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■春夏秋冬■

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  • 1:

    ■春■

    2006-01-04 05:48:00
  • 2:

    なんとなく、14歳の時に処女を捨てた。
    初Hなんて言葉は代名詞にすらならない。そんなにあたしにとって意味のあるものでは無かった。
    だから、捨てたと言う表現で十分だ。相手はなんとなく顔が好みだったから付き合った1コ先輩。
    半年ぐらいで、なんとなく飽きて別れた。
    なんとなくって、なんて便利で、楽で、意味の無いものなんだろう。

    2006-01-04 06:10:00
  • 3:


    『何で君みたいな子がこんな事してるの?きっと君のパパやママが知ったら悲しむよ』
    『…なんとなくだよ』
    もぅその台詞は聞き飽きた。皆、理由を問うが、あたしの行動に意味するものなんて何もない。
    あたしには2時間ばかりで3枚の大きな紙の価値がつく。

    2006-01-04 06:18:00
  • 4:

    『なんで?』なんて聞いてくるオヤジも、説教垂れるオヤジも、結局はあたしのナカで果てる。
    コイツらの体裁に反吐が出る。
    『じゃあ僕、先に出るね』
    名前も歳も知らない、白髪混じりの頭をした男は、財布から3枚取り出して、机に置いて先に部屋を出た。
    あたしは10分ほどぼんやりと天井をみつめたまま、明日の授業の事を考えていた。

    2006-01-04 06:24:00
  • 5:

    身体がダルい。このまま眠ってしまいたい…
    そんな訳にはいかないんだけれど。
    シャワーを浴びて、机に置かれた3枚を同方向に向けて並べ直し、財布にしまった。
    財布はノーブランドの安物で、財布の価値より中身の方がはるかに大きかった。
    まるでちぐはぐだ。世の中の様に。

    2006-01-04 06:34:00
  • 6:

    エレベーターを降りると、ルームパネルの前に人影があった。
    『どの部屋にするぅ?』
    甘えた声を出す女の顔にふと視線をやる。若造りしているが、40は近い。
    そのまま視線を隣の男に流すと、あたしの瞳孔が一瞬開く。
    一瞬、男と目が合ったが『どこでもいいよ』とパネルスイッチを押して、女の手をひいてスレ違った。

    2006-01-04 06:51:00
  • 7:

    肩に微かな風を感じながら、ホテルの自動ドアをくぐり外に出る。
    今の男の顔には確かに見覚えがある。
    いや、そんな漠然としたものじゃない。
    ミハラ ケイスケ。
    クラスメイトだ。

    2006-01-04 06:55:00
  • 8:

    彼はどちらかと言うと優等生タイプで、暗くもないがクラスの中で、特に目立つ存在でも無かった。
    言葉を交わした事もあるかないかくらいだ。
    そんな彼と、まさかこんな場末のラブホで会うとは。
    一回り以上は歳をシワに刻んだ女は、一体彼のなんなのか?いくら歳上好みっていったって、少々渋すぎではないか?
    ……ふぅっ。

    2006-01-04 07:05:00
  • 9:

    ひとつ、息を吐いた。
    ゲスな勘繰りはやめよう。彼は彼であって、あたしが考えたところで何の関係もない。
    あたしはオヤジと居るところを目撃されてもいないし、彼は『無害』だ。
    なんとなく、流行りの邦楽を口ずさみながら帰路についた。

    2006-01-04 07:10:00
  • 10:


    『おはよう』
    朝の挨拶が至る所で繰り返されたいつもの光景。
    『サナエ、おはよう』
    エリカに肩をたたかれ、あたしも『おはよう』と呪文を唱えた。

    2006-01-04 07:16:00
  • 11:

    昨晩のドラマの展開予想をしながらクラスに入る。
    エリカの『おはよう』と響く声に、やまびこの様にそちらこちらから返ってくる。
    エリカは社交的で、物怖じしないタイプだ。栗色のふんわりと柔らかなカーブがかった髪は、彼女の『女らしさ』をより一層ひきたてた。
    あたしは、彼女の横で少し卑屈になる時がある。ただの僻み。エリカの様な人間であれば、このモノクロの世界も極彩色に感じたはず…
    あたしの世界は今日も変わりなく、色を失ったままだ。

