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雪降る季節
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1:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
「今までありがとう。楽しかったよ」
俺はそんなありきたりな言葉で話を締めくくった。目の前では、三年間一緒に過ごしてきた女が涙をためてうつむいている。2005-12-12 01:46:00 -
21:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
「お前あけるのおせーよ。お邪魔しまーす」
晃の声で、佐々木がむくりと起き上がった。晃はギョッとして佐々木を凝視する。
「よっくんおはよー。あ、ごめんなさぃ、お邪魔してます」
佐々木は晃に丁寧に挨拶したけど、晃は軽く頷いただけだった。2005-12-12 14:30:00 -
22:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
晃は明らかに機嫌が悪く、ちょっと気まずい空気だった。その空気を読んでか、佐々木は俺と晃の会話に入ってくるわけでもなく、手早く化粧を直した後、
「今日はほんとにありがと、助かったわぁ。お邪魔しましたー」
と笑顔で言い、そそくさと出ていった。2005-12-12 14:36:00 -
23:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
佐々木が出て行った後、俺は眉をひそめて晃に言った。
「お前なぁ、もーちょい愛想よくできないわけ??俺の友達なのにさぁ」
「俺、あーゆーギャルみたいな奴嫌いだから」
晃はしれっと言った。俺はなんだか追い出してしまったみたいで、佐々木に申し訳ない気持ちだった。2005-12-12 14:40:00 -
24:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
塾が終わって携帯を開くと、佐々木からメールがきていた。
《今日は友達くるのに押しかけてごめんね↓バイト頑張って☆》
なんかこの子、謝ってばっかりだな…。俺は、
《全然いいよ、こちらこそごめん!!よかったらまたおいで☆(笑)》
と返してみた。2005-12-12 14:57:00 -
25:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
すると、
《まぢでぇ??ぢゃぁまたお邪魔しちゃうかもね(笑)》
とまんざらでもないようなメールが来て、俺は少し嬉しくなった。
それから、俺と佐々木は毎日メールをするようになった。2005-12-12 15:00:00 -
26:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
メールをするようになって4日目に、佐々木から、
《今から彼氏が来るから、メールできない》
とメールがきた。
《別にやましいことは何もないからいいやん(笑)》
《そーだけど、うち彼氏に信用されてないから↓》2005-12-12 15:05:00 -
27:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
あぁ、確かに遊び人に見えるもんな…。思ったことをそのまま伝えると、佐々木はショックを受けていた。でも俺が、
《遊び人に見えるってことは、可愛いってことやで☆》
と送ると、嬉しそうだった。次に俺がメールを送ると、もう返事は返ってこなかった。彼氏が来たのだろう。
佐々木から再びメールが来たのは、二日後の朝だった。
《彼氏帰ったよ☆》2005-12-12 15:12:00 -
28:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
佐々木は今の彼氏と1年半くらい付き合っているらしい。少し遠いので、二週間に一回位しか逢えないという。
毎日メールしていると、嫌でも逢いたくなってくる。俺は口実を作って佐々木を家に呼んだ。佐々木の彼氏に罪悪感はなかった。知らない人だし、自分さえ楽しかったらよかったから。2005-12-12 15:19:00 -
29:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
だけど佐々木は違った。今の彼氏と付き合ってから、他の男の家にあがったのは初めてだという。彼氏への罪悪感と共に、元クラスメイトの美穂に対しても申し訳なぃと言ってうなだれていた。美穂がまだ俺に未練があることを知っていたから。
2005-12-12 16:42:00 -
30:
彩芽 ◆emRWXVV5T6
佐々木はその日、バイトが終わって一旦家に帰り、お風呂に入ってから電車で俺の所に来た。俺は駅まで迎えに行った。佐々木が俺の前に姿を見せた時、まだ朝9時にもなっていなかった。話によると、金土だけバーで働いているらしい。忙しい時は朝まで働いているのだそうだ。ストレートの髪で、前より少し化粧が薄めの佐々木は、本当に可愛かった。
しばらく世間話をした後、俺が「なんでうちに来る気になったん??」と聞くと、佐々木はうつむいた。2005-12-12 16:52:00