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明日への後悔

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  • 1:

    柚子

    あの日、後悔をしたから今がある
    貴方も私も、あの日はもぅ無いけど今がある
    沢山の人に囲まれて思い出す過去はどれもこれも綺麗すぎて、悲しい
    後悔が明日へ繋がる様に、そう信じて悲しい過去を思い出してみる

    2006-01-29 00:24:00
  • 201:

    柚子

    色々と思考をフル回転させても、テンションMAX時だった為かどーにも思い出せない。
    「もーちょい待ってみるか…」
    そう独り言を言い、マンションの前の閑散としたロビーが見える植え込みの端
    そこに腰を降ろし、両手をポッケトにつっこんだ。

    2006-02-02 16:41:00
  • 202:

    柚子

    「あっ」

    ガラス張りのロビー、自動ドアのこっち側。
    先に俺を見付け、勝ち誇った顔のすばるがいた

    2006-02-02 16:41:00
  • 203:

    柚子

    やけにその顔が腹立たしくて、先手必勝と言わんばかりに座ったまま声をかけた。
    「まだ居たの」
    「お前がな」
    間髪入れず帰ってきたそのすばるのセリフは余裕綽々

    2006-02-02 16:43:00
  • 204:

    柚子

    すばるはゆなの部屋を見上げて言った。
    「アイツまだ服着てないから、部屋入れないんじゃない?」
    ―座っていて良かった
    そう思った。立っていたら少しヨロけていたかもしれない

    2006-02-02 16:44:00
  • 205:

    柚子

    「仲直りしたから」
    そう言って、すばるは俺の前に立ちはだかり、次の言葉を待っている
    「なんじゃそりゃ…(笑」
    負け犬なのは分かってる。ただそう言うのが精一杯だった

    2006-02-02 16:45:00
  • 206:

    名無しさん

    2006-02-02 17:23:00
  • 207:

    柚子

    ━そーだよな、アイツが好きなんだしな…。
    俺が期待してるだけなんやし…
    すばるがニタニタと笑いながら立ち去った後、そう自分を慰めた

    2006-02-02 19:26:00
  • 208:

    柚子

    午前8:35
    ゆなからの電話は、それから30分以上過ぎた後にかかってきた。
    「今から、行ってもいーですかぁ?」
    彼女の第一声を聞き終えてから、部屋を見上げて言った。

    2006-02-02 19:28:00
  • 209:

    柚子

    「明日も仕事だし、もう寝ようと思ってて…ごめんね?」
    ―俺が今、下に居ると言えば彼女は会ってくれたんだろうか?
    そんな考えを打ち消したのはすばるの言葉

    2006-02-02 19:30:00
  • 210:

    柚子


    ―アイツまだ服着てないから、部屋入れないんじゃない?―

    2006-02-02 19:31:00
  • 211:

    柚子

    ―午前9:52
    胸くそ悪い、そんな気持ちで家路に着いていた。
    ―なんだよ…寝て仲直りかよ。
    あの部屋で、どんな風にゆなはアイツを受け入れたんだろう?

    2006-02-02 19:34:00
  • 212:

    柚子

    あまりに虚しい想像に思考を止め、ベランダに目を移す
    いつ干したかも覚えていない洗濯物がズラリと並んでいた

    取り入れようと立ったその時、ジャケットに入れっぱなしの携帯が鳴った

    2006-02-02 19:42:00
  • 213:

    柚子

    ディスプレイを見てうんざりした。点滅する『るぅ』の文字
    ―そもそもお前がわるいんだろ
    携帯を乱暴に開き、通話ボタンを押す
    「なんやねん」

    2006-02-02 19:48:00
  • 214:

    柚子

    「今日はスイマセンデシタッ!」
    「ほんまになぁ」
    ―そーだ、お前が悪いんだ。
    「ゆなちゃんに、セータローさんに謝れって言われて…」

    2006-02-02 19:50:00
  • 215:

    柚子

    ―だから謝ってんのかよ。ゆなに言われなくてもあやまっ…ゆな?
    「アイツに会ったの?」
    俺は、るぅに慌てて聞き返した
    「9時半くらい?に店の近くで…」

    2006-02-02 19:51:00
  • 216:

    柚子

    本当は寝ていないんだろうとは思ってはいたが、出歩いているとは意外だった。
    「あのー、ゆなちゃんに会いました?よね?」
    「会ったよ、何?」
    「あれ…セータローさんでは無いですよね?」

    2006-02-02 19:53:00
  • 217:

    柚子

    ―何言ってんだ、コイツ
    「はっ?あれって何よ」
    「じゃぁ、やっぱすば君なんだぁ…。いや、セイタローさんを疑った訳じゃないんですよ!だだねッ…」
    「だから何がッ?」

