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明日への後悔

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  • 1:

    柚子

    あの日、後悔をしたから今がある
    貴方も私も、あの日はもぅ無いけど今がある
    沢山の人に囲まれて思い出す過去はどれもこれも綺麗すぎて、悲しい
    後悔が明日へ繋がる様に、そう信じて悲しい過去を思い出してみる

    2006-01-29 00:24:00
  • 2:

    柚子

    一月四日、雪。
    去年の今頃は何をしていたんだろう
    確か去年も雪がこうして降っていて、家族でカニ鍋をして、千鳥足のまま初詣に行った。
    そんな事を思い出しながら、ブラックライトに照らし出される騒音と笑い声が入り交じる店内を見わました

    2006-01-29 00:29:00
  • 3:

    「CLUB D」のライト管がチカチカしていた。
    ここはホスクラ
    私が通うすばるの店

    すでに4時がまわっていた

    2006-01-29 00:33:00
  • 4:

    あと3時間はこうして座っていなくちゃいけないだろうと勝手に考え、少し憂欝になった
    灰皿、シャンパンの空瓶、グラス、タバコにチョコレートにオシボリと目線を移し、一つため息
    「アタシ何してるんだろ…」
    そんな私の本音は、隣に座るすばるにさえ聞こえずにバカでかいBGMに消えてなくなる

    2006-01-29 00:45:00
  • 5:

    柚子

    一方すばるは、だらしなく座って携帯をパカパカと開けたり閉めたり…
    どーせ他の客に営業をかけているんだと、分かっていても口にはしない
    「黙って飲んで笑ってろ」
    一年前に言われた言葉を忠実に守る私は、バカで間抜けで悲しい女
    明日やめよう、明後日やめよう。そう考えながら今日もこうして座っている

    2006-01-29 01:05:00
  • 6:

    柚子

    すばるは世に言う色営で「スキだ」とか「会いたい」とか言って私をこの店に呼ぶ
    それでいい、騙されていた方が楽だから
    すばるは、ホストは、金を払えば愛をくれる。それが、その場限りの物だとしても女が望む形のまま、愛を与えてくれる。
    そして要らなくなれば捨てればいい。金を払うのをやめるだけ

    2006-01-29 01:08:00
  • 7:

    柚子

    なんて簡単な関係なんだと思うでしょ?
    言葉にすればそれはあまりに、ちっぽけでからっぽで薄っぺらくて…
    なのに私達はいつもその関係に泣き、悩み、断ち切れず、王子に裏切られたシンデレラの様に泣き狂うんだ
    分かっていても、覚悟していても、やっぱり同じように…

    2006-01-29 01:21:00
  • 8:

    柚子

    煙草をくわえると、携帯を見ていたはずのすばるがライターを差し出した
    「ホストなんだ」
    そう思う瞬間
    お前はいつの瞬間も客なんだ。と言われているような気がして嫌い

    2006-01-29 01:25:00
  • 9:

    名無しさん

    文章ぅまぃ?頑張れ?

    2006-01-29 01:26:00
  • 10:

    柚子

    突然店内の音楽がアップテンポにかわった

    ―シャンパンコール
    「ちょぃ、待ってて」
    やかましいBGMにかぶせる様に大きな声で言い、クシャクシャっと私の頭をかき回してすばるが席を立つ

    2006-01-29 01:27:00
  • 11:

    柚子

    「折角、髪の毛セットに行ったのに…」

    二つ目のため息で、スーツ姿の背中を睨んだ
    金メッシュの黒髪をツンツン直すその背中は、意味不明な言葉を喚き散らしている男達の輪の中に、紛れて消えた

    2006-01-29 01:36:00
  • 12:

    柚子

    「帰ろッかな…」

    そう呟いて、天井を目がけて煙草の煙をフーっと吐き出した
    すばるがつけたこの煙草を、消してしまうのさえも勿体ないと思った時もあったのに…
    今では隣にいるだけで息が詰まるのは何で?

    2006-01-29 01:52:00
  • 13:

    柚子

    すばるは偽物だって気付いてしまったから
    でも…淋しい、でも…誰かに必要とされたいから会いに来る
    こんなのじゃ淋しさは拭えないよ、必要となんかされていないよ。
    分かってる、苦しいの

    2006-01-29 02:10:00
  • 14:

    柚子

    そんな気持ちをごまかす様に、彼がつけた煙草を灰皿に押しつけた。

    幾つもの夜はこうして消えていく

    2006-01-29 02:13:00
  • 15:

    柚子

    ―奈央。
    最近はその名前で呼ばれた覚えがなかった
    ゆな。それが今の名前で、大型風俗店でそこそこ有名、そこそこ古株。
    彼氏はいない
    ホストと買い物に時間と金を費やし、私の休みと携帯を埋めてくれるのは、すばるだった

    2006-01-29 02:27:00
  • 16:

    柚子

    初めてすばると寝た日

    やっぱり金メッシュの黒髪をツンツンと直しながら
    「俺に一生付いてこい」
    と真顔で私に言った
    訳の分からん奴だ。と思いつつも黙って縦に頷いたら、彼は満足そうな顔をして百円ライターに火を灯した

    2006-01-29 02:34:00
  • 17:

    柚子

    愛してくれる女がスキで、愛されたら愛せない、得てして男の心はそんなもの。特にすばるは…
    一時も忘れられない日も、会いたくて日泣いた日もあった
    だけどそれを口にはせず、彼の言葉通り懸命に店に通った
    すばるはそんな私をホストとして愛して、私はそんな彼に振り回されて愛している錯覚に落ちていた

    2006-01-29 02:44:00
  • 18:

    柚子

    二ヵ月もしたら振り回されるのに疲れ、掴みきれない彼の偽物の言葉に苛立ちさえ感じた

    ただ…彼のいた場所を埋めるモノが見つからなくて、
    今もまだここにいる

    2006-01-29 02:47:00
  • 19:

    柚子

    それに文句も言わず、正月早々ホスクラに付き合ってくれているのは同じ店のあみチャン
    今も向かいの席でヘルプに哀れな程適当な相づちを打っている。
    何をしててもつまらなさそうに見える彼女のテーマは、付かず離れず、そしてハマらず
    ベタベタの仲良しこよしが嫌いな私は、この性格を気に入っている

    2006-01-29 02:58:00
  • 20:

    柚子

    午前6:00

    すばるは相変わらず携帯を開けたり閉めたり、営業をかけた客からの連絡を待っている
    あみチャンはもはやヘルプの話なんて聞かずに、チャージのチョコをいじり倒している

    2006-01-29 03:01:00
  • 21:

    柚子

    「あみチャーン、かーえーろっ?」

    少し早いとは思ったが、やっぱりなんだか隣のバカが胸クソ悪いので、そう言った
    あみちゃんは、いじりすぎて溶けかけていたチョコをポンッと口に入れ、ぼんやりとうなずいて笑った

    2006-01-29 03:19:00
  • 22:

    柚子

    それぞれチェックを済ませ、不満そうなすばるを

    「また明日来るから!」
    と説得して店を出た。

    2006-01-29 03:20:00
  • 23:

    柚子

    「さむいなぁー」
    まだ雪はうっすら気配を残していて、コートの前をグッと引き寄せて丸くなった。
    「もぅ一件行く?口直しに…」
    あみちゃんも丸くなり白い息を吐きながら言った。

    2006-01-29 03:21:00
  • 24:

    名無しさん

    「あッ!ホンマにおもんなかったん?いっつもダルそうやからわかれへんかったぁ(笑」
    「あみ、メッチャ我慢してたし(笑。行くやろ?」
    「はいー、お供しますよー!」
    そう言ってあみチャンを見たら、店からくすねてきたチョコを一つ私に差し出した。きっ、きびだんごですか?

    2006-01-29 03:27:00
  • 25:

    柚子

    時間も遅いので新規開拓に決定した、世に言う初回巡り。
    コンビニで雑誌を開き、あーだこーだと言っていたら店員が少し嫌そうな顔をしたので一番近い店の電話番号を控え、カフェオレを2つ買って外にでた。
    相変わらず寒い
    それからあみチャンが店に電話して場所を聞き、カフェオレを飲みながら並んで歩いた。どーしてアイスを買ったんだろうと後悔した。

    2006-01-29 03:30:00
  • 26:

    柚子

    >>9さん
    ぁりがとぅござぃます
    初めて書ぃてるので、誉めて頂くのも初めてでスゴク嬉しぃ限りデス
    完結まで頑張るので、続きも読んでくださいね

    2006-01-29 03:37:00
  • 27:

    柚子

    ―始まりの日―

    6分後、目的地に到着。電話をしていたので、店の前でキンパツ頭が一人待っていてくれた。
    彼はコッチに気付き、少し会釈をして笑った。笑顔がかわいい、男と言うよりは男の子

    2006-01-29 03:41:00
  • 28:

    柚子

    「電話くれたあみちゃん?迷えへんかった?」

    スーツでは厳しすぎるだろう寒さに耐え、柔らかくそう言って私とあみちゃんの顔を交互に見た。
    どちらがあみちゃんなのか分からないのだろう。

    2006-01-29 03:42:00
  • 29:

    柚子

    「あみちゃん」
    と私はそれダケ言って、隣で足踏みをして寒さを紛らわせている女を指差した。
    キンパツ頭は、私の指先に視線を送る
    ジタバタしていたあみちゃんは、微妙に眉間にしわを寄せた

    2006-01-29 03:47:00
  • 30:

    柚子

    『迷わなかったからここに来てんだろーよ』
    そういいたそうな目。だけどそれを口にしなかった事に、多少なり感謝をした。まぁ、それも束の間、あみチャンは
    「さッぶい!!」
    と無愛想に叫んで、勝手に店に入って行った

    2006-01-29 03:56:00
  • 31:

    柚子

    その後ろ姿を一応見送って、戸惑っているキンパツ頭に声をかけて私も店の中入れてもらった

    店の一番奥のソファー
    私とあみチャンは向かい同士に座り苦笑いを決め込んでいた

    2006-01-29 03:59:00
  • 32:

    柚子

    ポカポカで、やかましい場所に移って50と3分経過

    増えてゆくのは、名前と顔が一致しない名刺と繰り返される自己紹介
    正面に座るあみチャンは、名刺をババ抜きのように抜き差ししながら、男メニューと照らし合わせていた。

