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  • 1:

    ↓下記URLレスNo304の続きです
    こちらから読んでください。

    http://bbs.yoasobiweb.com//test/mread.cgi/yomimono/1124193696/-5

    2005-08-17 11:07:00
  • 2:

    『いいよっ!!自分でやるからっ!!』
    何だか自分が小さくなったなったみたいで 嫌だった 
    人に甘える事が苦手な私‥ 
    小さな子供をあやしながら頭を拭くかのような春‥
    何だか くすぐったい‥心地いいけれど 女としてのプライドが邪魔する‥

    2005-08-17 11:17:00
  • 3:

    『春!!本間に自分で出来るから!ありがと!!』
    『もぅいいから!黙って!!たまには人に甘えてみてもいいんじゃないですか‥?瞳さんは一人で無理しすぎ‥。もっと楽に力抜いてもいいと思いますよ!!』
    『‥‥‥ありがと‥』
    年下の自分より子供だと思っていた春にまさかそんな事を言われるなんて考えてもなかった。

    2005-08-17 11:18:00
  • 4:

    『さっ!!だいぶ乾いた!』 
    春が私の髪の毛に直接触れて手で髪を軽く整える。
    『本間にありがとう‥』
    『ちょっとは落ち着いた?!』
    私は小さく頷いた。ちょっとどころじゃない‥かなり落ち着いた自分がいた。。

    2005-08-17 11:19:00
  • 5:

    隣に座る春‥
    『瞳さん‥今、幸せですか?!』
    『えっ・・?!』
    思わず春の方を向くと何故か悲しそうな目で私を見る 
    『幸せですか‥?』

    2005-08-17 11:20:00
  • 6:

    私から目を反らさずにしっかり私を見つめて聞く春が突然男に見えた。
    『幸せってさぁ‥気付かない時が幸せって皆言うじゃん。。私その意味あんまり分からないんだよね‥』
    『一輝が指輪をくれたり‥一輝が愛してるって言ってくれたり‥私はそんな時が幸せ。。』
    今まで誰にも話した事なんてなかった‥
    心の中に秘めた自分の想い ただ好きな人が【ホスト】なだけ‥

    2005-08-17 11:22:00
  • 7:

    『そうなんですか‥。なら良かったです!でも泣きたくなったら俺の所に来てくださいね!』
    ニコっと微笑む春‥
    何だか照れ臭くて 話を変えてしまった。 
    でも その言葉は本当に嬉しかった。
    泣きたくなった時、居場所が あるというだけで‥泣かせてくれる相手がいるだけで私はきっと泣かないで済む・・・。

    2005-08-17 11:22:00
  • 8:

    『春は!?春は好きな人とかいないの?』
    『俺‥駄目なんですよ‥。。気になる子が出来ても行動に移せないし‥傷つくのが恐いのかも知れないですね。』
    春の返答は【ホスト】としての営業用の答えでは無く一人の男としての返事だと思った。
    誰だって傷つくのは恐い‥ それは自分が一番分かってる。
    傷つくのが嫌だから‥私は一輝を必要としなかった。。

    2005-08-17 11:23:00
  • 9:

    愛して‥必要として・・・失うくらいなら 初めからいらない。。
    そうやって自分に言い聞かせてきたきた‥。
    でも今の私には無理。。
    傷ついてもいい‥
    私には今しかないから。。

    2005-08-17 11:24:00
  • 10:

    『そうなんだ‥。でも恋に盲目にならない人って偉いと思うよ‥。周り見えないと平気で人傷つけたり、迷惑かけたりするしね‥そんな恋は一生に一回で十分だよね。。』
    また涙が出そうになった。そんな恋は一生に一回で十分・・・。
    私には一輝しか見えていない。
    この恋が最後になるなら 私は何を失っても構わない 
    『その相手が一輝さんですか?!』

    2005-08-17 11:25:00
  • 11:

    『うん‥。一輝をただ好きなだけなのに・・・人傷つけて、泣いて苦しんで‥こんな恋愛は一輝だけで十分。一輝で最後!!』
    『そんなに一輝さんがいいですか?!元を言えば瞳さんと美香ちゃん‥同じ店で働いてるの知ってて美香ちゃんとも付き合って二股かけて‥こんな水までかけられて辛くないんですか?!』 
    春の言葉は私の心に大きな穴をあけた。
    辛くない・・・
    なんて言えるほど私は心 広くない。

    2005-08-17 11:26:00
  • 12:

    『そんなに‥こんな事になっても一輝さんと一緒に居たいんですか?!』
    私は頷く事も 首を振ることもせずに ただボーっとテーブルの上にあるグラスを見ていた。
    グラスの中の氷は溶けてしまい ただの水のようだった。
    私の気持ちも氷のように時間がたてば溶けてなくなってしまえばいい‥。
    そしたら どんなに楽だろう・・・。

    2005-08-17 11:27:00
  • 13:

    『俺だったら・・・俺だったら好きな人を悲しませたりしない。好きな人を不安にさせたりしない。好きな人以外と寝たりしない‥。例え、仕事でも・・』
    どこかで聞いた台詞。。
    前につれて行かれた店のホストに言われた台詞に似てる‥。
    「こんな仕事やからって瞳ちゃんを泣かしたり不安にしたりせんし大事にするから!だから付き合って?!」 
    返事を保留にして 店にも行かなくなれば 連絡なんてなくなった。。ただの「色」

    2005-08-17 11:28:00
  • 14:

    『春の彼女は幸せだね‥』 
    泣いたり、不安になるのに彼氏の仕事なんて関係ない。。
    私の彼氏は【ホスト】だから・・・と我慢しないといけない事が増えても、
    不安になるのは みんな同じ。
    昼職でも夜でも 同じ。

    2005-08-17 11:29:00
  • 15:

    『だから俺じゃ駄目ですか?!俺じゃ一輝さんの代わりにならないですか?』
     
    本当は気付いてた。
    春が好意を持ってくれている事は‥

    2005-08-17 11:30:00
  • 16:

    口座でもないのに 必要以上のボディタッチ‥
    沢山のメール‥
    でも それは営業ではなくいつも外で会う誘い。。
    気付いてて 気付かないフリをしてた。
    『えっ・・?!』

    2005-08-17 11:31:00
  • 17:

    春に聞き返そうと春の方を向くと真っすぐ私の目を見て反らす事はなかった。
    『一輝さんより俺のが瞳さんを幸せに出来る!!』
    『ありがと‥』
    私は春の言葉だけで十分だった。
    確かに幸せになれるのは 春だと思う。

    2005-08-17 11:32:00
  • 18:

    それは誰が見ても明らか‥ 
    もしも 一輝が居なかったら 私はこれが例え【色営業】と名のつく付き合いでもすぐに頷いただろう・・ 
    でも今は無理‥
    可愛い春‥優しい春‥私を愛してくれる春‥一番に考えてくれる春‥
    他の女と寝ない春‥

    2005-08-17 11:34:00
  • 19:

    かっこいい一輝‥
    クールな一輝‥
    愛情表現しない一輝‥
    仕事が一番な一輝‥
    他の女と寝る一輝‥

    2005-08-17 11:35:00
  • 20:

    比べる必要なんてない。
    幸せになりたいなら一輝ではなく、春を選ぶ。。
    でも、私は 幸せにして欲しいんじゃない。
    幸せになる為に一輝が必要 
    だから 一輝がいるだけで私は幸せ‥

    2005-08-17 11:36:00
  • 21:

    『歌でも歌いましょうか?!』
    春は私の返事を聞くわけでもなく 普通に仕事を始めた。。
    渡されたデンモク‥
    メニュー画面では なく 一つの曲の転送画面。
    【歌うたいのバラッド】

    2005-08-17 11:37:00
  • 22:

    『俺、歌っていいですか?!』
    『うん。。』
    この曲は知ってる‥初めて聞いた春の歌声‥。すごく上手くて すごくエロイ歌い方。
    【今日だって貴方を思いながら歌うたいは歌うよ‥】 
    ただ歌を歌ってるだけなのに 何故か照れている私がそこにはいた。

    2005-08-17 11:40:00
  • 23:

    別に私に歌ってるんじゃないって!!
    自分で突っ込み 私はタバコを一本手にとった。
    火をつけようとライターに手を向けると 春が私の肩をトントンと叩く。火をつけてくれると思い 春の方に体をやると私を見つめてマイクを上に向けて歌う春。。
    【短いから聞いておくれ‥『愛している』】
    右手で拳を作り 左胸の前で二回ほど きつく握った

    2005-08-17 11:41:00
  • 24:

    一輝‥‥
    早く帰ってきて。
    私を好きだって言って‥
    愛してるって‥
    じゃないと・・・じゃないと 私はこの真直ぐな愛情を拒めなくなるから・・・。

    2005-08-17 11:42:00
  • 25:

    目を反らす事が出来ない。 
    『いい歌でしょ?!』
    ライターを左胸の前でつけ、私の前に運びながら春が言う。
    『あっ‥ありがとう。いい歌やねぇ!!』
    その後は何事もなかったかのように普通に歌ってゲームして酒も浴びるほど飲んだ。

    2005-08-17 11:43:00
  • 26:

    『一輝さん遅いですね‥』 
    春の言葉に私は急いで携帯を見た。
    一輝が出ていってから二時間以上は経っている。

    2005-08-17 11:44:00
  • 27:

    『ちょっと電話してみるっ!!』
    私は 携帯の中央のボタンを二度押した。。
    右から流れてくる文字…
    ??KAZUKI?? ○9033∞∞∞∞∞∞
    プルルルル・・・プルルルル‥プルルルルッ・・・

    2005-08-17 11:44:00
  • 28:

    液晶には【通話中】の文字 
    急いで携帯を耳にやる。
    『もしもし?一輝?!』
    『ただ今電話に出る事が出来ません。しばらく‥』
    まだ一緒にいるんだ‥。

    2005-08-17 11:45:00
  • 29:

    私は 携帯を静かに閉じた 
    『切れたんですか?』
    『保留だった‥ハハハ‥』 
    留守電でも、伝言メモでもなく保留・・・。
    携帯を開いて 確認してからボタンを押したって事‥ そんなにミカが必要‥?

    2005-08-17 11:46:00
  • 30:

    ミカが必要なの?
    それとも必要なのはミカの持ってる財布?!
    もぅ‥分からない。
    『ミカってさっ‥どれくらい来てるん?どれくらい使ってるん?』
    『美香ちゃんは殆ど毎日来てますよ。どれくらいかは分からないけど‥あの人のお陰で一輝さんはナンバー保ててますね。。』

    2005-08-17 11:47:00
  • 31:

    『そっか‥』
    『瞳さん、今、何考えてます!?』
    『何も考えてないよ‥』
    『なら、いいんですけど・・・。変な事考えないで下さいねっ。』
    春・・ごめんね。嘘ついちゃった‥。

    2005-08-17 11:48:00
  • 32:

    本当はね ミカが使ってる金額を使えば 一輝がミカと切ってくれるかな‥
    って思ったんだ。
    お金で愛なんて買えないのにね・・・。
    でも、ここでは 買えるよね‥。
    【擬似恋愛】という名の 時間制の愛が・・・。

    2005-08-17 11:49:00
  • 33:

    『私の口座って誰?』
    『何でそんな事聞くんですかっ?!』
    『誰・・?!』
    『一応、一輝さんですよ』

    2005-08-17 11:50:00
  • 34:

    毎日、毎日 ここに通って金を落とせば 私は愛情を貰えるのかな‥。
    作り物の金で買った愛情でも いい。。
    愛して欲しいだけ。。
    『春。。私、帰るわ‥』

    2005-08-17 11:51:00
  • 35:

    『チェックして‥』  
    カバンにタバコと携帯を入れて 財布をだした。
    『えっ?一輝さん‥』
    『多分、戻ってこないから帰る。』
    『いいんですか?!』

    2005-08-17 11:52:00
  • 36:

    『何が?』
    『だから‥一輝さん待たなくて‥。』
    『いいって!!早くチェックしてきて!』
    少し 冷たく言うと春は急いで伝票を取りに行った。
    待つのは嫌‥

    2005-08-17 11:53:00
  • 37:

    きっと一輝は帰ってこない 
    『すいません。ご馳走様でした。』
    春が頭を下げ 伝票を私に向けて差し出す。
    値段を見るとセット料金蚤の料金だけだった。
    『間違ってる‥』

    2005-08-17 11:54:00
  • 38:

    私は伝票を春に渡した。
    と言うより押しつけた‥  
    『今日はこれで‥』
    私は財布から三万を出し、テーブルに投げ付けた。
    『同情なんていらない‥』

    2005-08-17 11:55:00
  • 39:

    急いでカバンを持ち 私は一人 出口に向かう。
    本当は春が私に同情してるなんて思ってない‥
    でも春の優しさは痛い。
    私にはない 似合わない 真直ぐな愛情‥
    春が私に優しく接すれば接するほど 私は惨めに なる・・・。

    2005-08-17 11:56:00
  • 40:

    スタスタと歩き ドアを開ける。
    急いでエレベーターのボタンを押す。
    さっきのは ただの八つ当り・・・。
    最低━・・・
    やっと来たエレベーターに一人足早に乗り込む。

    2005-08-17 11:57:00
  • 41:

    急いで押した【閉】
    何度も何度も押した。
    あっという間にエレベーターは、一階につき ゆっくりドアが開く。
    チン━・・・下を向いていた私が顔を上げると肩を大きく揺らしながら息をあげた 春がいた  
    『又、泣いてたん?』

    2005-08-17 11:58:00
  • 42:

    その言葉に私の身体が反応するのに時間はかからなかった。
    私の目には みるみる内に涙が溢れてきた。
    『泣いてない‥』
    『泣いてたやろ!!何で一人で泣くねん!俺がおるやんかっ!!』
    いつも敬語の春が初めて私に使った言葉。。

    2005-08-17 11:59:00
  • 43:

    『本間に泣いてないから』 
    私は春を避けてエレベーターから降りようとした。
    これ以上はやばい‥少しずつだけど確実に私の心に入ってきている春。
    『行かせない!!』
    私の肩を両手で持ち エレベーターに押し戻す春。

    2005-08-17 12:00:00
  • 44:

    『瞳‥?!』
    下を向いていた私に春が 囁く。。
    一瞬 ほんの一瞬‥一輝かと思った。。
    私は一輝が好きなんだよ‥ 
    でも、春を拒めない私に、一輝を責める権利なんてないね。。

    2005-08-17 12:00:00
  • 45:

    私はゆっくり顔をあげる‥
    『もう頑張らなくていいよ‥いっぱい頑張ったやん!!もぅ泣かなくていいから。俺が守るから‥』
    私は 誰かに言って欲しかった。
    頑張ったね‥って・・・
    春は私が欲しい言葉を全て言葉にして表現してくれた

    2005-08-17 12:02:00
  • 46:

    『うん‥うん‥』
    ボタボタ流れる涙。
    拭っても 拭っても 溢れてくる涙。
    『何で‥私一輝の一番になれないのかな‥何でミカなんかな‥もっと・・もっと頑張らないと、ダメかな…』
    私は春の身体に寄り掛かるように泣きながら春に言う

    2005-08-17 12:03:00
  • 47:

    人を 本気で好きになったりしない‥。
     
    ホストに本気にならない‥ 
    自分で決めていた約束。

    2005-08-17 12:04:00
  • 48:

    強い女を演じ、
    かっこいい女のフリする。 
    でも これは自分を守る為 
    傷つきたくない私がする 精一杯の 自己防衛‥

    2005-08-17 12:05:00
  • 49:

