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  • 1:

    もりやまはな

    早く来て…今日もまた?錠買ってしまった…4500円…相場より500円安かったから…別にやめれない訳じゃなぃんだけど…薬で自分をつかまえとけば…自分を自分でつかまえとけば…誰も来なくても生きていける。

    2005-10-25 12:03:00
  • 450:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    脱衣所の扉をあけた瞬間。足元から冷たい空気が入ってくる。ガチャガサガサ

    健二が帰ってきたみたい…朝帰りかな?涼子さんの顔が頭に浮かぶ。…そういえば隆弘なんであたしにお兄ちゃん(健二)がおるって知ってたんやろ…ボケたつもりやったんかな(笑)玄関にはコンビニの袋を持った健二が立っていた。

    2005-11-25 12:37:00
  • 451:

    名無しさん

    2005-11-27 15:25:00
  • 452:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    501さん
    ありがとうございます。また感想などありましたら宜しくお願いします。

    2005-11-28 16:49:00
  • 453:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「おはよ」広くて深い色の石の玄関にピョンピョンと靴を脱ぎ捨てる健二。「おはよう。すいません、お風呂使いました。」なんで謝ってんのあたし・・・風呂あがりやし、素っぴんやし・・・まともに話すん初めてやし。しかもすいませんとか、なんか嫌味っぽいやん。むしろアタシの存在自体すいませんやのに・・・そっと足元から目をあげると、あたしと違って父さんの面影がある健二の顔。

    2005-11-30 16:39:00
  • 454:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「当たり前やん。使っていいで(笑)てかスッピンなったら更にあびる優に似てるなぁー」健二だって父さんに似てるよ。「そう?大家族スペシャルの子供産んだ長女に似てるって言われたことはあるけど」「本間やわ!むちゃ似てるわ!(笑)」 くしゃりと笑う笑い方まで似てる。むしろ笑い顔の方が似てるかも・・・。
    「レオさかってんちゃうぞーー!」あたしの足元でなぜか興奮気味のレオをかっさらうと「ファミマ行ってきてん。華さんも食べよや」「うん、ありがとう」頭に隆弘に言われた言葉がちらつく。作り笑顔は見抜かれる。愛想笑いは嫌われる。せっかく住ましてもらってんねんやから気使わさんようにしないと・・・

    2005-11-30 16:47:00
  • 455:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「好きなおにぎり取っていいで」ファミマの袋からおにぎりばかりが5つも出てきた。・・・健二、朝からこんなおにぎりばっかり食べるつもりやったんかな・・・「うん。」変り種のおにぎりとか、マヨネーズ系ばっかで選ぶのに困ったものの、しゃけいくらがまだマシな方だろうと思い、封を開けた。昨日は吐き過ぎたせいで、まだ胃がキリキリする。喉になんか吐いたものがつまってるんじゃないかって位に異物感を感じた。細くなりすぎた足が、裏庭側の窓に映る。何この気持ち悪い人間。ニコニコ話す健二の話に微笑みながら、クッションを体の上にさりげなくのっけた。こんなガリガリの体・・・気持ち悪い。

    2005-11-30 16:57:00
  • 456:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    おにぎりがやっと具に到達したのに、もうお腹っていうか胃の中がいっぱいでそれ以上飲み込めなかった。「華さん何時に出るの?」「今日なんか休もかなーと思って。最近休み過ぎて授業わからんし」3つ目のおにぎりを手にする健二「じゃあ俺も今日やーすもおっ。行ってもいかんでもどーせ一緒やし。」レオはおこぼれに預かろうと膝に前足をかけシッポをブンブン振っている。

    2005-11-30 17:03:00
  • 457:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「PS2取って来るから一緒にしよーぜ兄弟(笑)」半分笑えない冗談。「おー兄弟」隆弘にあれだけコテンパンに言われたのにやっぱりアタシは作り笑いをして健二に返した。健二が部屋にPS2を取りに行ってる間に、おにぎりをゴミ箱の奥のほうに捨てた。捨てるならくれよっといった感じに、レオがこちらを睨む。

    2005-11-30 17:08:00
  • 458:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    そっからあたしは濡れた髪を乾かしに行きたいとも言えず、健二と打ちどけようと必死だった。何か話が盛り上がる度に、ノリのいい女のフリ。と頭の中の隆弘が毒を吐いた。恐竜をばったばったと殺していくゲームをしながら「この恐竜見た目可愛いから、じっくり殺したら涼子怒りよんねん」ノロケかよ・・・「ノロケかよ」「ちゃうわ!」いやノロケだよ・・・

    2005-11-30 17:19:00
  • 459:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    途中であたしだけゲームオーバーになったので、健二が勝ち進んでいく様子をレオとポケーと眺めていた。健二ってゲーマーやなあ「遊びはなんでも好きやねん」無邪気な横顔にまた父さんを感じる。

    2005-11-30 17:21:00
  • 460:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    いっつもこうやって涼子はゲームしてんの眺めてんねんやろなー・・・。あたし、聡くんがゲームしてんの横で眺めてることなんか絶対できひん。1秒でも一緒にいたいって、どんな感覚なんやろ。あたしの暇やからとか、寂しいからとか、どっちでもいいからとか、そんな理由でセックスする気持ち、多分理解してもらわれへんやろなぁ。「あっそうや!華さん親父にいくら頼んだ?」テレビから目を離さずに、いきなり大きな声を出す健二にあたしもレオもビクついた。