    2006-02-02 19:57:00
  • 218:

    柚子

    「ゆなちゃんの顔のアザ…って、えっ?見ましたよね?あれって…」

    俺はその時、るぅの軽口に初めて感謝した

    2006-02-02 19:59:00
  • 219:

    柚子

    ━シンデレラの夢━

    あみちゃんからのメールで目が覚めた。
    やっぱりと言うか…相変わらずと言うか…そのメールには反省の色が全く無くて、さすがに私でも苦笑いになった

    2006-02-02 20:02:00
  • 220:

    柚子

    まぁ本人がいいならいいかと、そう思うことにした。
    ―今日は仕事休むねッ(≧人≦)―
    あみちゃんにそうメールをしたら、あみも休むと返ってきてラリーは終了となった

    2006-02-02 20:07:00
  • 221:

    柚子

    顔の腫れは引いたけど、押し倒された時に出来た足と腕の傷が少し青くなっていた。
    せっかく消えた前のアザ。
    もう喧嘩の原因さえ思い出せない
    どーせくだらない事だったんだろうと、そんな思いをクローゼットに仕舞込んだ

    2006-02-02 20:13:00
  • 222:

    柚子

    このアザはすばるの愛の証だと…
    信じて生きた日があった。
    自分を騙した日があった。
    なのに今日はどーして?

    2006-02-02 20:19:00
  • 223:

    名無しさん

    2006-02-02 20:45:00
  • 224:

    柚子

    すばるの笑顔を何度思い出しても、体のアザがズキズキ痛む。
    食器棚の中の並ぶティーカップが、一人ぼっちになってしまったからなのか
    「誠汰朗が救ってくれる」
    どこかでそう信じていたからなのか、その理由は分からなかった

    2006-02-02 21:08:00
  • 225:

    待ってるね?

    2006-02-03 01:45:00
  • 226:

    柚子

    >>らいむサン
    ぁりがとーござぃます?
    ぉ待たせして大変恐縮です?引き続き、らいむサンもゆなと誠汰朗を応援してゃって下さいね (*^ー^)ノ?

    2006-02-03 11:36:00
  • 227:

    柚子

    午後5:00
    昼夜逆転の日々は休みの日も同じ。
    コンビニで朝ご飯と称しパンとジュースを買って部屋に戻り、今日は大人しく家でゴロゴロしていようと決めていた。
    そんな予定をブチ壊しに誠汰朗はやってきた

    2006-02-03 11:38:00
  • 228:

    柚子

    「何やってんのよ」
    たかが、20分程度の隙に誠汰朗は部屋に入り込んでいた。
    「管理人さんにね!弟にしよーか、兄貴にしよーか迷ったんだけど、父親で入れてもらった」
    そう言って笑っていた。

    2006-02-03 11:39:00
  • 229:

    柚子

    まさかそんなハズもなく、部屋の鍵をかけていなかった私の落ち度だった。
    「オートロックの意味が無い」
    「所詮機械よ」
    私が落胆しながら言うと誠汰朗はそう笑う。

    2006-02-03 11:41:00
  • 230:

    柚子

    ―なんで私、驚いてないんだろう?
    あまりに彼が自然に答えるので、ビックリするのを忘れていた。
    「あらら、ジャージ姿もかわいいじゃない?」
    そう誠汰朗に言われ、コートを脱いだ自分の格好に気付いた

    2006-02-03 11:44:00
  • 231:

    柚子

    着替えてくる、慌ててそう言って彼に背を向けた
    「そのままでお願いします」
    耳元から聞こえた声に抱き締められていた。
    ―あったかい

    2006-02-03 11:45:00
  • 232:

    柚子


    ってそーじゃない。誰の家ですか?ここ…

    2006-02-03 11:47:00
  • 233:

    柚子

    優しい手、優しい声。
    『コイツは一体何者なんだ』
    そう思った事はどーでもよかった。
    1050円の薄っぺらいラブソングで泣ける程、私は弱っていて、愛しても愛しても愛しては貰えない、そんな自分が嫌いだった。

    2006-02-03 11:48:00
  • 234:

    柚子

    すばるにはきっと愛する誰かが居ると気付いてからも、見切りの付けられない未練がましい女。
    思いは届くと教えられたあの頃から、1年、2年と過ぎてゆき、シンデレラも白雪姫も居ない事を知った。

    自分はもっと強いんだと信じていたのに

    2006-02-03 11:49:00
  • 235:

    柚子

    久しぶりの幸せな夢の中で目を覚ました。
    「ゆーなッッ」
    「ああ、何?」
    寝呆けながらそんな事を考えいて、隣の誠汰朗をウッカリ忘れていた

    2006-02-03 11:52:00
  • 236:

    柚子

    「うわっ、何そのそっけない返事!やり捨てする気やろ!?」
    そう言い、私の頭の下で枕になっていた腕をグッと引き寄せて、怒った顔を作って見せた。
    「あー元気やねぇ」
    低血圧なんだ、と言わんばかりにテンション低くそう言い、ガシガシと乱暴に誠汰朗の頭を撫でた

    2006-02-03 11:53:00
  • 237:

    柚子

    誠汰朗はグシャグシャになった髪の毛を直しながら
    「二重人格なん?…やだ、あんなに激しかったのに…(笑」
    とまた、くだらない事を言う

    2006-02-03 11:57:00
  • 238:

    柚子

    「お疲れサン」
    延々と続きそうなバカを放っておいて、誠汰朗の腕をすり抜け私は服を着てゆく。
    「アンタ酔ってる方が可愛いね」
    捨て台詞の様にボソッと、Τシャツに腕を通した私の背中につぶやいた

    2006-02-03 12:00:00
  • 239:

    柚子

    「帰りたいの?」
    少し振り返ってそう言った。
    泊まってもいいよ。ひねくれ者の私は、そう素直には言わない。
    目の端で捕らえた誠汰朗はニッコリ笑っていて、出会った時のかわいい男の子に戻っていた

    2006-02-03 12:02:00
  • 240:

    柚子

    ━あの子に届け━

    何度チャィムを押しても出てこない。
    しびれを切らた俺は、銀色に光るドアノブを回した

    2006-02-03 12:04:00
  • 241:

    柚子

    ―怒られるかな?

    そう思いながらも、あっさり開いてしまった扉に戸惑いもせず、俺は彼女の部屋へ忍び込んだ

    2006-02-03 12:05:00
  • 242:

    柚子

    るぅから聞いた顔のアザ
    ―ゆなはまたすばるサンに殴られたんだろう。
    その話を聞いた時「仲直り」は、彼女が望んだ物ではなかったんだと確信した。
    思い上がりかもしれない、だけどゆなは助けを求めといると信じて、この部屋まで来てしまった

    2006-02-03 12:08:00
  • 243:

    柚子

    追い帰される事を考え、オートロックは他の住人の後について入った。
    部屋の前まで行ってしまえばコッチのモノだとやらしい事を考えていた。

    ゆなの部屋を見渡すと、前に来た時も感じた、アイツの匂いがした

    2006-02-03 12:09:00
  • 244:

    柚子

    二種類の煙草、二つづつの食器、彼女には大きすぎるΤシャツ
    そんな物に嫉妬を覚えた。
    なんて言われるだろう?
    いくら鍵が開いていたと言っても、勝手に入ってきた奴に「いらっしゃい」なんて言ってはくれないだろう。

    2006-02-03 12:11:00
  • 245:

    柚子

    ―ガチャ…

    扉が開く音、閉まる音、彼女の…足音。
    ―さぁ、なんて言おうか…

    2006-02-03 12:11:00
  • 246:

    柚子

    「何してんのよ」
    随分あっさりとゆなにそう言われて、少し驚いた。
    「オートロックの意味がない」
    と言う彼女を、俺は笑って誤魔化す

    2006-02-03 12:12:00
  • 247:

    柚子

    ―どうやって部屋に入ったのか、まぁゆなも気付いているんだろう
    彼女がコートを脱ぐと、下は紺のジャージだった。
    意外な姿がかわいくて、思わず抱き締めたい衝動にかられた

    2006-02-03 12:14:00
  • 248:

    柚子

    「そのままでお願いします」
    そんな間抜けな言葉で抱き締めた俺は、腕の中にスッポリと納まった彼女の体が冷たくて小さくて
    その衝動を止められなくなってしまっていた。
    彼女が拒否しなかったのは、意外だった

    2006-02-03 12:17:00
  • 249:

    柚子

    甘く、小さく、消えそうな声で鳴くアンタを何度も確かめずにはいられなくて
    全てを奪って自分の物してしまいたい。
    そう思ってた。
    「愛している」が最上級の言葉だと信じて疑わなかった俺は、なんて馬鹿なんだろう

    2006-02-03 12:19:00
  • 250:

    柚子

    ―ねぇ、アンタはアイツに抱かれてる時もそうやって鳴いてるの?
    ―もう、アイツとは会わないで
    ―シンデレラだって、白雪姫だってもう一度信じさせてあげるから… そんな声を何度も押し殺しながら君を抱いていたんだ

    2006-02-03 12:23:00
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