    かっこいいね‥強いね‥。
    と言われ続けた私。。
    でも もう無理‥
    演じる事も忘れ、私は春に寄り掛かり 涙を流し続けた。
    大好きな彼氏では なく‥私を大切にしてくれている人の胸で・・・

    2005-08-17 12:06:00
  • 50:

    豊かな生活でもない‥
    『愛してる』という言葉と私が辛い時、泣きたい時に気付いてくれる優しさと‥抱き締めてくれる貴方の両手。
    ただ それだけ。。
    だから春は満点なんだよ‥ 
    あなたが居なければ‥。

    2005-08-17 12:08:00
  • 51:

    『家まで送ろうか?』
    首を横に振る‥
    『大丈夫。春‥ごめんね。仕事戻って?』
    それは私の言い訳。。春の仕事のせいにしたけど本当は私が恐いから‥
    一輝を裏切ってしまいそうで恐いから。

    2005-08-17 12:09:00
  • 52:

    それ程までに春の存在は変わってしまったから。
    可愛い子‥
    ただ それだけの存在から今は もう・・・

    『帰るね・・又連絡するから‥ありがと』

    2005-08-17 12:09:00
  • 53:

    タクシーに乗り ドアを閉める。
    窓をあけて 春にもぅ一度お礼を告げ行き先を告げた  
    コンコン―

    2005-08-17 12:10:00
  • 54:

    窓を叩く春。
    口が動いている‥
    私は必死に口の動きを読み取ろうとする。
     
    『あ・い・し・て・る・』愛してる━・・・

    2005-08-17 12:11:00
  • 55:

    もぅ そんな事言わないで・・・泣かせるような事しないで‥。
    『出して下さい』
    運転手に告げ 私は下を向いていた。
    なんて言えばいいか分からない。。
    私は 一輝が好きな筈‥

    2005-08-17 12:12:00
  • 56:

    家につくまでのタクシーの中・・・
    私は声をあげて泣いた。
    何か 悲しいのか‥苦しいのか‥
    それすら 分からない。
    自分の 中途半端な気持ちと‥自分に対しての怒り‥

    2005-08-17 12:13:00
  • 57:

    もぅ どうしたらいいか分からない。
    家につくと エレベーターの中で携帯を取出し 中央のボタンを二度押す。
    【留守番電話サービスセンターに・・・】

    さっきまで かかっていた電話は見事に電源が切られていた。

    2005-08-17 12:14:00
  • 58:

    『一輝っっ‥』
    また涙が出てくる。。
    いつから こんなに 泣くようになったのだろう‥
    私は今日一日でかなりの涙を流した。。
    強い女という私が築き上げてきた壁にヒビが入って行くのは私でも理解出来た。

    2005-08-17 12:15:00
  • 59:

    玄関の前でしゃがみ 涙が止まるのを待った。
    もし 唯が起きていたら‥ こんな顔は見せれない。
    涙が完全に引いたのを確認して 私は鍵を開けた。
    ガチャ━・・
    『ただいまっ‥』

    2005-08-17 12:16:00
  • 60:

    靴を脱ぎ ゆっくりリビングにむかう‥。
    静まり返った部屋・・・
    良かった‥。
    唯が居なくて。。
    カバンをソファーに投げ ゆっくり腰を下ろした。

    2005-08-17 12:17:00
  • 61:

    『チーママ?!』
    急いで振り返ると眠そうに目を擦りながら立つ唯がいた。
    『ごめん。起こした?』
    『いぇ・・大丈夫ですか・・・!?』
    唯が何に対して【大丈夫】と聞いたのかは分からないけれど 何故か私の弱い部分がばれたようで すごく嫌だった。

    2005-08-17 12:18:00
  • 62:

    『何が?!私は大丈夫だよ。唯ちゃんも早く寝た方がいいよ‥おやすみ。』
    バタン━・・
    急いで寝室に向かった。
    見られたくない‥。気付かれたくない‥。
    せめて 唯の前だけでも かっこいい女、強い女で いたい・・・

    2005-08-17 12:19:00
  • 63:

    ベットに横たわると また自然に涙が出てきた。
     
    何となく行ったホスト。
    初めて入った店で
    【一輝】と書かれた名刺を受け取り、自分の名刺を渡した。。

    2005-08-17 12:19:00
  • 64:

    あの頃の私はチーママという役職についたばかりで、頭の中は仕事一色だった。 
    日曜日に家で一人でいると鳴った携帯‥
    相手は名刺交換したホスト

    2005-08-17 12:20:00
  • 65:

    約束もなく、何となく暇だったし一人で食べるご飯は美味しくないから一緒に食事に行った。
    付き合い程度に飲んでいたお酒も いつしか すすみ気付けば ホテルのベットの上・・・
    身体を重ね 何度も快楽を得た。。
    でも そこに【愛情】は
    成立していなかった。。

    2005-08-17 12:21:00
  • 66:

    金に餓えた男・・・
    愛情に飢えた女・・・
    目的は違っても
    【需要と供給】は成立したのかも知れない‥。

    2005-08-17 12:22:00
  • 67:

    それから何度か身体を重ね、【彼女】という肩書きを貰い 生活を共にするようになった。
    でも やっぱり愛は
    無かった・・・
    クールな一輝に‥
    大人びた一輝に‥

    2005-08-17 12:24:00
  • 68:

    負けたくなくていっぱい背伸びしてた・・・。
    それは彼女としてじゃない。。
    一人の女としてでもない‥
    同業者の一人として。
    女が私以外に何人もいるのは知ってたし それを責める程 私は貴方に情も、愛情もなかったから‥。

    2005-08-17 12:24:00
  • 69:

    干渉しない女が欲しかった一輝‥。
    一人になりたくなかった私・・・。
    歩み寄らない私達が うまく行くはずなんて勿論 なく、お互い好き放題な私達 
    でも 一輝の女の一人がミカだと知った時・・・
    初めて私の中で【嫉妬】という感情が生まれた。

    2005-08-17 12:25:00
  • 70:

    何で・・・
    どうして 寄りによってミカなの‥
    こんなに沢山の人がいて、こんなに沢山の店があるのに・・・
    何でミカなの‥
    初めて 貴方に自分から別れを告げて 本音を言ったあの日。。

    2005-08-17 12:26:00
  • 71:

    詰られる覚悟で 告げた 私の 一輝への気持ち‥
    それを貴方は全部受けとめてくれた‥。
    そこから私の気持ちは一気に大きくなったんだよ。
    指輪を貰った時、私はみんなに言いたかったんだよ‥
    それくらい嬉しかった。

    2005-08-17 12:27:00
  • 72:

    でもやっぱり貴方はホストで‥
    いっぱい我慢した…。
    一緒に買い物に行く事‥
    友達を家に呼ぶこと‥
    手を繋いで外を歩く事‥

    2005-08-17 12:28:00
  • 73:

    そして何より・・・
    【営業】と称した浮気。。 
    他の女を抱いた手で私を抱く貴方‥
    他の女が触れた唇で私に口付けする貴方…
    ミカにも同じようにしたの・・・?!

    2005-08-17 12:29:00
  • 74:

    ミカも私と同じように 抱いたの・・・!?
    知らない子なら‥
    知らない子なら まだ‥
    まだ・・・許してあげる‥ 
    でも ミカは嫌。。

    2005-08-17 12:30:00
  • 75:

    お願い・・・
    私だけを見て。。
    私だけを【特別】にして… 
    わがままなんて言わない。 
    豊かな生活も望まない‥

    2005-08-17 12:31:00
  • 76:

    貴方中心の生活でも構わない‥
    全身全霊で貴方を愛するから・・・
    肩書きじゃなく
    貴方の心の中で一番になりたいの‥。

    2005-08-17 12:32:00
  • 77:

    ミカを殴った私を どんな風に見てた‥!?
    ミカに殴られた私を どんな風に感じた?!
    私もミカも ただ一輝が好きなだけ‥
    でも私達はもう元には戻れない・・・

    2005-08-17 12:32:00
  • 78:

    ♪♪♪〜
    カバッ━・・
    一輝との事を考えているといつしか眠っていた私‥
    慌てて携帯を探す。。
    枕の下にテーブルの上‥ ない・・・ない‥

    2005-08-17 12:33:00
  • 79:

    『あっ・た…』
    私の携帯の充電の消耗はかなり早い。
    だから背面ディスプレイはつけてない。。

    急いで携帯を開く。

    2005-08-17 12:34:00
  • 80:

    着信【春】
    ごめんね・・・
    今‥貴方の声を聞いたら
    私は その優しさに溺れてしまうから。
    閉じた携帯━・・

    2005-08-17 12:35:00
  • 81:

    その日 一輝が帰ってくる事はなかった・・・
     
    分かっていた事‥
     
    初めて 丸一日 帰ってこなかった‥

    2005-08-17 12:36:00
  • 82:

    『おはよう‥』
    いつも通り店のドアを開けると 皆の視線が一気に集中した。
    睨みたいなら睨めばいい‥ 
    文句言いたいなら言えばいい‥
    私は何も間違った事なんてしてない‥。

    2005-08-17 12:39:00
  • 83:

    『チーママ‥ちょっと‥』 
    普段あまり早い時間に顔を出さないママが私を呼ぶ‥ 
    向かい合わせに席につく。 
    ママは期待を裏切らない言葉を私にくれた。
    『瞳がミカの男とったって本当なの?みんな、チーママの席に着きたくないって言うてきたけど‥瞳の考えは?!』

    2005-08-17 12:47:00
  • 84:

    やっぱり・・・
    『プライベートと仕事は別じゃないんですか?!私の所が嫌ならヘルプはいらないです。一人で十分ですから‥。』
    それだけ 言うと私は席をたった。
    腹が立つのは 私の言い分も聞かず 決め付けられた事‥

    2005-08-17 12:49:00
  • 85:

    ムカツク━━・・
    やりにくい職場も‥帰ってこない一輝も‥
    ムカツク。。
    『チーママ、和田さんがお呼びです‥』
    奥で一人タバコを吸う私をボーイが呼びに来る‥

    2005-08-17 12:51:00
  • 86:

    『分かった』
    長いタバコを灰皿に押しつけ 深呼吸を一度した。
    負けない・・・!!

    『失礼します‥』

    2005-08-17 12:53:00
  • 87:

    『瞳‥今日も可愛いなぁ・・・いっぱい彼氏とHしたんかぁ?!ハハハ‥』
    『何、言うてるんですかぁ‥そんな人がいたら私ここにいませんよ・・』
    この人はいつも こんな感じ。。
    和田さんは35歳。

    2005-08-17 12:55:00
  • 88:

    でも飲み方も綺麗し ゲストとしてはかなり好きな人 
    プレゼントは勿論‥
    店にも 二日に一回は来てくれる。
    お金もかなり使ってくれる 
    でも一つ問題がある・・

    2005-08-17 12:57:00
  • 89:

    『瞳!!今日終わったら飯いこかぁ!』
    『いいですねぇ‥私もご一緒していいですか?』
    和田さんの隣に腰を下ろすママ‥
    『ママ、他の席ついといていいから‥』
    和田さんが煙たいママを 他の席に移動させようとしたが それは無理な話…

    2005-08-17 12:58:00
  • 90:

    理由は一つ・・・
     
    ママが和田さんを好きだから━━・・・
     
    これが私の問題点‥

    2005-08-17 12:59:00
  • 91:

    私が和田さんと同伴をすれば…『何を食べて来たの?』
    私が和田さんとアフターを入れると‥『どこに行くの?』
    私が和田さんにプレゼントを頂けば‥『何を貰ったの?』
    いつも客には無関心なこの人も‥
    好きな人の事は知りたいらしい・・・

    2005-08-17 13:02:00
  • 92:

    『じゃ、またにしよかぁ‥瞳、明日でも連絡するわ。チェックして‥』
    『まだ、いいじゃないですかぁ‥』
    そんなママの言葉を無視して私は伝票を取りに行った 
    和田さんがあんな風に言う時は 帰りたい時・・・

    2005-08-17 13:03:00
  • 93:

    『ご馳走様です』
    今日のお会計は21000円‥ 
    三万を私に渡し、手のひらを私に向ける和田さん。
    『ありがとうございます』 
    お釣りの九千円は私の財布に‥という和田さんからの合図・・・

    2005-08-17 13:04:00
  • 94:

    『瞳これ‥』
    渡された 黒い箱‥
    白いリボン‥
    『貰っていいんですかぁ?!ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいぃ!』

    2005-08-17 13:06:00
  • 95:

    満面の笑みを和田さんに向ける。
    それで和田さんは満足する 
    ビルの下で二度ハグをして見送る‥
    『ありがとうございました!又連絡下さいね』

    2005-08-17 13:07:00
  • 96:

    車が見えなくなるまで頭を下げ エレベーターに乗る 
    その日は 私の席に誰もヘルプにつかなかった‥
    そして私も女の子の席にはほんの 挨拶程度で 座る事はなかった‥
    『今日は何貰ったの?』
    店が閉店と同時にママが私にわざわざ聞きにくる‥

    2005-08-17 13:08:00
  • 97:

    『開けてはないですけど‥多分シャネルのピアスですね・・・』
    客から貰った物までも いちいち聞いてくるなんて
    相当 和田さんを意識している証拠・・。
    『ミーティングするから集まって!!』
    私は女の子に向け 少し大きな声で言った。

    2005-08-17 13:09:00
  • 98:

    『今日さぁ・・』
    『彼氏がさぁ‥』
    私の声なんて全く聞こえてない素振りで 女の子同士が話している。
    ふと、ママに目をやると
    知らないフリ‥

    2005-08-17 13:10:00
  • 99:

    『私に何か言いたい事ある人は直接言ってきて!お疲れさま‥』
    カバンを持ち ドアを思い切り閉めた。

    『チーママ?!』
    追い掛けてきたのはボーイ

    2005-08-17 13:12:00
  • 100:

    『何?!』
    『・・・・送り‥』
    少し怯え気味でボーイがぼそっと呟く。

    『今日はいらない。お疲れ…』

    2005-08-17 13:13:00
  • 101:

    夜の街を一人歩く‥
    キャッチにスカウトマン‥水商売の女の子に 客らしき人・・。
    行く当てもなく ただ一人歩いた。
     
    『瞳・・・!?』

    2005-08-17 13:14:00
  • 102:

    振り返らない・・・
    スタスタ歩く私。

    『瞳!!待って‥!』
    待たない‥

    2005-08-17 13:15:00
  • 103:

    どうして貴方はいつも私を見つけてくれるの‥?!
    こんなに沢山の人がいるのに・・・
    今まで偶然なんてなかったのに‥
    私がピンチの時に来てくれるのは いつも 大好きな人ではなく 貴方だね。。
    『ちょっと‥瞳ちゃん!どしたん?』

    2005-08-17 13:16:00
  • 104:

    腕をつかまれて 足を止められる。
    目に溜まる涙を必死に止めようとする‥
    『どこ行きよん?』
    『・・・別に‥』
    『何かあった?昨日電話したんやけど‥』

    2005-08-17 13:17:00
  • 105:

    知ってるよ‥。
    春が私を心配してくれて、電話をくれた事‥。
    でも今までみたいに
    【可愛い存在】の春じゃなくなってる事は 私が一番よく分かってるから‥
    今 私が春の気持ちに答えることは自分自身に負けたことになるから‥。

    2005-08-17 13:18:00
  • 106:

    『ごめん。寝てた‥』
    『そっか‥。ならいいけど・・・』
    『じゃ。又連絡するから』 
    冷たい言葉を残し 私は一人勝手に歩きだした。
    もう目に溢れる涙が限界だったから・・・ごめんね‥