    2006-01-04 16:38:00
  • 12:

    『アダチさん』
    教科書を押し込む手を止め、あたしの名を呼ぶ聞き慣れない声の主に顔を向ける。
    『ああ、ミハラ君。おはよう』
    『おはよう。はい』
    彼は事務的に挨拶を交わし、右手の紙の束から一枚を差し出してきた。何日か前の化学のプリント。

    2006-01-04 16:44:00
  • 13:

    『ありがと』
    彼はそのままエリカにもプリントを手渡して、順に席をまわっていった。
    昨日ラブホで鉢合わせたというのに、何の動揺もなくあたしと言葉を交わす彼の眼鏡の奥に、何か特別な感情を抱いた。
    涼しい顔した本性に興味がわいた。
    一瞬だけ、白黒の世界にノイズが走って、彼だけを着色する。

    2006-01-04 16:53:00
  • 14:

    プリントの隅に、小さく何か書かれている。
    『昼休み 管理凍の裏、西側に来てほしい。昨日のアレについて  ミハラ』
    彼からの伝言。
    あのクールなマスクの下に、少し焦りと言う人間味を感じた気がした。
    あたしの『なんとなく』だった世界がにわかに動きだしたみたいだ。

    2006-01-04 17:06:00
  • 15:



    昼休み、あたしはメモ書きの場所へ向かう。綺麗とは言えないが、バランスの整った読みやすい字だった。彼の性格が少しにじみでている。
    もぅ桜は青々とした葉をまとっていて、一見しただけでは『桜』とはわからなくなっていた。
    『アダチさん』

    2006-01-05 11:37:00
  • 16:

    振り返ると、眼鏡をはずして階段にしゃがみこんでいた。脇にはジュースとパンの袋。
    『もしかして一人でご飯食べてたの?』
    『だって時間指定してなかったから、いつ来るかわからなくて。呼び出しといて遅れるワケにもいかないだろ?』
    少し俯き気味の彼の耳が、赤く熱をもっているように見えた。
    『あはは。そっか。で?用件は?告白だったらヤメてよね』

    2006-01-05 11:48:00
  • 17:

    『茶化すなよ。わかってるだろ?』
    ザリッと砂を靴の裏でなでる。
    『…昨日のおばさん彼女?だとしたら、相当ミハラ趣味いいねぇ』
    『生憎だけど俺はそんな趣味持ち合わせてないよ』
    『ま、なんでもいいケド。大丈夫、誰にも言わないから』

    2006-01-05 11:55:00
  • 18:

    『そうしてくれると助かるよ』
    『まさか、タダだなんて思ってないでしょ?』
    彼が何かを察知したように、スボンのポケットから黒い長財布をとりだしてきた。
    骨張った間接だけがやたらと強調された彼の指がしずかに紙を数えている。
    『今は手持ちで1万8千円しかないよ。いい?』

    2006-01-05 14:57:00
  • 19:

    あたしは『だめ』と意地悪く両手の人差し指を顔の前で交差させる。彼の眉間には深くしわがよる。
    『お金なんていらない。今日さ、一緒に帰ろ』
    突然のあたしの申し出に、『何考えてんだ?』とでも言いたそうな怪訝な顔をした。
    『…別にいいけど』
    『じゃあ決まりね』

    2006-01-05 15:06:00
  • 20:

    あたしは彼に背中ごしに手を振って、その場を離れた。
    振り返り、一瞬だけ目の端で彼の姿をとらえる。取り残された彼は、周りの風景よりも鮮やかに、その色を発していた。
    なんとなく、彼にはあたしと同じ『ニオイ』がする。似た人種なんだと感じる。
    なんとなくはなんとなくであって、根拠なんてまったくない漠然としたモノなんだけれど。
    あてにならない直感を、たまには信じてみようかと思った。

    2006-01-06 22:19:00
  • 21:





    『シャワー先がいい?後がいい?』

    2006-01-06 22:31:00
  • 22:

    『何でこんなっ…』
    人差し指で彼の唇を押さえ、動きをとめる。
    『それとも一緒に入る?』
    放課後、あたし達は昨日のホテルの一室にいた。
    誘ったのはあたし。

