」
「わかった!約束やで!」2006-02-26 16:34:00 -
8:
萌
――――私は次の日、東京に向かった。それからというもの、みっちゃんと何度か手紙を交換したり電話をしたりしていたけれど…中2の夏、いきなりみっちゃんからの連絡が途絶えた。
2006-02-26 16:38:00 -
9:
萌
私は私なりに、東京での中学校生活を楽しんだ。好きな人が出来たり、部活に励んだり。みっちゃんから連絡が来ない事を気にもとめなくなっていった。そして私は中学3年生になり、驚く事を親から告げられた。
“来年の春、大阪に戻る”と。
2006-02-26 16:42:00 -
10:
萌
私は嬉しかった。
大阪にはみっちゃんが居る。
また大阪に戻れば会える、と。
嬉しい反面、すごく複雑だった。
みっちゃんから連絡が来ない事
もしかしたら自分は忘れられてるかもしれないという事
みっちゃんが今どんな生活をしているか分からない事2006-02-26 20:37:00