    2005-11-30 17:27:00
  • 461:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「何が?」「クリスマスやん!あいつら洗濯も掃除も、たまにしかせーへんねんから!金もらってもいいし。なんか好きなもん頼んでもいいし。」「・・・・クリスマスいっつも花束とお金やった。」「親父が花束!!!」爆笑する健二。そんな変かな?「よく花買ってきてくれててん。ほぼ毎回。」まだ笑いながらゲームをセーブしスイッチを切る。「あーじゃあ、華さんラブなんやわ彼(笑)アイツ花粉症よりひどいアレルギー持ちで植物一切あかんねん。ばばあがガーデニングすんのも大反対で、なんかのどぎつい花植えるか植えへんかで離婚しそうにまでなってたもん。」

    2005-11-30 17:35:00
  • 462:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「花嫌いなん!?」嘘・・・マンションに住んでる時は、よく花の水変えたりしてくれてた。「嫌いとかじゃなくて、体質的に無理なんやと思うで。姉ちゃんもその体質受け継いでるから、臭いが無理!って庭のポプリむしって捨てたりしてた。(笑)」

    2005-11-30 17:40:00
  • 463:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    全然、知らんかった。父さんが花無理なんか。むしろ花が好きなんやと思ってた。だからひつこく買ってくるんやって・・・

    2005-11-30 17:41:00
  • 464:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    あの花はあたしだけのための花やったんや・・・・

    2005-11-30 17:42:00
  • 465:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    2005-11-30 17:47:00
  • 466:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    熱い涙。昨日流したのとは違う、体中から流れでたみたいな熱い涙がぽろぽろ・・・止まらない。
    あたし父さんに愛されてる。なんで気づかんかったんやろ。一番大切な家族ではなかったかもしらんけど、父さんはあたしを大切に思ってくれてたんや。

    2005-11-30 17:50:00
  • 467:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    この涙は薬と絶対無関係や。あたし自身の涙なんや。熱いなみだをぬぐう。父さん・・・次はいつ会えるんかな。涙のついた手の甲を見てそっと微笑む。

    2005-11-30 17:55:00
  • 468:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    PPPPP・・・PPPPPPPP・・・・・PPPPPP・・・・・・
    !?。家の電話が鳴った。・・・父さん?あたし出ていいんかな・・・。PPPPPPP・・・まだ電話は鳴り続けてる。PP・・・。あっ切れた。PPPPPPPPPP・・・また鳴り出すってことは?父さんか奥さんかな?PPP
    「・・・し、森山です。」もう下瀬じゃないって(笑)「あっこんにちわ。佐々木と申しますが・・・」鼻にかかった女の人の声。

    2005-11-30 17:59:00
  • 469:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「はい・・・」なんや違うんか・・・「健二くんいらっしゃいますか?」おおっ!「今ちょっとお風呂入ってますけど。」「すいません、携帯の番号わからなくなってしまって・・・お家にお電話させていただいたんですが?」・・・誰こいつ。涼子ではない。「あー勝手に番号教えたら怒られるんで」「・・・あーそーですかー。じゃあ佐々木直美から電話あったと、お伝え願えますか?名前言ったらわかると思うんで。番号は000-000・・・」「はい。はい。」メモを取るフリをして適当に聞き流した。
    カチャ・・・・誰あの女・・・。・・・・・・・・・・・・あたし涼子好きやし。涼子の見方やもーん(^_^.)無視無視。念のため家の電話線を抜いておいた。笑

    2005-11-30 18:09:00
  • 470:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    念のため風呂から上がった健二に確認してみる。「この前おった子、彼女?」「うん、彼女。可愛いやろ?」満面の笑みの健二。そーやんな・・・涼子が彼女であってるよな。直美って誰だ?・・・抹消、抹消。「うん。いい子そうやな、あそこの制服、よく梅田で見るわ。あたしどれでもいいから健二好きなピザでいいよ」てかピザなんか入らん。スープ系じゃないと無理・・・ピザを適当に頼んでいいと言い、電話があったため健二は部屋に上がって行った。・・・直美かな?(ーー;)ピザと飲めそうなさっぱり系のスープを注文するため電話線を入れなおし、もう一度抜いておいた(笑)

    2005-11-30 18:16:00
  • 471:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    しばらくするとレオがいきなり玄関に走り出した。%#&)=%$#・・・何か話し声・・・ピザ屋ではなく健二の友達のようだったので、そのままリビングでテレビを見ていた。携帯を見ると、聡くんから着信・・・・電話せんのんちゃうかったん?失笑。
    さっきの電話かかってきた時のあの慌てよう・・・やっぱり電話の相手は直美やろなー・・・それを相談するために友達呼んだんかな?

    2005-11-30 18:23:00
  • 472:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    健二にも浮気症な父さんの血、流れてるからなー・・・笑。

    2005-11-30 18:23:00
  • 473:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ピンポーン。今度こそピザ屋かな?玄関に向かおうとした瞬間・・・・

    2005-11-30 18:26:00
  • 474:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    なんであたしの家にマサイの戦士が・・・・ピザをピザ屋から受け取っていた。「君何してんの・・・」呆然。「おー妹!ピザ食うか?」いやだから君何してんの・・・。びっくりし過ぎて立ちすくむあたし。「迎えに来たんだにょーん」「何を???」「ピザ食べよーお腹すいたー。」思考が働かず、ストンとテーブルの椅子に座り呆然とするあたし。我が家のようにコップを出し食事の準備をする隆弘。「あとで話すから。とりあえず友達っていう定で話して。」「・・・」