    2005-08-17 13:19:00
  • 107:

    ごめんなさい‥。
    『うっ・・・一輝‥ぃ‥』 
    たった一日会ってないだけなのに‥
    一輝に会いたいよ・・・
    一輝に触りたいよぉ‥

    2005-08-17 13:21:00
  • 108:

    ねぇ 一輝・・・
    今もまだ美香といるの‥? 
    私‥
    泣いてるんだよ‥辛いんだよ・・・
    我慢してるんだよ‥

    2005-08-17 13:24:00
  • 109:

    早く私を抱き締めに来てよ‥。
    この声は あなたには 届かないのかな・・・
    周りを歩く人が ぼやけて見える。
    周りの人が不思議そうに
    私を見る・・・

    2005-08-17 13:24:00
  • 110:

    立っていられなくなって‥ 
    涙がとまらなくなって‥
    『か・・ずきっ‥』
    助けに来てよ‥
    『瞳、歩ける‥!?』

    2005-08-17 13:25:00
  • 111:

    道端に しゃがみこんだ 私の前に しゃがむ黒いスーツ姿の男。
    やっぱり私を見つけてくれるのは・・・
    助けてくれるのは・・・
    一輝じゃなかった。
    『・・歩けない…』

    2005-08-17 13:26:00
  • 112:

    『分かった!』
    そう言うと春は私の手を春の首の後ろに回した。
    私のカバンを手首にかけ 私の足を抱え 軽がると持ち上げた。
    『冗談!!歩けるから!』
    周りのみんなの視線が私たちに集中する‥

    2005-08-17 13:27:00
  • 113:

    沢山の人が行き交う中‥
    黒いスーツの男に抱き抱えられた私は 周りから見ればきっと・・・
    【ホストにはまった、馬鹿な女】に見えたに違いない 
    『春っ!!本間に歩けるから‥大丈夫。ごめんね!』
    『全然大丈夫ちゃうやん!道で座り込んで‥一人泣いて‥どこが大丈夫?』

    2005-08-17 13:28:00
  • 114:

    そんな優しくしないで‥
    困らせないで‥
    貴方を選べば私は‥
    世界で一番幸せになれるのにね・・・
    でも 私は 春に愛して貰えるほど 綺麗でも‥いい女でも ないから‥。

    2005-08-17 13:29:00
  • 115:

    『瞳?!』
    真っすぐな春の瞳‥
    春を拒む理由なんて 普通なら一つもない。。
    でも 私は普通じゃないから‥。
    一輝といれる事しか頭にないから‥。

    2005-08-17 13:31:00
  • 116:

    『何?!』
    なるべく春の目を見ないように下を向いてた‥
    『家、帰るの?』
     
    一輝のいない家‥

    2005-08-17 13:32:00
  • 117:

    一輝の帰りをひたすら待つ家・・・
     
    時間が過ぎるのがやたら遅くて‥
    時計の秒針がやたら大きくて‥
    何度も携帯に目をやる‥。

    2005-08-17 13:33:00
  • 118:

    そんな家には・・・
    カエリタクない・・。
    『帰らない‥。』
    『じゃ‥俺とどっか行く?』
    優しい 春‥。

    2005-08-17 13:34:00
  • 119:

    私・・・この優しい春の手を取っていいのかな‥
    仕事より私を優先してくれる優しい手を‥
    『行きたい所があるの‥』 
    私は ずっと私を抱えてくれていた春から するりと降りて 春の腕に自分の手を絡めた。

    2005-08-17 13:34:00
  • 120:

    『じゃイコ!!お姫さま!』 
    春が私の荷物に手をかける 
    『ありがと‥』
    私のバックは春の手に・・ 
    これで どこから見ても【ホストと馬鹿な客】の出来上がり・・・

    2005-08-17 13:35:00
  • 121:

    腕を絡め 楽しそうに歩いていく‥
    『こっち‥』
    『あっち‥』
    春を引っ張って 目的地まで急ぐ・・・

    2005-08-17 13:37:00
  • 122:

    春‥ごめんね。
    私はまだ‥一輝を完璧に裏切ることも‥
    春を完璧に愛する事も‥
    無理みたい・・・
    『ここっ?!』

    2005-08-17 13:38:00
  • 123:

    驚きながら春が私を覗き込むように見て 確認する。 
    『ここっ!!イコっ!今日はお願い聞いてくれるんでしょ?!』
    ビルに入りエレベーターに乗り込む。
    少し不機嫌そうな春‥

    2005-08-17 13:40:00
  • 124:

    『ごめんね‥』
    聞こえるか、聞こえないかぐらいの小さな声で ぼそっと呟いた。
    フロアーにつき エレベーターが開く。
    スッと差し出した自分の手 
    迷う事無く握ってくれた

    2005-08-17 13:41:00
  • 125:

    春の暖かい手・・。

    本当は恐かった‥
    この扉を開けて
    二人の姿が目に入る事が‥

    2005-08-17 13:43:00
  • 126:

    春が扉に手をかけた瞬間━ 
    春の手を握る 私の手に
    力が入ったのは自分でも分かった‥
    あの時みたい‥
    ミカに呼び出されて 一輝の店に来た時みたい。。

    2005-08-17 13:44:00
  • 127:

    足がすくんで‥動かなくて息が上手く出来なくて、手が震えていた あの時━
    あの時も助けてくれたのは ――春だった―――
    【いらっしゃいませっ!!】
    春に手を引かれ 店の中に入る。。
    目が 勝手に二人を探す‥

    2005-08-17 13:45:00
  • 128:

    ━━━━いない‥━━━
    少しの安心‥沢山の不安と嫉妬‥。
    店にはまだ そんなに多くのゲストはいなかった。
    『初めまして‥失礼します。。』
    知らないホストが私の席につく‥

    2005-08-17 13:46:00
  • 129:

    『えっ‥?!瞳さんですよねっ?』
    『・・・・えっ?』
    『あの‥この前五人で来てはった時に・・』
    ぁあ‥
    ミカとあきと皆で来たときについてた名前も知らない子ね・・・。

    2005-08-17 13:47:00
  • 130:

    『何で‥何で春斗なんですか??』
    確かに私の口座は一輝‥
    春と来たら不思議に思うだろう‥。
    ましてや同伴・・・
    『内緒!!』

    2005-08-17 13:48:00
  • 131:

    『ドンペリ持ってきて!』 
    名も知らないホストに言う‥。
    『えっ‥?いきなりすっか??』
    『早く!!』
    あおるように席を立たせる

    2005-08-17 13:49:00
  • 132:

    『瞳ちゃん何飲む?』
    何食わぬ顔で春が聞きにくる‥
    『ドンペリ言うたから‥』
    『えっ?!』
    普段から大きな春の目が 更に大きくなった。。

    2005-08-17 13:51:00
  • 133:

    『失礼します‥』
    スーツを着た男がシャンパングラス片手に席につく。 
    『ちょ、、瞳ちゃん‥』
    『もーいいやん。瞳が飲みたいねんもん。』

    2005-08-17 13:52:00
  • 134:

    『でも・・・』
    戸惑う春を無視してスーツの男は コルクを抜き 私のグラスに液体を注ぎ込む 
    『割り箸くれる?』
    私が告げると急いで 走り割り箸片手に戻ってくる。

    2005-08-17 13:54:00
  • 135:

    『春?!ドンペリは気にいらない?』
    立ち尽くす春に私は上目遣いで言う‥
    『いゃっ‥そんな訳じゃ・・・』
    『なら座って‥?!』
    私は自分の隣を手のひらでポンポンと叩く。

    2005-08-17 13:55:00
  • 136:

    ドンペリなんて本当は好きじゃない。。
    炭酸はキツイし‥美味しくないし。。
     
    ニコニコ笑顔なスーツ男。それと 正反対な春の顔‥

    2005-08-17 13:56:00
  • 137:

    三人が四人に‥
    四人が五人に・・・
    私の周りにはいつのまにか名前も知らないスーツの男が沢山いた。
    『そろそろ帰ろうかな‥』

    2005-08-17 13:57:00
  • 138:

    私が一声上げればスーツの男達は必死で私を口説く。 
    ただ一人私を帰そうとした男がいた。
    『もぉ十分やろ?!』
    不機嫌そうに春が私を覗き込む。。
    『お金はいいから帰ろう‥なっ?!』

    2005-08-17 13:58:00
  • 139:

    真っすぐ 私を見つめる春の目・・・
     
    『嫌っ!!まだ飲む!』
    小さな子供のように駄々をこねる。
    素直になれない私‥

    2005-08-17 13:59:00
  • 140:

    ごめんね・・・春。。
    私はやっぱり一輝を裏切れない。。
    どれ程 ムカツイても、悔しくても、泣く事ばかりでも やっぱり愛する人は ただ一人‥

    2005-08-17 14:01:00
  • 141:

    結局 私はラストまでの時間【ホストにはまる馬鹿な女】を演じ続けた。
    ここでは私は【お姫様】
    スーツの男達は【奴隷】
    私が一声放てば 気にいられようと必死で偽りの台詞を吐く奴隷達。

    2005-08-17 14:01:00
  • 142:

    大体の想像はつく。。
    現金ではなくカードに手をやる自分が急に虚しくなった。
    馬鹿みたい・・・

    2005-08-17 14:03:00
  • 143:

    申し訳なさそうに 春が伝票を持ってくる。
    一瞬だけ目を通してカードを渡す。
    『瞳さん、又俺と会ってくださいね』

    2005-08-17 14:04:00
  • 144:

    口々に似たような台詞を言う。
    私は作り物の笑顔で答える 
    私はあれから笑わなくなった‥
    というより笑い方を忘れてしまった。

    2005-08-17 14:05:00
  • 145:

    春が急いでこちらに戻ってきて私のカバンを持ち上げる。
    『ありがとう』
    春の腕に手を回してエレベーターに向かう。
    『瞳?!』

    2005-08-17 14:06:00
  • 146:

    何故かなんて分からない。店を出た途端 私の中で張り詰めていた何かが糸のように切れた‥
    流れるというより 落ちる涙・・・
    フロアーにポタポタと丸い円を作る。。

    2005-08-17 14:07:00
  • 147:

    『どないしたん?!』
    甘く囁きながら 私の肩を抱く春の胸に私は顔を埋め声を上げて泣いた。
    優しい春が側にいても考えてる事は一つ・・・
    店の扉が開くたび私は何度も目をやった。

    2005-08-17 14:08:00
  • 148:

    いくら お酒を飲んでも扉が開くたびに視線が動く。ゲームをしている最中も‥話をしている最中でも、
    明るくはない店内では 扉が開くたび 踊り場の光が差し込む。
    その度に私の視線は毎回 動く。。

    2005-08-17 14:08:00
  • 149:

    でも何度扉が開いても そこに最愛の人の姿はなかった。
    仕事優先の彼‥
    いつだって私は一番にはなれなかった。
    でも その彼が店を休んでまでしている事・・・

    2005-08-17 14:09:00
  • 150:

    『瞳ちゃん‥?』
    私の頭を子供をあやすように ゆっくり撫でる春‥
     
    『ごめん・・・』
    少し落ち着き下を向いたまま 少し頭を下げた。

    2005-08-17 14:10:00
  • 151:

    チュッ━・・・
    おでこに触れた唇‥
    迷う事無く上を向いた。
    一輝・・・ごめんね。

    2005-08-17 14:11:00
  • 152:

    何度も何度も春の唇が私の唇に触れ、温もりはそのまま私に伝わる。
    『・・・春斗っ‥』
    私の目を真っすぐ、でも優しく見つめる春‥

    2005-08-17 14:12:00
  • 153:

    『一緒にいて‥』
    我儘だって分かってる。
    無理だって頭では理解してる。
    でも それでも今の支えはそれしかなかった。
    私を一人にしないで・・・

    2005-08-17 14:14:00
  • 154:

    『本気?』
    少し驚きながらも 私をじっと見つめながら聞く。
    小さく頷いた私‥
    『分かった。行こ!』
    私の手を引きエレベーターに乗り込み ビルの外に出て手を挙げる春。

    2005-08-17 14:15:00
  • 155:

    一台の車が私たちの前に止まる。
    『瞳、乗って!!えーっと』行き先を説明する春。
    『急いで帰るから部屋で待ってて‥部屋は101やから。後これ・・・』

    2005-08-17 14:16:00
  • 156:

    手のひらに置かれたのは 千円札と家の鍵。
    『ごめんな。すぐ帰るから‥運転手さん、お願いしますね!』
    ドアが閉まると同時に春は走って店に戻って行った。『優しい彼氏さんですね・・・』
    気の良さそうな運転手の言葉も私の耳には殆ど届いてなかった。

    2005-08-17 14:17:00
  • 157:

    『つきましたよ。』
    車から降りてトボトボ部屋に向かう。
    ガチャ━・・
    渡された鍵を刺し右に回す
    この部屋に入れば私は一輝を裏切る事になる。。

    2005-08-17 14:18:00
  • 158:

    ドアノブに手をかけたまま頭の中を色んな事が回り巡る。
     
    今ならまだ戻れる‥
     
    私がこの部屋に入れば 一輝はきっと私を許しはしないだろう。

    2005-08-17 14:20:00
  • 159:

    コピペ休憩

    2005-08-17 14:22:00
  • 160:

    私を裏切った一輝‥
     
    それでも 愛情は薄れる事なく更に増しているような気がする。。
     
    会いたい・・・

    2005-08-17 17:55:00
  • 161:

    これは賭け・・・。
     
    恋愛なんて所詮ゲーム。
    私は誰かの次なんて嫌。 みかと私を天秤にかけた 一輝‥。
    最後のステージは あなたに宝箱を引かせてあげる。

    2005-08-17 17:56:00
  • 162:

    携帯を二度押す━・・・ 今でも消される事無く印されるマークは私の気持ちそのもの。。。
    それでも‥もぅこのゲームは長くやりすぎた。

    2005-08-17 17:57:00
  • 163:

    プルルルル‥プルルルル‥プルッ・・『ただ今、電話に出る事が出来ま‥』
     
    ━GAME OVER━
    『ハハハ‥』

    2005-08-17 17:58:00
  • 164:

    膝から落ち 泣き崩れた。分かっていたけど解っていなかった。。
    本当は自信があった。
    その自信だけを盾に私は戦ってきた‥。
    淋しいと口に出す事も‥ 不安を伝える事もせずに‥

    2005-08-17 17:59:00
  • 165:

    『ハハハ・・・何やってんだろ。。ハハ‥』
    言葉とは裏腹に 涙は次から次に溢れてくる。 『ハハ‥かず・・きぃ‥』何度も何度も携帯を握り締めた。
    カチカチとボタン押せば 満面の笑みの写真。。。

    2005-08-17 18:00:00
  • 166:

    その笑顔を独り占めしたくて、愛情を独り占めしたくて、私は一輝の彼女【瞳】という彼好みの【彼女】を作り上げていた筈だった。ビジネスと称した浮気も、お金の為と称したセックスも 全てを許したのは彼を失わない手段。。

    2005-08-17 18:01:00
  • 167:

    一生懸命 偽りの仮面を付け 【女優】になりきっていた‥筈だった。。
    いつだって何でも平気な 【フリ】をしてきた。
    声をあげて笑う事も 泣く事も 怒る事もない私は 彼にとって人形と同じだったのかも知れない。

    2005-08-17 18:02:00
  • 168:

    何がいけなかったのか‥
     みかより私の何が劣っているのだろうか‥
     
    聞きたいけど聞けない。。 
    私だってそんなに強くない・・・

    2005-08-17 18:03:00
  • 169:

    一輝が私をいらないと言えば 私はあっさり身を引く。。
    その気持ちは変わらない。最後くらい 格好良い女でいたいという私のちっぽけなプライド‥
    2番目なんていらない。。

    2005-08-17 18:04:00
  • 170:

    カチカチ━・・・
    メモリNO:1
    ?KAZUKI? ○90335∞∞∞∞∞ 『バイバイ・・・』
     
    ━削除しますか?━

    2005-08-17 18:06:00
  • 171:

    『かずきぃ・・・』
    中々押せないボタンは私の気持ち‥。
    『バイ・・バイ‥』
    液晶には涙が落ち 目から流れる液体を拭うこともせずに ただ中央のボタンを押した。

    2005-08-17 18:07:00
  • 172:

    ━削除しました━
     
     
    さよなら・・・
    初めて愛した人。。。

    2005-08-17 18:08:00
  • 173:

    『瞳?!』
     
    どのくらいの時間そこに いたのだろう‥
    ふと顔を上げるとスーツ姿の男が私の前に立っている 
    『何してるん?何で家の中入ってないん!?ってか何で泣いてるん?!』

    2005-08-17 18:09:00
  • 174:

    夜空は少しずつ明るくなり遠くの方からは鳥のさえずる声‥。
    『取り合えず家入ろっ!!』
    放心状態の私のカバンを持ち上げ私の脇の下に手を入れ彼は軽がると私を持ち上げた。
    バタン━━━・・

    2005-08-17 18:10:00
  • 175:

    部屋は綺麗に片付けられていて 余分な物は無かった。 
    黒で統一された部屋‥
     
    まるで私の心のよう。。

    2005-08-17 18:11:00
  • 176:

    『何かあった?!』
    春はスーツを脱ぎながら私の顔を覗き込む。。
    一生懸命 首を横に振る。 
    『そっか‥ならいいんやけど・・・ぁー疲れたわっ!瞳、風呂入る??』
    私はまたも首を横に振る。

    2005-08-17 18:12:00
  • 177:

    『じゃ俺入ろっ!!』
    腰を上げ 春が私の前を通ろうとした瞬間・・・
    バタっ━・・
    『一輝さんの事?』
    私の体をベッドに優しく寝かせ 目をじっと見つめながら言う。。

    2005-08-17 18:13:00
  • 178:

    優しい春の目が冷たく見えた。。
    みるみる内に目からは 涙が溢れ 声をあげずには居られなかった。

    2005-08-17 18:14:00
  • 179:

    『俺はどないしたらいいん?!』
    ベッドに座りなおし タバコに火をつけて遠くを見つめながら春が吐き捨てるように言った。
    ただただ 涙を流す私‥ もう戻れない幸せな時間‥想いばかりが募り後悔だけが私の心の中に残った。

    2005-08-17 18:15:00
  • 180:

    『ごめん。。』
    この言葉以外に春に対して言える事はなかった。
    優しい春に対して私は甘えてばかり・・・
    一輝と春。。
    本当にどちらも大切で どちらも好き。。

    2005-08-17 18:16:00
  • 181:

    一輝といる時は 春の優しさが嬉しくて‥
    一輝があけた隙間に上手に入ってきた春…
    幸せになれるのは 間違いなく春・・・
    心が揺れていたのは事実━

    2005-08-17 18:17:00
  • 182:

    一輝をいらないと何度も思った。。
    でも・・・会えないと思えば思うほど 会いたくてたまらない、、
    忘れようとすればする程 彼への気持ちは大きくなる。。
    一輝に会いたい‥

    2005-08-17 18:19:00
  • 183:

    『瞳?!帰りたかったら帰り‥』
    床に置いてある私のカバンを私の横に置きながら 春は腰を上げた。
    『俺、風呂入るから。帰るなら帰って‥俺だって男やし瞳に何かしてまうかもしれんし。。俺は瞳の事本気で好きやから・・・』

    2005-08-17 18:20:00
  • 184:

    バタン━・・・
     
    シャワーの音だけが響き渡る部屋で私は一人 左手を見つめながらタバコに火をつけた。
    『愛してる‥』
    『俺の一番は瞳‥』

    2005-08-17 18:21:00
  • 185:

    そう言いながら私の左手の薬指につけてくれた指輪は今でも外される事なく 私の指についたまま‥
     
    思い返すのは辛かった事ではなく ただただ楽しい思い出ばかり。。
    でも もう戻れない・・・

    2005-08-17 18:22:00
  • 186:

    『バイバイ‥一輝。』
     
    コトン・・・
     
    左手から指輪を外し テーブルの上に置いた。

    2005-08-17 18:23:00
  • 187:

    ソファーに座りテレビを付けた。芸能情報に天気予報、普通の日常。。
    頭は何度も二人の姿を想像する。終わったコト‥
    もう 後ろは向かない!! 
    バタン━・・

    2005-08-17 18:24:00
  • 188:

    風呂上がりの春と目が合う 
    『いても‥いい?』
    春の顔色を伺いながら 尋ねた。
    『当たり前やん。瞳も風呂入れば?!』
    笑顔な春の顔はいつもの可愛い春の顔だった。

    2005-08-17 18:25:00
  • 189:

    シャワーを浴び 思いっきり顔を洗った。。
    すべてを洗った。
    心の中も・・・
    『暑いぃ‥』
    ブカブカのTシャツに ダボダボのジャージを着て 頭にバスタオルを巻き 春の隣に座った。

    2005-08-17 18:26:00
  • 190:

    『飲む?!』
    目の前に出されたビール。『ありがとっ!』
    ゴクゴクと喉を鳴らしながら 殆どいっきに飲み干した。

    2005-08-17 18:27:00
  • 191:

    『早っ!!飲み過ぎやろっ!まだ飲む??』
    コクりと頷くと春は重い体を起こし冷蔵庫に行き ありったけのビールを持ってきてくれた。
    よくよく考えれば 男と女。飲まないといられない‥酒の力を借りるように 私は自ら酔うためにビールを飲み続けた。

    2005-08-17 18:28:00
  • 192:

    程よく酔った頃…
    体を起こしベットに横になった。
    『寝る?!』
    『うん‥』
    『じゃ瞳ベットで寝ーなっ!俺ここでいいから。』

    2005-08-17 18:28:00
  • 193:

    『えっ?!そんなん瞳がソファーで寝るから!春ベットで寝て!!』
    『そんな気ぃ使わなくていいから!早く寝なさい。』布団をかけてくれて トントンと母親が赤ちゃんを寝かしつけるように 春は私のお腹辺りをリズムよく叩いてくれた。

    2005-08-17 18:29:00
  • 194:

    ねぇ・・・一輝。。
     
    貴方を最低だと思っていた私だけど、、、
    私も貴方と同じくらい最低な女だね。。。
    やっぱり 私達は【最低な男に最低な女だね】

    2005-08-17 18:30:00
  • 195:

    春と過ごしながら 一輝を思い浮べてる。。
    淋しさを紛らわすために 春と時間を共有してる。。
    春に対して何も感情が無いなら割り切れる。。
    でも 春に対しても気持ちがあるから 余計に質が悪い。。。

    2005-08-17 18:31:00
  • 196:

    『春‥?!寝たぁ!?』
    天井を見つめながら ソファーで眠る春に小さな声で呟くように問い掛けた。
    『起きてるょ、、どしたん?寝れない??』
    体をこちらに向けながら私と目を合わす。。

    2005-08-17 18:32:00
  • 197:

    『寝れない‥。。そっち行ったらダメ??』
    自分が馬鹿な事を言ってるのは十分分かってる‥
    ソファーギリギリまで体を寄せて掛けてあるタオルケットを少し めくり 春が手招きをする。
    小さな子供のように タオルケットに潜り込み 春が置いてくれた腕の上に頭を置く、、

    2005-08-17 18:33:00
  • 198:

    もう片方の手も 私の肩を抱く。。
    心臓の音が聞こえるほど 抱き寄せられ ガラスを扱うように私に触れる 春が愛しくてたまらなかった。心音は私に 安らぎを‥
    私を抱く大きな手は 私に温もりを・・・

    2005-08-17 18:34:00
  • 199:

    十分過ぎる彼からの愛情。でも 心の中 隅々までが満たされる事はない。。
    彼を愛そうとする自分と 彼以外へ向こうとする気持ちの葛藤‥

    こんな中途半端な私が幸せになれるワケなんか ない。。

    2005-08-17 18:35:00
  • 200:

    狭いソファーに二人‥
    お互いの温度を確かめるように抱き合った。。
    でも 体を重ねる事は無かった。
    それは 彼が私を大事にしてくれてる証拠・・・
    でも 大切にされれば される程 自分が ひどく最低な女だと感じれずにはいられなかった。。

    2005-08-17 18:36:00
  • 201:

    『瞳‥?!そろそろ起きてっ。。遅刻するよっ!』
    私の髪の毛を 撫でながら軽く頬っぺたに触れる。
    『んー‥。』
    『もぉー!!瞳ちゃん!』
    ずっと私の首元にあった手を抜き 全身を思い切り こそばして来る。

    2005-08-17 18:37:00
  • 202:

    『キャッ!!』
    一瞬だけ腰に触れた手‥
    『もぉー!!私、こそばがりゃから止めてょぉ‥』
    目をこすりながら 少し口を尖らせながら言った。
    『ごめん、ごめん。』

    2005-08-17 18:38:00
  • 203:

    『ぅーん。。今何時?』
    タオルケットを被り直し もう一度 目を閉じた。。『もう六時やで!』
    『うーん。眠いから‥って6時?!』

    2005-08-17 18:39:00
  • 204:

    『六時って夜の?!』
    慌てて飛び起き携帯を探す、、テーブルのうえにベットの上。。カバンの中身を出して底にある携帯を取り出す。携帯を開いてみても画面は暗いまま‥
    『電源切れてるし‥』

    2005-08-17 18:40:00
  • 205:

    もしかしたら・・・
    一瞬 脳裏を霞めたのは 一輝からの連絡。。
    あるはずが無い事は分かっているのに期待をしてしまう自分がそこにいた。。
    『春ってFOMAだっけ?』 『うん!』
    幸い 同じ充電機を借り 私はすぐに電源を入れた。

    2005-08-17 18:41:00
  • 206:

    画面が光を取り戻し 私のお気に入りの待ち受けが表れると同時にメールのマークと不在着信の文字。。
    少し心を弾ませ 不在のボタンを押す。
    でも そこに番号だけの履歴は無かった、、
    客四人からと残りは全て 唯からの電話。。

    2005-08-17 18:42:00
  • 207:

    メールを開いてみると 客からの食事の誘いと残りは唯。。【連絡下さい】【電話下さい】同じようなメールが何件も‥。
    急いで かけてみる。
    プルルッッ━・・
    『もしもしチーママ?』
    呼び出しと同時に出た唯。『もしもし!?どしたん?』

    2005-08-17 18:43:00
  • 208:

    『いや‥昨日帰ってきてないですよね?今何処ですか?主任と何かあったんですか?!』
    私に話す間を与えてもくれず 一方的に話す唯に私は少し圧倒された。
    『ごめんね。心配した??今は‥はッ』
    春と言いかけて やめた。

    2005-08-17 18:44:00
  • 209:

    『今は友達の所!今からそっち戻るから‥』
    春の所と言わなかったのは自分が最低な事してると自覚しているから。。言わなかったワケではなく 言えなかった。軽蔑される事が恐くて・・・
    『春、帰るね。。』

    2005-08-17 18:44:00
  • 210:

    『えっ?!ご飯でも食べに行こうと思ったのに‥』
    『ごめんね。仕事あるし・・・』
    カバンに荷物を詰めながらあまり春の顔を見ないように話した。
    『じゃ同伴するゎ!!それやったら飯行けるやろ?!』ニコニコしながら話す春‥

    2005-08-17 18:45:00
  • 211:

    『そんなんお金勿体ないからィイゎ…』
    『別にいいやん!瞳の働いてる所や働いてる姿見たいし。。』
    『でも‥』
    『来られて困るような事あるん??』
    困るような事はない・・・でも‥。。

    2005-08-17 18:46:00
  • 212:

    『分かった!じゃ、ちょっと時間遅らして貰うゎ!!』『ありがと!何着ていこかなぁぁ‥』
    クローゼットの服を見ながら呟く春は とても可愛かった。
    ジーパンにチノパン‥Tシャツにジャケット。。
    鏡の前で何度も合わす春。

    2005-08-17 18:47:00
  • 213:

    『んー何か微妙‥』
    『こっちのがィイかなぁ』何度も着替えてはブツブツ言いながら鏡の前で一人 ファッションショーをしている。
    『ごめん。瞳‥いい?』
    『うん!』

    2005-08-17 18:48:00
  • 214:

    何十分ものファッションショーの結果 最終的に 辿り着いたのは【夢を売る仕事】の象徴…
    『今からは春が客やのに、どう見ても私が客やん!!』スーツ姿の男と並んで歩けば私がどれだけ正装しても明らかに私が【客】

    2005-08-17 18:49:00
  • 215:

    『そうかなぁ‥カップルに見えん?!(笑)』
    スーツの襟を立て 髪の毛を手グシでセットしながら鏡越しに私を見ながら言う『見えないよ!!(笑)』
    客にメールの返事を返しながら 答える。
    『じゃ行こうかぁ!』

    2005-08-17 18:50:00
  • 216:

    私のカバンを持ち 部屋の明かりを消す。
    『一回家寄っていい?服着替えたいから』
    タクシーを止めて 自宅へと向かう。
    タクシーの中でも手を繋ぎ周りから見れば 幸せなカップルそのものだろう‥

    2005-08-17 18:51:00
  • 217:

    肩に寄り添い手をキツク握り締める。。
    一輝が帰ってくることはない家・・・
    でも【もしかしたら‥】が頭から離れない。。
    『どうする?上がる??』タクシーで待たせるのも悪いと思い 一応聞いてみる

    2005-08-17 18:52:00
  • 218:

    でも本当は・・・
    『いいん?』
    予想通りの返事。
    『いいよ。。』
    手を繋ぎエレベーターに乗る。ドアを開けると 唯が慌てた様子で仕事の用意をしていた。

    2005-08-17 18:52:00
  • 219:

    『ただいま!!』
    靴を脱ぎ 春を手招きする『あっ!!おかえりなさぃ』私達 二人の姿を見ても 唯は何も反応しなかった。多分 スーツ姿の春を一輝と思ったのだろう‥
    『春、座って待ってて』
    春に告げたと同時に唯が 春の顔を確認して 驚いた様子で私を見た。

    2005-08-17 18:53:00
  • 220:

    『すぐ用意するから、ちょっとだけ待ってて。唯ちゃん‥今日同伴やから少し遅れるって皆に伝えといてくれる?』
    『分かりました。』
    春に関しては何も言わなかった。言っても同じ‥
    ありのままの現状を見て そのまま好きな様に解釈してくれたらぃい。。

    2005-08-17 18:54:00
  • 221:

    急いで着替えて軽く化粧を直す、、
    私がただの女の子【瞳】から【チーママ瞳】に変わる瞬間。
    『お待たせ‥』
    『もーいいん?』
    『うん。行こっか!!』

    2005-08-17 18:55:00
  • 222:

    カバンを持ち玄関で靴を履く。。
    『あっ!!忘れ物‥』
    半分履きかけた靴を脱ぎリビングに戻る春を追い掛け私も靴を脱いだ。
    『えっと‥唯ちゃんやんな?俺覚えてるかな‥』
    唯が小さく頷く、、

    2005-08-17 18:56:00
  • 223:

    『えっと‥唯ちゃんは瞳のこと好き?!』
    突然の質問に唯は少しビックリした様子で私を一瞬 見た。
    『はい。好きですよ。』
    その言葉に素直に喜んでる自分がいた。。
    『俺も瞳のこと好き‥一輝さんと同じ事は出来ないし同じ愛し方も出来ない。でも俺は俺なりに瞳の事考えてるから‥。』

    2005-08-17 18:58:00
  • 224:

    ん・・・何この空気‥
    みんなが目と目を合わす。『えー。。以上‥春斗の今の気持ちでした。。』
    ━━━━・・・
    『ハハハっ‥何それ‥』
    私が笑うとみんな笑いだした。。

    2005-08-17 18:59:00
  • 225:

    『いや‥なんかさっ・・・あれやん!!分かるやんなっ?俺が言いたい事‥!?』
    同意を求めるように春が唯の方を見る。
    さっきまで硬い表情だった唯の顔は崩れ笑顔に満ちていた。。
    『はい。分かりましたっ‥チーママの事、宜しくお願いしますっ!!(笑)』
    ペコリと頭を下げ 私の方を見てニッコリと笑った。

    2005-08-17 18:59:00
  • 226:

    正直 不安だった。。
    一輝の事・・・
    春の事・・・
    【軽い女】と思われる事が嫌で 軽蔑される事が 不安で。。
    でも 春のお陰で その心配は 一気に取りのぞかれた。

    2005-08-17 19:00:00
  • 227:

    『…ありがとっ‥』
    『えっ?何か言うた?』
    『何も言うてないょ!!もぅ早くいかな時間なくなるで!唯ちゃん、後でねっ!!』唯は 満面の笑みで私を送り出してくれた。
    残る問題は二つ・・・

    2005-08-17 19:01:00
  • 228:

    この世で一番愛する人と
    この世で一番憎い人の事。
    何も感じてない訳じゃない。正直 辛かった‥悲しかった‥悔しかった‥
    憎む相手は美香じゃない。私を裏切った一輝・・・ 我儘も言わず ひたすら ィイ人のフリを続けた。

    2005-08-17 19:02:00
  • 229:

    一輝を失わない為に 沢山我慢した。
    この幸せを守る為に 色んな物を犠牲にした。
    それでも 天秤にかけられた時 私は簡単に浮いてしまったんだね。。
    当たり前のように一緒にいれると思っていた貴方が 急に姿を消してから 私は貴方を嫌いになろうとした。

    2005-08-17 19:03:00
  • 230:

    いっぱい いっぱい 嫌いな所を探した。
    ご飯作っても 残すし、服は脱いだら脱ぎっぱなし‥亭主関白で お殿様。。
    浮気はするし 隠そうともしてくれないし最低!!
     
    でも やっぱり嫌いになんてなれない。。

    2005-08-17 19:04:00
  • 231:

    思い出すのはィイ事ばかりで 楽しかった事ばかり。 
    初めて作った料理‥
    一輝の大好きなハンバーグは焦げて真っ黒だった。 でも『おいしい!』って全部食べてくれたよね。
    一緒に出かけた時 服の裾を持って歩く私を見兼ねて手を繋いでくれたよね。
    『愛してる』と言って 私に指輪をくれたよね。

    2005-08-17 19:05:00
  • 232:

    ミカに秘密がばれた時‥
    『店辞めてもいいから』と言って私を守ってくれようとしたよね。
    思い出す事は楽しい事なのに涙が出そうになる‥。
    まだまだ 好き。日に日に強くなる愛情。
    一輝 最後でいいから… 会いたい━・・・

    2005-08-17 19:06:00
  • 233:

    『―‥っ・・瞳?!』
    『えっ?!何?ごめん。。』『この店あんまりやった?!口にあわへん?!』
    春が連れてきてくれたのは少し上等な居酒屋・・・
    『ん?美味しいよ!!』

    2005-08-17 19:13:00
  • 234:

    『無理してない?』
    箸を置き 真剣な目をして春が言う、、
    『してないよ!ちょっとトリップしてた‥(笑)』
    私はいつでも一輝の事が 頭から離れない。
    思い出はすごく鮮明‥ 少し気を抜けば 頭の中は一輝一色に染められてしまうぐらい。

    2005-08-17 19:14:00
  • 235:

    『瞳これも美味しいで!!』春が取り皿に取り分けてくれる。
    『ごめん。気利かなくて‥春は優しいねっ。』
    しみじみと言った…。
    というより しみじみ実感した。

    2005-08-17 19:15:00
  • 236:

    車に乗るときはドアを開けてくれ‥
    道を歩くときは必ず車道側が春。さり気なくエスコートしてくれて自分のカバンすら手にはない。
    食事中も一品来るたび 取り分けてくれて飲み物が 残りわずかになれば 次の飲み物を聞いてくれる。
    すごく大切にされてるのに嬉しいのに‥心地よくは なかった。

    2005-08-17 19:16:00
  • 237:

    『そろそろ行こっかっ!!』小さく頷くと すぐさま私のカバンに手が伸びる。
    『いいよ、、自分で持つから‥』
    カバンを引っ張るようにして春の手から自分の手に奪い返した。
    『何で…?!気使ってるん??まぁィイや!いこ!!』そう言うとすぐに私の手を握り出口へと向かった。
    『ちょっ!!春?お金払ってないし‥』

    2005-08-17 19:18:00
  • 238:

    春の手を振り払って財布を出す。。
    『もぅ払ったよ?!』
    ニコニコしながら春が答える。
    『えっ?!いつ??』
    『瞳がトイレ行ってる時にちゃんと払ったよ!瞳おるのに食い逃げなんかせんって!!(笑)』

    2005-08-17 19:19:00
  • 239:

    グイグイ私の腕を引っ張る彼を【紳士】だと思った事は間違いない。。
    『春、ご馳走様‥』
    『いえいえ。ごめんなっ!しょうもない店で‥』
    私は首を横に思い切り振った。

    2005-08-17 19:21:00
  • 240:

    『瞳の店ってどんなんやろ…。』
    『何か緊張してきてんけど‥。。』
    店へ向かうタクシーの中、春はずっとそんな事ばかり言っていた。
    でも私も同じ気持ち…
    店に近ずくにつれて 私の心臓は早くなり手は汗ばんでいる。

    2005-08-17 19:22:00
  • 241:

    私が一輝に捨てられた事はきっとスタッフ全員が知ってるはず・・・
    誰より負けたくなかった相手に負けた私のプライドはこれ以上崩れようがない程粉々に崩れ落ちていた。
    『ここでいいです。』
    運転手に告げ タクシーから降りてビルを見上げた。『ここ?』
    頷き 春の手を引っ張りエレベーターに乗り込む。

    2005-08-17 19:23:00
  • 242:

    女としては負けた私‥
    仕事では もう負けれない!!
    私の中に残る小さなプライドを支えてくれるのは【チーママ】という肩書きだけ。ただそれだけ・・・

    『先、入って‥』

    2005-08-17 19:24:00
  • 243:

    春が黒色の扉を手前に引く『いらっしゃいませ』
    女の子が普段の話声より半オクターブ上げた声で春を迎え入れる。
    後ろをついて入る私‥
    ━━━━!!━━━━━…みんなの視線が集中する中一際 私に視線を向けた人間と目が合った、、
    『いらっしゃいませぇ〜初めましてじゃないですよねぇ?!』

    2005-08-17 19:25:00
  • 244:

    名刺片手に 春の席に図々しく座る。
    『お久しぶりです‥』
    春の方が頭を下げて挨拶をした。
    『春、ちょっとだけ待っててね。焼酎でいい?』
    私は彼女の存在を無視してカバンを置きに向かった。『祐貴!!』

    2005-08-17 19:25:00
  • 245:

    祐貴とは店の中で一番仲のいいボーイ。
    『はい?!』
    ニコニコしながら寄ってくる。年は一つ上。オープンからの仲でチーママになるまでは彼に頼りっぱなしだった。今となれば錯覚かどうかさえ分からないけれど恋をしなかったと言えば嘘になる。。
    でも 私がチーママになってからは お互い距離を保つようになった。

    2005-08-17 19:26:00
  • 246:

    女の子とボーイの恋愛は絶対に禁止・・・
    その言葉でもみ消せる程度の気持ちだった。
    今でも思う…。
    一輝ではない誰かと一輝と出会う前に恋愛をしていたら・・・こんなに苦しくはなかったかも知れない。

    2005-08-17 19:28:00
  • 247:

    『あそこ‥ハウスの焼酎出して、ヘルプ唯つけて!』
    春の席を指差しながら言うと ニコニコしながら祐貴は親指を立てて 首を傾けた。。
    『違う!!そんなんじゃない‥もぉ!そんなんいいから早く仕事しぃ!!』
    『ええ男やん。頑張れ!』
    ポンポンと私の肩を叩きながら奥に向かおうとした 祐貴のスーツの裾を思いっきり引っ張り足を止めさせた。。

    2005-08-17 19:30:00
  • 248:

    『ん?!』
    ボーイなら知ってるはず‥
    『知らないの?私の彼氏は今のミカの彼氏‥だからミカはつけないでね!!』
    にっこり 満面の笑みで告げ私は春の席に戻った。

    2005-08-17 19:31:00
  • 249:

    『春、ごめんね。お待たせ…隣失礼してもいいですか?!』
    『どうぞっ!!』
    脱いでいたスーツを退けて手招きをする春。
    『すいません!これ、かけといて!!』
    春の手にあった上着を大切そうに預かりボーイに渡す『何か瞳じゃないみたいやなぁ・・・変な感じ。。』

    2005-08-17 19:32:00
  • 250:

    小声で呟くように言った春 
    それは私だって同じ‥
    今 隣にいる春と店での春は同じ人間なのに まるで違う人のよう・・・
     
    キラキラしたネオンが輝く繁華街も 昼間見れば ただのビジネス街。

    2005-08-17 19:33:00
  • 251:

    沢山の誘惑があるこの町も昼間見ればただの雑居ビル 
    暗い照明も心地よい音楽も【ホストクラブ】という肩書きが無ければ ただのカラオケボックスや居酒屋と同じ。。
    お酒が飲みたいから行く場所じゃない‥

    2005-08-17 19:36:00
  • 252:

    スーツを着た男が作ってくれた お酒は ある意味ドラッグ‥
    心地よく酔わせてくれて 現実逃避をさせてくれる。ここでは 私達は女王様‥ 
    要望は何でも聞いて貰える
    お金さえ使えば‥

    2005-08-17 19:37:00
  • 253:

    春もそう・・・
    作られた世界の中‥
    本当は男らしい彼も店の中では【甘えた】という設定 
    『何か違う?!(笑)春だって違うよ!』
    クスクス笑いながら答えた 

    2005-08-17 19:39:00
  • 254:

    違うのは当たり前‥
    この仕事自体が偽りで固められているのだから‥
    『俺は一緒やん!!何か緊張するわ!瞳も飲めば?』
    『いただきます!』
    ボーイを呼ぼうとした時 ニコニコ笑いながらグラスを二つ持った唯が私達の席に近ずいて来た。

    2005-08-17 19:41:00
  • 255:

    『お邪魔してもいいですかぁー?!』
    『邪魔するなら帰って!!(笑)嘘やで!どうぞ!!』
    『失礼しますっ‥』

    2005-08-17 19:42:00
  • 256:

    『唯ちゃん作って‥』
    唯が二つのグラス一杯にアイスを入れ 焼酎を注ぐ。その様子を見ながら 私は目だけを動かし祐貴を探す ━━━━━・・・
    目で合図を送る。
    すると祐貴はすぐに私達の方に来た。
    『すいません、失礼します。ミカちゃん‥』

    2005-08-17 19:44:00
  • 257:

    『えっ?何で?!』
    ミカが不服そうに言う。
    私は知らないフリをして3人で話を進めた。
    『春くん?!ミカここにいたらダメ??』
    黄色い声を出し 上目使いで聞く。

    2005-08-17 19:45:00
  • 258:

    私への挑戦状かとも思えるその態度に私は腹が立って仕方なかった。
    ムスっとした顔の私を春の困った顔が覗き込む。
    『みかちゃん‥』
    私は名前を呼びながら手のひらをミカに向けて その手を後ろの席に向けた。

    2005-08-17 19:46:00
  • 259:

    【あっちに行って‥】
    言葉に出来ない分 態度で示したつもりだった。
    『春くん?!いていい??』私の事など見えてないように春に話かけるミカ。。
    『う…ん、、』

    2005-08-17 19:47:00
  • 260:

    渋々了承したという感じの春斗。私の顔を覗き込み 私の顔色を伺う。
    『春くんっ!!ミカもいただいていいですか?』
    コクリと頷く春を横目で見た。春が悪い訳ではないのは分かっているのに それでもミカだけは拒んで欲しかった。。
    美香だけは・・・

    2005-08-17 19:47:00
  • 261:

    『すいません!レーディースグラス下さい!!』
    手を上げながら ミカが大きな声で言う。
    彼女は何をしたいのだろうか・・・
    欲しかったもの‥
    彼女にとっての1番は・・・【彼】━・・一輝。。

    2005-08-17 19:49:00
  • 262:

    『失礼します‥』
    コトン――‥
    祐貴がグラスをテーブルに置きながら私の方を見る。ムスっとした表情で私は祐貴を見つめる。
    複雑そうな唯の顔‥
    困惑した春斗の顔‥

    2005-08-17 19:50:00
  • 263:

    ここだけ‥この席だけ 空気が違うかった。
    そうさせてるのは私・・・分かっていても笑うことなんて出来ない。。
    今まで 何があっても笑えていた。
    例えそれが身内の不幸でも‥
    でも今の私は笑い方を忘れた。作り笑いすら出来ない

    2005-08-17 19:51:00
  • 264:

    『いただきますっ!』
    ミカが嬉しそうに春とグラスを合わせる。
    『春君は最近お店はどうなの?ってかチーママと同伴とかビックリしたしっ!!』
    ニコニコ笑いながら話すミカは私の方を一瞬たりとも見ない。
    『店はボチボチですねっ‥』なるべく店の話は避けようと努力してくれているのか春はそれ以上店については何も答えなかった。

    2005-08-17 19:52:00
  • 265:

    『すいません。チーママ』祐貴が私を呼びにくる。。
    この席にいたいような‥ いたくないような・・・・でも他の席に挨拶に回るのも私にとって大切な仕事。
    『春、ちょっとごめんね』唯の肩を二度軽く叩くと 首を二度大きく振る。。
    【お願いね‥】という意味初めてミカと目があった。
    私は少し睨みながら席を後にした。

    2005-08-17 19:55:00
  • 266:

    新規の客だった事もあり 話は弾み お酒も結構なペースで進んだ。。
    話の間を見計らって席を立ち春の席に向かおうとすると祐貴が私の事を呼び止めクロークの方に足を運んだ
    『何?!』
    愛想もない話し方の私‥。
    『切れるな!!瞳、仮にもチーママやで?分かってるよな?!今日の瞳は最悪や!プライベートで何があったかは知らんけど今は仕事中やねん。余計な事考えるなっ!笑え!嘘でも笑え!』

    2005-08-17 19:57:00
  • 267:

    彼の言ってる事は最もな事。分かってるけど‥
    『‥ありがと。』それだけ言い私は急いで 春の席に向かった。
    『ただいまっ!』
    『瞳、遅いゎ!!』
    春がすねたように口を尖らせながら言う。

    2005-08-17 19:58:00
  • 268:

    『ごめんなさぃ。。ってか春、顔赤いけど大丈夫?』
    目の周りや頬は赤くなり 充血がちな目を見ながら言う。
    相当 飲んだ顔・・・ふと ボトルに目をやると満タンだった筈のボトルは後 残りわずかになっている。
    『結構、飲んだ?』
    春にではなく 唯に聞く。『はい。ゲームで‥』

    2005-08-17 20:02:00
  • 269:

    苦笑いしながら唯が答える
    『そうなん?!何のゲーム?私も寄せて貰っていい?』
    春の隣に寄り添い 歌を歌ったり手を使ったゲームを色々した。
    その間 勿論 美香とは一言も話してない。
    でも さっきの祐貴の言葉を思い出し 私は必死で笑顔を作っていた…つもりだった。

    2005-08-17 20:04:00
  • 270:

    『あっ!!この歌めっちゃ好きっ!彼氏がいつも歌ってくれるねん!!』
    唯が春にリクエストした曲はラブバラード・・・
    【愛してる】【側にいて】そんな甘い台詞が並べられた曲。その曲が転送され音楽が流れた瞬間 ミカが嬉しそうに声をあげた。。
    だから‥何?!
    心の中では そう思ったが笑顔を作り私はミカに初めて話かけた。

    2005-08-17 20:05:00
  • 271:

    『ミカちゃん。。春君の前だから言わせて貰うけど彼氏を作るなとは言わないけれどゲストの前ではあまり彼氏の話は‥ねっ?!』
    私への当て付けな事は分かっている。
    でも これ以上落ちるわけには行かないから‥
    何もない平気なフリをして ミカに話かけた。。
    ミカの挑発には乗らない。

    2005-08-17 20:06:00
  • 272:

    『すいません。』
    素直に謝ったミカに正直 驚いた。
    『次から気をつけてね‥』呆気にとられながら 春の歌を聞こうとした。
    『でも春くん、私の彼氏の事知ってるし‥』
    前言撤回!! この台詞が言いたかったに違いない‥私の彼氏は一輝だと・・・

    2005-08-17 20:08:00
  • 273:

    『そうなの‥』
    それ以上の言葉が見つからず 私は黙ってしまった。
    『さっきも話してたから‥春君の前ならいいかなぁ。。って‥発言が軽率でした。すいません。』
    私はただ頷いただけ。

    2005-08-17 20:09:00
  • 274:

    何組かゲストが帰った為 新人の女の子二人も春の席につく事になった。
    二人とも 全くの素人・・
    『何か最初の頃の唯ちゃん見てるみたいやわ。』
    私が言うと みんなが唯を一斉に見る。
    今でも可愛い唯だが 日に日に成長して行くのが 目に見て分かるほど・・・  もうミカと同じ席に付けても対等に見える。

    2005-08-17 20:11:00
  • 275:

    『春さんは‥同業者さんですよね?!』
    新人の一人 愛が言う。。
    『まぁ・・・』
    グラスにある焼酎を二口程飲み、少し答えにくそうに春が言う。
    『生ホストさん初めて見たぁ!!かっこいいー!!!』二人とも学生のバイトだから多分ホストクラブなんて何かない限り行かないだろう。芸能人を見るかのようにキラキラした目で春を見つめる様子を見て自分にもあったそんな時代を思い出した。

    2005-08-17 20:13:00
  • 276:

    ━━━━・・・
    『じゃぁ番号教えて!!』
    仕事が終わりコンビニに向かう途中 黒い服の男が私の左後ろから近ずいてくる『今から何処行くん?』 
    またスカウトかぁ‥
    まだ私がお水をして間もない頃だった為勿論ホストになど行った事はなかった。『家帰りよるよ。』

    2005-08-17 20:17:00
  • 277:

    『もう帰るのぉ??ちょっと時間ない?!』
    私の隣に並びながら必死で話かけてくる。しつこくついてくるので足を止めて用件を聞いてみる事にした。
    『何?』
    『いきなり止まるからビックリしたわ!!今から俺の為に一時間だけ時間くれへん?』

    2005-08-17 20:18:00
  • 278:

    『何のスカウト?』
    どうせ いつもみたいにセクシーキャバクラや風俗のスカウトだろうと思った。
    『いやスカウトじゃないで‥一応俺、、ホストなんですが・・・』
    驚いてその男を見上げた。
    ホストってテレビでしか見たことが無かった。一日に何十万、何百万のお金が動いて テレビの向こうの世界とばかり思っていた。

    2005-08-17 20:19:00
  • 279:

    『ホスト?!』
    上から下まで何度も視線を動かしてその男を見た。。
    『俺まだ新人やから客捕まえるまで店戻れないねん。一時間でいい!金も俺が払うからお願い‥一時間だけ俺に時間ちょうだい!』
    一生懸命 話す彼は決してホストに向いてる感じではなかった。今はもう 顔すら思い出せないが しわしわのスーツに履き崩された靴。。
    それでも【ホスト】という看板が大きかった。

    2005-08-17 20:24:00
  • 280:

    『でも・・・』
    『ほんまにお願い!!かっこいい人つけるし絶対後悔させないから!』
    唾が飛ぶくらい一生懸命話し、必死なのは十分 わかった。
    『・・・分かった。』
    『本間に?!ありがとぉ!!マジで嬉しいゎ!絶対面白いから!!』

    2005-08-17 20:25:00
  • 281:

    店までの5分ぐらいの道程は 一瞬のように早かった。。
    『うゎー!!』
    テレビで見たような世界が私の目の前に広がっていた。
    初めて来た私は いろんな所を見渡しては一人で舞い上がっていた。
    『ここでいい?』

    2005-08-17 20:26:00
  • 282:

    『うん。』
    荷物を置き ふかふかのソファーに腰を降ろした。。
    『いらっしゃいませ。』 
    また別の男が方膝を付けて湯気のあがった お絞りを私の目の前に差し出した。
    『あっ‥すいません。。』慣れてない私は丁寧にお絞りを受け取り 少し手を拭き すぐにテーブルの上に置いた。

    2005-08-17 20:27:00
  • 283:

    テーブルに置いたお絞りは一瞬で可愛いあひるの姿に変身した。
    『すごーい!』
    手を叩いて喜んだ私に対して 男はニッコリ微笑みながら想像よりもハスキーな声で話かけてきた。
    『もしかしてホスト初めて?!俺は涼です。よろしくね。。何チャン?』

    2005-08-17 20:28:00
  • 284:

    心の中読まれた‥。
    『はぃ、、初めてです。ヒトミって言います。』
    男は ニッコリ笑い 名刺を丁寧に渡してきた。
    周りの席では 賑やかな笑い声が響き 隣ではシャンパンコール。。
    スーツ姿の男達には 皆違った魅力があり 大金を使ってでも来る理由が少し分かった気がした。

    2005-08-17 20:29:00
  • 285:

    『ねぇ‥涼は売れっ子?』
    唐突な質問に彼は少し戸惑い気味だった。
    『ヒトミちゃんの想像に任せるよ。。』
    彼がタバコに火を付ける姿‥酒を作る姿‥上手な話にふと見せる笑顔。。
    全てが格好良く見え 一時間のつもりが結局最後までいた。

    2005-08-17 20:30:00
  • 286:

    『ありがとう。楽しかった!メールして来てね』
    これが私のホスト初体験。テレビで見た世界と自分を照らし合わせて優越感に浸っていた。
    それから私は何度も涼の店に通った。恋をしていた訳ではなく そこにいる自分が格好良いのだと勘違いしていたから・・・
    結局 彼は私を抱いた。
    でも その瞬間 私と涼のゲームは終わった。

    2005-08-17 20:32:00
  • 287:

    『どこ行く?瞳どっかイイ店ないん?』
    メールを作りながら恵子が言う。彼女は昔からの友達で同業者。気はきついけれど人の事を考えれる実はイイ人間。
    『イイ店ねぇ‥ないっ!!』用事もないのに電話帳を上から見ていき答える。
    『行く??』
    携帯の画面をこちらに向けて恵子が聞いてくる。画面には【涼】と出ていた。

    2005-08-17 20:33:00
  • 288:

    私は首を横に振る。
    『何で?もしかして何かあった??』
    ニタニタ笑いながら私に詰め寄ってくる恵子。女の子だし こんな話は大好きだけど何故か涼との事は言えずに‥というより言いたくなかった。
    『別に何もないけど飽きた。私は仕事に生きるから』
    少し背伸びをしながら答えてみた。ちょうど 私がチーママになって間もない頃だった。

    2005-08-17 20:34:00
  • 289:

    『仕事ね・・でも、良かったね。認められたって事やん!瞳頑張ってたもんなぁ‥。安心した。』
    『ありがとう!恵子も早く店辞めて、うち来てよ!!』
    そんな しょうもない話をしていると 二人組が私達に向かって歩いてきた。 
    ─────・・・
    私と恵子の目が自然にあう

    2005-08-17 20:35:00
  • 290:

    『どうせ暇だしいっか‥』恵子が小声で言うのと同時に私も頷く。
    猿みたいな奴と明らかにホストに向いてなさそうな奴
    『ねぇねぇ‥お姉さん!今から、ど・・』
    『いいよ!何処の店?』
    『えっ?!』

    2005-08-17 20:37:00
  • 291:

    話し終えてもないのに恵子が被せて話す。
    『キャッチやろ?暇やし行くわ!』
    『ほんまに?名前なんて言うん?』
    猿が嬉しそうに私達二人の間に入ってこようとした。
    『そんなんどうでもいいから早く店つれてって!男前おる?』冷たく話す恵子に二人は少しアタフタしている様子だった。

    2005-08-17 20:38:00
  • 292:

    気難しそうな客だと思っただろう。。
    猿は必死に話かけてくる。でも殆ど無視に近かった。私達は【ホスト】に興味があるんじゃない。
    【ホストクラブ】という 空間が好きなだけ。。  
    『ここやねん!』
    見上げると少し古びたビル。エレベーターを降りると真っ黒で大きな扉。

    2005-08-17 20:39:00
  • 293:

    『いらっしゃいませぃ!!』
    時間も早かったせいか 決して忙しいとは言えない状態の中 私達は席に案内された。
    『雰囲気良くない?』  私が恵子に言うと彼女はコクリと頷いた。
    『失礼します、、』
    お絞りを渡され 飲み物を頼む。

    2005-08-17 20:40:00
  • 294:

    『すいません。お邪魔します!!』
    店の客が少ないため 私達二人に対して 五人ものホストが席についた。
    取り合えず 乾杯をして 喉を潤す。
    猿から自己紹介が始まる。
    あまり聞かずに店を見渡した。暗めのフロアー、音楽も程よい音量で店の内装には結構こっていた。

    2005-08-17 20:41:00
  • 295:

    『すいません。初めまして一輝って言います』
    私の前に差し出された四角い紙切れ。彼だけが名刺を渡してきた。
    『あっ、、瞳です。』
    慌てて名刺ケースから一枚名刺を取出し 彼に差し出す。特にタイプだった訳ではないけれど 魅力があった。
    他のホストはチーママと分かった瞬間 態度が一気に変わった。

    2005-08-17 20:43:00
  • 296:

    それでも彼だけは特に何も突っ込んで来なかった。
    『お幾つなんですか?』『何処にすんでるん?』
    ありきたりな話ばかり‥ 結局私達は一時間ぐらいで店を出た。
    『ありがとうございました。また電話とかしても大丈夫ですか?』
    送りに出てきた一輝が言う

    2005-08-17 20:44:00
  • 297:

    『はい。待ってますね』 
    エレベーターに乗りながら私の中での最上級の笑顔で返事する。
    『有難うございました』 頭を深々下げるホスト達を振り返ることも無く私達は歩いた。
    『ないねっ‥』
    私がボソッと呟くと恵子は縦に二度頭を大きく振った

    2005-08-17 20:45:00
  • 298:

    きっと あの時・・・  一輝が名刺を渡して来なかったら私も名刺を渡したりしてないだろう。
    そして二度と会う事はなかっただろう・・・
     
    ♪♪♪〜【○90338∞∞∞∞】
    日曜日の夕方‥。する事もない私が一人家でダラダラしていると知らない番号からの着信。。

    2005-08-17 20:47:00
  • 299:

    『誰やろ‥』
    一度は通話ボタンに手をやるけれど今日は日曜日。。
    休みの日ぐらい ゆっくりしたいのが本音。
    まぁ いっか・・・と携帯をテーブルの上に置いた。

    2005-08-17 20:48:00
  • 300:

    ♪♪♪〜
    テーブルの上で鳴り響く携帯電話。急いで開き中を確認するとさっきと同じ番号『ゴホッ…』
    咳をし 声をワントーン上げて通話ボタンを押した。
    『はいっ・・・』
    『あっ!!もしもし?俺やけど分かる?』

    2005-08-17 20:51:00
  • 301:

    客だと思っていた電話の主は意外にも若い声。
    『えっと‥申し訳ないです。ちょっと・・・』
    私は普段番号を教える時、必ず相手の番号も聞き その場で登録してる筈。
    頭の中で最近来た客を思い浮べるが番号を教えた記憶はない。
    『ぇえー!?俺、分かりません??』

    2005-08-17 20:52:00
  • 302:

    聞いた事があるような ないような声。。分かる事は若い男って事だけ。
    『申し訳ないです‥』
    『僕です。カズキです、分かりました?』
    えっ…?かずき?!誰だっけ?!かずき‥カズキ‥ 『・・・…。。』
    『あの、、この前飲みに来て頂いたんですが‥』

    2005-08-17 20:53:00
  • 303:

    えっ?!客じゃない?!
    私が飲みに行ったって事はかずき…カズキ‥‥あっ!!一輝?!
    『えっと‥ホストの?!』
    『はい!思い出しました?いきなり電話かけてすいません。今大丈夫ですか?』『うん。大丈夫!どうしたんですか??』
    そういえば名刺渡したっけ‥。もぅ二度と行く事はないと思ってた店だし貰った名刺は一瞬目を通して 今じゃどこかに眠ってる。

    2005-08-17 20:54:00
  • 304:

    『いきなりですけど今日とか忙しいですか?』
    『えっ?!今日は‥』
    テーブルの上には吸い殻たくさんの灰皿。テーブルの下には畳んでない洗濯物。日曜は出かけずに掃除というのが最近の日課になっている。
    『都合悪いですか?』  
    『んー…。。』

    2005-08-17 20:55:00
  • 305:

    『ちょっと晩ご飯程度でいいんで付き合ってくれません?雰囲気いい店見つけたんですけど男と行くのも嫌やし、、』
    どうしよう・・・
    テーブルの上に置いてある鏡に目をやるとボサボサの髪の毛に落としてないメイク。
    どう考えてもお風呂に入って化粧して‥二時間は軽くかかる。

    2005-08-17 20:56:00
  • 306:

    『今すぐはちょっと‥』 
    客なら断ってる所だが 相手がホストなら私が客。 気を使わないで済むし 暇だし折角なので行こうと思った。
    『いいですよ。待ちますから‥どれくらい用意かかります?』
    『えっと‥二時間ぐらい』
    本当はもう少し時間が欲しかったけれど あまり待たせるのも悪いと思い 遠慮がちに答えた。

    2005-08-17 20:58:00
  • 307:

    『えっ?!二時間?』
    耳元の携帯を少し離す程 大きな声で聞きなおしてくる。
    『うん。』
    『そんなにかかるん?』
    『うん。やめときます?』

    2005-08-17 21:00:00
  • 308:

    強気な私の発言。だって私から誘った訳じゃないし 女の子は時間がかかる‥。
    『ぃや‥待ちます。』
    『えっ?!』
    『待ってるんで用意出来たら電話下さい。後、俺たち同じ年なんで敬語やめて下さいね‥じゃなくてやめて!!』