    2006-01-29 04:00:00
  • 33:

    「いいの居た?」
    私はすでに重ならない顔と名前に諦めて、ワインを一人グイグイ飲み続け聞いた。悪酔いしそうだ。
    「きめてるんだけど…誰もこねぇーじゃん」
    「えっ!ずるい!!どれにしたのさ?」

    2006-01-29 04:02:00
  • 34:

    柚子

    まるで物のように男を選ぶこの状況を、男が見たらどう思うのだろう

    私達も同じ
    そうやって選ばれ生きる世界に生きていて、感覚は徐々に麻痺しつつあった

    2006-01-29 10:39:00
  • 35:

    柚子

    「これかな?」
    あみちゃんの指の下にある男は
    新人・るぅ
    と言う札を付けられ、少しあどけなく笑っていた

    2006-01-29 10:40:00
  • 36:

    柚子

    「呼ぼー呼ぼー!はいはい、すいませーん!!るぅ君いますかー?」
    酔っ払いの私が手を挙げて叫ぶ。こんなやかましい店では対した大声ではなかった。
    出迎えてくれたキンパツ頭と目が合った。コッチを見ていたらしい。
    ならさっさと来いよ

    2006-01-29 10:41:00
  • 37:

    柚子

    「えっ!誰もついてないじゃん。るぅ君がいいの?」
    と言いながら、彼は私達の席まで歩いてきた
    「あみちゃんがぁ!!」
    酔っ払っていますと言わんばかりに意味不明な手振りで伝える私

    2006-01-29 12:36:00
  • 38:

    名無しさん

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    2006-01-29 13:21:00
  • 39:

    柚子

    キンパツ頭は空中でヒラヒラとさまよう私の手を止め、それから
    「了解」
    とヒラリと裏返り、危なっかしい手つきでアイスとグラスを運んでいた下っぱにコソコソと耳打ちして、私の隣に腰をおろした。
    「あみちゃんはいいけど、自分は?」

    2006-01-29 14:31:00
  • 40:

    柚子

    手尺で飲み続けている私からボトルを奪い、ナミナミとワインを注ぎながらキンパツは言った

    「ゆなちゃんは…」
    わざと名前が分かるようにそう言ったのは、自己紹介が面倒だから…

    2006-01-29 14:42:00
  • 41:

    柚子

    「酔ってんなぁー(笑」
    あみちゃんの隣に座ったるぅ君には写真のあどけなさはなくて、一人前のホスト顔だった。
    でも、あみちゃんは気に入った様でリシャを一本入れて、珍しくよく笑い、よく飲んでいる。
    るぅ君は愉快そうにそう私に笑いかけた

    2006-01-29 14:48:00
  • 42:

    柚子

    「えっ、アタシ酔ってる?」
    そう言われて、私は頬を押さえながら隣に座るキンパツ、誠汰朗に聞いた。
    「じゅりは来た時から酔ってたで(笑」
    笑いながら私が頬に当てていた手をはずし、るぅ君にそう言った。

    2006-01-29 14:51:00
  • 43:

    柚子

    「ゆなは来た時から酔ってたやん(笑」
    彼は笑いながら私が頬に当てていた手をはずし、るぅ君にそう言った。
    ハシゴを気付かれていたと知って、なんだか申し訳ない気になった
    「ねっ?(笑」

    2006-01-29 14:54:00
  • 44:

    柚子

    誠汰朗はあみちゃんにそう相槌を求め
    「ゆな、さっきの店でも飲み続けてたし(笑」
    とあみちゃんも笑う。
    ハシゴ暴露

    2006-01-29 14:55:00
  • 45:

    柚子

    「飲みにきてんでしょーが!」
    私がそう叫んだら、それを皮きりに4人でさっきまで行っていたDの話や愚痴で閉店まで盛りあがった。

    メアドを交換して店のドアを開けると、そこにはまだ寒い現実の世界が広がっていた

    2006-01-29 14:58:00
  • 46:

    柚子

    初回2時間弱であみちゃんは200使った。

    どっからでてきたんだ?
    とツッコミをいれたら、笑ってごまかされた

    2006-01-29 15:01:00
  • 47:

    柚子


    景気よく私も使うとは言ってみたものの
    「酔っぱらいは現場を把握していない」
    と誠汰朗とあみちゃんに止められた

    2006-01-29 15:03:00
  • 48:

    柚子

    バカを捕まえた誠汰朗と、太客を捕まえたるぅ君に見送られ、千鳥足の早足で二人は並んで帰った。

    店に一旦戻り、食料を買い込んで寮の空き部屋に潜り込む。
    二人とも家はあるが、忙しい日や早出の日は、店長に許可を貰い寮に泊まる

    2006-01-29 15:06:00
  • 49:

    柚子

    二人とも家はあるが、忙しい日や早出の日は、店長に許可を貰い寮に泊まる。
    今日は特別、飲みすぎて帰れないので泊まることにした。
    入店当初、店長と二ヵ月付き合った。が、女供にばれ「ゆなは体でのしあがっている」とか「色目を使った」などと言われ別れた。
    その通りだったから、反論なんてしなかった

    2006-01-29 15:10:00
  • 50:

    柚子

    店長と付き合っていれば得する事は多かった。
    雑誌やネットで特集も組んでくれたし、しんどいと言えば休ませてくれた。
    だけど一ヵ月すぎた頃から風俗を辞めてほしいと店長に言われ、見切りを付けた。こうなればただの足枷だ、もうメリットがない。だから別れた
    それが真実

    2006-01-29 15:12:00
  • 51:

    柚子

    「いんじゃない?得したなら」
    真実を話した日、あみちゃんはあまり関心も示さずにそう言っただけだった。
    「帰るのダルイからってココ泊まれるのはじゅりちゃんのお陰やね」
    とコンビニでラーメンを買いながら今日も笑っていた。

    2006-01-29 15:15:00
  • 52:

    柚子

    一時間後、太客あみちゃんは早速るぅ君にアフターに誘われ、ウキウキ出ていった。
    「使った金は体で返して貰わないとな」
    かわいい顔してヤクザ発言。コイツはこーゆーヤツだ。
    はじめにガツンと使い、しばらく甘い蜜を吸って飽きたらサクッと捨てる。そのために風俗をしていると言っていた

    2006-01-29 15:18:00
  • 53:

    柚子

    そんなウキウキあみちゃんを笑顔で見送り、鞄の底に沈めていた携帯を引きずりだした。

    ―不在・3件
    ―メール ・4件

    2006-01-29 15:19:00
  • 54:

    柚子

    >>52
    ・訂正・
    じゅりちゃんのお陰やね→ゆなのお陰やね

    2006-01-29 15:21:00
  • 55:

    柚子

    誠汰朗のメール一つを除き、すべてすばるだった。
    思わず眉間に皺が寄るほど蕩々と、明日の予定、仕事が終わった、どこにいる、連絡をよこせと書き綴られていた。
    すばるで埋まりつつある男の子ボックスに「誠汰朗」が一件。

    2006-01-29 15:23:00
  • 56:

    柚子



    少しだけ…花が咲いたとおもったんだ

    2006-01-29 15:24:00
  • 57:

    柚子

    ―夜更けの乱―

    どれだけ眠っていたんだろうか。ここ最近は、夢さえも見ないほど深く眠る事が多い
    夢なんて見れば見るほど虚しくなる。そう大人になった私が言う

    2006-01-29 20:11:00
  • 58:

    柚子

    午後5:06
    あみちゃんはまだ帰って来ていない
    「そのまま仕事かな?」
    そう考えながら、シャワーを浴び、化粧をして店に向かった。頭が痛い…二日酔いだ

    2006-01-29 20:14:00
  • 59:

    柚子

    「ゆな、酒臭いで」
    キスをした後に良サンに言われた
    「マジ?昨日遅くまで飲んだからかなぁー」
    良君はここ4ヵ月程通っているお客で、自分は特別だと思っているらしい。2、3回店外で食事はしたがそれだけ。その思い込みも特に害はないので否定はしていない

    2006-01-29 20:16:00
  • 60:

    柚子

    基本アフターや店外は禁止。しかし、水面下では暗黙で行なわれている

    「ごめんね?」
    ご機嫌を伺いながら、良サンの顔を覗き込んだ

    2006-01-29 20:19:00
  • 61:

    柚子

    「俺はいいけど、他のお客さんは気付けなよ」
    お前に一体何様なんだ、と喉まででそうになるのをどーにか耐え
    「うん、良君が一番でよかった」
    とまたキスをした

    2006-01-29 20:21:00
  • 62:

    柚子

    こんなもんだ、私たちの世界なんてものは
    勘違いを利用し、騙し、騙され探り合いながら金を稼ぐ
    ―ピピッ
    ッとタイマーが鳴ってタイムオーバー。名残惜しそうな良サンを尻目に時間厳守で次の仕事へさっさと迎った

    2006-01-29 20:23:00
  • 63:

    柚子

    深夜12:00
    決まってこの時間にすばるからの営業メールがくる
    おはようだとか、今から仕事だとか、飽きもせず同じメールばっかり
    と来ればそう思うけど、来なきゃそれは心配。今日はなぜか、すばるからの連絡はなかった

    2006-01-29 20:26:00
  • 64:

    名無しさん

    2006-01-30 09:06:00
  • 65:

    柚子

    ―ぉはょ((*^∪^*))すば君今日休み?店行くつもりだったんダケド(*′艸`*)?―


    私も似たようなもんだな。と呆れながら文字を打ち込み、彼と私を繋げる小さな送信ボタンを押した

    2006-01-30 12:12:00
  • 66:

    柚子

    「ゆな、あみちゃん知らん?」

    突然背後から声をかけられ、慌てて携帯を閉じた
    なぜだかやましい気持ちになった

    2006-01-30 12:14:00
  • 67:

    柚子

    振り向くと困った顔の店長が立っていた
    「あみちゃん?まだ来てないの?」
    店長に向き直り、少し驚いて逆に聞き返す。
    「出勤確認もとれなくて…。ゆな、昨日一緒に寮泊まったんじゃないの?」