    2005-11-30 18:36:00
  • 475:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ・・・やっと我にかえる。「ちょっ「あはははははははは」馬鹿でかい隆弘の笑い声。「あん「お兄やんタバスコどこ?」隆弘からリビングの入り口に目を移すと扉に寄りかかりながら健二が立っていた。ゴクリとツバを飲む。「お兄やん言うな!右の扉開けて」知り合い???ビックリしたあたしの服を机の下でひっぱる隆弘。「・・・あたしもお兄やんって呼ぼかな(笑)」ってとっさやからって何言ってんやあたしは!「タバスコあったぁ♪ハナクソはタバスコかける?」妙にニコニコしてる隆弘。「うん。…?それタバスコじゃないでソースやで(笑)」「えっ!?これタバスコじゃないの!?入れモノ似てるやん!」NHK並のオーバーリアクション「あーそれお土産にもらってん。アメリカで売ってる醤油やって。タバスコキッチンの棚に3種類くらい並べてあるわ」なぜかふてくされてる健二。「お兄やんひどい…(:_;)」

    2005-12-01 14:36:00
  • 476:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    この二人・・・どうやら知り合いらしい。・・・・。

    2005-12-01 14:43:00
  • 477:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    それからも呆然としたあたしをフォローするかのように隆弘はベラベラしゃべり、「チャーハン食いたい」って言って勝手にチャーハン作って食べて帰って行った。帰り道、「車で送ったるわ」という健二に「えーカーセックスカーなんか乗りたくないしー!華ちゃんが送って♪」

    2005-12-01 14:46:00
  • 478:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「お前、今の暴言・・・涼子に言うぞ」「エロネタは健二チクらんって知ってるもん。涼子硬派やから♪」・・・涼子硬派なんや((笑))

    2005-12-01 14:47:00
  • 479:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    盗聴されたり、FBIに追われたり、隆弘にいじられたり・・・健二ってなんか個人情報ばれまくりやなあ・・・

    2005-12-01 14:57:00
  • 480:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    あたし友達に(って言っても学校休んだってもうメールもくれんような奴らやけど)自分に腹違いの兄弟いたなんか絶対話されへんわ・・・。まぁそれだけ隆弘と健二が仲良しってことなんやろうけど・・・

    2005-12-01 15:04:00
  • 481:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    帰り道、家ではあんなにおちゃらけて好き放題してたくせに隆弘はほとんど話さなかった。聞きたいことは山ほどあったのに、何も聞けないような空気を出してる。駅に着く間際、「安心して。大丈夫やからな。」「何が?」「全部」と意味のわからない会話をしてあたし達はバイバイした。

    2005-12-01 15:05:00
  • 482:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    隆弘の待ち時間を潰したミスドの前を通る。ロングダウンを着ててもわかるガリガリな体。窓に映った自分を見るのが嫌で下を向いて歩いた。

    2005-12-01 15:08:00
  • 483:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ・・・・・・・・・・・・どんどん気持ち悪い体になっていく。

    2005-12-01 15:14:00
  • 484:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    それから数日間。隆弘からはなんの連絡もなかった。たまに健二に会いにきてはあたしの部屋まで聞こえるくらいの大きな声で話し、久しぶりに帰ってきた奥さんに「今ホストのバーテンしてるから来てやー」と営業して涼子に本気で殴られていた。

    2005-12-01 15:18:00
  • 485:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    あたしの方は・・・

    2005-12-01 15:19:00
  • 486:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    でも確かにこの薬をやってからはご飯も食べれるようになり、よく眠れるようになった。そんなに毎日は薬が欲しい衝動に駆られなくなったけど、また吐いたり狂ったりするのが怖くて、毎日きちんと薬を飲んだ。

    2005-12-01 15:24:00
  • 487:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    粗悪な作りの錠剤は緑色で一つ一つの色の濃さが微妙に違った。売人の弟が女を紹介して欲しいというのでユウキを紹介したら、タダ6錠くれたりした。

    2005-12-01 15:25:00
  • 488:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    あたし・・・この薬体にあってるんかも。

    2005-12-01 15:26:00
  • 489:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    そんなある日、部屋でゴロゴロしてたらノックもせずにいきなり隆弘が入ってきた。「はなーーー」黒!また黒くなってる・・・「・・・」「ほら行くぞ!」扉の向こうには健二と、健二の後ろから軽く手を振る涼子。「いやービクドン飽きたから華と待っとくー」「お前が腹減ったってゲーム消したんやろが!」

    2005-12-01 15:30:00
  • 490:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「華ちゃんもご飯行く?」二コリと笑う涼子。可愛いなー・・・「ううん。お腹すいてないから。ありがとう」なぜかベッドに寝転がり枕に抱きつく隆弘「二人で行ってくればー。クリスマスの予定とかたててくればー」くねくねと体を曲げる隆弘に、クッションを投げつけ健二と涼子は家を出て行った。

    2005-12-01 15:35:00
  • 491:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ぶおーん・・・健二のレクサスの気持ちいいエンジン音が聞こえる。「隆弘だってだいぶキャラ作ってるやん」手元に落ちてきたクッションをあたしもぶつける。「俺のは可愛げアール。君のは可愛くない」「・・・」あたしもう狂ったりせんし隆弘の助けいらんねんけどな・・・

    2005-12-01 15:38:00
  • 492:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「準備は整った。決戦の時がきたのら。」はぁ・・・。「ってことで取り敢えず、荷物固めよう。華意外とキレイにしてるなー。むっちゃ女っぽい部屋(笑)」「奥さんが揃えてくれてん。・・・荷物ってどこ行くん?」「ちょっとそこまで♪」「じゃあこの格好でいい?」「いいけど。着替えとかいるんちゃうん?あっ俺ん家、3階ナプキンないからナプキンもね♪すなぷキーん」

    2005-12-01 15:43:00
  • 493:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ・・・・・・・・・・・はい?

    2005-12-01 15:44:00
  • 494:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「あっそうや!学校ってお前中間何点くらいやった?」「そんなん覚えてないわ!」一体何この脈略ない話は!????