    2005-08-17 21:02:00
  • 309:

    『ハハハ・・・言ったそばから使ってるやん!分かりました‥じゃなくて・・分かった。電話するね!!』
    電話を切り急いでお風呂に入った、鏡の前で笑顔を作る私。。
    何やってんねん!!と自分で突っ込み タバコ片手にドライヤーを かける。
    何着ていこうかな…なんて一人で呟き 等身大の鏡でファッションショー。
    正直 殆ど顔も思い出せない相手なのに私は初めてのデートのように ウキウキしている。

    2005-08-17 21:04:00
  • 310:

    『もしもし用意出来たよ』
    結局電話を切ってから二時間半もの時間がすぎた頃、ようやく私は一輝に電話をした。。
    『遅いゎ・・・家ってどの辺?迎えに行くけど?!』
    『ほんまに?!えっと‥』口でナビしてる間も鏡を正面に何度も髪の毛をいじっる。。
    久しぶりに自分が女の子になってる姿が照れ臭くて途中で鏡を伏せた。 

    2005-08-17 21:08:00
  • 311:

    『じゃ降りてきて!』
    家の前まで来てもらい 
    電話を切った後 部屋の電気を消し 
    手首に普段より多めの香水を振る。。

    2005-08-17 21:09:00
  • 312:

    ガチャ―‥‥
    『ごめん。遅くなって‥』
    車内は甘ったるい匂いがしてキティちゃんのぬいぐるみが いたる所にあり 彼女がいる事はすぐに分かった。
    特に好意がある訳ではないけれど至る所に私の視線は動く。。
    ドリンクホルダーに置いてある二つの飲みかけの缶ジュース。開きっぱなしにしてある灰皿には口紅のついた吸い殻。。きれいに並べてあるMDには一つずつ丁寧に綺麗な字でタイトルが書いてある。

    2005-08-17 21:11:00
  • 313:

    『何食べたい?!』
    サングラスをかけ、タバコ片手に運転する一輝が私を見ながら聞く。
    『何でもいいよ!それより前見て運転してっ!!』
    『ほんまに何でもええん?あとで文句言わない?!』
    私は首を二度大きく縦に振った。

    2005-08-17 21:11:00
  • 314:

    『分かった!じゃ俺のお気に入りの店連れてったるわ!ヒトミちゃん特別やで?!俺女の子連れてった事ないから!!』
    自信満々に言う彼に対して心のなかとは反対の台詞を口にする自分に やっぱり夜の世界に染まりつつある事を実感した。
    『ほんまにぃー?!瞳が一番??めっちゃ嬉しいぃ!』

    2005-08-17 21:12:00
  • 315:

    『ほんまやで!めっちゃ美味しいし雰囲気いいから瞳ちゃんと行きたかってん』
    少し照れ臭そうに言う彼。それが演技かどうかは分からなかったが気分は悪くはなかった。
    『えっ?ここ?』
    路上に止めた車を降りて 一輝の後ろをついて行くと狭い階段を上って行く。
    古びたビルにキシキシとなる階段。決して雰囲気がいいとは言えない見た目のビル

    2005-08-17 21:14:00
  • 316:

    『ここでいい?』
    頷き フカフカのソファーに腰を下ろすとすぐに店員がお絞りとメニューを持ってくる。
    『ぉお!一輝かぁ!!珍しい!彼女?』
    私の顔を見ながらニッコリ微笑む店員。会釈をして私も微笑む。
    『相変わらず忙しい店っすね!ヒトミちゃん中々彼女なってくれないんすよ!!』『ハハハ‥愛情足りんのちゃうか!まぁ、ゆっくりしてってや!ヒトミちゃんも‥』

    2005-08-17 21:17:00
  • 317:

    『はい!』
    ニッコリと笑う私。。
    『どう?!この店‥』
    『かっこいい!!』
    『やろ?!めっちゃ雰囲気いいやろぉー!!』

    2005-08-17 21:18:00
  • 318:

    『違う!!さっきの店員さん!めっちゃかっこいい!』
    『えっ?店員??先輩の事?何やねん。俺と来てるのに先輩かよ。。』
    ほっぺたを膨らます一輝を可愛いと思った。
    『まぁ、いいやっ!料理も旨いから食べようや!』
    次々と運ばれてくる料理は本当に全部美味しかった。

    2005-08-17 21:20:00
  • 319:

    『何、飲む?』
    グラスが空く前に次の飲み物を聞いてくるのは職業病。私も相手が客なら何度もグラスや食物を気にする。
    どんどん酔っていく私に対して彼は全くのシラフ。。
    『最後乾杯しようよ!』
    グラスを持ち 一輝の顔を真っすぐ見つめる。キャンドル越しに見つめる彼の瞳は透き通っていて何でも見透かすような眼差し。吸い込まれそうになるけど 目を離せなかった。

    2005-08-17 21:22:00
  • 320:

    『瞳ちゃん、大丈夫?!』
    真っすぐ私を見つめるまなざし。
    『うん。』
    その言葉を言うのが精一杯だった。
    私に重なる彼の身体は思っていたよりガッチリしていて男だという事を再び実感させられた。。身体とは裏腹に優しく触れる唇や手は私を何度も快感へと導いてくれた。

    2005-08-17 21:25:00
  • 321:

    『んっっ・・・ねぇ‥好きって言って。』
    『好きだよ・・・』
    嘘だって分かってる。。。はまったりしない。。
    『私も好き、、』
    相手が営業でも良かった。ただ 一瞬でも、その時だけでも私は【愛情】が欲しかった。

    2005-08-17 21:26:00
  • 322:

    『これで瞳は俺の女や!!』
    ことが終わると一輝は私を抱き締めながら言った。。
    カチッ━・・
    タバコに火をつけて白い煙を吐きながら携帯を触る一輝の背中を私はずっと見つめた。
    本当はもう少し抱き締めて欲しかった。もう少し夢を見せて欲しかった。

    2005-08-17 21:28:00
  • 323:

    『明日の夜あいてる?』 
    毎週土曜日彼は仕事の合間に電話をしてくるようになった。
    『うん!何時?』
    『いつも通り7時ぐらいに迎えに行くから!じゃっ』
    たった30秒満たない電話。私は彼女ではなく、一輝は彼氏ではない。でも恋人でもない彼の為に私は毎週日曜日、友達との約束もゲストとの付き合いも断って時間をあけていた。

    2005-08-17 21:29:00
  • 324:

    『ねぇ一輝?!ホストって儲かるん?』
    いつも通り食事に行き、ホテルに入り やる事を終えた彼がタバコに火をつけ 携帯を触っている最中に声をかけた。カチカチとメールを打つ手が一瞬止まる。
    『いきなり何で?』
    『いや…毎回出して貰ってるし大丈夫なんかな‥って思って。。』

    2005-08-17 21:31:00
  • 325:

    『じゃ出して?!』
    もし一輝がそう言ったら もう会うのは辞めようと思った。
    その時だけでいい‥私を抱いてる時だけ私を愛してくれればいいと最初は思っていた。
    でも身体だけの関係も楽では無かった。
    一輝と離れた後 私は一気に孤独に襲われる。

    2005-08-17 21:34:00
  • 326:

    淋しいと口にする事も会いたいと電話する事も出来ない私。。
    ただただ我慢して六日後の電話を待つ。
    もし一輝が営業なら もうこれ以上会うとやばい事は自分が一番分かっていた。
    『何とか大丈夫やで!彼女に金出して貰うとか格好悪いやん。』
    『えっ?彼女??』

    2005-08-17 21:36:00
  • 327:

    私はベットから飛び起き 一輝の方を見た。
    『えっ?瞳は彼女じゃないん?俺ずっと瞳の彼氏やと思ってたんやけど・・・』
    『違うと思ってた。。』 
    プシュッ・・・缶ビールを二つ冷蔵庫から取出し 蓋をあけて私に差し出す一輝。
    取り合えず手に取ると 缶ビールをコツンとあてる。

    2005-08-17 21:39:00
  • 328:

    『じゃ今日から宜しく!!』
    私の意見もなく一輝はそう言うと喉を鳴らしながらビールを飲みあげて再度私を抱いた。

    2005-08-17 21:41:00
  • 329:

    それから一ヵ月もしない内に 一輝の荷物が全て家に届いた。
    何となく始まった同棲も最初は良かったけれど 時が経つと共に愛情と感じれるものはなくなり 同棲という甘い生活ではなく 同居に近くなっていった。
    私も一輝もお互いの仕事に終われ 会う時間もずれて話す事もなくなっていった。
    たまに交わす言葉は全てお金の事・・・。
    それ以外の事で話す事は殆ど 無かった。

    2005-08-17 21:42:00
  • 330:

    【悪いけど明日金いるから置いといて】
    私が仕事から帰宅すると リビングのテーブルの上に置いてあるメモ。次の日 私は隣で寝ている一輝に声をかける事もなく 食事の準備をして仕事の用意をする。
    出来上がった料理にラップをかけて 財布から取り出したお金を皿の下に挟み 仕事に向かう。
    この頃はまだ一輝を好きだと実感した事もなければ 必要な人だと気付いた事もなかった。

    2005-08-17 21:43:00
  • 331:

    でも 気付いた時には遅かった。。
    もう 隣で眠る事も キスする事も触れることも出来ない。
    今でも思い出は色褪せる事なく蘇るのに 一輝の声が思い出せなくなりつつあった。
    『チーママ?』
    私を覗き込む 唯の顔。

    2005-08-17 21:44:00
  • 332:

    ここまでしか持ってません!誰か続き持ってましたらコピペお願いします。

    2005-08-17 21:49:00
  • 333:

    無ければ瞳ちゃんお願いします。

    2005-08-17 21:52:00
  • 334:

    コピペしてくれた方ありがとうございますm(__)m
    私がパソコンを使えたら一番いいのですが‥
    申し訳ないです(;_;)
    読んでくれてる方々☆彡
    前回更新した分と、文章に多少変化があるかも知れないですが内容は同じなので御了承下さい(;_;)
    今後とも【トップへの道】を宜しくお願いしますm(__)m

    2005-08-18 07:24:00
  • 335:

    『えっ‥?!』
    『何か考え事ですか?!』唯がグラスにアイスを入れながら聞いてくる。
    『ごめん。ちょっと昔の事思い出してた‥私も昔は愛達みたいにホストにはしゃいでたなぁ・・・って。』『ぇえー!!チーママってそんなイメージない!何かホストとか行きそうにないし興味なさそう‥』
    みんなが うんうん。と首を縦にふる。

    2005-08-18 07:34:00
  • 336:

    『そんな事ないよ。ホストも結構行ったし・・・』 私はそれ以上ホストの話はしなかった。
    カチッ━・・・
    春がタバコを手に取ると出てきた三つの炎。正面のミカに隣の私。少し離れた所から唯。唯は気付くとライターをすぐに膝の上に戻した。少し迷った様子の春だけど ミカに頭を下げ私の手に手を添えて自分の方に招いた。少し不服そうに火を消すミカを横目で見ながら少し勝った気でいた。でも実際のゲームは私の完敗なのに・・・。

    2005-08-18 07:43:00
  • 337:

    楽しい時間は本当にあっという間でふと時計に目をやると時刻は12時を軽く回っていた。
    『春?遅刻じゃないん?』『うん。そろそろ‥』
    グラスを一気に飲み干しながら春が時計を確認しながら言う。空いたグラスにお酒を作ろうとする愛の手を手で止めて合図を送る。。『すいません!』
    ボーイを呼びチェックの合図を送る。

    2005-08-18 07:51:00
  • 338:

    『失礼します。』
    ボーイが四角い紙切れを私に渡す。
    『春ごめんね。ありがとう。ご馳走様でした。』
    申し訳なさそうに春に紙切れを両手で渡すと一瞬目を通した春がクシャっと伝票を握り潰して灰皿に捨て、代わりにお金を差し出して来た。
    『ありがとうございます』『ってか安くない?』

    2005-08-18 07:59:00
  • 339:

    『今日はこれでいいよ』 足をポンポンと叩いた時 ポケットの中で震える機械に初めて気付いた。
    『出なくていいん??』
    『うん。後でかけるから大丈夫やで!!』
    この時間に掛かってくるのは店か客。
    『今日同伴するわ!一緒に出よっか!!ちょっとだけ待ってて』

    2005-08-18 08:09:00
  • 340:

    『ちょ!!いいって!俺そんなつもりで店来たんじゃないし!』
    席を立とうとした私の腕を引っ張りながら春は一人帰り支度をしながら言う。 そんな事分かってる。営業で来たなら もっと他の子にホスト春斗を売るはず。『ちょっと行ってすぐ帰るし!!ねっ?!』
    掴まれた腕を離しながら言うと渋々了解した春。
    『唯ちゃんも行く??』

    2005-08-18 08:19:00
  • 341:

    春の方を指差しながら聞くと頷く唯。帰り支度を済ませ三人で店を出た。
    『ありがとうございました』
    ミカにママ、愛に麻里に送られながら三人仲良く店を後にして仲良く歩いて春の店に向かった。
    『どうでした?』
    私の隣を歩く唯がヒョコっと顔を出し春に聞く。

    2005-08-18 08:27:00
  • 342:

    『楽しかったよ!瞳のチーママぶりも唯ちゃんのナンバー1ホステスぶりも!!』『ハハハ・・・』
    いろんな話をしながら歩いていると すぐに店までついた。一人だと長い道程も三人だとあっという間だ。エレベーターを降りてドアの前に立つと急にドキドキしてきた。
    『何か緊張してきた‥。』私ではなく唯が先に声を上げた。その声に更に反応して私の心臓はドキドキと動く。

    2005-08-18 08:33:00
  • 343:

    この扉を開けた向こうに もしも一輝がいたら私はどうするのだろうか・・・。どうして私を捨てたの?!と泣いてせがむのかな‥。最低!!って殴るのかな‥。でも どちらにしても私の彼を見つめる目は流れる涙で曇ってしまうのかな‥。『大丈夫』
    店の前で立ちすくむ私の手をギュッと握り春が扉を開いた。
    『いらっしゃいませぃ!!』なるべく周りを見ないように店内を歩いた。

    2005-08-18 11:30:00
  • 344:

    『いらっしゃいませ!!』席につくなりすぐにお絞りが渡され ボトルが運ばれてくる。一番奥の席で 周りの席が見えない場所に案内された。春なりの優しさなんだろう・・・。多分私はここでは春のエースだと思われてるはず。。
    『瞳はビールやんな?唯ちゃんは?何飲む??』
    『じゃ私はカクテルで!!』

    2005-08-18 11:42:00
  • 345:

    『お待たせしました!!』やっと飲み物が揃い 今から楽しい時間が始まるはずだった・・・。
    『めっちゃ喉乾いたゎー!!カクテル遅いし(笑)さっ飲もっ!!』
    『ごめんなさい。姫達!!じゃいただきまっ』
    『チーママ??』

    2005-08-18 12:13:00
  • 346:

    乾杯しようとグラスを手に取った時だった・・・。 正面の春の顔が笑顔から真顔に変わった事で誰が来たかは嫌でも分かった。
    『やっぱりここにいたんですねぇー!!愛達がどうしてもホストに行ってみたいって言うんで。』
    貴方が一番来たかったんでしょ‥。心の中では そう叫んだ。当たり前のように席に座るミカ。ちょうどこの席はL字型になってあって十分みんなが座れる。

    2005-08-18 12:35:00
  • 347:

    春の優しさが裏目に出て、何故か一緒に飲むことになった。すぐにミカのボトルもセットされ ホストも二人程増えていた。
    『チーママと春君って付き合ってるんですか?!』
    飲みだして一時間ほど経った頃だろうか‥。口数少なく飲んだ為 変に悪酔いしていた私。殆ど誰とも話せずに ひたすらグラスを空けては飲み続けた。
    『想像にお任せしますよ』グラスにアイスを入れ水割りを作りながら 一言だけ返す春。彼をホストらしいと思った瞬間だった。

    2005-08-18 12:50:00
  • 348:

    『絶対付き合ってるゎー!!えっ?ミカさんの彼氏もこの店ですよね??どこにいるんですか?』
    辺りをキョロキョロしながら愛が言う。
    『今はいないよ。。』
    ミカが満足そうに言う。居るはずない・・・。もし一輝がいたら絶対に一番に見つける自信がある。
    『そろそろ帰る?』

    2005-08-18 13:55:00
  • 349:

    私とミカの間に座る春が気を使って私に聞いてくる。『唯ちゃん。瞳結構きてるからお願いしていい?!』私の肩を少し自分に抱き寄せながら私の隣の唯に聞く。頷く唯にごめんね。と手を合わせると笑いながら首を横に振った。やっと この空間から解放される‥。『じゃチェックしてく‥』春がそう言いながら立ち上がろうとした時だった。
    『失礼します。』
    一人の男が私たちの席についた。春はもう一度座り直して私の顔を覗き込む。カラオケの音はガンガンでみんなが騒いでて隣の春の声ですら耳を近付けて聞いたりしていたのに 端と端で向こうの方で挨拶するホストの声なんて聞こえる筈無いのに私の身体は過剰に反応した。

    2005-08-18 14:05:00
  • 350:

    ドクンドクンと鼓動は一気に早くなり 小刻みに手が震える。その様子に気付いた唯が急いで近くにいたホストにチェックを告げる。幸いにも 愛と麻里に必死に話かける一輝は春に隠れて見えないお陰で私に気付いていなかった。
    『すいません。ご馳走様でした。』
    ホストが唯に伝票を渡し、唯がお金を払い私のカバンに手をかける。私は何も出来ずただボーっとその様子を見ていた。

    2005-08-18 14:14:00
  • 351:

    『えっ?もう帰るんですか??って唯ちゃん?!』
    唯が立ち上がろうとした時必死に話ていた一輝がこちらに気付いた。唯は少し困った様子だったが会釈だけをして私の腕を引っ張った。唯からしてみれば 一輝は短い期間であれ、生活を共にした人。でも私を捨てた人。複雑だろう‥。私の話しか聞いていない唯からすれば一輝は悪者に見えてしまってるはず・・・。
    『お先です。』
    ミカにそう言い残し私達は席を立った。

    2005-08-18 14:22:00
  • 352:

    『痛っ━・・!!』
    唯が私を持つ腕ではない方の手を思いっきり引っ張られた。
    『瞳っ・・・』
    誰より会いたかった人が私の腕を掴んでる。思うだけで涙が溢れ いつも会いたいと願っていた。夢の中まで出てきて 初めて愛した人・・・。
    『何でここに?俺・・・』『一輝ぃー!早く座って』ミカが一輝を呼んだ瞬間、私は思い切り腕を振り払って出口へと急いだ。

    2005-08-18 14:30:00
  • 353:

    会いたい・・・。
    でも…もぅ会わない。。 そう決めていた。泣く事もなく私は普通に一輝を拒否出来た。そんな自分が凄いと思った。
    『大丈夫??』
    心配そうな二人に作った笑顔で答えるのが精一杯な私。ひどく気分が悪く一刻も早く家に帰りたい。ただ それしか頭になかった。

    2005-08-18 14:37:00
  • 354:

    ホスト一人と春と四人でエレベーターに乗り込み 春に少しもたれかかった時、ドン━━!!
    扉が完全に閉まろうとしたと同時に 何かに当たり又開いた。
    『ちょっと待って‥お願い。少しでいいから』
    ねぇ 一輝…。私 いっぱい待ったじゃん。ずっと ずっと貴方の一番になれると思って‥。でも もう 手遅れなんだよ‥
    『さよなら・・・』

    2005-08-18 14:46:00
  • 355:

    両手で思いっきり一輝を押した。扉は閉まり一瞬だけ一輝の淋しそうな顔が見えた。そんな悲しそうな顔しないで・・・。本当はまだまだ好き。抱き締めて欲しい。愛してるって囁いて私を抱いて欲しい。でも 同じ事は繰り返したくない‥チン━・・・
    一階につきエレベーターが開く。
    『ハアッ・・瞳!!俺っ‥』 目の前には肩で呼吸する一輝の姿。

    2005-08-18 15:34:00
  • 356:

    前に春も同じ事してくれたよね。私がミカに叩かれて水かけられて・・・。ミカを追っ掛けて行った一輝は結局帰って来なくって。。泣いてる私を心配して全力で階段を降りて来てくれたんだよね。
    カバッッ―‥
    『会いたかった。瞳、ほんまに会いたかった。』
    私の身体をきつくきつく抱き締めながら一輝は何度も何度も私の名前を呼ぶ。

    2005-08-18 17:53:00
  • 357:

    名無しさん

    ぉもしろぉい?

    2005-08-19 12:18:00
  • 358:

    名無しさん

    あげえ?

    2005-08-19 13:30:00
  • 359:

    あがってるとまたあらされたり 嫌がらせで消されたりもあるから メールのとこに sage っていれなきゃ…

    2005-08-19 13:34:00
  • 360:

    切ない(;∧;)

    2005-08-19 14:34:00
  • 361:

    名無しさん

    続き早く読みたいニヤ?

    2005-08-19 22:40:00
  • 362:

    いらんレスであげんなて?

    2005-08-20 00:41:00
  • 363:

    頑張ってネ?

    2005-08-20 02:02:00
  • 364:

    一輝が追いかけてきたとこくらいから涙でたあ

    2005-08-20 04:11:00
  • 365:

    続き頑張ってください。

    2005-08-20 17:18:00
  • 366:

    復活して良かったぁ??ひとみ?これからも楽しみにしてるんで、頑張って下さい?

    2005-08-21 10:35:00
  • 367:

    本にしてほしいな?

    2005-08-21 18:49:00
  • 368:

    今まで色んなマンガや小説読んできたけどめっちゃ?スキです!ホントに↑にもありましたが本にして欲しいぐらいです。頑張って完結させてほしいです☆頑張ってくださいね(^_-)-☆

    2005-08-21 21:11:00
  • 369:

    皆様へ☆

    本当に嬉しい、お言葉ばかりありがとうございますm(__)m本当は一人一人に返事を書きたいのですが多分それよりも早く小説の方が気になると思いますので、先に小説の方を進めたいと思います。お返事はかならずお一人ずつにしますので お許し下さいm(__)m
    これからも宜しくお願いします。(*^_^*)

    2005-08-21 21:50:00
  • 370:

    >>360続き‥
    身動きがとれない私。まるで夢でも見ているかのよう・・・。私の事を必死に抱き寄せる一輝の頬に触れてみた。暖かくて夢ではなく そこに本当に一輝がいる。。あんなに会いたかった人。何度も夢に出てくる程愛した人が私の目の前にいるのにそれ以上何も出来ない。
    『やめてっ!!』
    一瞬にして離れた身体と身体・・・。

    2005-08-21 21:58:00
  • 371:

    少し俯き気味な私が少しずつつ顔を上げるとそこにいたのは彼の彼女‥。
    『何でなん?!一輝っ!!あんたは私の男やろ?何でその女を追い掛ける必要があるん?なぁ?!』
    少しの沈黙が続く。
    『瞳送るから。いこっ?!』声を出したのは春だった。ずっと黙って様子を見ていた春。私の手を力強く握りわざわざ一輝の前を通って外に出た。

    2005-08-21 22:08:00
  • 372:

    一輝と瞳がうまくいきます様に…ミカなんかあっちに行け

    2005-08-22 05:05:00
  • 373:

    ミカ 必死なんやろな

    2005-08-22 05:14:00
  • 374:

    ミカまぢ嫌い。。。ひとみちゃん頑張って。。。

    2005-08-22 11:42:00
  • 375:

    でもミカみたいな痛客おるやんなぁ〜!

    2005-08-22 22:42:00
  • 376:

    おるおる☆

    2005-08-24 03:33:00
  • 377:

    続き読みたいなあ☆

    2005-08-25 04:33:00
  • 378:

    待ってるょん?最初からずーっと見てるから?返事はいらなぃので完結まで頑張って下さい???

    2005-08-25 05:24:00
  • 379:

    名無しさん

    うちもずっと好きな小説ゃし、待ってる?? 瞳サンのペースで頑張ってね?

    2005-08-25 23:56:00
  • 380:

    上げてしまってスイマセン!

    2005-08-25 23:57:00
  • 381:

    遅くなって申し訳ないですm(__)m今から更新していきます☆彡温かい目で見守って貰えて本当にうれしいです(*^_^*)ありがとぉございます☆彡

    2005-08-26 05:07:00
  • 382:

    リアルタイムで読ませて頂きます?

    2005-08-26 05:10:00
  • 383:

    >>375続き‥
    『大丈夫か?』
    春が私を抱きながら何度も聞く。心配してくれる春。でも不機嫌なのは すぐに分かった。
    『唯ちゃん、今日瞳、俺の家に送ってくれん?すぐ近くやから。頼んでもいいかなぁ?今日だけは一緒におりたいねん。』
    『分かりました。』
    二人はすぐにタクシーを止めて私を乗せた。何度も何度も後ろを振り返っても やっぱり一輝の姿は無かった。

    2005-08-26 05:13:00
  • 384:

    できれば今日はここまでってのがほしい

    2005-08-26 05:19:00
  • 385:

    (略)二人はすぐにタクシーを止めて私を乗せた。何度も何度も後ろを振り返っても やっぱり一輝の姿は無かった。
    『じゃ瞳すぐ帰るからちょっとだけ待っててな』
    頷くだけで精一杯・・・。渡された鍵を力一杯握り締めてただ溢れる涙をこらえるのに必死だった。
    『チーママっ・・・』

    2005-08-26 05:45:00
  • 386:
    ???

    しおり??

    2005-08-26 06:45:00
  • 387:

    更新ありがとうです☆

    2005-08-27 05:08:00
  • 388:

    名無しさん

    意見全く無視やん!ワラ

    2005-08-27 11:00:00
  • 389:

    あげないで

    2005-08-27 15:45:00
  • 390:

    名無しさん

    2005-08-27 23:22:00
  • 391:

    あげんなよ

    2005-08-28 04:52:00
  • 392:

    とてもこの小説が好きで更新楽しみにしてます?が、読んでぃる方の意見も聞ぃてみたらどぅでしょうか?これからも頑張って下さい?応援してます?

    2005-08-28 22:20:00
  • 393:

    2005-08-29 16:58:00
  • 394:

    ンンン

    2005-08-29 16:58:00
  • 395:

    400ニャン???

    2005-08-29 16:59:00
  • 396:

    もぅ書けへんの?

    2005-08-30 11:41:00
  • 397:

    名無しさん

    注文ばかりで嫌になってるかもしれないけど、皆さんこの小説を面白いと思うからこそ読んできたんだと思います。私もハマってしまい、ずっと読んでました♪書き込みするのは初めてですが本当に応援してます(>_

    2005-08-31 16:02:00
  • 398:

    メールのとこに“sage”いれてかな

    2005-08-31 18:42:00
  • 399:

    瞳ちゃん頑張って!毎日見てるからね。欲を言えば一日一個でも少しずつでいいから更新してほしい…?

    2005-08-31 18:53:00
  • 400:

    あさみも楽しみに待ってるので、ゆっくりでもいいんで完結させてくださいね。

    2005-09-01 02:16:00
  • 401:

    ハヨシテや

    2005-09-01 06:02:00
  • 402:

    完結する気無いやろ やるきゼロやん みんなの意見無視して だから美香にとられるねん ぷっ

    2005-09-01 13:50:00
  • 403:

    主さん、応援してるけどちょっと待たせすぎやと思うで?

    2005-09-01 21:19:00
  • 404:

    名無しさん

    >>47 言うのも仕方なぃと思う?
    いくらなんでも待たせ過ぎ?

    2005-09-02 06:10:00
  • 405:

    上げてスイマセン

    2005-09-02 06:11:00
  • 406:
    ???

    ?しおり?

    2005-09-02 17:37:00
  • 407:

    こんなん言うのもぁれゃけど…いくら書く時間ないゆーても遅すぎ?毎日みてるのに?サゲ更新でこんだけの人がみてるのに…何か残念ゃゎぁ?

    2005-09-02 23:01:00
  • 408:

    おちょくってるんちゃん

    2005-09-03 05:30:00
  • 409:

    ↑言えてる?最低やな 性格ひねくれすぎやろ

    2005-09-03 17:17:00
  • 410:

    そんなん言うねんやったらみんときぃや?読みたいくせに

    2005-09-03 19:43:00
  • 411:

    ↑主ちゃうんワラ やっぱ性格悪いなワラワラ もう読みませ〜ん

    2005-09-04 01:42:00
  • 412:

    そんな事言う↑もひねくれワラ

    2005-09-04 16:34:00
  • 413:
    ???

    待ってマスッ??????

    2005-09-04 19:27:00
  • 414:

    はよ書けゃ!!!!!
    見てる人に失礼やろ

    2005-09-05 04:46:00
  • 415:

    見るんじゃなかったこんな小説

    2005-09-05 05:17:00
  • 416:

    みんな言い過ぎやわ 言い方ってもんがあるやん 確かにこの小説楽しみにして見に来ても更新されてなかったら残念やなーって思うけど、更新して欲しいから書き込みするんやろ??瞳ちゃんも小説続ける気あるんやったらホンマ更新してくださいm(__)m みんな期待して見に来てるんやから?

    2005-09-05 22:34:00
  • 417:

    確かにみんな言葉悪すぎやわ?確かに遅すぎるけど主さんにも生活だってあるやろし仕方ないやろぉ?他の小説でも読んで待っとこうや?

    2005-09-05 22:50:00
  • 418:

    待ってるので続きよまして下さいね。

    2005-09-07 03:10:00
  • 419:

    名無しさん

    どないなっとんねん!!!

    2005-09-07 08:15:00
  • 420:

    名無しさん

    もうこの小説に期待すんのはやめたほがいいやろ?こんなん言いたくないけど主こんだけみんなカキコしてんのに無関心すぎるわ。スレん中でもめてるけど怒る奴の気持ちもわかるで

    2005-09-07 13:52:00
  • 421:
    ???

    待ってます??

    2005-09-07 14:25:00
  • 422:

    名無しさん

    待ってるよ?

    2005-09-07 16:22:00
  • 423:

    名無しさん

    頑張ってネ?

    2005-09-08 04:51:00
  • 424:

    名無しさん

    2005-09-08 06:58:00
  • 425:

    sage進行せな瞳ちゃん書きにくいから って早くコメントしてよ 瞳ちゃん‥

    2005-09-08 07:00:00
  • 426:

    名無しさん

    完結出来ナイナラ最初カラ書クナヤヘタレ

    2005-09-08 07:13:00
  • 427:

    名無しさん

    2005-09-08 07:18:00
  • 428:

    名無しさん

    431バリきも?ィ?バクワラ?

    2005-09-08 07:55:00
  • 429:

    名無しさん

    潰す??? 潰さなぃ???

    2005-09-08 09:15:00
  • 430:

    つぶさないでm(_ _)m

    2005-09-08 09:17:00
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