    2006-01-30 12:19:00
  • 68:

    柚子

    あいかわらずの困った顔の店長にそう言われた
    「いや、一回家帰るって言ってたから…」
    思わず嘘をついたのは、あみちゃんではなく自分を守るため
    ホストに行っているなんてばれたくない。その一心だった

    2006-01-30 12:28:00
  • 69:

    柚子

    いつもはスッピンを見せたくないからと泊まらずに帰ってくるのにあみちゃんどーしたんだろう?
    なんかあったのかな?とそう思い
    「電話してみるわ」
    と店長にそう言って、携帯を握り締め店の外にでた

    2006-01-30 12:31:00
  • 70:

    柚子

    コートを持ってくるべきだったと階段を降りる途中で後悔したが、取りに行くのが面倒でやめた。
    寒い。寒すぎる。
    小刻みに震えながら、大量のメモリーからあみちゃんを引き出しコールをする

    2006-01-30 12:32:00
  • 71:

    柚子

    ―ただ今電話に出ることが出来ません―
    繰り返される留守電メッセージを聞きながら、少し不安になった
    誠汰朗にかけて、るぅ君に聞くということも考えたが、いくら同僚にでも他人のアフターを無闇にバラすのはどうかと考え直し、寒い空を見上げながら近くの自動販売機まで歩いた

    2006-01-30 12:36:00
  • 72:

    柚子

    暗い夜空に光る電飾
    それに人々は引き込まれてゆく。快楽に溺れ、欲にまみれ、人間の底辺を見る。
    この街で幸せなんて見つからないと知っていても、抜け出せないでいるのは私だけじゃない
    自販機のホットレモンがぬるくて、少しせつなくなった

    2006-01-30 12:38:00
  • 73:

    柚子

    「連絡つかなかったから、メールだけしといたよ」
    どうだった?と聞いてきた店長にそう言って、次の仕事に向かった
    心配と言えば嘘になる。あみちゃんがどこにいるかなんて、私にはどうでもいい事だから
    ホットレモンは飲み干してしまったのに、なぜかまだせつなくて不安だった

    2006-01-30 12:44:00
  • 74:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 75:

    柚子

    急いで保留にしてカバンに押し込んだ。仕事中にこいつの電話は取れない
    それから2分も立たないうちにまた携帯が鳴ったが、今度は無視をした

    この電話を取っていれば何か変わって居たんだろうか?と今更ながら思ってみたりする

    2006-01-30 12:52:00
  • 76:

    柚子

    こんな時間にすばるが電話をしてきた事に、畏怖を感じるべきだったと思う。
    不在8件の最後の電話に
    「これ聞いたら、店に来い」
    とすばるの声で留守電が入っていた

    2006-01-30 12:58:00
  • 77:

    柚子

    怒ってる?
    何かしましたっけ私?
    必死に行動を振り返るが、思い当たる節が無い
    訳もなくハラハラしながら、客と別れた直後、道端ですばるに掛けなおした

    2006-01-30 13:01:00
  • 78:

    柚子

    「なに?どしたの?」
    おはようも、こんばんはもすっ飛ばして、通話になった電話口にそう切り出した

    「…ゆな?俺やけど、わかる?」

    2006-01-30 13:04:00
  • 79:

    柚子


    ―すばるじゃない…

    ユナ?オレ?ダレダ?

    2006-01-30 13:08:00
  • 80:

    柚子

    「すば君…の携帯?だよね?」
    携帯が30秒をカウントする頃、声の主に見当が付いた。
    すばるにかけた事は確かなのに、電波の先から聞こえてくる声は…
    ありえない事だと自分自身の耳を疑った

    2006-01-30 13:13:00
  • 81:

    柚子



    「俺、誠汰朗。わかるやろ?」

    2006-01-30 13:13:00
  • 82:

    柚子

    ―ホントのところ―

    「なんで…この携帯…」

    それだけ言うのが精一杯だった

    2006-01-31 11:40:00
  • 83:

    柚子

    「今あみちゃん?も居て、ちょっとややこしいトコなんよ。」
    あみちゃん??どして?つーかそこには誰がいるんだ?
    「アンタどこおんの?俺がそっち行くわ」
    と誠汰朗に言われて、店に呼ぶわけにも行かず、とりあえず自宅の場所を教えて電話を切った

    2006-01-31 11:41:00
  • 84:

    柚子

    慌てすぎて、タクシーの運転手に自宅の住所が伝えられない。その時に、自分がひどく動揺していた事に気付いた
    ―なんで?なんで?なんで?
    それしか浮かばない
    給料を貰う事さえ忘れ、ガタガタと揺れる車内で目を閉じて、ひたすら気持ちを落ち着ける

    2006-01-31 11:55:00
  • 85:

    柚子

    長い20分が過ぎた頃
    先に家に着いて下で待っていた私の前に、誠汰朗一人を乗せたタクシーが止まった。
    誠汰朗はありがとーと爽やかに運転手に伝えタクシーを降りた
    「何があったの?」

    2006-01-31 12:00:00
  • 86:

    柚子

    「何があったの?」
    タクシーの戸が閉まるより早く、誠汰朗の腕を掴んで苛立った様に私が聞く。
    「待って、待って!部屋あげてくんないの?俺寒いー!!」
    誠汰朗は掴まれた腕をブンブン振りながら、笑っていた

    2006-01-31 12:06:00
  • 87:

    柚子

    それがまた私を苛立たせた。
    誠汰朗を引きずる様にの部屋に入れ、脱いだままにしていた服を片付けた
    それから、ヒーターをつけ、コーヒーを2つ机に並べる
    ソファーに座っているバカ男はやたらと寛いでいて「ドッキリ」なんじゃないか?とさえ思った

    2006-01-31 12:11:00
  • 88:

    名無しさん

    2006-01-31 12:11:00
  • 89:

    柚子

    インスタントのコーヒーを一口飲んだ頃には、私の焦りも少しは落ち着いていて、このバカ男が話し出すのを待とうと言う気になっていた。

    「長くなるから」
    そう言って誠汰朗が始めた話

    2006-01-31 12:12:00
  • 90:

    柚子

    「るぅ分かるやろ?昨日あみちゃんに付いた子ぉな。あれが悪いねん。」
    うん。と短く相づちを打って、先を促す
    「アイツ前Dで働いてたらしくて…」
    うん。…うん?山程悪口言ちゃってるよ!!

    2006-01-31 12:14:00
  • 91:

    柚子

    「昨日話した時何も言ってなかったのに…」
    そう私が口を挟むと
    「俺もさっき知ってん。アイツ最近入ってきた新人やからあんま話せーへんかったし」
    と彼は答え「でなっ!」と大きめの声で仕切りなおした

    2006-01-31 12:16:00
  • 92:

    柚子

    「るぅは…あみちゃんとのアフターの最中に、Dの口座と連絡とって鉢合わせにさせてんやん」
    「なんで、そんなん…」
    と言い掛けたのを誠汰朗は右手で制して続ける
    「初回で新人に200使うんやで?俺等やって分かるなら、正体知りたなるわ。るぅはそれを知ることができたわけやから」

    2006-01-31 12:18:00
  • 93:

    柚子

    そんなもんなのかな…。私は客の正体なんて知りたくはない
    どんなにイイ人ぶってたって、仮面を一枚ひっぺがせばただのスケベなおっさんに変わりはじゃないか
    「そっか」
    と一応、納得したフリをしてうつむいた

    2006-01-31 12:21:00
  • 94:

    柚子

    「そんで、まぁDの子からしたら太客持っていかれてる訳やん?他店に。だからあみちゃんは未収バリバリ残ってるとかなんとか、るぅにおどしかけて、家まで乗り込んで来たらしいわ。」
    「未収?あみちゃんが?」
    「ちょっとな、十分回収できる程度やけど大きく言ったみたいやわ」
    誠汰朗は、知らなかった?と言わんばかりに不思議そうに答えた

    2006-01-31 12:25:00
  • 95:

    柚子

    いつもチェックは別々にしていたので全然知らなかったし、気にもしていなかった。
    未収はしないのが私のすばるのルール
    んっ?いつすばるは出てくるの?
    誠汰朗はその心を察したかの様に続けた

    2006-01-31 12:27:00
  • 96:

    柚子

    「乗り込んで来たのは、一人じゃなかった。あみちゃんが行ったなら、ゆなも行ったんだろう。ってすばるさんや他の人等も何人か来て…俺も呼ばれた」
    「めっちゃタチ悪いわ…ホンマごめんな」
    思わずそう言って、謝っていた。
    信じられない、こんな事するなんて。すばるは私の何なの?少し鳥肌がたった

    2006-01-31 12:30:00
  • 97:

    柚子

    「今は、お互いのオーナーが話ししてる。2、3回殴られたからやばいと思って俺が連絡したんよ(笑」
    「殴られたって…」
    誰が?と言いかけ、彼の左の頬が赤く腫れている事にやっと気付いた
    あみちゃんじゃなくてヨカッタと安心したと同時に、殴られている本人を前に安堵の顔を見せるのは気が引けたのでもう一度、謝ってうつむいた

    2006-01-31 12:37:00
  • 98:

    柚子

    「ボク、泣かなかったよ!」
    と彼はふざけてはいたが、赤くなった頬は見るからに痛そうだった

    すばるのやりそうな事なのに、何で気付かなかったんだろうと反省した

    2006-01-31 12:41:00
  • 99:

    柚子

    今はオーナー2人、口座2人、あみちゃんで話し合っているらしく、誠汰朗は待っているダケだったので抜けてきたんだと説明してくれた。

    私はタオルを水に濡らして、誠汰朗の頬に当てた
    それから私は重大な問題に気付いた

    2006-01-31 12:43:00
  • 100:

    柚子

    「すばるは?何ですばるの携帯に出たの?すばるはなんて?今どこ?」
    「質問しすぎやからッ(笑!多分Dに一回戻ったんちゃうかな?報告に。大丈夫やで、アイツにはバシッと言うてきたったから」

    一瞬パニックになった。え?バシってなに言ったのよ

    2006-01-31 12:44:00
  • 101:

    柚子

    これで終わるの?
    これで私とすばるは終わってしまったの?