    2005-12-01 16:56:00
  • 495:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「平均評定は!?」「多分7くらい」「お前結構賢いやんけ!ってことは中間がーーーー・・・大丈夫!期末受けんでも赤点付けへんから親に連絡おかんわ!」そー言いながら隆弘は勝手にタンスを開けた。「何すんの!!!」勢いよくタンスを閉めるあたし。「指挟むやんかー!着替えなかったらパンツ手洗いよ(笑)自分で洗ってよ」「なんで隆弘ん家にあたしが住むん!?普通に考えて。おかしいから!!!」一気にしゃべり過ぎて息が乱れる。

    2005-12-01 17:01:00
  • 496:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「おかしくないから。俺むっちゃいいこと考えた♪」馬鹿dだこいつ「無理。父さんになんて言うん!?その前にあたしが行きたくない!タンスとか開けるなんて非常識!」半年ぶりくらいに大きな声を出した。何事かと驚いたレオが走り回る爪音が1階から聞こえてきた。

    2005-12-01 17:04:00
  • 497:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「・・・もう決めてん。早く用意しろ。」息の乱れが中々治らない。興奮して酸欠になったのか頭がクラクラした。「お前、まだ薬してるんやろ」「・・・・」軽くため息をつき下を向いたままのあたしの頭に手を置く。息の乱れがなかなか治らず重くなった頭を両腕で支えた。

    2005-12-01 17:08:00
  • 498:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「冷たい手して」あたしの手の上にそっと手を添える。「今、どれしてるん?」優しい口調で隆弘があたしの顔を覗き込む。「オランダのん」「?オランダって(笑)いつから?」「じゅっと・・・」息の乱れでろれつが回らない。なに?どうしたん?またあたしおかしくなってまうん?

    2005-12-01 17:12:00
  • 499:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    今度は深いため息をつき「荷物まとめたるから寝転んどき」朦朧(もうろう)とする意識の中で、鼻歌を歌う隆弘の声だけが聞こえる。眠いけどずっと起きてる・・・起きてるのにずっと寝てる、空気の薄いところにいるみたいな感覚がしばらく続いた。

    2005-12-01 17:16:00
  • 500:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ふわふわふわふわふわふわ

    2005-12-01 17:18:00
  • 501:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ぶぃーーー「あっ健ちゃんら帰ってきた!はいじゃあこれ持って!」部屋の隅によけておいたショッパーズには、クローゼットにかけておいた服が何着か詰められていた。お気に入りのショッパーズばっかり使いやがって(怒)体はふらつくものの意識は一応あった。ただ感情はあるものの、何も考えたくなかった。ふわふわする。ただそれだけ・・・

    2005-12-01 17:23:00
  • 502:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    健二の部屋をノックもしないで開ける隆弘。「おかえり建ちゃん」「おー。」ソファーに寝転びながらテレビを見る健二。「嫁は?」あたしの体を支えながら座らすた隆弘。「嫁帰ったで。あと君セクハラー。何くっついてんの」「健二さん・・・いやお兄さん」

    2005-12-01 17:34:00
  • 503:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    気持ち悪がる健二に、隆弘は・・・土下座をした。ビックリして声も出ないあたしと、気持ち悪がって完璧に引いてる健二。「華さんと同棲させてください!!!!」・・・・・はああああ!????

    2005-12-01 17:37:00
  • 504:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「やっぱり付き合っとってんやんけ!」「いやまだセックスはしてません!純粋な交際やねん・・・」「なんでいきなり同棲やねん」「お前自分の彼女が自分の友達と一緒に住んでたらどんな気分や!?涼子の家にハマケンが常おるねんぞ!!!」「俺とアイツを一緒にするな!」なんか収集つかん感じに話が進んでる・・・

    2005-12-01 17:41:00
  • 505:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「愛し合ってるねん。出会う運命やってん・・・ってことでパパにうまいこと言うといてな♪」そういうと隆弘はニコニコしながらなかば強引にあたしを立たせ、健二に見えない様に体を支えながら部屋を出て行った。「ネタ!?なんで??」ちょっとウケてる健二。本間にこれでいいの?同棲って・・・屁もこけん!ズカズカ進む隆弘を見つめると「あー山場越えたな♪」笑ってやがるーーー!

    2005-12-01 17:45:00
  • 506:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    結局、健二は怒ったり反対することもなく、追いかけて来て隆弘の家まで車で送ってくれた。「華さんたまには帰ってきてな」「・・・・はあ」いや気分とパワーが元に戻れば今すぐにでも帰りたいんやけどね(笑)

    2005-12-01 17:48:00
  • 507:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「はーーーーー。まぁ明日からってことで今日はもう寝よか♪」何が明日からなん?あとやたらめったら♪を飛ばすな・・・。「水ちょうだい」「ないから自販で買ってくるわ♪」「うん」・・・なんか隆弘って陰と陽が激しすぎて怖い。

    2005-12-01 17:52:00
  • 508:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ばたりとベットに寝転がる。なんかモノが増えたような隆弘の部屋。テレビが2台になってる。・・・・ZZZZ。疲れたっていうよりはエネルギー切れになって、水を飲むことなくそのまま眠った。薄れゆく意識の中で・・・狭い箱と広い箱に何度も入れられる夢を見た。意識はあるのに見る夢なんて初めてですごく怖かった。