    2006-01-06 22:34:00
  • 23:

    『先に入るよ』
    バスルームに姿を消した数分後、シャワーの水音が響いてきた。
    あたしはソファに腰掛け、鞄の内ポケットから煙草をとりだし火をつける。
    吐き出した煙は、ぼんやりと世界に幕を張り、視界を遮る。
    『ミハラってH巧いのかな?』

    2006-01-06 22:49:00
  • 24:

    好奇心と興味から、彼を誘った。
    彼に触れ、彼と繋がる事で、あたしにも彼の色が染まってくるんじゃないかという期待もあった。
    肺に入った煙は、あたしの見えないところで黒く黒く汚していく。
    そんな感じで、彼の色に染まってしまえば、ちがう『あたし』になるかもしれない。
    この、つまらない世界も少しはおもしろくなるんじゃないかと、そぅ思った。

    2006-01-06 22:54:00
  • 25:

    『アダチさん、入りなよ』
    水滴がところどころに残り、体から湯気だたせたミハラは、かなりの色気があった。
    眼鏡の奥に、こんなにも艶っぽい目を隠していたのだから驚きだ。
    タオルを腰に巻いたミハラに、自分が欲情しているのがわかった。
    ――抱イテ欲シイ…

    2006-01-06 23:46:00
  • 26:

    髪からしたたり落ちる水滴より早くあたしは彼の唇を奪う。
    触れた唇は少し乾燥気味で、ところどころ刺激される。湿った舌が、唇とは対照的で、今までにないほど身体が熱くなった。
    言葉なんていらなかった。
    あたしは彼の腕の中、ただ本能のままに動き声をあげ、乱れた。
    ミハラの綺麗な手は、相当場慣れしていて、彼の激しさに身体の芯から痺れていく。

    2006-01-08 16:54:00
  • 27:

    2006-01-09 10:49:00
  • 28:

    30の名無しさん、もしかして しおり ですか?まさか読んで下さっている方が居るとは驚きました。ありがとうございます。

    2006-01-09 15:25:00
  • 29:

    何度もあたしの身体を突き上げるたくましさに、『同級生』という意識から『男』にかわる。
    二人の体温が溶け合い、熱気のこもった部屋には、ただただ悦びの声と、動きに合わせてベットがきしむ音だけが響く。
    『ぅっ…』
    小さく、呻くような声が漏れた後、一層激しく、深く男があたしのナカで暴れる。

    2006-01-09 15:32:00
  • 30:

    ハァッ ハァッ…
    そのまま覆いかぶさってきて、少し汗ばんだ肌と肌がしっとりとひっつく。
    荒々しい呼吸は徐々に整っていった。
    他人の重みは息苦しくて、暑くて、あまりいいものではない。
    はやく起き上がらないかな、とさっきまでの自分はまるで夢だったかの様に、うってかわって冷めていた。

    2006-01-09 15:43:00
  • 31:

    『…お風呂入りたいんだけど』
    彼の背中を赤子を寝かし付けるかのように軽く一定のリズムでたたく。
    『ああ、ごめん』
    かたさを失い、付属品と化したソレが乱暴に引き抜かれ、その異物感におもわず鳥肌がたった。
    ティッシュを何枚かひきぬく音を聞きながら、バスルームにむかう。

    2006-01-09 15:58:00
  • 32:

    人差し指と中指を添えて、指先で少し唇を開き、ツユを丁寧に流す。
    あたしの身体は、あたしの身体であって、何にも侵される事はないのだと肩を落とした。
    ただ、遥かにオヤジと寝るよりはミハラと寝た方が気持ち良かった。
    若いからなのか、相性がいいのか。
    ミハラの持つ『色』は決してあたしを染める事はないが、身体は彼に馴染む。

    2006-01-09 16:41:00
  • 33:

    それから、彼とは週に1度くらいのペースで密会を続けた。
    あたしは彼に何も言わなかったし、彼もあたしに何も言ってこなかった。
    学校ではほとんど言葉を交わす事無く、メールでなんとなく気がのった時に誘ってはホテルに行った。
    食事や買い物なんて一度もしないし、どちらも誘わない。ホテルという密室に閉じこもって、お互いの身体を繋げるだけ。
    たまに断られる事もあったが、大体はあたしの都合通り。