    ぬるくなったコーヒーを音をたててすする誠汰朗を前に、私は動揺する心を隠せずにいた

    2006-01-31 12:48:00
  • 102:

    柚子

    嫌いなんだからもういいじゃん。
    違う、スキだった時もあった、24時間すばるで構成されていた日も
    どんなひどい扱いをされても、騙されていてもすばるがいなくなる事なんて考えられない。
    彼がいなくなったらどうやってそれを埋めればいいの?どーしたら…

    2006-01-31 12:50:00
  • 103:

    名無しさん

    リアルタイムやぁ?頑張ってなぁ??めっちゃおもしろい?

    2006-01-31 12:53:00
  • 104:

    柚子

    >>104さん
    ぁりがとぉ?
    メッチャ間違ぃだらけゃのに…??読んでもらぇてうれしぃです?がんばりまっす?

    2006-01-31 13:00:00
  • 105:

    柚子

    「アンタは…ゆなは彼女なん?」
    誠汰朗は、タオルを押さえていた私の手の上から自分の手を重ね、今にも泣きそうな私の顔を覗き込んだ
    「ただの色彼…」
    そう答えたら涙が込み上げてきた

    2006-01-31 13:02:00
  • 106:

    柚子

    本当は分かってた
    たったの一度もすばるの彼女だった事はないって…
    自分を隠し、いい客を都合のいい女を演じた私
    バカらしい女。情けない女。

    2006-01-31 15:17:00
  • 107:

    柚子

    涙がでる程好きなまま何も捨てられない私は、失うのを恐れて本当に愛を無くしてしまった
    分かり切っている偽物にすがりついて、『嫌いなのに捨てられない』なんて矛盾が渦巻いてる

    ねぇ、あたしはすばるの何だったの?

    2006-01-31 15:23:00
  • 108:

    柚子

    ━誰かの優しい腕の中━

    私はすばるの中のただの一人で、すばるは私の中のたった一人だった
    同じ一人なのにこんなにも違うんだな

    2006-01-31 15:25:00
  • 109:

    柚子

    誠汰朗のあったかい腕に抱かれながらそう考えていた。
    いつの間にか泣きそうな私は、誠汰朗に抱き締められていてそんな優しさにつられて吐き出した言葉
    「アタシ…すばるがまだ好きなんだよ」
    そう小さく呟いて、溢れてくる涙が零れない様に上を向いた

    2006-01-31 15:29:00
  • 110:

    柚子

    誠汰朗の左頬はまだ少し腫れていて、私の頬を伝いその熱を鎮めつつあった。
    この痛みは私が一番分かってるのに…ね

    「すばるさんがうらやましい」

    2006-01-31 15:32:00
  • 111:

    柚子

    急に誠汰朗はそう言って、私を抱き締める手に力を入れた。
    「なぁ、俺にもそうやって思ってくれる子が居るのかな?」
    顔は見えなかったけど悲しい声だった

    2006-01-31 15:33:00
  • 112:

    柚子

    「いるんじゃない?セータロー優しいし」
    そう言って私も抱き締め返す。
    馴れ合いだって分かってる。この人だってホストなんだと分かってる。
    だけど今はこの馴れ合いに溺れたかった、ずるい女

    2006-01-31 15:37:00
  • 113:

    柚子

    私の肩に顔を埋め
    「セータロウ君振られちゃったのよ」
    誠汰朗は、そう話しだした。
    「もーマジで疲れたわ。嘘や見栄に振り回されてさぁ。アンタはすばサンが好きで、きっとあの人がホストじゃなくても好きなんだろうと思う。だけど俺は、ホストとしてしか愛して貰えない。ホストじゃない俺はどこにも居ないんだよ」

    2006-01-31 15:38:00
  • 114:

    柚子

    抱き締め合ったまま、狭い部屋でヒソヒソと語られる話。
    それは誠汰朗の作り話しかもしれないし、仕事用のネタなのかもしれない
    だけど例えばそうだとしても、私は彼の迫真の演技に感謝をした
    誠汰朗は優しい。まだもう少しだけ、都合のいい客を脱ぎ捨てていたい

    2006-01-31 15:41:00
  • 115:

    柚子

    そんな私の願いも虚しく、その静かな空間を打ち壊したのはやっぱり、すばるだった。
    「アタシの携帯…かな?」
    机の上に置き去りにされ、不機嫌そうに唸る携帯。
    私は、彼の腕の中でそのぬくもりと優しさをヌクヌクと奪いながら彼を見上げた

    2006-01-31 15:43:00
  • 116:

    柚子

    「やーだぁ!コッチも鳴ってるじゃん!!すばるサンの携帯勝手に取ったのバレたかも(笑」
    1分前の真面目な誠汰朗は跡形もなく消え、ふざけながら片手で携帯を取出しそう言った
    「勝手にッテ…アンタ。すばるだったらどーしよ?」
    私はまだ彼の膝の間にスッポリと納まったまま、開けない携帯と誠汰朗を見比べた

    2006-01-31 15:56:00
  • 117:

    柚子

    誠汰朗は何を思ったのか、彼を見上げている私にキスをしてニッコリ笑った
    「電話出て、セイタロー君に乗り換えたって言いなさいよ。あっ!アタイはビシッと謝ったダケだから、すばサン、ゆなには怒ってないと思うよ?」
    そう早口で言って立ち上がり、自分の携帯を手にベランダに出て行った
    状況把握に30秒間を費やし、その後軽い殺意を覚えた

    2006-01-31 16:01:00
  • 118:

    柚子

    涙に謝れ、後悔を取り消せ、そして私の唇を返してくれ
    ガラス窓の向こう、携帯片手に私に手を振っているバカが一匹。
    あのスーツが憎い、あのキンパツが憎い、あのお調子者が憎い…
    ベランダを見下げる奴の背中を突き飛ばしてやりたい衝動に駆られた

    2006-01-31 16:04:00
  • 119:

    柚子

    そう恨みがましい目で怨念を送りつつも、携帯を開く勇気をくれたのは誠汰朗だと分かっていた

    ねぇ誠汰朗…今ならきっとがんばれるよね?

    2006-01-31 16:08:00
  • 120:

    名無しさん

    2006-01-31 21:25:00
  • 121:

    柚子

    ━トライアングル━

    勇気を出した結果は散々だった。すばるからのメールを開くと
    ―今から家行くわ―
    たった7文字の電子文字が残されていた。ん?どこに行くって?

    2006-01-31 23:26:00
  • 122:

    柚子

    ―ピンポーン

    抜群のタイミングで鳴り響くインターフォン
    ゆっくり振り返ると、電話を終えコーヒーをすするバカが平然とソファーに座っていた

    2006-01-31 23:28:00
  • 123:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 124:

    柚子

    携帯にはすばるからの着信。
    こりゃぁ、まずいな…と気付いた時には、もう遅かった
    「すばサン?そーいや、さっき似た人がベランダから見えたわ」
    誠汰朗が私の隣に立ち言った

    2006-01-31 23:35:00
  • 125:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 126:

    柚子

    居留守使おうかな…そんな事を考えている私を気にもせず、誠汰朗はオートロックを解除した
    ―ピッピ、ガチャ
    「どーぞー入ってぇー」
    そう言ったのはもちろん誠汰朗だった

    2006-01-31 23:46:00
  • 127:

    柚子

    「お迎えに行ってきます」
    と私に敬礼のポーズをとり、それから玄関へ走って行った。
    「どーなん、それ…」
    諦めというより観念して、ため息混じりに玄関につぶやいた

    2006-01-31 23:50:00
  • 128:

    名無しさん

    「ゆなぁー、すばサンだよーん」
    そう言って並んだ二人は、称して不機嫌王子と元気なバカ
    「何してたん、コイツと」
    低い声で王子は、気まずそうに笑う私と誠汰朗を交互に睨み聞いた

    2006-02-01 00:00:00
  • 129:

    名無しさん

    2006-02-01 01:36:00
  • 130:

    柚子

    「事情を…話に来てくれて、…話を…して、ました。」
    そう答えた私を、納得できないと言う顔で睨むすばる。
    誠汰朗と言えば、さっさとソファーに座り、部屋に置いてある雑誌をパラパラとめくり、ヘヘヘと笑っていた。
    「…で、お前いつまでおるんよ」

    2006-02-01 10:59:00
  • 131:

    柚子

    不機嫌王子の怒りの矛先は誠汰朗に向けられる

    「後から来た奴が、偉そーに」
    態度を一変させ、なぜか誠汰朗まで不機嫌になってしまった

    2006-02-01 11:02:00
  • 132:

    柚子

    ―挑発しないでよ

    顔の前で手を合わせ、困った様に誠汰朗に見つめた

    2006-02-01 11:04:00
  • 133:

    柚子

    「二人で話し、させて?」
    紅茶を二つ、テーブルに置いて無言を打ち破ったのは私。
    紅茶の湯気が揺れ、私の心も揺れる。
    覚えてる?このティーカップはすばると買いにいったんだよ?