    2005-12-01 17:56:00
  • 509:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    2005-12-01 18:02:00
  • 510:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    pPPPPPPPpp・・「んんん」ダサい着信音で目を開けると、そこには毛穴ひとつない隆弘の・・・ちかっ!鼻先が今にも当たりそうなくらい近くにあった黒い顔にびっくりして思わず飛び起きる。「・・・っおーおはようはなたれ」PPpppPPPP「おはよう・・・携帯鳴ってる」「あー後輩後輩。女ちゃうからやきもひひゃくな」あくびをしながら電話を取った。「うぃーうん。あーいいであげるわ。えーじゃあケムリのん頂戴や♪モバオク?やり方わからんから誰かにやらせてまた電話して。うん・・うん」電話をしながら部屋を出て行く隆弘。あわてて鏡を見ると口の周りにはカピカピになったヨダレがべっちょり。あわててふき取る。枕にまでついてるし(-_-;)

    2005-12-01 18:12:00
  • 511:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    えーと昨日こーなってあーなって健二が・・・で。頭がガンガンする。そーいやあ昨日は薬飲んでないんや、1日飲まんかっただけでこれって・・・ガーんガーん・・・結構きついな。喉がカラカラだったので、枕元に置いてあったウーロン茶を一気に飲み干した。

    2005-12-01 18:16:00
  • 512:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「おはようハナクソ」服に手を入れ体をボリボリかきながらまたアクビをしている。「おはよう。・・・学校行ってくるわ」あたしの飲み干したウーロン茶をひっくり返すと、最後の一滴が隆弘の口の中に落ちる。「今日から君は専業主婦だ。学校は休憩♪」本当に空になったペットボトルを回転させ勢いよく投げ捨てた。「取り敢えず風呂入っておいで。ツバ臭い(笑)」顔面におもいっきり投げられたバスタオルを持って風呂場にむかった。風呂場の横には大きなダンボールが3っつ詰まれてアタシの背丈程になってあった。今何時なんやろ。最後に飲んだのが一昨日の午前2時くらい・・・もう丸二日か・・・。狂う程ではないものの、ワクワクする気持ちがさざ波のように押し寄せてくるのは確かだった。

    2005-12-01 18:32:00
  • 513:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    あー薬したい

    2005-12-01 18:33:00
  • 514:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    風呂から上がると、寝癖のついた髪をちょんまげにした隆弘がラーメンにお湯を注いでいる。「華も食べるやろ?なるともラーメン」「いいわ。水ちょうだい」「じゃあバナナ食べや。」なんでバナナ・・・

    2005-12-01 18:36:00
  • 515:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「コーナンに何買いに行くん?」ギーコギーコとうなる隆弘のチャリンコ「んー?色々♪」「携帯忘れたから取りに帰りたいねんけど」「えー…あかん!嫁浮気するかもしらんやん!旦那束縛します!」馬鹿かこいつ…。隆弘とあたしのテンションはやっぱり180度逆だった…。隆弘じゃなくて健二が兄貴でまだよかった…。コーナンの入口にはクリスマスの飾り付けがされていて、発砲スチロールのトナカイの鼻が、子供にちぎられていた。「カートどこやろ?」「何買うん?」「ん?木材とーロープとーあっ釘とか…色々」「…家でも建てる気?(笑)」

    2005-12-01 21:42:00
  • 516:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「おしいっ!あっすいませーんこれと同じやつ20くらい欲しいんですけどー」隆弘が手にとったのは分厚めのベニヤ板。「おしい?じゃぁ犬小屋」「ブー。じゃぁロープいらんやーん(笑)」あっそっか…て、こんなゲームどーでもいいから携帯取りに行きたい。「なぁここって○○○駅の近くやんな?」「うん。」「あたし電車で帰るわ」「ん?」「電車で家帰るわ。携帯取ってまた来るから」家に6錠あるし。「んー?」「じゃ」「あかん。」「しらん」「あかん。行ったら薬中やってバラす。止まれ」ピタリ止まり振り替えると、そこには陰バージョンの隆弘。

    2005-12-01 21:49:00
  • 517:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    結局その日は、木材やらロープやら一色の材料を買って自転車を押しながら二人で帰った。イライラしてるあたしに「お肉食べたいから焼肉行こ」「いや(←即答)」焼肉なんか食ったら吐いてまう。「ホルモン!ホルモン!ホルモン」原始人かお前わ…。隆弘がオゴるからという理由で焼肉屋さんに半ば強引に連れて行かれた。…肉の臭いだけで吐きそう。「わかめスープ」この一言意外何も言わずに下をむく私は、誰がどーみたってケンカしてスネてる彼女に見えていただろう。「おいしいのにー」を100回くらい言いながら隆弘はご飯を3回もおかわりした。

    2005-12-01 21:56:00
  • 518:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    焼肉屋の臭いからやっと開放され、静かに冷たい夜道を歩く。どこかから淀川の磯臭い臭いがする。スタスタ前を歩くあたしに「華さぁ下着とかパジャマとか持ってきてないのに大丈夫?」お前が荷造りしたんやろが?しかも夏服ばっかり選びよって…。「…」「健二に頼んで近いうちに持ってきてもらわないとなー」「健二にチクったんねん。隆弘に監禁されてるって…」「えー監禁なんかしてないやーん!帰ってもいいよ、でも帰ったらバラすぞおらって言うてるだけ(笑)」こいつ…肌だけじゃなくて腹の中まで真っ黒や…。

    2005-12-01 22:17:00
  • 519:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「脅迫罪」「なに?薬物乱用罪」「…婦女暴行罪」「それは今からです。」
    「…」
    焼肉臭いから横で寝たくないと理由を付け、夜中に脱走しようとしたものの、靴を隠され失敗。明日こそ帰ろうと思いキッチンにひいたフトンにくるまる。今の気分はそうやな…水風船がパンパンにふくらんでる感じ…あー今パスポートがあったら確実オランダに飛んでる。
    その次の日も眠れなかったけど、夜中何時もトイレに行く隆弘がわざわざ寝てるか確認するもんだから、目を閉じてじっとしておくしかなかった。