    2006-01-09 16:49:00
  • 34:

    モノクロの世界は表情を変える事無く、いつも通りの毎日。
    次第に日が長くなり、太陽は徐々にアスファルトを焼き付ける。
    あたしの『なんとなく』だった春はもぅ終わる。そして、そのまま『なんとなく』次の季節に移り変わる。
    半袖のブラウスの裾から入ってくる風は生暖かかった。
    ああ、夏が来る―――…

    2006-01-09 17:03:00
  • 35:

    ■夏■

    初夏の陽射しに、既に俺はまいっていた。
    これ以上暑くなるなんて、地獄だ。
    一番暑くて頭が働かない5現目の授業中、週に1度くらい携帯が震える。

    2006-01-09 17:10:00
  • 36:

    メールの差出人は決まっている。『アダチ』だ。
    偶然ホテルで居合わせてからアダチとは奇妙な関係が続いていた。
    正直、俺にはアダチの考えている事がサッパリわからない。
    ただ、アダチは俺に身体以外何も求めてはこなかったし、余計な詮索もない。
    彼女と寝ることは特に苦痛でもなかったし、『なんとなく』関係を続けていた。

    2006-01-09 17:21:00
  • 37:

    ☆☆

    2006-01-10 02:55:00
  • 38:

    42さん、ありがとうございます。

    2006-01-10 15:40:00
  • 39:

    空メールはアダチからのお誘い。
    本文もタイトルもないメールに、そのまま返信する。『Re:』がタイトルに付くだけで、何も本文には書かない。
    それが、OKのサインだった。
    放課後になると、ホテルの近くのマックで落ち合う。
    学校からはだいぶ離れているので、同級生に会う心配も特になかった。

    2006-01-10 15:48:00
  • 40:

    アダチとは殆ど言葉を交わさない。
    それは、学校でもホテルでも同じだった。
    アダチの喘ぎ声の方が聞き慣れているもんだから、教室でアダチの話し声を聞くのは奇妙な気分だ。
    最近はアダチより、その隣が定位置と化している、栗色のやわからな髪をした彼女をつい目で追ってしまう。
    ヤノ エリカ。

    2006-01-10 18:08:00
  • 41:

    彼女は、そこらのアイドルより可愛かったし、先輩がたまに噂をききつけ覗きにくるくらい人気があった。
    俺がヤノを可愛いと思うのは一般的に見て可愛い部類に入るからなのか、好意を持っているのかは自分でもわからない。
    ただ、気付けばアダチからヤノへと視点が移っていた。
    これが『恋』というのなら、そうかもしれない。
    たとえ『恋』であっても、俺はそんな一時的な感情にふりまわされる程あつい男じゃない。

    2006-01-10 18:15:00
  • 42:

    昔から自分が冷めている事を自覚していている。そういう点では、俺はアダチには近いものを感じる。
    入学したての時に、一度アダチがホテルに中年の男と入っていくのを見た事がある。
    これはあくまで勝手な憶測で、とても軽々しく口には出来ないが、彼女は『援助交際』をしているのだろう。
    目撃した事は言っていない。彼女が俺に何も聞いてこないように、俺も彼女には何もきかない。
    お互いに、言葉にしなくても、間にひかれた線は越えてはいけないとわかっていた。

    2006-01-10 18:24:00
  • 43:

    アダチとのセックスは、余計な事を考える必要がなくて、ただ本能に任せた荒々しいもの。
    今までしてきたセックスとはまた別の感覚だった。

    『今日、逢える?』
    これも週に一度、決まって時間は10時くらいに入るメール。

    2006-01-10 18:39:00
  • 44:

    『会えますよ』
    敢えて漢字変換は『会う』を使う。どうも『逢う』という古風な表現はむずかゆくて馴染めない。
    偏見かもしれないが、『逢う』という表現は、ひとまわり以上歳上が使う言葉に思えて仕方ない。
    実際、メールの送り主であるショウコさんは、17コも歳が離れている。