    2006-02-01 11:08:00
  • 134:

    柚子

    立ち上っては消えてゆく紅茶の湯気の様に、私の心も消えてなくなってくれ。
    神様なんて居ない…と分かってはいても、そう祈らずにはいられなかった

    一度は打ち破ったはずの沈黙は、この奇妙なトライアングルに再び襲い掛かっていた

    2006-02-01 11:17:00
  • 135:

    柚子

    午前4:00
    誠汰朗はソファーから立ち上がったのは、置時計が四時の時報を知らせた時だった。
    すばるの前に置いた紅茶を一気に飲み干し、口を開く
    「玄関まででいい、送って」

    2006-02-01 11:27:00
  • 136:

    名無しさん

    http://01.xmbs.jp/kasegijgm/

    2006-02-01 11:32:00
  • 137:

    柚子

    誠汰朗は私にそう言って、誇らしげに笑ってたすばるを見下ろす

    「タクシー呼ぼうか?」
    玄関のドアを開ける誠汰朗の背中に小さく聞いた

    2006-02-01 11:33:00
  • 138:

    柚子

    「外で待ってる」
    「寒いから」
    「どっか入るよ」
    「今日も仕事でしょ?」

    2006-02-01 11:34:00
  • 139:

    柚子

    「休むもん」
    「でも…」
    「でもじゃない」
    ―バタンッ…

    2006-02-01 11:35:00
  • 140:

    柚子


    「でも…」

    閉まってしまった扉に、もう一度呟いた
    かわいい誠汰朗の笑顔はどこにもなくて、その時グッと胸が痛くなったのを覚えてる

    2006-02-01 11:39:00
  • 141:

    柚子

    ━俺のココロ━

    「何やってんだ…俺」
    テーブルに俯せ、一人呟く。ゆなの家の傍にあるマンガ喫茶の一室だった

    2006-02-01 11:45:00
  • 142:

    柚子

    彼女と出会った日、佐奈と別れた日だった。
    「せーちゃんの優しさは偽物だよ」
    それが最後の言葉で別れだった
    好きかどーかも分からないまま、一ヵ月で終わってしまった恋

    2006-02-01 11:46:00
  • 143:

    柚子

    ―アンタが俺の事好きやって言ったんやん…

    俺だって好きになろうとしてた、偽物で何が悪い。
    ホストと言うだけで嫌いになる女が居て、ホストと言うだけで好きになる女が居て。俺はいつもそこには居なかった

    2006-02-01 11:50:00
  • 144:

    柚子

    何だってした、偉くなるために。
    その犠牲になったのは俺の毎日
    疲れて眠るだけの日々を過ごしながら、愛を水で溶かして薄っべらにしてしまった俺は、何も分からなくなっていく
    愛ってなに?誰のもの?どこにあって、どこに行く?

    2006-02-01 12:00:00
  • 145:

    柚子

    苛立ちの中でも、仕事に行かなきゃいけない自分にまた腹がたった


    1月4日、午前7:10

    2006-02-01 12:08:00
  • 146:

    柚子

    「セータロー全然連絡くれないじゃーん!」
    「マジで!?メアド間違ってんじゃない?それ(笑」
    「間違ってねぇーよ!(笑」
    優が大口でバカそうに笑う

    2006-02-01 13:12:00
  • 147:

    柚子

    気ィ狂いそうだった
    ドリンク一本で、いつまで居る気だよ
    そう思いながらも笑顔を作る
    しばらくしてから席を立ち、バックヤードの暇そうな新人に声を掛けた

    2006-02-01 13:14:00
  • 148:

    柚子

    「優の席、ヘルプでチェック釣り上げて。るぅ君だっけ?お願いできる?」
    ハイ。と答え、るぅはフロアーに出て行く。

    ホントに息つく暇もない

    2006-02-01 13:17:00
  • 149:

    柚子

    「道が分からん」

    そう不機嫌な声で電話してきた新規2名席を、柱の影覗いた
    淋しそうに笑い、つまならそうに酒を飲む女がそこにいた

    2006-02-01 13:19:00
  • 150:

    柚子

    寒空の中、ワザワザ下まで迎えに行ったのに不機嫌な女は勝手に店に入って行った。
    その時俺に
    「寒い中ありがとう」
    とまだマトモな対応をした方の女だった

    2006-02-01 13:21:00
  • 151:

    柚子

    ━俺に似てる

    彼女を見てそう思った。
    何が悲しいんだ?そう感じさせるはしゃぎっぷりだった

    2006-02-01 13:23:00
  • 152:

    柚子

    手を握った時。
    ゆなの手を捕まえた時。その手があまりに冷たくて、迷信を確かめたくなった

    ―冷たい手の持ち主は、ココロがあったかい―ってヤツ

    2006-02-01 13:25:00
  • 153:

    柚子

    俺に指名を決めた時
    ボトルを卸すと騒いだ時
    まるで心が何処かに奪われた様に笑っていた
    なぜか分からない…ただ君が自分に重なって見えたから、俺を知りたくて君に近づいた

    2006-02-01 13:30:00
  • 154:

    柚子

    翌日―午後11:25
    まだ開店前の店に従業員が集まり始める。
    「るぅは無欠かよ」
    その集団を覗き、ぼやく俺。

    2006-02-01 13:33:00
  • 155:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 156:

    柚子

    昨日の不機嫌女は意外な程金を使い、るぅを喜ばせた。
    ―余裕ぶっこきやがって…続くようなら注意しなきゃな
    「Dですか?何もないと思いますけどぉ?」
    るぅへの苛立ちを体の底に押し込み、代表の質問に答える

    2006-02-01 13:49:00
  • 157:

    柚子

    「すばるって知ってんの?女取られたとかなんとか…」
    自慢じゃないけど取ってないです。すばる…すばる…?
    「あー、昨日の新規の!」
    ゆなの口座の名前が確かすばるだった。と思い出した

    2006-02-01 13:50:00
  • 158:

    名無しさん

    頑張って下さい?
    楽しみにしています?

    2006-02-01 14:19:00
  • 159:

    柚子

    >>159さん
    ゎーぃ?ぁりがとーござぃます??
    今日中にもぅちょぃ更新するので、読んで下さいネェ?

    2006-02-01 14:26:00
  • 160:

    柚子

    「やっぱお前じゃーん!店いいから、セータロー行って片付けて来い。絶対モメんなよ?あっ、偉いサンらしいから、敬語使ってね」
    そう言って代表は、さっさと奥へ引っ込んでしまった。
    「俺だって役職やん…」
    相変わらずぼやきながら、うだうだとタクシーに乗り、るぅの家に向かった。ホントねみーよ

    2006-02-01 16:08:00
  • 161:

    柚子

    るぅの部屋は寿司詰め状態で、黒服の恐いお兄さん達が何やらモメていた。
    その中でも一際、威張り散らしていたのがすばるサンだった
    「お前がセータロー?」
    俺の3、4コ上くらいだろうか?そいつは玄関に立っている俺に、眉を潜めそう言った

    2006-02-01 16:09:00
  • 162:

    柚子

    「ですけど?」
    代表に言われた通り敬語を使う
    「あの女、俺のエースやからちょっかい出すなよ」
    あの女…あぁ、ゆなか?へぇ、エースなんだ。だから何?

    2006-02-01 16:10:00
  • 163:

    柚子

    「ちょっかいって(笑」
    バカにしたような俺がそう言うと、すばるが更に台詞を重ねた
    「アイツなぁ、アホやからしばかな分からへんのよ。お前もやってみ?2、3発殴ったらゆー事聞くから」
    ニタニタ笑うこいつの顔をぶっとばしてやりたいと思った。まぁ昨日、今日会ったばかりの女にきれてやる事はない、とは思う。だけどもう止まらない

    2006-02-01 16:17:00
  • 164:

    柚子

    「アホはアンタと違います?ゆなにも選ぶ権利はあるし、オタクは一体何様ですか?って話し。女殴って偉そうにしてんな、ジジィ!!」

    正直ジジィは言いすぎた。
    そう思った時には俺は、大きな音をたてて床に倒れた後だった。

    2006-02-01 16:19:00
  • 165:

    柚子

    ―ゆな…アンタはこんな奴のドコが好きなんだ

    倒れたままそんな事を考えていた
    それから、代表を呼び出し主要者以外は解散になった。一応、被害者の俺も残る

    2006-02-01 16:19:00
  • 166:

    柚子

    「モメんなって言ったのに…。顔腫れてるし、今日は休みやな」
    駆け付けた代表にそう言われ、少しヘコんで部屋の隅でうずかっていた俺は、
    ―着信・ゆな(風俗)
    すばるサンの携帯が震えながら、そう点滅するのを見つけた

    2006-02-01 20:54:00
  • 167:

    柚子

    怒られているすばるサンのまだ着信に気が付いていない。
    それをいい事にその携帯を持ってこそこそと外へ出て電話をとった
    ―ゆなは風俗嬢
    少しショックだったものの、そんな事より表示に腹が立つ俺がいたんだ

    2006-02-01 23:11:00
  • 168:

    柚子

    ―「すば君…の携帯…だよね?」

    電波の先に俺は居るのに、アンタはどうして、コイツの名前を呼ぶの?
    アンタが悲しく笑うのは、コイツのせいなんだろう?

    2006-02-01 23:12:00
  • 169:

    柚子

    アンタが悲しく笑うのは、コイツのせいなんだろう?
    仕事着だろうワンピースから覗く肩に、幾つものアザある事を知った時、俺まで悲しくなったんだ。

    ゆなには心がない訳じゃなくて、アイツに取られたままなんだと気付いた日

    2006-02-01 23:13:00
  • 170:

    名無しさん

    午前8:01
    あれから2時間…
    マンガ喫茶で寝こけていた俺は携帯を開いた
    ゆなからの連絡は…なかった

    2006-02-01 23:15:00
  • 171:

    柚子

    ━独りぼっちのティーカップ━
    そんな誠汰朗の心の中も分からないまま、私とすばると向かい合って入れ直した紅茶をすすっていた。
    「アイツが好きなん?」
    「誠汰朗の事?なんでよ、会ったばっかやん(笑」

    2006-02-01 23:17:00
  • 172:

    柚子

    「アイツはお前好きなんちゃん?」
    「だから何で(笑?」

    そんな話しを繰り返していた

    2006-02-01 23:18:00
  • 173:

    柚子


    ―ガチャンッッ

    2006-02-01 23:19:00
  • 174:

    柚子

    私はソファーに押し倒され、不自然な態勢ですばるを見上げていた
    ティーカップが片方、床へとすべり落ち割れてしまったのが見えた。
    絨毯へと滴り落ちる紅茶。
    それがまるで私の心が割れた様で、私の流した涙の様で

    2006-02-01 23:27:00
  • 175:

    柚子

    でも心とは裏腹に

    ―シミ抜きあったかな。
    そんな事を考えていた

    2006-02-01 23:28:00
  • 176:

    柚子

    「アイツと…やったん?」
    嫉妬じゃないと、わかってる。だから苦しい。
    「何それ?」
    私は呆れたように、上にかぶさったままのすばるに言った

    2006-02-01 23:30:00
  • 177:

    柚子

    「スグ分かる事やから今のうちに白状してよ」
    意地悪な顔。要するにやれば分かるって事でしょ?
    「しないから…」
    そう言ってすばるの肩を押し上げた

    2006-02-01 23:31:00
  • 178:

    名無しさん

    ―バシンッ

    「やましい事あんの?」
    左の頬が痛かった

    2006-02-01 23:34:00
  • 179:

    柚子

    ―誠汰朗も痛かったんだろうな

    そう思いながら、すばるに抱かれた

    2006-02-01 23:36:00
  • 180:

    柚子

    私はすばると、何度こうして体を重ねてきたんだろう。
    泣きもせず、笑いもせず、喘ぎもせず、ただすばるの下敷きになったまま、ゆっくりと紅茶色に染まってゆく絨毯を眺め
    たすけて…誰かタスケテ…
    そう叫び続けた

    2006-02-01 23:40:00
  • 181:

    柚子

    愛のないセックスは嫌

    例え嘘でも、薄っぺらな愛でもいいから与えて欲しいと、彼の背中にしがみ付く。
    ついさっき抱き締めたばかりの誠汰朗の背中を思い出したら、やっと涙が溢れだした

    2006-02-01 23:48:00
  • 182:

    名無しさん

    2006-02-02 00:28:00
  • 183:

    柚子

    ━消えない染み━

    染み抜きはやっぱり見つからなかった。
    すばるが帰った後、私は割れたガラスを拾い集め、拭けば拭く程ひろがる染みを何度もこすっていた。

    2006-02-02 12:57:00
  • 184:

    柚子

    あっ、誠汰朗…―
    そう思い出して、まだ少し痛む頬に手を当てた

    「ごめん、遅くなって。」そう言って誠汰朗に電話をかけたのは、8:30を過ぎた頃。

    2006-02-02 12:58:00
  • 185:

    柚子

    「今から会おう」
    何度もそう言う彼をなだめ、電話を切ったらまた一人ぼっちになった。

    腫れが引くまで誰にも会わない、そう決めていた

    2006-02-02 12:59:00
  • 186:

    柚子

    すばるの手癖はあみちゃんにも言っていなかった。
    ―それでいい
    カッとなると口より先に手が出る男なんだと諦めたのは、もうずっと昔のこと。
    シャワーを浴びて、毛布に包まると地面に吸い込まれるように目をつぶった

    2006-02-02 13:01:00
  • 187:

    柚子

    と急に、給料を貰ってない事を思い出した。
    もう財布は空っぽ、寮の部屋も散らかしっぱなし。

    面倒くさいと思いながらも、よっこらせっと起き上がり毛布から這い出した

    2006-02-02 13:02:00
  • 188:

    柚子

    午前9:01
    部屋着にコートを羽織り、帽子を深くかぶってタクシーに乗り込んだ
    店長には、寮を片付けに行くから給料を部屋の新聞受けに入れるように頼んでおいた。
    これなら誰にも会わなくて済む

    2006-02-02 13:03:00
  • 189:

    柚子

    部屋を片付け、給料を取り、鍵をポストに入れて無事任務は終了

    さっさと帰ろ…
    タクシーを拾いに大通りへ向かった

    2006-02-02 13:05:00
  • 190:

    柚子

    冷えた手で耳を覆ったら少しだけ街が静かになって
    ―全部夢ならいいのに
    そう祈り目を閉じた。
    弱くなったな私

    2006-02-02 13:06:00
  • 191:

    柚子

    「ちょっ…!あれ?ゆなちゃん?」

    やばい!!
    私は瞬間的にそう思い、後ろも振り向かずに走った

    2006-02-02 13:07:00
  • 192:

    柚子

    ―こんな時に知り合いに会うなんて、まるでお約束じゃないか…
    「ハァハァッ…ッ待ってって…」
    腕を掴み、息切れしながら追い掛けてきたのは、意外にもスーツ姿のるぅ君だった。
    まずそれにビックリし、なんで?と無意識に聞いていた。

    2006-02-02 13:16:00
  • 193:

    柚子

    「タクシー拾おうと思って…、そしたらゆなちゃん居たから…」
    タクシーかぁ、そっか…
    「スッピンなのに分かった?」
    と意味不明な納得と共に、一応るぅ君にそう尋ねたら「対して変わらんやん」と言って、すぐに「ごめんなさい」と俯いた

    2006-02-02 13:17:00
  • 194:

    柚子

    それからもう一つ
    「昨日は迷惑かけてごめんなさい」
    そう言って深く頭を下げた。
    昨日…?そういえばるぅ君が発端だったんだっけ

    2006-02-02 13:22:00
  • 195:

    柚子

    「私は…あんま関係ないし、誠汰朗に謝りなよ」
    そう言ってから、少し冷たかったかなと思ったけど、すばるを想うと今でも泣きそうな自分を押さえるのに必死だった。
    「でも…」
    とるぅ君は続ける

    2006-02-02 13:25:00
  • 196:

    柚子

    「殴られたんじゃないんですか?」

    私を見ながら、自分の左の頬を指差して言った
    ―頑張れ!私!

    2006-02-02 13:27:00
  • 197:

    柚子

    「エッ?違う、違う(笑」
    そう笑ってから、良い言い訳も思いつかず
    「セ-タローさんっすか?」
    とまだ聞き続けるるぅ君を通りかかったタクシーに押し込み帰らせた

    2006-02-02 13:28:00
  • 198:

    柚子

    はぁ…何とかなった。
    なったのか?
    まぁ、いいや。早く帰って寝よう。
    暖房の効きすぎたタクシーの車内は、私の眠気に拍車をかけた

    2006-02-02 13:29:00
  • 199:

    名無しさん

    ???

    2006-02-02 13:53:00
  • 200:

    柚子

    午前8:13
    満喫を出て、俺はゆなのマンションの下に来ていた。
    いい加減寒い。朝はこれまた寒い。
    「俺が連絡するって言ったンだっけ?」

    2006-02-02 16:39:00
  • 201:

    柚子

    色々と思考をフル回転させても、テンションMAX時だった為かどーにも思い出せない。
    「もーちょい待ってみるか…」
    そう独り言を言い、マンションの前の閑散としたロビーが見える植え込みの端
    そこに腰を降ろし、両手をポッケトにつっこんだ。

    2006-02-02 16:41:00
  • 202:

    柚子

    「あっ」

    ガラス張りのロビー、自動ドアのこっち側。
    先に俺を見付け、勝ち誇った顔のすばるがいた

    2006-02-02 16:41:00
  • 203:

    柚子

    やけにその顔が腹立たしくて、先手必勝と言わんばかりに座ったまま声をかけた。
    「まだ居たの」
    「お前がな」
    間髪入れず帰ってきたそのすばるのセリフは余裕綽々

    2006-02-02 16:43:00
  • 204:

    柚子

    すばるはゆなの部屋を見上げて言った。
    「アイツまだ服着てないから、部屋入れないんじゃない?」
    ―座っていて良かった
    そう思った。立っていたら少しヨロけていたかもしれない

    2006-02-02 16:44:00
  • 205:

    柚子

    「仲直りしたから」
    そう言って、すばるは俺の前に立ちはだかり、次の言葉を待っている
    「なんじゃそりゃ…(笑」
    負け犬なのは分かってる。ただそう言うのが精一杯だった

    2006-02-02 16:45:00
  • 206:

    名無しさん

    2006-02-02 17:23:00
  • 207:

    柚子

    ━そーだよな、アイツが好きなんだしな…。
    俺が期待してるだけなんやし…
    すばるがニタニタと笑いながら立ち去った後、そう自分を慰めた

    2006-02-02 19:26:00
  • 208:

    柚子

    午前8:35
    ゆなからの電話は、それから30分以上過ぎた後にかかってきた。
    「今から、行ってもいーですかぁ?」
    彼女の第一声を聞き終えてから、部屋を見上げて言った。

    2006-02-02 19:28:00
  • 209:

    柚子

    「明日も仕事だし、もう寝ようと思ってて…ごめんね?」
    ―俺が今、下に居ると言えば彼女は会ってくれたんだろうか?
    そんな考えを打ち消したのはすばるの言葉

    2006-02-02 19:30:00
  • 210:

    柚子


    ―アイツまだ服着てないから、部屋入れないんじゃない?―

    2006-02-02 19:31:00
  • 211:

    柚子

    ―午前9:52
    胸くそ悪い、そんな気持ちで家路に着いていた。
    ―なんだよ…寝て仲直りかよ。
    あの部屋で、どんな風にゆなはアイツを受け入れたんだろう?

    2006-02-02 19:34:00
  • 212:

    柚子

    あまりに虚しい想像に思考を止め、ベランダに目を移す
    いつ干したかも覚えていない洗濯物がズラリと並んでいた

    取り入れようと立ったその時、ジャケットに入れっぱなしの携帯が鳴った

    2006-02-02 19:42:00
  • 213:

    柚子

    ディスプレイを見てうんざりした。点滅する『るぅ』の文字
    ―そもそもお前がわるいんだろ
    携帯を乱暴に開き、通話ボタンを押す
    「なんやねん」

    2006-02-02 19:48:00
  • 214:

    柚子

    「今日はスイマセンデシタッ!」
    「ほんまになぁ」
    ―そーだ、お前が悪いんだ。
    「ゆなちゃんに、セータローさんに謝れって言われて…」

    2006-02-02 19:50:00
  • 215:

    柚子

    ―だから謝ってんのかよ。ゆなに言われなくてもあやまっ…ゆな?
    「アイツに会ったの?」
    俺は、るぅに慌てて聞き返した
    「9時半くらい?に店の近くで…」

    2006-02-02 19:51:00
  • 216:

    柚子

    本当は寝ていないんだろうとは思ってはいたが、出歩いているとは意外だった。
    「あのー、ゆなちゃんに会いました?よね?」
    「会ったよ、何?」
    「あれ…セータローさんでは無いですよね?」

    2006-02-02 19:53:00
  • 217:

    柚子

    ―何言ってんだ、コイツ
    「はっ?あれって何よ」
    「じゃぁ、やっぱすば君なんだぁ…。いや、セイタローさんを疑った訳じゃないんですよ!だだねッ…」
    「だから何がッ?」

    2006-02-02 19:57:00
  • 218:

    柚子

    「ゆなちゃんの顔のアザ…って、えっ?見ましたよね?あれって…」

    俺はその時、るぅの軽口に初めて感謝した

    2006-02-02 19:59:00
  • 219:

    柚子

    ━シンデレラの夢━

    あみちゃんからのメールで目が覚めた。
    やっぱりと言うか…相変わらずと言うか…そのメールには反省の色が全く無くて、さすがに私でも苦笑いになった

    2006-02-02 20:02:00
  • 220:

    柚子

    まぁ本人がいいならいいかと、そう思うことにした。
    ―今日は仕事休むねッ(≧人≦)―
    あみちゃんにそうメールをしたら、あみも休むと返ってきてラリーは終了となった

    2006-02-02 20:07:00
  • 221:

    柚子

    顔の腫れは引いたけど、押し倒された時に出来た足と腕の傷が少し青くなっていた。
    せっかく消えた前のアザ。
    もう喧嘩の原因さえ思い出せない
    どーせくだらない事だったんだろうと、そんな思いをクローゼットに仕舞込んだ

    2006-02-02 20:13:00
  • 222:

    柚子

    このアザはすばるの愛の証だと…
    信じて生きた日があった。
    自分を騙した日があった。
    なのに今日はどーして?