    2005-12-01 22:25:00
  • 520:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    しかも確認の仕方が「…」…ぷっ…ぱっ
    …にぎりっぺ…。
    殺意を覚えた。

    2005-12-01 22:28:00
  • 521:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    これって…隆弘のしてることって犯罪やんな?「あんた犯罪者やで。しかもなんで学校行かんの?」「あんたも犯罪者やん。しかも学校行ってないやん」…お前が監禁してるからじゃろがい!!!こんなに簡単に人って誘拐(←おおげさ?)されるもんやねんなぁ…しかも隆弘ん家の人なんも言わんし。「うち放任主義やから。ホスクラのバーテンやっててもなんも言われんかったし(笑)」「バイト行かんの?」「行かん。後輩に譲ってん。なんか金いるけど彼女おるからホスト無理らしくて」ホスクラのバーテンもホストも一緒ちゃうんか…。何が違うん(-.-)?

    2005-12-01 22:34:00
  • 522:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「ちょー華ー貧乏揺すりやめて!机揺れる」「あーごめん」薬くれたら止まるよ…。ガタガタガタガタ揺れる膝を手で押さえる。つーと油汗がコメカミから垂れてきた。真冬でこんなに寒いのに…やばい…そろそろ限界かもしらん。この頃になるとあたしは起きてる間はずっと歯ぎしりと貧乏ゆすりをしていた。夜は眠れないので恐い夢を見ることはなくなったものの、息は自分でもわかるくらいに臭くなり、今まではそんなクセなかったはずやのに爪をカリカリと噛んでしまう。噛む爪がなくなり指先から血が出たりした。

    2005-12-01 22:41:00
  • 523:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「お邪魔しまーす」「うい」「お邪魔します」「ういうい」「お前らガレージに置いてた木材持ってきた?」「はい。あっこれ現場のんなんで今日持って帰りたいんですげど?」「あーいいで、すぐ終わるから」「まっさん髪形変えはりました?」「変えましたー♪」「色マネしていいっすか?」「坊主やん君」わいわい。扉の向こうからは数人の隆弘以外の声。…今なら出て行けるかも!!!扉をおもいっきりひいた。ガチャ…ガチャガチャガチャガチヤ…
    あんのマサイ人!鍵かけてやがる!!!!「まっさん、誰かいはるんですか?」「あー彼女彼女」気付いた!

    2005-12-01 23:00:00
  • 524:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「開けて!おら開けろや!」ドンドンドン!「今悪いことしたから説教部屋行きやねん(笑)」「助けて!助けて下さい!!!」ドン!ドン!大きな声を出すだけで膝が震える。
    ジョーーーー
    …失禁。出した感覚なんかまったくない、太ももが温かくなったので見てみるとオシッコで隆弘から借りたスウェットが一部濃くなっている。…。扉のむこうからはもう何も聞こえない。「とりあえず、これ内緒。しゃべったら殺す。そことあそこにコレはめたいんやん」「は、はい!」しばらくしてまた聞こえた隆弘と後輩の話し声。

    2005-12-01 23:09:00
  • 525:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    ビビりきった後輩達の声…。役立たずが!!!おもいっきり扉に足蹴りをし、再びベットにへたりこんだ。涙がぼろぼろ出てくる。寒さのあまり体を丸めこみ膝を抱いた…。薬がしたい…出来ないならこのまま死んでしまいたい。
    涙の止まらない目をそっと開けると隆弘の煙草とライターが目についた。本当に今思えば何がしたかったんやろ。正気じゃないだけじゃなくて本間に完璧に狂ってた。

    2005-12-01 23:17:00
  • 526:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    隆弘の山ほどある服をひっぱり出してベットの上にまとめ…

    火をつけた

    2005-12-01 23:18:00
  • 527:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    火をつけるなんて出来るなら、窓ガラスを割ればよかったのに(笑)なんで火の方にはしったのか…未だに自分のとった行動がよくわからない。覚えているのは真っ黒な煙りと、ギャーギャー叫ぶ、自分の声だけ。

    2005-12-01 23:21:00
  • 528:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    気がつくと、キッチンにひいたフトンの上に寝かされていた。真上にある蛍光灯の明かりがまぶしくて横を向くと、三角座りの隆弘がこっちを見ている。「君ばかでしょ。家なき子か!」「お水ちょだい…」喉が痛い。「ほれ」そっと私を起こすとぬるい水を、そーと口の中に流し込む。「頭…痛い…」「煙り吸いまくったせい。俺の服燃やしたせい。自分のせい。」見ると隆弘の服にはススが付き、髪の毛はちょっとコゲていた。「…わかれ…ん…」「ん?」「…わかれ…へん」「狂って火付けたけど、密室やったから煙り吸ってブッ倒れて今!」

    2005-12-01 23:30:00
  • 529:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「後輩は?」「しゃべったら殺す。って散々脅して帰らせた。一人火傷してたけどまぁ大丈夫やろ(笑)」「部屋は?」「窓しめてたし密室やったから酸素ないやん?ボヤ程度で済んだで…服はほとんどオジャンやけど(:_;)」「…弁償する」「いつか自分のお金で弁償してね(笑)」「うん…」自分の息が臭い。ゲロったのは本当だろう、前みたいに喉に異物感を感じる。「とりあえず部屋も出来上がったし!風呂入ろ!華も俺も臭い(笑)」「うん」「さっき健二来て着替えとかパジャマとか置いて行ってくれたで?」「健二!?なんか言ってた?」