    2006-01-10 18:49:00
  • 45:

    ショウコさんと知り合ったのは中学1年生の時で、関係を持つようになったのは半年前から。
    ショウコさんは、叔父の嫁だった。
    しかし叔父は浮気グセがあるらしく、結婚してからわずか3ヵ月で愛人との間に子供を作り、そちらとも家庭を持った。
    ショウコさんは、不妊症らしく、叔父との夫婦生活の中で子供をさずかる事も出来ずに、ただ孤独に耐えた。
    受験が控えた頃に偶然街で会い、食事に付き合った事からショウコさんは俺を『買う』ようになった。

    2006-01-10 22:13:00
  • 46:

    最初はショウコさんの申し出に戸惑いを隠せなかったが、俺はその頃、まだ経験がなかったせいもあって、誘いにのった。
    その過ちから、月に4〜5回会ってはホテルを出る間際に2枚か3枚を受け取る。
    自分でも何がしたいのかわからない。
    ただの若さ故の暴走は今も止まらず、この関係の最後なんて全くみえていない。
    なるようになるだろう。

    2006-01-10 22:26:00
  • 47:


    『ケイスケ君、背中に爪の跡がついてる』
    ホテルに着いて、少し汗の染みたシャツを脱ぎ捨てた俺の背中に、ショウコさんは優しく触れる。
    『彼女できたの?』
    背中に刺さる様な視線を感じ、やけに艶のある声に鳥肌がたった。

    2006-01-10 22:32:00
  • 48:

    『こないだホテルで会った同級生』
    『ああ、そんな事あったわね。付き合ってるの?』
    『いや、そんなんじゃないよ』
    『そう、若いっていいわね』
    そぅ言って、ショウコさんの綺麗にアートされた爪で傷の上から傷をつけられた。

    2006-01-10 22:37:00
  • 49:

    『…っ!』
    黙ってその不快感に耐える。
    指先についたストーンがキラキラと光を乱反射させながら、器用にベルトを外し、スボンをずらす。
    下着までもが彼女の手によって脱がされ、ベットに押し倒された。
    元気のないソレに、やわらかな唇が触れる。

    2006-01-10 22:43:00
  • 50:

    口をすぼめたり、やらしく舌を這わせたり。
    比べるのは失礼かもしれないが、アダチよりは歳をくっているせいもあり、かなりのテクニックだ。
    口で俺を弄びながら、いつの間にか彼女は器用に服を脱いでいた。
    張りを失った乳房は、手に吸い付くように柔らかく、今まで触れてきたどんなモノよりも気持ちが良かった。
    ナカも、しっとりと俺を包んでくれる。

    2006-01-10 22:51:00
  • 51:

    名無しさん

    ショウコさんは、騎乗位でかならず絶頂をむかえる。
    全身で感じ、男を悦ばすすべを知っている大人の女との関係を覚えてしまったら、癖になる。
    だが、俺はショウコさんがのぼりつめると何故かいつも途中で冷めてしまって、発散させる事はなかった。
    俺がイカないのはいつもの事なのに、今日はひつこく口で刺激してくる。
    『もぅいいよ。くすぐったい』

    2006-01-10 22:59:00
  • 52:

    『だって、ケイスケ君もたまにはスッキリしなきゃ…』
    『いいって。イカなくても、じゅうぶん気持ちいいから』
    渋々ぐったりとした俺から顔を離すと、髪をかきあげながらシャワーを浴びに行く。
    腰まわりに肉がつき、くびれが微妙になったライン。すこし垂れ気味のヒップ。その後ろ姿は、悲しくも彼女の『歳』を物語っていた。
    眼鏡に息を吐き、レンズを研いてケースにしまう。衰えた彼女を出来るだけ見ないように。

    2006-01-10 23:07:00
  • 53:

    すみません、ミスりました。
    >>56、名前抜けましたが私です。

    2006-01-10 23:09:00
  • 54:

    『不躾でごめんね。同級生の子と私、どっちが巧い?』
    『もちろんショウコさんだよ』
    くすりと笑い『いい子ね』と頬にキスをしながら手に3枚握らせてきた。
    ホテルまではいつも車だが、出る時は彼女の助手席には乗らず、その場で別れる。
    ひと区切り。