    2006-02-02 20:19:00
  • 223:

    名無しさん

    2006-02-02 20:45:00
  • 224:

    柚子

    すばるの笑顔を何度思い出しても、体のアザがズキズキ痛む。
    食器棚の中の並ぶティーカップが、一人ぼっちになってしまったからなのか
    「誠汰朗が救ってくれる」
    どこかでそう信じていたからなのか、その理由は分からなかった

    2006-02-02 21:08:00
  • 225:

    待ってるね?

    2006-02-03 01:45:00
  • 226:

    柚子

    >>らいむサン
    ぁりがとーござぃます?
    ぉ待たせして大変恐縮です?引き続き、らいむサンもゆなと誠汰朗を応援してゃって下さいね (*^ー^)ノ?

    2006-02-03 11:36:00
  • 227:

    柚子

    午後5:00
    昼夜逆転の日々は休みの日も同じ。
    コンビニで朝ご飯と称しパンとジュースを買って部屋に戻り、今日は大人しく家でゴロゴロしていようと決めていた。
    そんな予定をブチ壊しに誠汰朗はやってきた

    2006-02-03 11:38:00
  • 228:

    柚子

    「何やってんのよ」
    たかが、20分程度の隙に誠汰朗は部屋に入り込んでいた。
    「管理人さんにね!弟にしよーか、兄貴にしよーか迷ったんだけど、父親で入れてもらった」
    そう言って笑っていた。

    2006-02-03 11:39:00
  • 229:

    柚子

    まさかそんなハズもなく、部屋の鍵をかけていなかった私の落ち度だった。
    「オートロックの意味が無い」
    「所詮機械よ」
    私が落胆しながら言うと誠汰朗はそう笑う。

    2006-02-03 11:41:00
  • 230:

    柚子

    ―なんで私、驚いてないんだろう?
    あまりに彼が自然に答えるので、ビックリするのを忘れていた。
    「あらら、ジャージ姿もかわいいじゃない?」
    そう誠汰朗に言われ、コートを脱いだ自分の格好に気付いた

    2006-02-03 11:44:00
  • 231:

    柚子

    着替えてくる、慌ててそう言って彼に背を向けた
    「そのままでお願いします」
    耳元から聞こえた声に抱き締められていた。
    ―あったかい

    2006-02-03 11:45:00
  • 232:

    柚子


    ってそーじゃない。誰の家ですか?ここ…

    2006-02-03 11:47:00
  • 233:

    柚子

    優しい手、優しい声。
    『コイツは一体何者なんだ』
    そう思った事はどーでもよかった。
    1050円の薄っぺらいラブソングで泣ける程、私は弱っていて、愛しても愛しても愛しては貰えない、そんな自分が嫌いだった。

    2006-02-03 11:48:00
  • 234:

    柚子

    すばるにはきっと愛する誰かが居ると気付いてからも、見切りの付けられない未練がましい女。
    思いは届くと教えられたあの頃から、1年、2年と過ぎてゆき、シンデレラも白雪姫も居ない事を知った。

    自分はもっと強いんだと信じていたのに

    2006-02-03 11:49:00
  • 235:

    柚子

    久しぶりの幸せな夢の中で目を覚ました。
    「ゆーなッッ」
    「ああ、何?」
    寝呆けながらそんな事を考えいて、隣の誠汰朗をウッカリ忘れていた

    2006-02-03 11:52:00
  • 236:

    柚子

    「うわっ、何そのそっけない返事!やり捨てする気やろ!?」
    そう言い、私の頭の下で枕になっていた腕をグッと引き寄せて、怒った顔を作って見せた。
    「あー元気やねぇ」
    低血圧なんだ、と言わんばかりにテンション低くそう言い、ガシガシと乱暴に誠汰朗の頭を撫でた

    2006-02-03 11:53:00
  • 237:

    柚子

    誠汰朗はグシャグシャになった髪の毛を直しながら
    「二重人格なん?…やだ、あんなに激しかったのに…(笑」
    とまた、くだらない事を言う

    2006-02-03 11:57:00
  • 238:

    柚子

    「お疲れサン」
    延々と続きそうなバカを放っておいて、誠汰朗の腕をすり抜け私は服を着てゆく。
    「アンタ酔ってる方が可愛いね」
    捨て台詞の様にボソッと、Τシャツに腕を通した私の背中につぶやいた

    2006-02-03 12:00:00
  • 239:

    柚子

    「帰りたいの?」
    少し振り返ってそう言った。
    泊まってもいいよ。ひねくれ者の私は、そう素直には言わない。
    目の端で捕らえた誠汰朗はニッコリ笑っていて、出会った時のかわいい男の子に戻っていた

    2006-02-03 12:02:00
  • 240:

    柚子

    ━あの子に届け━

    何度チャィムを押しても出てこない。
    しびれを切らた俺は、銀色に光るドアノブを回した

    2006-02-03 12:04:00
  • 241:

    柚子

    ―怒られるかな?

    そう思いながらも、あっさり開いてしまった扉に戸惑いもせず、俺は彼女の部屋へ忍び込んだ

    2006-02-03 12:05:00
  • 242:

    柚子

    るぅから聞いた顔のアザ
    ―ゆなはまたすばるサンに殴られたんだろう。
    その話を聞いた時「仲直り」は、彼女が望んだ物ではなかったんだと確信した。
    思い上がりかもしれない、だけどゆなは助けを求めといると信じて、この部屋まで来てしまった

    2006-02-03 12:08:00
  • 243:

    柚子

    追い帰される事を考え、オートロックは他の住人の後について入った。
    部屋の前まで行ってしまえばコッチのモノだとやらしい事を考えていた。

    ゆなの部屋を見渡すと、前に来た時も感じた、アイツの匂いがした

    2006-02-03 12:09:00
  • 244:

    柚子

    二種類の煙草、二つづつの食器、彼女には大きすぎるΤシャツ
    そんな物に嫉妬を覚えた。
    なんて言われるだろう?
    いくら鍵が開いていたと言っても、勝手に入ってきた奴に「いらっしゃい」なんて言ってはくれないだろう。

    2006-02-03 12:11:00
  • 245:

    柚子

    ―ガチャ…

    扉が開く音、閉まる音、彼女の…足音。
    ―さぁ、なんて言おうか…

    2006-02-03 12:11:00
  • 246:

    柚子

    「何してんのよ」
    随分あっさりとゆなにそう言われて、少し驚いた。
    「オートロックの意味がない」
    と言う彼女を、俺は笑って誤魔化す

    2006-02-03 12:12:00
  • 247:

    柚子

    ―どうやって部屋に入ったのか、まぁゆなも気付いているんだろう
    彼女がコートを脱ぐと、下は紺のジャージだった。
    意外な姿がかわいくて、思わず抱き締めたい衝動にかられた

    2006-02-03 12:14:00
  • 248:

    柚子

    「そのままでお願いします」
    そんな間抜けな言葉で抱き締めた俺は、腕の中にスッポリと納まった彼女の体が冷たくて小さくて
    その衝動を止められなくなってしまっていた。
    彼女が拒否しなかったのは、意外だった

    2006-02-03 12:17:00
  • 249:

    柚子

    甘く、小さく、消えそうな声で鳴くアンタを何度も確かめずにはいられなくて
    全てを奪って自分の物してしまいたい。
    そう思ってた。
    「愛している」が最上級の言葉だと信じて疑わなかった俺は、なんて馬鹿なんだろう

    2006-02-03 12:19:00
  • 250:

    柚子

    ―ねぇ、アンタはアイツに抱かれてる時もそうやって鳴いてるの?
    ―もう、アイツとは会わないで
    ―シンデレラだって、白雪姫だってもう一度信じさせてあげるから… そんな声を何度も押し殺しながら君を抱いていたんだ

    2006-02-03 12:23:00
  • 251:

    柚子

    「好きだ」と呪文の様に呟き
    ―今のゆなには伝わらない。
    そう分かっていても、言わずにはいられない

    2006-02-03 12:25:00
  • 252:

    柚子

    寝呆けている彼女に声をかける
    「ああ、何?」
    ―冷たッ!びっくりするわ。
    無かった事になんてしてやらないから…

    2006-02-03 12:27:00
  • 253:

    柚子

    そう決意し何度か絡んでみるもののあっさりとかわされ、あげくに彼女は
    「お疲れサン」
    と冷たく締め括り、俺の腕枕をスルリと抜け出した。
    彼女の背中に投げ掛けた捨て台詞。怒られるのを覚悟でつぶやいた

    2006-02-03 12:31:00
  • 254:

    柚子

    ―「帰りたいの?」

    帰らなくていいの?
    そう聞きたくて…でも聞いたら怒られるんだろーなと思いながらも、我慢しきれずニヤついてしまった

    2006-02-03 12:32:00
  • 255:

    柚子

    ━幸せの理由━
    午後8:47
    「で、仕事は?」
    私は振り返らずに聞く

    2006-02-03 14:51:00
  • 256:

    柚子

    「行きたくなぁーい」
    そう言って、ゴロンとベットに転がった誠汰朗。
    その姿は冬の朝の小学生を私に連想させた。
    「いやいや、行けよ」

    2006-02-03 14:54:00
  • 257:

    柚子

    相変わらず私は素直じゃない。
    「ぜっってぇー休むしッ!」
    ムキになって言う誠汰朗。
    ―すばるなら…きっとこんな反応はしないな

    2006-02-03 14:56:00
  • 258:

    柚子

    「アザ…やっぱチョット残ってるねぇ」
    誠汰朗が誰に言うでもなくそう囁いた
    すばるの影を彼に重ねていた私の心搏数が、少し速度を上げるのが分かった

    2006-02-03 15:09:00
  • 259:

    柚子

    ―知ってたの?いつから?
    そう言いかけてブレーキをかける。
    「そーかな」
    それだけ答えて話を終わらし冷蔵庫を開けた。

    2006-02-03 15:12:00
  • 260:

    柚子

    水中の風船のように、すばるの影は沈めても沈めても浮かび上がってきていた。
    忘れたいとそう思うたび…
    冷蔵庫には何も入っていなくて、コンビニでついさっき買ってきたミルクティーとカフェオレのペットボトルを持ち誠汰朗の前にぶら下げた
    「どっち?」

    2006-02-03 15:27:00
  • 261:

    柚子

    ベットに寝転んだままの彼は
    「こっちぃー」
    そう言ってペットボトルを二つ持ったままの私を抱き寄せた

    2006-02-03 15:29:00
  • 262:

    柚子

    午後10:31

    「じゃー電話してくんね」
    そう言って携帯を握り、誠汰朗は上半身は裸のままベットを立った

    2006-02-03 15:33:00
  • 263:

    柚子

    「いいの?休んで…」
    今度は私がベットに寝ころんだままだった
    仕事を休むと言う誠汰朗にそう聞いたのは、重荷に思われたくなかったから。
    私はね、いつもそう…

    2006-02-03 15:37:00
  • 264:

    柚子

    負担になりたくない。
    うっとうしいと思われたくない。

    そんな事ばかりを考えながら、誰かと過ごす

    2006-02-03 15:38:00
  • 265:

    柚子

    「俺ってば、権力者よ?」
    そう笑って電話を掛けだした
    「もしもしー?俺…うん、今日休むから。…いいやんかぁ。…まぢで!!お願い!ねっ?ねぇー?…はいー頼んますぅ」

    2006-02-03 15:40:00
  • 266:

    柚子

    「権力者の割には、休むのに一苦労やね」
    電話を切った誠汰朗に笑いながら話し掛けた
    「同時に、重要人物でも在る訳よ」

    2006-02-03 15:41:00
  • 267:

    柚子

    「けど休むんだ?」
    「権力者だからね」
    話が終わらない…。
    こんな他愛のない会話が幸せで仕方がなかった

    2006-02-03 15:43:00
  • 268:

    柚子

    すばるは私の為になんか、たったの一度も休んではくれなかったな。

    またすばる…どーして離れられないの?

    2006-02-03 15:43:00
  • 269:

    柚子

    何も問い詰めたりはしない誠汰朗の優しさが、余計に私を苦しめた。
    肩や腕に付けたアザで私を縛るすばる
    ―愛せない人がいて
    ―こんなにも想う人がいる

    2006-02-03 15:46:00
  • 270:

    柚子

    ただそこに居た時は「不幸だ」と思っていた。
    ズルズルとひきずられるままに過去を捨て、希望も捨て、未来も捨てたから

    拭っても拭っても零れてくる涙を、誠汰朗から必死に隠した

    2006-02-03 15:48:00
  • 271:

    柚子

    ―今日が明日もあります様に、すばるが隣に座っている今日が…。
    ただそれだけの為に、涙とお金を使い果たした3年間があった
    私の体に染み付いたそんな月日が、優しい誠汰朗を拒んでいる。
    その時はもう、そう分かってた

    2006-02-03 15:55:00
  • 272:

    名無しさん

    柚子チャン頑張って下さい?
    やっぱ文章うまいっす?

    2006-02-03 16:28:00
  • 273:

    名無しさん

    2006-02-03 17:13:00
  • 274:

    柚子

    >>273サン
    ぁりがとぅござぃます?
    ぃゃ?、駄文で申し訳なぃです?
    もぅちょぃなんで、続きも読んで?さぃね?

    2006-02-04 10:11:00
  • 275:

    柚子

    ━彼女の闇━

    メルマガと呼ばれるホストからのメールは、決して誰宛でもない、行き先の無い手紙。
    フワフワと電波の狭間を彷徨って、愛に飢えた女に届く。

    2006-02-04 10:14:00
  • 276:

    柚子

    優しい嘘と偽りの愛で作り上げられたこの世界は
    本物の優しい手を
    偽りではない愛を
    、時々見えなくさる

    2006-02-04 10:17:00
  • 277:

    柚子

    午前3:00
    「暇だねぇ」
    煙草が充満したその部屋、店の待機室は、女達が群れをなして慰め合い、けなし合う場所
    「で?セータローとはどーなん?あっ、ストレートフラッシュ!!」

    2006-02-04 10:17:00
  • 278:

    柚子

    あみチャンはカードを置きながらそう叫ぶ
    「どぅーでしょ、ってマタ負けやん!」
    私はツーペアのカードを置いて笑った。
    もう3時間もこうしている

    2006-02-04 10:19:00
  • 279:

    柚子

    「さぁーあがるかぁ?」
    話をごまかした私にあみチャンはすかさず突っ込む

    「で?セータローは(笑?」

    2006-02-04 10:20:00
  • 280:

    柚子

    あれから2ヵ月が過ぎ、季節はもう春先
    誠汰朗とは週に2、3回会っている。
    どちらかの部屋でダラダラと半日を過ごしセックスをする
    ―ヤリ友?趣味彼?

    2006-02-04 10:21:00
  • 281:

    柚子

    ハッキリしない関係‥
    ハッキリさすのが恐い関係‥
    「すばるに会うな」
    そう彼が言った事が一度だけあった。スグ嘘だと言って笑った

    2006-02-04 10:22:00
  • 282:

    柚子

    すばるとも…同じ時間にメールが来て、呼ばれれば店へ行く元通りの生活に戻っていた

    そんな都合のイイ自分が恥ずかしくて、何にもない。と嘘をついた

    2006-02-04 10:23:00
  • 283:

    柚子

    「あれー?ゆなぁ、あがりぃ?」
    給料を受け取っていたあみチャンが振り返り、明らさまに嫌な顔をした
    「あー暇やから…」
    あみちゃんの後ろにいたはずの私が、ヒョコリと顔を出して答える

    2006-02-04 10:24:00
  • 284:

    柚子

    「マジで?南も上がるし、一緒に遊びにいかん?」

    ―ほら来た。
    あみちゃんを見たら、そう言う目をしていた

    2006-02-04 10:25:00
  • 285:

    柚子

    彼女は同じ店の南
    ホスクラ通いの帝王で、もちろん彼女の言う遊びは…ホスクラ。
    「今日お金ないし…」
    おそるおそるそう答えた

    2006-02-04 10:26:00
  • 286:

    柚子

    「安いトコ見つけてンってば!」
    南はそう言って、私達が後ろ手に持っていた薄い給料袋に目を落とした
    隣からため息が聞こえた

    2006-02-04 10:27:00
  • 287:

    柚子

    午前4:10

    「何で断らないかなぁ」
    カツカツと夜道にブーツの音を響かせながら、あみチャンは小く言った
    「あみチャン断ってよ」

    2006-02-04 10:31:00
  • 288:

    柚子

    私も小さく答える

    南を先頭に、全員で6人。
    行き先は南のお薦めホスクラ

    2006-02-04 10:31:00
  • 289:

    柚子

    結局断りきれず、1時間の約束で付いて行く事になった。

    「ここ!!」
    そう言って指を差した先は、誠汰朗の店だった

    2006-02-04 10:32:00
  • 290:

    柚子

    「オッサン、帰るわ(笑」
    そう言い、後退りをする私を捕まえ
    「さぁー皆様行きますよー!」
    と元気よく先陣を切ったのは、あみチャンだった

    2006-02-04 10:33:00
  • 291:

    柚子

    ―裏切り者…
    あみチャンをそう罵ったものの、お構いなしに私は腕を捕まれ店に引きずり込まれた

    「いらっしゃいませー」

    2006-02-04 10:35:00
  • 292:

    柚子

    扉を開けた途端にそう響く声の中にきっと誠汰朗がいる

    新規6名様は2席に分けられ着席。私、あみチャン、南。最悪のテーブル

    2006-02-04 10:37:00
  • 293:

    名無しさん

    2006-02-04 10:40:00
  • 294:

    柚子

    「ゆなチャンはセータローさんやんな?」
    あみチャンの横でるぅ君が笑う。
    ―いつの間に…
    永久指名制度なんてクソくらえ。そう思ったのは初めてだった

    2006-02-04 10:41:00
  • 295:

    柚子

    「ココ来た事あったんだぁー?あっ、誠汰朗カッコイイよねー」
    南が満面の笑みで私の肩を叩く
    できればコイツを深い地底に埋めて欲しいと願った

    2006-02-04 10:41:00
  • 296:

    柚子

    「おーあみサン!久しぶりッ」
    そう言って誠汰朗が業務用笑顔を振りまきながらやってきた
    「どーもぉ」
    と誠汰朗は私にも笑いかけた

    2006-02-04 10:43:00
  • 297:

    柚子

    ―恐ろしく気まずい…こりゃぁ気まずいよ
    南が大きな声で彼の名を呼んでいた
    そんな南の隣で私は大きな、大きな後悔をしていた

    2006-02-04 10:53:00
  • 298:

    柚子

    「何で来たん?」
    ―歩きです―
    そんなギャグを飛ばせる余裕はなかった
    笑顔のままの誠汰朗が恐い

    2006-02-04 10:54:00
  • 299:

    名無しさん

    さんびゃく?

    2006-02-04 12:00:00
  • 300:

    柚子

    誠汰朗とそんなこんなな関係になってから店には出入りしていなくて、彼も「来るな」とも「来い」とも言わなかった

    ホストっぽい社交辞令を交え乾杯をしたら、各組世界に入る
    あみちゃんと南の笑い声がなんだか遠い

    2006-02-04 14:25:00
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