    2005-12-01 23:45:00
  • 530:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「なんか急いでるからって着替えおいて、とっとと帰って行った。おっちゃんもおばちゃんも元気やって!」「そう…」なんや…健二にちょっと会いたかったのに…こんな状態でなんやけど(笑)「あと一週間ちょっとで2006年やん!正月には一緒に森山家に帰ろな!」
    「…うん」あたしの啜り泣く声がだんだんと大きくなると「もー華臭いわぁ(笑)このフトンもポイやなぁー」と言いながら隆弘は無理矢理フトンに入ってきて、あたしを強く抱きしめてくれた。隆弘にスッポリと包まれたあたしは、今までに感じたことのないような感情に襲われる。

    2005-12-01 23:56:00
  • 531:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6



    ずっとこうしてたい。そのままあたしを捕まえてて…離さんといて

    2005-12-01 23:57:00
  • 532:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6


    このままずっと
    離すさんといて…また悪魔があたしに取り付くから。このままずっと
    つかまえていて…

    2005-12-01 23:59:00
  • 533:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    この時、父さんにバレるからとか、ガリガリの体が気持ち悪いからとか、そんなどーでもいい理由からじゃなく…本当に薬をやめなあかんと思った。そりゃぁさっきまで狂ってしょんべん垂れてた奴が言うても信憑性ないけど、

    悪魔に自分から近づいて、快楽のためだけに魂を売ったことを本当に後悔した。

    2005-12-02 00:03:00
  • 534:

    イクヨクルヨ

    初リアルやった♪♪♪ちょっと嬉しかったです☆華ちゃんの話し見ていて私の過去とてらしあわせて見てしまい怖さもでてわかる気持ちもあり複雑な気持ちで読んでました☆でもやっぱおもしろくて大好きです(≧∇≦)

    2005-12-02 00:05:00
  • 535:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    薬は悪魔や…
    しっぺ返しはかならずついてくる。…誰にだって。
    それが平気だからと手を出すなら覚悟しといた方がいい。最初の快楽を味わうのは自分だけ、後から来る地獄を味わうのは…自分や家族…恋人…友達…みんななんやってこと。
    そしてあなたの手から流れ落ちていく…薬では手に入れることの出来ないものたちが。

    2005-12-02 00:09:00
  • 536:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「お湯はってくるわ。久しぶりにつかりたいやろ?」「うん、ありがとう」「そのかーわーり!時計見て」隆弘があたしの目の前に突き出した時計を見る。眩しくて目がしょぼつく「00時04分…?」「そう!メリークリスマ-ス」あたしを強く抱きしめ「はぐはぐー♪」と体を揺する隆弘。「でもまだイヴやで?」「イヴもクリスマスも一緒!」…一緒か…?「ってことで一緒に風呂入ろな!」「は?」「オシッコじょーまで見られてんから裸なんか恥ずかしないない(笑)んで俺、華のすっぴん好きやからきっと真っ裸も好きやと思う♪」…ほへ?…

    2005-12-02 00:24:00
  • 537:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    黒くて堅そうな上半身に思わず目がいく。「エッチ!」ちょけながら前を隠し、自分の部屋に走っていった。…馬鹿だ。お湯が半分くらいまでたまると、「お前いい服だけ上手に選んで燃やしてくれたなぁ」と、何やら体操服らしきものを持って出てきた隆弘。「…それ着んの?(笑)」「だって…これしかないもん。二階ばーちゃんら寝てるからもう鍵しまってるし」体操服にはデカデカと[3-A松田隆弘]…そないにデカイ字で書かんでも…「体操服まで自己主張激しいな(笑)」「言わないで…書いたの母やから(笑)」

    2005-12-02 00:45:00
  • 538:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    電気を消し、台所の手元を照らす蛍光灯だけを付けて服を脱ぐ。なぜか正座してじーと見てある隆弘。後ろをむくと「ほほーテレた所がまたいとうつくし…」何キャラ…?
    上の服を脱ぐとプーンとゲロの臭い。「俺らの体ん中ってこんな臭いもんだらけやねんなぁ(笑)体ん中に鼻ついてなくてよかった」わざと脱ぎ捨てたトレーナーを臭いまくる。

    この人は優しい人だ。
    今更思った。

    2005-12-02 00:59:00
  • 539:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    あたしだったら間違っても人のゲロのついたトレーナーなんて臭えない。
    スウェットをいさぎよく脱ぎ捨て、下着姿のままとことことユニットバスの扉の前に立つ。「可愛いから。」「…」「俺のアジアサイズも見る?」「いらん(笑)」「まぁもぉ規定サイズじゃなくなってるんですけどね(笑)」あたし達は屋台の日本酒みたいに並々入った湯舟におもいっきりつかった。勢いよく溢れ出すお湯で、シャンプー立てに飾られたアヒル隊長が流されていく。「ほらメヤニもゲロ跡もキレイキレイ♪」指で優しくあたしの顔をこする隆弘。

    2005-12-02 01:07:00
  • 540:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    キスしたい。エッチよりキスがしたいってこんな気持ちなんやなぁ…
    「あたし、またおかしくなる?」「まぁなるやろな(笑)今は暴れてストレス発散したし…寝起きやし」ゲロで固まった髪も湯舟につけ手櫛(てぐし)でとかす。「いつまたおかしくなるん?」「さぁ。そんな、いとうつくしな顔したあかん!ただでさへ規定サイズ外やねんから(笑)」「…ほんまは今も薬したいなーって思ってるかもしらん。自分でもわからんけど…正気やけど…薬のこと…考えてるかもしらん」「ほおほお」