    2006-01-10 23:20:00
  • 55:

    ☆☆☆

    2006-01-11 06:56:00
  • 56:

    >>60さん、ありがとうございます。☆がひとつずつ増えていってますね(笑)

    2006-01-12 02:58:00
  • 57:

    出所を探られるとヤバいこの金を。

    『おはよー』
    毎朝同じ風景、同じ教室。
    涼しげにヒラヒラと揺れる女子の短いスカートが羨ましかった。

    2006-01-12 03:19:00
  • 58:

    決して深い意味はなく、ただ単にズボンの中が蒸れて気持ちが悪いからだ。
    『おはよぅ!!』
    ヤノはいつも教室に入るなり大きな声で全員に向けて挨拶をする。この声を聞かない事には一日が始まらない。
    ヤノは俺の席の右斜め前の席。授業中に微妙に見えるヤノの鼻の頭が好きだった。
    ヤノが鞄を席に起きにくると、白のブラウスから少し透けて、下着の線が見えた。

    2006-01-12 03:30:00
  • 59:

    一時の感情だけで動ける程の情熱もない、しょーもない自分。
    いや、きっと分かっているんだ。
    俺なんかに彼女が見向きもしない事を。
    最初から保身に入って、逃げているだけ。
    俺の狭い世界は、今日も狭いままで、なんの変化もなく『いつもと同じ』。

    2006-01-12 03:43:00
  • 60:

    徐々に上がる気温は俺から水分と気力を奪っていく。おもしろくない世界を、つまらない自分を、より乾燥させていった。

    学生には天国のはずの『夏休み』に入っても、暑さで気が滅入る。
    1カ月半もの間、ヤノに会えない。…と、いうよりヤノの姿を見れない。
    夏休みの間もショウコさんやアダチと会っていた。それ以外は冷房のきいた部屋にひきこもってゲームに明け暮れた。

    2006-01-12 03:52:00
  • 61:

    自分の生活スタイルに母親に散々ケチをつけられながら、部屋に新しいコンポが増えただけで 俺の長い長い夏休みは終わった。

    新学期になってすぐの席替えで、俺はよりによって教卓の真前の席を引き当てた。ヤノはというと、後ろの方の席。
    9月になっても、まだ残暑は厳しく毎日学校と家との往復は汗だくだった。
    学校に通う意味を考えても、まったく思い浮かばない。かといって、辞めてしまったところで する事もない。

    2006-01-12 04:04:00
  • 62:

    無駄に学校に行って、無駄にセックスして。
    俺はいったい何になりたいんだろう。
    こんな生活の何に意味があるんだろう。
    見失うばかりで、世界は徐々にすたれていく気がしてならなかった。
    ――9月末。

    2006-01-12 04:09:00
  • 63:

    アダチといつものマックで腹拵えしてから、いつものホテルへ向かうべく席を立った。
    ゴミを処理して、客席の通路を歩き、アダチの後ろをついて細い階段を下りる。
    『今日はあたし小銭ケースしか持ってないんだ。ミハラ、悪いケドかしといて』
    『別におごるよ』
    『いや』

    2006-01-12 04:16:00
  • 64:

    『…わかった』
    ホテル代はいつもきちんと割勘で、アダチは俺がいいよと言っても必ず出す。
    わずらわしくない様にアダチなりに考えているのかもしれないから、俺は黙ってアダチに合わす。
    自動ドアが開くと同時に、アダチの左の踵に爪先がぶつかる。
    立ち止まったアダチの視線の先には、同じ学校の制服を着た子が立っている。

    2006-01-12 04:22:00
  • 65:

    『あれー?サナエじゃん、何でこんなトコにいるの?』
    心臓が大きく鳴った。
    眼鏡をしていなかったせいで、一見しただけでは気付かなかった、可愛らしい声の主。
    『エリカこそ』
    アダチはヤノに駆け寄る。

    2006-01-12 04:28:00
  • 66:

    とまどいながらも、ゆっくりと足を前に出した。
    『ミハラ君?え?サナエって、ミハラ君と付き合ってんの?』
    ヤノは俺とアダチを交互に見ながら困惑した表情を浮かべた。
    『そんなんじゃないよ』
    アダチは笑って手をふる。

    2006-01-12 04:32:00
  • 67:

    脳貧血を起こした様に、音がこもっていって、耳鳴りがした。
    湿っぽさもだいぶ無くなった、少し冷たい風が肌をなでる。
    大嫌いな夏の終わりは近い。

    ああ、秋がくる―――…

    2006-01-12 04:40:00
  • 68:

    ■秋■

    その日は、たまたま母親に言い付けられて親戚の家に行った。
    いつもは降りない駅は、少し私を不安にさせる。
    母が書いてくれた親戚の家までの地図を片手に、最初の目印となるマックを探した。

    2006-01-12 04:45:00
  • 69:

    サナエの家とは逆方向のこの場所に居合わせた奇妙な偶然。
    『たまたまマックに入ったらミハラが居たから、一緒しただけだよ。ね、ミハラ』
    『あ、うん…』
    少しうわずったミハラ君の声が、サナエの言葉を嘘だと告げる。
    『そーなんだぁ☆』

    2006-01-12 04:57:00
  • 70:
    2006-01-12 05:14:00
  • 71:

    名無しさん

    ☆☆☆☆

    2006-01-12 09:26:00
  • 72:

    はまりました?おもしろい?書き方は抜群に上手く読みやすいデスみんなに読ませたい?頑張って下さい☆〜隠れファンより〜

    2006-01-13 17:16:00
  • 73:

    読んでくださった方、ありがとうございます。
    >>80さん、いつもありがとうございます。☆が4つになりましたね、何だか嬉しいです(^-^)
    >>81さん、お褒めいただいて光栄です。読み返してみると、誤字が多かったので落ち着いて変換する様に気を付けます。

    2006-01-13 18:31:00
  • 74:

    私はいつもの調子で軽く笑った。
    サナエが嘘をついたのは明らかだったけど、それはサナエが私には知られたくない事と判断したから。
    友達を困らせたくないし、あまり追求しない事にした。
    友達…の『ふり』をしているサナエの本心は全くよめない。
    笑っていても、怒っていても、それは彼女の感情からくる行動ではなく、頭で考えて動いているだけ。

    2006-01-13 18:45:00
  • 75:

    何をしていても、自分がどぅ動くべきか、どぅ演じるべきか、いつも彼女の頭の中では計算されている。
    サナエは、いつになったら本当の『友達』になってくれるんだろう。

    2006-01-13 19:54:00
  • 76:

    ☆☆☆☆.5

    2006-01-14 04:51:00
  • 77:

    ☆を4.5個ありがとうございます。前回微妙な更新になってしまってすみませんでした。エラー対策に、少しだけ書き溜めたので、今から貼っていきます。

    2006-01-18 02:55:00
  • 78:

    『俺、そろそろ行かなきゃ』
    眼鏡を指先で押し上げながらミハラ君は軽く会釈して駅の方へと足を向けた。
    『また明日ガッコでね!』
    振り向く気配のないミハラ君の背中に、私が振り上げた手は虚しく宙を掻く。
    人混みに紛れていく彼を見ようとはしないサナエ。

    2006-01-18 02:57:00
  • 79:

    『あたしも帰るね。ここらへん、変なオヤジ多いから気を付けてね。エリカは可愛いんだから』
    『そんな事ないよ、サナエも気をつけてね』
    サナエは後を追う様に、小走りで去っていった。
    こういう時は、すごくモヤモヤと複雑な感情が渦巻く。
    好奇心や、興味だけでは聞いてはいけないこともある。わかっているケド、知らない事があると、まるで自分がのけ者にされたように感じてしまう。

    2006-01-18 03:00:00
  • 80:

    私はつくづく、『人間』なんだと嫌になる。
    徒党を組んで、みんなと同じにしていなくては不安になるし、常に顔色をうかがっている。
    輪から外れるのが怖くて。
    それはきっと誰もが思っていることだと思う。
    秘密主義のサナエは、外れないように、近すぎないように、微妙な距離のとり方がうまい。

    2006-01-18 03:02:00
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