    2005-12-02 01:12:00
  • 541:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    くるりと後ろをむかされ湯舟につかったままシャワーで髪を洗われた。また湯舟のお湯が溢れだし、アヒル隊長が移動する。「狂ったってまた連れ戻したるから。正気な時はいらんこと考えんな」あたしの体をはさむ様にして広げられた隆弘の足をじっとみつめながら小さく頷いた。シャンプーとリンスをしてくれた隆弘は「俺もして♪」と、おもいっきり湯舟に潜ると頭を押し付けてきた。コロコロ髪形変えてる割には傷んでない隆弘の髪の毛。意外と人の頭を洗うって言うのは大変で、何度か耳の穴にズボリと指を入れてしまった(笑)

    2005-12-02 01:20:00
  • 542:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    裸が恥ずかしいなんて…もうこれっぽっちも思わなかった。隆弘は湯舟の中で何度もあたしの足首を握っては「ジャストサイズ」とニヤけていた。…変なフェチ…。風呂あがり、隆弘の部屋を見に行くと、ベットの中央がコゲているだけなものの、水びたしになったらしく床一面に新聞紙がひかれていた。「今日はキッチンで一緒に寝よ。てかもうコゲてんのとゲロまみれのん以外フトン1つしかないし?」「弁償するから?」「今?体で?」
    「…」んー…
    「悩むな!(笑)その冗談、思春期には酷だからやめて!(:_;)」…あっでたオカマキャラ…

    2005-12-02 01:26:00
  • 543:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    その日、隆弘は抱きしめてくれることはもうなかった。ただ一組のフトンで手を繋いで眠るだけで、あたしには充分だった。

    2005-12-02 01:28:00
  • 544:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「…ーろ!お!ぎーろ!おきろー」クイっクィと髪を引っ張りながら頬杖えをつく隆弘に起こされる。「ん…」「どう調子は?」「…眠い。…久しぶりにグッスリ寝た。」薬する夢見たけど…。「おしっじゃぁ今のうちにトイレして顔洗ってこいさー」「もうちょっと寝る…」「あっかーん!」敷きブトンをおもいっきり持ち上げられ、床にコロコロと転がる。「しばく眠い」「早く!」ぶーたれながらユニットバスで言われた通りの仕事をこなした。ユニットバスの扉を開けると…久しぶりに制服を着た隆弘が目に入る。「学校行くん?」

    2005-12-02 01:35:00
  • 545:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「んー?うん。今日終業式やから絶対行かなあかんねん。ついでに健二のフリしてお前の学校に通知簿取りに行ってくる。」「バレるやろ」「バレへんバレへん。家庭環境複雑やから先生らも口出しにくいやろうし…」「隆弘日本人に見えるかな…」「日本語しゃべれるから大丈夫♪はいゆず茶」「ありがとう」「…とー…多分帰って来るん3時くらいやわ」「うん」久しぶりに制服姿を見るだけでドキドキするあたしは変です…フェチなんかな…「飲んだ?」「うん、ごちそーさま」「おしゃ。じゃぁこっち来て」???

    2005-12-02 01:40:00
  • 546:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    隆弘がポケットからロッカーの鍵みたいなのを取り出し、弟くんの部屋の襖(ふすま)を開けた。

    2005-12-02 01:45:00
  • 547:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    そこには…
    また壁???
    銀色の…ログハウスにあった業務用冷蔵庫みたいな壁。隆弘がロッカーの鍵みたいなのを差し込むと「後輩にタダで作らせたから建て付け悪いわっしょ」ガガガガガガガ…何かを引きずるような音をたてて扉は開いた。中に入るとそこには…何もない。

    2005-12-02 01:49:00
  • 548:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    電気も蛍光灯も全部外されて、窓にはコーナンで買ったベニヤ板がすき間なく打ち付けられている。
    「…」えーと…
    「ふすまわなぁー…補強の仕方迷ったけど、鉄工所でバイトしてる奴おったから発注してん(笑)」後ろをむくと、確かに襖の部分にだけ、チョット雑に溶接されたフタが立て掛けられている…っていう感じだった。「弟くんの荷物は?」「あいつ来年の9月から留学すんねん。Mac鈴木の行ってた学校に。だから大丈夫」「いやだから荷物は?」「家具は捨てた(笑)トロフィーは段ボールん中」

    2005-12-02 01:58:00
  • 549:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    風呂場の隣に積まれた段ボール…あれ中身トロフィーやったんや。「…あたしこん中におるの?」こんな光りも差し込まないような箱の中に?
    「華…」私の両手を掴むと隆弘は子供に話かけるような言い方でゆっくり話し始めた。「あんな。色々調べてん。ネットとか友達に話聞いたり…実は…タヤマにも会ってん。」「!?」何聞いたん!?タヤマいらんこと言うたんちゃうやろなぁ!?一瞬で曇るあたしの顔を見て隆弘はニコリと笑った。「うん…まぁ華の口から聞きたくないような話もチラホラは聞いた」
    …最悪。

    2005-12-02 02:04:00
  • 550:

    森山華 ◆DEP4IVx7X6

    「でー…先輩とタヤマをボコって止めに入った奴もボコった。あーあと華の悪口言うた奴の鼻を折った(笑)」笑えない。「タヤマとかほんまヤバイで…」「うん、だから目には目を。で親ヤクザの先輩連れて行ってん。まぁそのへんは心配せんといて」「…」
    「でー…こっからが大切。お前が買ってた薬は合法ドラッグ。普通に売買禁止のドラッグの化学式組み替えて、法の目抜けるっていう渋谷の店が大量に裁いてて、それをタヤマが組に言われて売っててん。」「ようそこまで調べあげたな…」「うん。ちょっと調べるん楽しかった(笑)」

    2005-12-02 02:12:00
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